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   画賛編 大田南畝(四方赤良・蜀山人)の詩・狂歌 〔画賛編〕   大田南畝関係
  【し】※実際に揮毫したかは問わない。◯は欠字、◎は表示不能文字
画題画賛出典巻・頁年月日
しおがまざくら
塩釜桜
「塩竃の桜をゑがけるに すまの浦の塩がま桜さく比は松風もいやむら雨もいや」紅梅集②339文化15年
1818/04/
しおん
紫苑
「しおんの画に 床の間のしおんの花のかけものは七尺さつてながめこそすれ」巴人集②422天明3年
1783/11/
しか
鹿
 鹿 (別資料)
しかくが
四角画
「四角画の自賛」
「女芸者の絵」 「富士見西行」 「太刀折紙の使者」 「女の猫を愛する四角画」
「市川三升しばらくの所」 「かんこ鳥」 「煙草をのむ使者 四角画」
をみなへし②18天明1年?
1781/
しさん
子産
「題画 牽縄自離岸 一葦往将還 子産不知政 乗輿溱洧間」〈子産は鄭の宰相。溱水洧水の合流地に都があり。人を輿に乗せて渡す話は『孟子』「離婁章句下」にある〉南畝集18
漢詩番号3550
⑤218
⑤223
文化8年
1811/08/
しし
獅子
「日野駅にて画獅子に題す 百獣所伏 有獅子王 烈士暮年 奮迅飛揚」玉川余波②133文化6年
1809/02/
しすい
四睡図
「四睡図 一疋のとら嘯かば二童子も豊干禅師も目やさますらん」七々集②265文化12年
1815/10/
しじゅうから
四十雀
「長春花に四十雀の絵 初老の四十からして長春の花のさかりをみるやいく春」をみなへし②84文政4年
1821/06/
しじょうかわら
四条河原
「四条河上の納涼の図に題す 上鴨下鴨大川涼 三条四条広路長 肴核盃盤已狼籍 一時斉散百千場」南畝集19
漢詩番号3989
⑤346文化12年
1815/02/
しちりがはま
七里が浜(鎌倉)
「青山堂に司馬江漢画く所の鎌倉七里が浜の図観る
 昔掲白南愛宕廟 今帰郭北青山堂 泰西画法描江島 縮得煙波七里長」
南畝集18
漢詩番号3518
⑤209文化8年
1811/05/
「近頃まで愛宕山にかけてありし絵馬をはりかへ時、青山堂これを得て裱褙して携来
 相州鎌倉七里濱図 寛政丙辰夏六月二十四日  西洋画士 東都 江漢司馬峻描写
 昔掲城南愛宕廟 今帰郭北青山堂 泰西画法画江島 縮時烟波七里長 杏花園題」
〈青山堂は書肆雁金屋清吉〉
一話一言
巻36
⑭416
しちけんじん
七賢人
「七賢人のゑに 竹林に薮蚊の多き所ともしらでうか/\遊ぶ生酔」放歌集
千紅万紫
②167
①248
文化8年
1811/09/
しちふくじん
七福神
「布袋と大黒たちならびて相撲とる絵に 大黒と布袋をかけし一ぷくは二ふく対ともいはまほしけれ」巴人集甲辰②436天明4年
1784/02/
「題画 不持小槌柄 新放剃刀光 大黒与南極 還疑髪結床」紅梅集
巴人集拾遺
②369
②496
文政2年
1819/06/26
「弁天琵琶をひき毘沙門天火鉢にあたる画に
 よつの緒の音はべんてん多門天百のあし手をあぶる埋火」
紅梅集②383文政3年
1820/01/
しのぶうり
しのぶ売り
「しのぶうりの女のゑに しのぶ草京の田舎にをひ出て八瀬や小原やせりうりとなる」をみなへし②5未詳
しのぶぐさ
忍草
「忍草のゑに 九つの世々をかさねてしげりゆく軒の忍の文字なわすれそ」紅梅集②311文化14年
1817/09/
しばしょうじょ
司馬 相如
「相如題柱図 両国のはしの柱に書つけて鑓一本のぬしとならまし」
〈「相如題柱」は『蒙求』。昇仙橋の故事を踏まえる〉
紅梅集②352文政1年
1818/08/
しゅうかいどう
秋海棠
「秋海棠に鳥の絵 比翼にはあらぬ一羽の鳥鳴てねぶりをさます秋の海棠」をみなへし②85文政4年
1821/06/
しゆうじんたい
子猷尋戴図
「子猷戴を尋ぬるの図に題す。磯谷子相に贈る
 興来興尽共風流 雪後扁舟一子猷 四望皓然明月色 同明相照幾千秋」
南畝集8
漢詩番号1665
④60寛政2年
1790/06/
「子猷戴を尋んるの図に題す 山陰晴雪剡渓湾 乗興呼舟興尽還 憶昨一吟招隠句 神飛回望皎然間」南畝集16
漢詩番号2975
⑤44文化3年
1806/12/
じゅうにがつが
十二月画
 十二月画 (別資料)
しゅびのまつ
首尾の松
「首尾の松に月出て舟ある画に あげ汐に月のかつらの棹さしてさてよい首尾の松をみるかな」千紅万紫①257文化5年?
1808/
じゅろうじん
寿星(寿老人)
「寿星愛鹿の画に 鹿の角ふりさけみれば春日なる三笠の山のやうなおつむり」調布日記⑨275文化6年
1809/03/
「寿星と亀の図 寿星窺見太平時 卜○長於占筮蓍 畢竟仙齢無計較 白髭翁与緑毛亀」南畝集19
漢詩番号3977
⑤342文化12年
1815/02/
じゅたいちょう
寿帯鳥
「海棠に春帯(ママ)鳥の画 ことぶきの帯長々と羽をならべ枝やつらねん海棠の花」紅梅集②366文政2年
1819/04/
しゅんが
春画
 春画 (別資料)
しょうが
生姜
「生姜と蕃椒との画に はじかみをすてずにくひし聖人もとうがらしをばくふやくはずや」七々集
万紫千紅
②285
①297
文化12/12/
しょうき
鍾馗
「鍾馗賛 終南進士鍾馗図 落第書生握瑾瑜 若有人間虚耗事 昔年須為自家駆
 文化紀元正陽之月 南畝覃」
巴人集②443文化1年
1804/04/
「鍾馗の図 終南進士鍾馗図 落第書生握瑾瑜 若有人間虚耗事 昔年須為自家駆」南畝集14
漢詩番号2429
④308文化1年
1804/02/
「鍾馗の留守に鬼洗濯の図 冠剣猶懸壁 鍾馗非出門 請看鬼洗濯 不洗虎皮褌」放歌集
千紅万紫
②155
①240
文化8年
1811/05?
「鍾馗図に題して柳魚周の子を誕むを賀す
 曾見鍾馗嫁妹図 果然生育掌中珠 手持一剣除虚耗 知有終南進子無」
南畝集18
漢詩番号3624
⑤239文化9年
1812/04/
「鍾馗鬼を捉ふる図 笛ぬすむ鬼をとらへて笛ならふをにこもれりとしらぬ大臣」七々集
万紫千紅
②286
①297
文化12年
1815/12/
「鍾馗剣を抜き鬼を逐ふ図 剣逐虎皮揮且耀 鬼巡画障隠将逃 玄宗皇帝閨中夢 始見終南進士豪」巴人集拾遺②497文政2年
1819/
しょうし ぎょどう
樵子漁童
「樵子漁童の賛
 むしろ柴かり童となるとも大工童となる事なかれ  むしろ海の子となるとも肴やの子なる事なかれ
 山高く海ふかければいそぎよきうき世の塵の外の風の子」
六々集
万紫千紅
②210
①276
文化11年
1814/10/
しょうじょう
猩々
 あしの葉をふき、竹の葉をくむ、蘆のよつきじ、竹のもよつきじ 巴人集②450文化1年?
1804/?
「周信のゑに、猩々雪を盃にうけもちたるかたかきたるに
 酔ざめにいざひとさしと盃も雪をめぐらす猩々の舞」
七々集
万紫千紅
②286
①296
文化12年
1815/12/
しょうしょう
はっけい
瀟湘八景
「瀟湘八景をひとつにあはせかきたる画に
 八景をひとつにかきて瀟湘のよるひるとなきながめとぞなる」
六々集②232文化12年
1815/03/
しょうかく
松鶴図
「松鶴図に題して北堂の七十を寿す
 逸群公子事操觚 一掃青松白鶴図 衣曳玄裳横赤壁 枝擎翠蓋蔭清都
 歳寒貞節春無恙 胎化仙禽徳不孤 此目北堂将上寿 児孫展翫罄歓娯」
南畝集9
漢詩番号1851
④123寛政5年
1793/03/24
しょうちくばい
松竹梅
「松竹梅の画に 松竹のみさほにならへ梅のはなさきばしりしてちるな一枝」紅梅集②318文化14年
1815/12/
「松竹梅の絵に 正月の二日三日をまつの内になりたけはやく来なんしの梅」紅梅集②323文化15年
1818/01/
「風の竹の画【三副対 中】 墨絵にもかきおほされずはらはらとつゆちる窓の風のあり竹
 雪の梅の画【右】    気をつけて木毎の花の枝をゝれゆきはつめたく梅はかんばし
 雨の松の画【左】    水海の日本ばれのけしきよりあめの夜ゆかしからさきの松」
万紫千紅①269文化年間
1804~1817
しょうぞう
肖像
「ある人の父の像に いや高き庭の訓とちゝのみのちゝのみかげをあふぎてやみん」紅梅集②377文政2年
1819/10/
しょうはくろうじん
肖柏老人
「肖柏老人の讃一日に一巻づつの古今集花のもとにて伝授しやうはく」万載狂歌集①14天明3年
1783/01/
しょかつこうめい
諸葛孔明
「諸葛武侯の巌に倚つて魚を観るの図に題す
 関張何解臥竜吟 荘恵不同濠上心 三士有桃魚有水 君臣相遇少知音」
南畝集16
漢詩番号3051
⑤66文化4年
1807/03/
「諸葛武侯の図に題す 隆中一起臥竜名 割拠三分八陣兵 成敗利鈍非逆賭 千秋誰識出師情」南畝集16
漢詩番号3095
⑤81文化4年
1807/09/
しょくにんづくし
職人尽
「紺屋町一丸の屏風に職人尽の絵あり。畳刺の門にたがかけあり
 水桶の月やたがやにさしたたみ近江おもてとみゆるさざなみ
 硎(トギ)師 三尺のつるぎをとぎて四百年さびの出ざる代々もこそあれ
 塗師    いかばかり漆ぬるでの紅葉ばや山のひら手も谷のくぼ手も
 具足師  太平の御代にうまれてむし干のかざりの具足おどす目出たさ」
万紫千紅①272文化11年
1814/
しらかみをふく
白紙を吹く
「額の上に紙をはりていきにてふく絵に つばきにてひたゐの上に白紙をはりこの虎の風にうそふく」七々集
万紫千紅
②256
①289
文化12年
1815/09/
しらさぎ
白鷺
「鷺と柳に雪の絵に こもり江にひそめる魚やもとむらん柳がくれの雪のしら鷺」あやめ草②63文化7年
1810/01/
しらびょうし
白拍子
「白拍子 蓬莱の島の千載わかの前鶴の舞手亀のふむあし」六々集②222文化12年
1815/01/