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No.34 同角山稜
塔ノ岳から檜洞丸まで丹沢の主脈と主稜を歩いた後、ユーシンロッジまで同角山稜を下りました。同角ノ頭(1491m)から大石山まで、東丹沢の山々の眺めが素晴らしい尾根歩きを楽しめました。

日時 2004年(平成16年)4月7日(水)
天候 晴
同行 なし

所要時間
丹沢主稜から→ (9.45)檜洞丸(10.10) ←35分→ (10.45)ユーシン分岐で昼食(11.30) ←1時間5分→ (12.35)同角ノ頭(12.50) ←1時間→ (13.50)石小屋ノ頭(13.50) ←20分→ (14.10)大石山(14.25) ←50分→ (15.15)ユーシンロッジ

山行概要

同角ノ頭の頂上
同角ノ頭(標高1491m)の頂上
周りは木に覆われているが、今は葉を落としているので檜洞丸や蛭ヶ岳が樹間から良く見える。休憩用のベンチもある気持ちの良い小広場である。
丹沢主稜から続く
檜洞丸で休憩した後、丹沢主稜を離れ石棚尾根を下りました。つつじ新道の分岐までブナの林の中の木道を下ります。ここは大変気持ちの良い林で、写真を写しながらブラブラ歩きましたが、いくら時間があっても足りない気持ちになります。つつじ新道の分岐を過ぎ、更に少し下るとユーシンへの分岐に着きました。ブナ林の中に休憩用のベンチがある、森の中の静かな広場です。

昼食場所にはうってつけの場所でしたので、ここで早めの昼食を取りました。休憩場所はロープで囲われていて、周りの林床にはバイケイソウが沢山芽を出していました。檜洞丸の頂上付近の林のバイケイソウの芽より、こちらの方が一回り大きい芽です。鳥の名前はわかりませんが、チッチピー・チッチピーと繰返して鳴く鳥の声を聞きながら昼食を食べていると突然後ろの方から声をかけられ、びっくりしました。振り返ると登山者が一人こちらの方を向いて話し掛けていました。箒沢から石棚尾根を登って来たが、随分厳しいコースだったと言っていました。お互いの行き先や今日の天気のことなど少し話したあと、この登山者は檜洞丸の方へ去って行きました。この日会った登山者はこれが最後でした。

昼食の後、ユーシンへ向かいました。最初のピークの同角ノ頭へは一度下った後登り返します。下りは緩やかで落ち葉が厚く積もった道で、時々シロヤシオの大木が目につきます。随分下ったなと思い始めた頃、急な梯子が目の前に現れました。ここが丹沢では一番高い所にある峠の中ノ沢乗越です。これが同角ノ頭の登りの始まりで、この梯子を越えると頂上近くまで延々と木製の階段が続きます。ただしこの階段は段差を低くしてあるので歩き易いものでした。いずれも平成12年度と表示した銘板が取り付けられていますので、比較的最近設置された階段です。木製の階段が終ると同角ノ頭の頂上は目の前です。頂上は樹木に覆われていますが、今は殆どの木が葉を落としていますから、樹間から蛭ヶ岳や檜洞丸が良く見えます。シロヤシオの木が目につきました。

頂上で一息入れて先へ進みました。歩き始めるとすぐ進行方向の左側が崩れ落ちたガレ場の上に出ます。見晴らしの良い所で、蛭ヶ岳、塔ノ岳、鍋割山等の丹沢の山々がさえぎる物もなく目の前に広がっています。このあとキレットまで片側或いは両側が切れ落ちた痩せ尾根の上を何回か歩きますが、その殆どに転落防止用のクサリが設置されており、それほど緊張を覚えることはありません。いずれも見晴らしがよく、爽快な気分で歩けます。

痩せ尾根を下りきった所がキレットです。ここにも新しい桟道が掛けられており、下さえ見なければ特に緊張は覚えません。ただし桟道の両側とも目の下がスッパリと切れ落ちていますから、高所恐怖症の気味のある人は桟道を通るのに二の足を踏むかもしれません。キレットを越えると大石山までは、高さ5mぐらいの鉄製の梯子が1ヶ所あるだけで、あとは普通の道が続きます。キレットを過ぎて1353mのピークを越えると、木の間から大石山の白い山頂が見えるようになります。緩やかな坂を下り続けると、大石山頂上直下のクサリ場につきます。高さは30mぐらいでしょうか、同角山稜のコースで一番高いクサリ場です。白い岩の上に崩れた砂利が一面に浮いていて滑り易いのですが、斜度がそれほどきつくありませんので、クサリをしっかり持っていれば危険は感じません。なお、この白い岩は石英せん緑岩だと、蛭ヶ岳の頂上の説明板に記載されていました。


同角山稜ルートマップ大石山の頂上はその名前の通り大きな岩がある見晴らしの良いピークです。目の前に広がる丹沢の山々を眺めながらこの日最後の休憩を取りました。ここで水を飲みましたが残りは0.2リットルほどになり、水をほぼ使い切りました。水の消費量は当初の思惑通りでした。ここからユーシンロッジまでは一気に500mぐらい下ります。下り始めるとすぐ林床が笹のブナ林が現れ、やがて常緑樹の多い林に変ります。樹間からはユーシンロッジの赤い屋根が時々見えるようになり、ドンドン近づくのが分ります。更に高度を下げると大きな岩が現れ、やがて杉の植林帯の脇を通るようになり、休憩用のあずま屋が現れます。ここまで来るとユーシンロッジはすぐそこで、暗い植林を越えるとユーシンロッジの裏の橋が現れました。この下りは確かに急ですが、全般的に荒れておらず、落ち葉が厚く積み重なっている所が多かったので、思っていたよりはずっと歩き易い道でした。

橋を越えてユーシンロッジの前の広場に出ると、広場には10数頭の鹿がいて、一斉にこちらの方に顔をを向けました。この鹿の群れは10mぐらいまで近づいても逃げません。車にザックや登山靴などを入れた後、ロッジを管理している老夫婦と帰宅の挨拶がてら雑談をしましたが、この時の話によると鹿は毎日来ているそうです。帰りの玄倉林道では行きに気がつかなかった山桜の花が目につきました。このあと久しぶりに小山のゆったり湯に入って、家に帰りました。

同角山稜は平成12年度に全面的に整備されたとユーシンロッジの老夫婦が言っていました。確かに新しい木道やクサリが多く目につき、恐怖感を覚えるような所は無く、随分歩き易いと思いました。しかし、アップダウンは結構ありますので、このルートで檜洞丸へ登るかと問われたら、二の足を踏むでしょう。

檜洞丸頂上付近から見た富士山 富士山
檜洞丸か石棚尾根を僅かに下ると富士山が良く見える
檜洞丸のブナ林 檜洞丸のブナ林
頂上直下からつつじ新道分岐まで、ブナ林の中の木道を歩く
実に気持ちのよい林である
ユーシンへの分岐 ユーシンへの分岐
これから周りの樹木の葉が茂ると薄暗いかもしれないが、今は明るく鳥のさえずりだけが聞こえる落ち着いた雰囲気の広場
              
中ノ沢乗越 中ノ沢乗越
目の前に急な階段が上の方にずっと伸びていて、ここから同角ノ頭への急登が始まる
標高1320mで、丹沢では一番高い所にある峠である
              
同角ノ頭への登り 同角ノ頭への登り
木製の階段や梯子が延々と続く
段差が低いので、意外に歩き易い
ガレ場からの眺望 同角ノ頭付近からの眺望
同角ノ頭過ぎるとすぐ見晴の良いガレ場に出る
ここからは丹沢表尾根方面が一望できる
写真中央のピークは塔ノ岳
ガレ場の上の登山道 ガレ場の上の登山道
同角ノ頭とキレットの間は、似たような場所を何回か通過する
転落防止用の柵が設置されているので、危険はあまり感じない
但し、基礎が浮いてしまっている柵の支柱もあるので、要注意

登山道の鉄製の梯子 鉄製の梯子
同角ノ頭とキレットの間に幾つか掛けれているが、それほど高いものはない

キレット キレット
写真手前が檜洞丸側、向こうがユーシン側
今はしっかりした桟道が掛けられていて通過に不安は感じない
同角山稜で最も高い鉄梯子 鉄梯子
同角山稜で一番高い梯子
高さは7〜8mで、キレットを越えて僅かに歩いた所に設置されていた
大石山頂上 大石山頂上
休憩用のベンチがあり蛭ヶ岳〜東丹沢の山々が一望できる
後方の2つのピークの右側が同角ノ頭
        
大石山頂上の眺望(蛭ヶ岳) 大石山頂上の眺望
蛭ヶ岳や東丹沢の山々が目の前に広がっている

登山道にある大きな岩 大石山からユーシンへ下る途中にある大きな岩
あずま屋 あずま屋
ここまで来るとユーシンロッジまで僅かの距離である
ユーシンロッジの裏の橋 ユーシンロッジの裏の橋
ここの河原でも先日畦ヶ丸の下山路で見つけたミツマタが花を付けていた
ユーシンロッジ前の鹿の群れ ユーシンロッジ前の鹿の群れ
10数頭いて10mぐらいまで近寄っても逃げようとしない

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