紅葉の大雪山(黒岳・裾合平・旭岳)(2/2)

9月16日 晴れのち曇り

4時起床。予報どおりのどっピーカンである。部屋で弁当を食べ、6時の始発に並ぶため、5時過ぎに出発。車がびゅんびゅん上がっていく。今日も混みそうだ。16分歩いて駅に着くと、本日の始発は5:30という。これはラッキー、縁起がいいわぇ。

5:50頃 姿見駅発

霜の下りたチングルマ
霜の下りたチングルマ
ロープウェイに10分乗って姿見に到着。身支度を調えて歩き出す。木道に霜が下りて真っ白になっている。ふと見るとカメラマンが草を接写している。その近くを通ったときに見ると、紅葉したチングルマの葉の周囲にだけ霜が付いて白く縁取られていてたいへん美しい。早速マネっこ。状態のよい被写体を探して姿見を彷徨った。

6:27 姿見池発(高度計:1600m, 温度計:10.8℃)

噴煙
噴煙
というわけで、駅から池まで10分くらいで着きそうなところを40分もかかってしまった。頭の中を登山モードに切り替えて出発。ちょっと寒かったが登りなのでTシャツにラグビージャージという格好。道はちょうど日陰に入っていて涼しかったが、徐々に日が差してきた。太陽は真正面。今回は冬用の、耳が隠れるが庇のない帽子を持ってきたので光線がまぶしい。周りの地元っぽい人たちの何人かはサングラスをしていた。なるほど。
ロープウェイの中から、化雲岳のすぐ後ろに見えたギザギザがトムラウシではないかとずっと気になっていたのだが、登るにつれてそれはいよいよトムラウシそのものになった。視線を手前に向けると、旭岳の南斜面も紅葉しており、池塘も周囲を金色に染めているのが見えた。
ザレた道は広く、自由にジグザグをきりながら登っていく。

7:22 八合目(2045m, 15.9℃)

大きくなってきた金庫岩
大きくなってきた金庫岩
金庫岩が大きく見えてきた。ザレザレだった道はここから岩に変わり、9合目 - 山頂とそれぞれ15分くらいの間隔で登れることは経験済み。あと少し、という気がする。下から大勢の登山者が来るのが見えた。あれと一緒じゃ山頂はたいへんだ。意識的にペースをあげて歩く。

8:01 旭岳登頂(2260m, 17.1℃)

旭岳山頂からトムラウシをのぞむ
旭岳山頂からトムラウシをのぞむ
山頂から姿見を見下ろす
山頂から姿見を見下ろす
ド快晴の山頂に到着した。ほんとうに雲ひとつもない、すんばらしい眺め(ぐるぐる写真)。山頂に出るとそれまであまりなかった風が吹いてきた。冷えてきたので、カッパを着込み、帽子の耳当てを下ろし、ネックウォーマーをつけた。
紅茶を飲んで暖まっていると、ヘリコプターが飛んできた。まさか遭難? 周りの人が手を振り始めた。おいおい、それじゃ救助信号みたいじゃん、やめなさい。と思ったがよく見るとヘリの脇腹にテレビカメラが付いていた。どうやら取材だったようだ。なーんだ・・・緊張した自分が馬鹿だった。

8:35 旭岳発

裏旭の急で一直線の下り
裏旭の急で一直線の下り
作戦会議。13時までに姿見駅にいれば、もし昨日のように下りのロープウェイを1時間待ったとしても、15:35発の飛行機には間に合うだろう。今から下山すれば11時前には姿見に着くだろう。一風呂浴びても余裕だ。しかし、東を見渡すと荒涼としたなだらかな道が間宮岳に続いているのが見える。大雪山らしい、大好きなシチュエーションだ。ピストンで帰るよりも歩いたことのない道を歩きたい。昨日よりもいい条件下での裾合平も見てみたい。間宮岳を経由して裾合平を周っても、昨日みたいにのんびり座ったりしなければ、13時には間に合うだろう。というわけで、東に向かって歩き始めた。
いきなりザレた急な下り。最初はジグザグが切ってあったが、そのうち一直線に下るようになった。斜度は45度近くあり、相棒Kはかなりの恐怖感を持ったようだ。

熊が岳の斜面を登る

裏旭の眺め
裏旭の眺め
熊が岳の荒涼とした眺め
熊が岳の荒涼とした眺め
最低鞍部でカッパを脱ぎ、熊が岳のゆるやかな斜面にとりかかる。後ろを振り返ると旭岳が聳えている。ここからの旭岳は姿見からとは違い、すっきりと凛々しい端正な姿だ。我々が先ほど通過した一直線の下りで団体が難渋しているのが見えた。
斜面を登りきると熊が岳山頂のミニお鉢平を覗きこめた。なんだか奇妙な眺めだ。

9:41 間宮岳分岐(2150m, 18.1℃)

間宮岳稜線の道
間宮岳稜線の道
分岐点にはベンチがあった。間宮岳の山頂標識はもう少し北に寄ったところだ。この辺りからはお鉢平は見えず、パッチワーク状に草が付いたなだらかな道が続いている。北アの双六岳や、同じ大雪山系の小泉岳によく似ていると思った。こんな道があるなんて想像もしていなかった。浮かれ気分でふらふら歩いた。

10:09 中岳分岐(2055m, 24.9℃)

ウラシマツツジと北鎮岳
ウラシマツツジと北鎮岳
裾合平を俯瞰する
裾合平を俯瞰する
大好きなタイプの道をゆっくりたっぷり堪能した。堪能しすぎてちょっと予定時間をオーバー。山頂からずっと休んでいないことに気付き、少しの間腰を下ろして軽食をとった。休憩を忘れるほど楽しい道だったということだ。
裾合平を眺めると、昨日よりも色がきれいに思えた。期待大。日が強くなってきたのでTシャツ1枚になった。

10:46 中岳温泉(1810m, 20.0℃)

チングルマ紅葉と旭岳
チングルマ紅葉と旭岳
温泉は速攻通過。裾合平へと急ぐ。
お目当ての裾合平は太陽の光を浴びて昨日とはまた違って見えた。旭岳方面は完全な逆光で、葉が陽光を反射してまぶしくてよく見えない。これならかえって昨日の方がきれいだったかも。しかしカメラのPLフィルタを通して見ると赤が鮮やか。昨日の暗さではPLフィルタは使えなかった。
逆に順光の安足間岳方面はそれはそれは美しく輝いていた。結局またしてものんびりと眺めたりして、予定時間をはるかにオーバーしてしまったのだった。

11:45 裾合平分岐通過(1665m, 15.9℃)

沢沿いも紅葉の帯が続く
沢沿いも紅葉の帯が続く
雲が出てきた。朝はあれほど天気が良かったのに。昨日に引き続き、旭岳はまたも雲の中に隠れてしまった。
分岐にはまたしても観光ツアーがいた。ここからは昨日ゆーっくり歩いて1時間30分だった。今日普通に歩けば1時間くらいで姿見に着くだろう。

12:50 姿見駅(1590m, 19.9℃)

夫婦池と旭岳
夫婦池と旭岳
1時間で着いた。この時間はまだロープウェイは混んでいなかった。
ページ内を句点で改行する