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No.33 丹沢主稜
秦野の丹沢山開きが4月18日とあったので、人出の少ないうちにと、晴れ間を見計らって丹沢の主脈と主稜の一部を歩きました。今回はユーシンロッジを起点に塔ノ岳〜蛭ヶ岳〜檜洞丸と歩き、同角山稜を下ってユーシンロッジに戻りました。

日時 2004年(平成16年)4月6日(火)〜7日(水)
天候 4月6日 晴
    4月7日 晴
同行 なし

所要時間
4月6日
ユーシンロッジ(6.30) ←1時間10分→ (7.40)尊仏ノ土平(7.45) ←1時間45分→ (9.30)水場(9.45) ←15分→ (10.00)塔ノ岳(10.15) ←55分→ (11.10)竜ヶ馬場(11.15) ←30分→ (11.45)丹沢山で昼食(12.40) ←1時間5分→ (13.45)不動ノ峰(13.50) ←35分→ (14.25)鬼ヶ岩(14.30) ←40分→ (15.10)蛭ヶ岳山荘
4月7日
蛭ヶ岳山荘(6.10) ←1時間10分→ (7.20)臼ヶ岳(7.30) ←15分→ (7.45)神ノ川乗越(7.55) ←35分→ (8.30)金山谷乗越(8.35) ←1時間10分→ (9.45)檜洞丸(10.10)→以下同角山稜

山行概要
4月6日

蛭ヶ岳頂上から見た夕焼けの富士山
蛭ヶ岳頂上から見た夕焼けの中の富士山
前夜泊まったユーシンロッジには、私の他に6人の泊り客がありましたが、全員が釣り客でした。釣り客の一人は、つい最近この辺の渓流の釣りが解禁になり、今が釣りのベストシーズンだと言っていました。

現在ユーシンロッジは自炊でしか泊まれませんので、朝食は自分で作ったインスタントラーメンを食べてユーシンロッジを出発しました。今年の1月に蛭ヶ岳へ登った時は、あたり一面が凍りついていましたが、今日は道路の水溜りも凍っておらず、随分暖かく感じます。塔ノ岳の登り口がある尊仏ノ土平までの林道歩きで、既に汗をかきはじめました。

尊仏ノ土平から登山道に入ります。最初は薄暗いスギの植林帯の中を歩きます。やがてヒノキが混ざるようになるとすぐブナの林になり、登りも少しゆるくなります。この登山道には3〜400mごとに塔ノ岳までの距離を示す導標が立っており、自分の現在地が良く分ります。塔ノ岳まで1.1Kmの導標がある辺りからアシビが目立つようになり、やがて登りが急になってしばらく歩くと水場に着きました。この水場はきれいに整備されており、富士山がよく見えます。ここから先は登山道の近くに水場がありませんので、ここで水を補給して手持ちの水の量を2.5リットルにしました。水の消費量を今日1リットル、明日1.5リットルとの目算です。

水場には塔ノ岳まで300mの導標がありますが、急坂で頂上まで結構時間がかかりました。塔ノ岳の頂上は、人影がまばらでしたがそれでも人の行き来は絶えることがありません。私がこれから向かう丹沢山の方へも数人の登山者が向かって行きました。塔ノ岳から丹沢山までの登山道は、一部雪が残っていましたが、大半は泥田状になっていました。道は最悪のコンディションでしたが、比較的平坦な道が続きますので、風が無く見晴らしの良いのどかな山歩きを楽しめました。

丹沢山で昼食にしました。最初は誰もいませんでしたが、しばらくすると天王寺尾根の方から登山者が登ってきて、私の隣のベンチで昼食を食べ始めました。私と同様昨年リタイアして山歩きを始めたとのことで、これまで奥多摩が多かったのですが、今日は塩水川橋まで車で来て天王寺尾根を登って来たそうです。今日会う登山者は私が最初で、丹沢は静かで良いと言っていました。昼食は私が先に終っていたので、話の切りの良い所で、ベンチを後にしました。

丹沢山を蛭ヶ岳の方へ少し下ると小さなピークがあり、これを越えると不動ノ峰が真正面に広がり、不動ノ峰までは一度かなり下るのが分ります。泥田の急坂で、転べば泥んこになりますから、慎重に下りました。不動ノ峰の登りは笹原の中の明るい道です。それほど急坂ではありませんが、ここまで塔ノ岳、丹沢山と歩いて来ていますので、しばらく登ると息が苦しくなってきます。そろそろ一息と思い出し始めた頃、古びた小屋のある休憩所に着きました。ここで一休みしましたが、ここまで来ると不動ノ峰の頂上までは僅かです。

不動ノ峰を登り始めた頃から後ろの丹沢山の方に雲がかかりだしており、不動ノ峰の頂上に着いた時は、周りに雲が湧いて景色は殆ど見えなくなりました。雲は時々切れますので、不動ノ峰を越えた所で、蛭ヶ岳が見えるのをしばらく待ちましたが、結局見えませんでした。不動ノ峰から少し下ると棚沢ノ頭です。棚沢ノ頭から蛭ヶ岳までは今年の1月に歩いたばかりの勝手を知った道になりますので、ここに着いた時はホッとした気持ちになりました。

鬼ヶ岩を過ぎ、蛭ヶ岳の登りにかかった所で周りの雲が切れだし、振り返ると鬼ヶ岩が良く見えました。今日泊まる蛭ヶ岳山荘には先客が既に3人おり、私が4番目でしたが予約客はこれだけとのことです。部屋は空いているので、好きな所に布団を敷いて良いとのことでしたので、空いている一方の壁際に自分の場所を取りました。この日はこの後フリーの客が一人泊まり、宿泊客は5人になりました。ここは夜景がきれいに見えるところですので、夕食後暗くなってから小屋の前に出てみると目の前に厚木や湘南の市街地の光の海が広がっていました。


4月7日
朝食は5時半からでしたが、日の出を見ようとしたりして、食べるのが少し遅くなりました。食事が終って6時前の天気予報を見て(蛭ヶ岳山荘はテレビが写ります。)小屋を出発しました。今日の天気予報は晴れでしたが、小屋を出る時上空には薄い雲がかかっていました。檜洞丸へ向かう場合、頂上からすぐ急坂を下りますが、雪は殆ど付いておらず、アイゼンを着用する必要はありませんでした。万一を考え、アイゼンを持って来ていたのですが、杞憂に終りました。しかし良い方に外れたのでやれやれです。この急坂は「蛭ヶ岳まで400m」の標識を過ぎると更にきつくなり、クサリ場が出てきますが、危険を感じるようなことはありませんでした。

蛭ヶ岳を下りきるとミカゲ沢ノ頭ですが、ここから臼ヶ岳までは緩やかな登りになります。時々後ろを振り返ると随分高い所に蛭ヶ岳の頂上が見えます。臼ヶ岳は樹木に覆われ、見晴らしはあまりありません。ここで少し休憩を取り、導標に従って檜洞丸へ向かいました。ブナの林の中の緩やかな下り坂を下って行くとヒメシャラの林が出てきます。箱根の駒ヶ岳のヒメシャラの林の木より大きさでは劣りますが、数はこちらの方が多そうです。このヒメシャラの林を過ぎた所が神ノ川乗越ですが標識があるだけで、特に特徴的なところはありません。神ノ川乗越で写真を写していると、昨日蛭ヶ岳山荘で同宿になった登山者に追い越されましたが、このあと檜洞丸の頂上までこの登山者と先になったり後になったりしていました。

神ノ川乗越から金山谷乗越までは小さなピークを越えて行きますが、葉を落とした林の中の気持ちの良い道が続きます。金山谷乗越は神ノ川乗越と異なり、崩れかけた痩せ尾根に梯子や桟道が掛けられ、今にも土砂崩れが起こりそうな危うい感じのする所です。ここからすぐ檜洞丸の急登が始まると思っていたのですが、少し平坦な道が続き、道の両側にはシロヤシオの木が何本かまとまって生えていました。また左の方には今日これから向かう同角ノ頭がだいぶ高い所に見えます。

檜洞丸の登りは見晴らしの無い中でこれでもかという急登がしばらく続きます。それでも、やがて傾斜が緩やかになり、大きなブナの木の林の中を歩くようになります。いつのまにか同角ノ頭が目の下に見えるようになっていました。また、この林の中の彼方此方に出ているバイケイソウの芽も目に入るようになります。バイケイソウは人に対しては毒草ですが、鹿にも毒草で鹿には食われないのでしょうか? やがて「この先150m公衆便所あり」の標識が現れると上の方に青ヶ岳山荘が見えてきます。檜洞丸の頂上は青ヶ岳山荘のすぐ上で、頂上にはここまで私と前後して歩いていた前述の登山者が休んでいました。この登山者はここからどのルートを下るか前夜から迷っていたようですが、結局犬越路の方ではなく石棚尾根を下って行きました。登山者が去った無人の頂上で少し長い休憩を取った後、同角山稜へ向かいました。・・・以下は同角山稜

今回歩いたルートのうち蛭ヶ岳〜檜洞丸間は、健脚者向きとガイドブックに紹介されていますが、蛭ヶ岳山荘や青ヶ岳山荘に泊まれば、私のような中高年者でもさほど無理なく歩けると思いました。このルートは丹沢の中でも最も静かで山深さを感じさせます。新緑の頃、歩いてみたいルートです。

4月6日 ユーシン〜蛭ヶ岳
ユーシンロッジ ユーシンロッジ
神奈川県の施設のためか場違いの大きさの建物で、老夫婦が管理している
玄倉林道を自由に通行できていた頃は人が多く集まっていたのかもしれない
今は静かというより、寂れた感が強い
尊仏ノ土平 尊仏ノ土平
塔ノ岳の登山道側からユーシン側を写した写真
ユーシン側から歩いてくると、ここで広い鍋割沢を渡って塔ノ岳への登山道に入る
塔ノ岳の登りのブナ林 塔ノ岳の登り
尊仏ノ土平から登って来て植林帯を抜けるとブナを主体にした落葉樹の林がしばらく続く
           
水場 塔ノ岳頂上近くの水場
パイプから水が勢い良く流れており、休憩用のベンチも設置してある
見晴らしも良く一息つくには最高の場所
頂上まで300mとあるが、急坂で予想以上に時間がかかる
水場から見える富士山 水場から見た富士山                
塔ノ岳頂上 塔ノ岳頂上
季節外れ、平日、時間も早いとあって人影はまばらだったが、それでも人影が絶えることは無かった
この日は富士山がよく見えた
塔ノ岳方向から竜ヶ馬場方向を見る 塔ノ岳から丹沢山へ向かう稜線
竜ヶ馬場方向を見る
この日は右方向に大山、左方向には富士山が良く見えた
不動ノ峰 不動ノ峰
丹沢山の方から見ると随分大きくボリューム感が感じられる
不動ノ峰頂上近くの休憩小屋 不動ノ峰頂上近くの休憩小屋
古びているが雨露は十分しのげるので、これからの季節なら避難小屋としても使える

不動ノ峰頂上 不動ノ峰の頂上
あいにくガスがかかり始め、周囲の見晴らしは得られなくなった
鬼ヶ岩 蛭ヶ岳の登りで後ろを振り返ると稜線にかかる雲が消え始めていた
雲の流れが印象的だった
蛭ヶ岳の頂上と蛭ヶ岳山荘 蛭ヶ岳の頂上と蛭ヶ岳山荘
蛭ヶ岳山荘は比較的新しく、小屋番は一人で黒い人懐こい犬が同居している
近くに水場は無いが、小屋で水を売っている
蛭ヶ岳の夕焼け 蛭ヶ岳頂上の夕焼け
富士山の方から大室山の方にかかる雲が滝のように見えて迫力があった

4月7日 蛭ヶ岳〜檜洞丸(以降は同角山稜へ)
蛭ヶ岳から見た檜洞丸方向 蛭ヶ岳頂上から見た檜洞丸方面
臼ヶ岳と檜洞丸の間に尖った三角形の同角ノ頭が目立つ
臼ヶ岳頂上 臼ヶ岳頂上付近
ここには休憩用のベンチと臼ヶ岳と記された導標があるが、臼ヶ岳の頂上は登山道から南側の方に少し外れている
ヒメシャラの林 ヒメシャラの林
臼ヶ岳を下ってくると神ノ川乗越の少し手前にある
神ノ川乗越 神ノ川乗越
特にこれといった特徴は無く、導標が立っていなければ見過ごしてしまう
のんびりした登山道 神ノ川乗越と金山谷乗越の間の登山道
明るく気持ちの良い道が続き、休憩用のベンチも設けられている
金山谷乗越 金山谷乗越
標高1310mで、丹沢の峠の標高では同角ノ頭の北側にある中ノ沢乗越に次いで2番目の高さになる
崩れかけたやせ尾根の鞍部で危うい感じがする

同角ノ頭 同角ノ頭
蛭ヶ岳から檜洞丸へ向かうと、三角形の尖った山容が目立つピークである
バイケイソウの芽 バイケイソウの芽
檜洞丸の頂上近くのブナの林の中に沢山生えていた
檜洞丸近くのブナ林 檜洞丸頂上近くのブナ林
明るく気持ちの良い林で、林床にはバイケイソウが沢山芽を出していた

青ヶ岳山荘 青ヶ岳山荘
檜洞丸頂上直下のブナの林の中にある
少し下から見上げるといかにも山小屋といった感じがする
青ヶ岳山荘裏の公衆トイレ 青ヶ岳山荘の裏の公衆トイレ
青ヶ岳山荘の裏には真新しい公衆トイレが建っていた
シロヤシオの見物人対策であろうか
檜洞丸頂上 檜洞丸の頂上
ブナの木に囲まれた明るい広場           
シロヤシオの樹肌 シロヤシオ(別名ゴヨウツツジ、マツハダ)の樹肌
アシビの樹肌の色と似た赤茶色で松の木のようなうろこ状の模様がある

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