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No.109 中央アルプス(2/4)
山行の2日目で、宝剣山荘から木曽殿山荘まで、宝剣岳〜桧尾岳〜熊沢岳〜東川岳と縦走しました。途中までは、素晴らしい眺望を満喫しましたが桧尾岳からは雲が湧いて、ガスの中の山行となりました。

日時 2008年(平成20年)10月8日(水)〜11日(土)  10月8日の山行概要:中央アルプス(1/4)
天候 10月9日(木) 晴後曇 10月10日の山行概要:中央アルプス(3/4)
同行 なし 10月11日の山行概要:中央アルプス(4/4)

10月9日 所要時間
宝剣山荘(6.15) ←15分→ (6.30)宝剣岳(6.35) ←35分→ (7.10)三ノ沢岳分岐(7.10) ←1時間30分→ (8.40)濁沢大峰(8.45) ←1時間30分→ (10.15)桧尾岳(10.20) ←30分→ (10.50)昼食(11.15) ←55分→ (12.20)熊沢岳(12.25) ←1時間25分→ (13.50)東川岳(13.50) ←25分→ (14.15)木曽殿山荘(泊)

10月9日 山行概要

中央アルプス(1/4)より
桧尾岳と紅葉
桧尾岳
山肌の紅葉のコントラストが見事だった
朝5時過ぎに寝床から起きだし、ザックを持って階下の食堂へ降り、食堂の片隅で湯を沸かして魔法瓶と昼食用のアルファ米に湯を詰めました。私の傍らでも数人組みのパーティーが朝食の準備をしていました。最近の山小屋では珍しい光景です。朝の準備が一通り終り、一息入れたところで6時の朝食になりました。食事が終わるとそのままザックを担いで山小屋の外へ出ました。
快晴とは言えませんが、朝日が射しており、まずまずの天候です。目の前の宝剣岳は、登る人も下る人も、見かけません。きつい登りですが頂上までは、僅かです。汗をかかないうちに頂上に着きました。頂上からはこれから向かう空木岳や南駒ヶ岳、南アルプスとその向こうに頭を出している富士山、御岳、八ヶ岳などが遠望できます。また、眼下には紅葉の千畳敷のカールが広がっています。無人の頂上で独り、目の前の景色を楽しみました。
頂上に着いた時は、無人でしたが、頂上でソロの男性の登山者に追い越されました。この人とは、宝剣山荘で同じ部屋に泊まり、木曽殿山荘でも食事のテーブルが同じだったので、言葉を交わす機会がありましたが、今回の山行の目的は南駒ヶ岳とのことでした。

この登山者に追い越されたのを機会に、宝剣岳を後にしました。宝剣岳の下りの岩場は、三ノ沢岳分岐で終り、しばらく気持ちの良い稜線歩きが続きます。行く手には桧尾岳へ続く稜線とその向こうに空木岳と南駒ヶ岳、右に三ノ沢岳、左に千畳敷とその先に南アルプス、富士山が眺められます。三ノ沢岳分岐から始まった稜線歩きは、極楽平の少し先で終り、下りが始まります。鞍部を過ぎて再び上り返したところが濁沢大峰です。
ルートマップ着いて見ると2パーティ、5〜6人ほどの人が休んでおり、私もここで一休みしました。濁沢大峰を過ぎると少しの間やせ尾根の上を歩き、そのあと潅木の林の中を歩きますが、辺りはちょうど紅葉のピークを迎えていました。やがて桧尾岳の登りが目の前に現れます。山肌の黄、赤、緑の鮮やかな彩が目を奪います。しばし目の前の光景に見ほれていました。桧尾岳は、最初少しきつい登りが続き、やがて草原状の緩やかな登りになると、まもなく頂上です。朝、小屋を出る時は、この辺りで昼食と思っていたのですが、頂上は生憎ガスっていて何も見えません。この先で昼食を取ることにしました。
桧尾岳の頂上を後にすると、しばらく白い花崗岩の中を歩き、やがて潅木が周りに目立つようになります。桧尾岳から熊沢岳までは、小さなアップダウンはありますが、さしたる登りも下りもありません。桧尾岳から30分ほど歩いたところで、昼食を取りました。このあと熊沢岳まで、周りの視界が殆どないガスの中を歩きました。熊沢岳の頂上もガスの中で、視界はありません。頂上で写真を数枚写して先へ進みました。熊沢岳を過ぎるとしばらくハイマツ帯の中を歩きます。晴れていれば、素晴らしい景観を楽しめそうですが、相変わらず周りは雲が湧いて遠望は出来ません。
やがてハイマツ帯が終り、少し下ったところで左側の雲の中から空木岳の頂上へ延びる斜面が垣間見えるようになりました。雲の切れ目に紅葉の迫力満点の山肌が現れます。しばらく足を止めて、これを眺めていました。この後、東川岳の登りが始まります。長くはありませんが、最初の岩場とその後の嫌というほどきつい登りが待っていました。
東川岳もガスの中で眺望はありません。ここも写真を数枚写して素通りしました。頂上直下の階段状のきつい下りが途切れたところで、目の前に空木岳が現れました。黄色と緑の衣をまとい、頂上に向かって真っ直ぐ伸びているナイフエッジ状の稜線沿いの登山道が目を惹きます。この空木岳の姿を楽しみながら、急坂を下りました。やがて眼下に今日の泊まりの木曽殿山荘が現れました。
木曽殿山荘に着いて受付を済ませ、2階へ上がり、荷物を整理して一息入れました。先客は、10名ほどで、今日はくつろげると思ったら大間違いでした。結局この日は60〜70名ほどの人が泊まったようで、夕食後布団の割り当ては1人1枚でなく、3人で2枚程度といわれたときは、あの北岳山荘を思い出しました。しかし、ラッキーなことに割り当てられた場所は一番端でした。

この日、私と逆の方からを歩いて来る人とは会いませんでした。大半の人は私と同様、千畳敷から南下するコースを取るようです。このコースは、千畳敷までケーブルカーを利用すると、一見標高差が少なく、楽に歩けそうですが、稜線上を忠実に歩く感じで、小さなアップダウンが連続しており、予想以上に体力を消耗します。以下中央アルプス(3/4)

木曽殿山荘
小屋は整理整頓が行き届いていており、言うことなし(特にトイレは特筆モノ)でしたが、小屋番は最低で、この小屋には2度と泊まりたくない、という思いを強くしました。ここの小屋番(オーナー?)は、予約無しの宿泊客に対しては、受付時に嫌味をたっぷり聞かせ、しきりに予約要を公にしていると力説していました(因みに上松町の観光協会のホームページからリンクを張ってあるこの小屋のホームページには、予約要とは明記されていません。)。そして、ナント、驚いたことに何人かの予約無しの宿泊客には、夕食を出さず、おにぎりを2個千円で売っていたそうです。ちなみに、私も受付時に明日歩くコースと宿泊の予約の有無を詰問調でやられ、更に受付を済ませ、2階に上がって荷物の整理を始めると、追いかけるように上がって来て、ザックを必ず指定の場所に置くように、これもまた詰問調でやられました。また、魔法瓶に湯を詰めてもらいに行くと、魔法瓶に残っていた水を外で捨ててこいと、小屋の外まで捨てに行かされ、不快な思いをさせられました。1階にも2階にも禁止事項(やかんの湯を水筒に入れるな等々)を記載した命令調の張り紙があり、夕食では、鍋から取るおでんの具の数を宿泊客に数えさせたり、そうかと思うと山のガイドブック用の写真家が同宿していると、得々と紹介したりと、少なくとも一般の宿泊客に顔が向いているとは、言えません。この小屋も、山の写真家も、一般の登山者があって成り立っているということが、ここの小屋番の頭にないようです。百名山ブームに胡坐をかいた傲慢な小屋番で、冒頭にも述べましたように、2度とこの小屋に泊まる積りはありません。

中岳と朝日 宝剣岳の登りの途中から見た木曽駒ケ岳と中岳
小屋は赤屋根が天狗荘で青屋根が宝剣山荘
宝剣岳頂上 宝剣岳頂上
写真のように狭い岩峰で10人も人が集まると一杯になる
この日、私が着いた時は誰もいなかった
桧尾岳から空木岳へ延びる稜線 宝剣岳から空木岳方向
明日歩く空木岳や南駒ヶ岳はまだ随分遠くにある
三ノ沢岳分岐 三ノ沢岳分岐
ここから極楽平の先までのしばらくの間、アップダウンの少ない快適な稜線歩きを楽しめる
極楽平 極楽平
昨年はケーブルカーの山頂駅から、ここに登り、宝剣岳〜木曽駒〜乗越浄土と歩いた
中央アルプス稜線 極楽平の先の小さなピークから眺めた桧尾岳、南駒ヶ岳、空木岳
この頃から行く手に雲が湧き始めた
遠方の二つのピークが空木岳と南駒ヶ岳で、まだはるかに先である
濁沢大峰の登りから後ろを振り返る 濁沢大峰の登りから木曽駒方向の眺め
尾根の東面側が紅葉していた
濁沢大峰 濁沢大峰から桧尾岳方向の眺め
痩せ尾根沿いの道が見えるが、その先は雲の中だった
この写真の尾根の先から、桧尾岳にかけて、紅葉が素晴らしかった
紅葉 紅葉
濁沢大峰を過ぎると、しばらく素晴らしい紅葉を間近に見て歩く
紅葉の山 濁沢大峰から続く尾根を下り、桧尾岳の登りが始まるところで後ろを振り返るとこちらも見事な紅葉だった
天気が良かったのはここまでで、この後は雲が湧いて眺望は得られなくなった
桧尾岳 桧尾岳
着いた時は、写真のように周りに雲が湧いていて、何も見えなかった
残念、もう少し早く着いていたら景観を楽しめたのにと早く着けなかったことを悔やんだ
霧の稜線 桧尾岳〜熊沢岳間の登山道
岩、ハイマツ、潅木が入り混じる中を、小さなアップダウンが間断なく続く
熊沢岳 熊沢岳
だだっ広い頂上だが、ここも雲の中で周りに何があるのか、全く分からなかった
ハイマツ帯の道 熊沢岳を過ぎると、ハイマツ帯の中の緩い下りの道がしばらく続く
空木岳の山肌 雲の中の空木岳の山肌
東川岳の登りが始まる手前で、雲間に空木岳が垣間見えた
写真では分からないが迫力満点の山肌だった
東川岳の登り 東川岳手前の岩場
10mを越す高さの岩場で、これを越えると頂上まで続く急登が待っている
東川岳 東川岳
頂上は広く、晴れていれば空木岳の好展望台と思われるが、この日は生憎何も見えなかった
空木岳 空木岳
東川岳から木曽殿山荘へ下る途中で、空木岳が姿を現した
頂上は写真のピークの向こうにあり、この写真には写っていない
当然下の木曽殿山荘からも頂上は見えない
木曽殿山荘 木曽殿山荘
小屋に無料の水はなく、代わりにミネラルウォーターを売っている
水場は小屋から片道10分ほどのところにあり、水量は豊富
小屋から水場までは、ほぼ水平に歩き、アップダウンは殆どない
この小屋の1階の休憩室からは南駒ヶ岳が目の前一杯に広がっている

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