国際環境法センター (CIEL)
2012年11月13日 市民社会組織 新たな横断的ナノ規制のための提案を発表 情報源:Center for International Environmental Law (CIEL) For Immediate Release, November 13, 2012 "High Time to Act" - Civil Society Organisations present Proposal for a new horizontal Nano Regulation http://www.ciel.org/Chem/Nano_EU_13Nov2012.html 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2012年11月17日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/CIEL/CIEL_121113_Press_High_Time_to_Act.html 本日、国際環境法センター (CIEL)、クライエントアース(ClientEarth)及び地球の友ドイツ(BUND)は、欧州連合がナノ物質のリスクに対応するための提案を発表した。 このNGO提案(訳注1)は、REACH附属書のわずかな修正だけを提案した最近のナノ物質の規制に関する欧州委員会のコミュケーションへの反応としてなされたものである。 ”ナノ物質が人の健康と環境にリスクをもたらすことを示す証拠が増大している。それなのに、法的枠組みは、それらが市場に出される前にそれらの安全性が適切に評価されることを保証していない”とBUNDのジュレック・ベンゲルスは述べた。”今こそ、ナノ物質への規制行動をとるべき時であると我々は考える。もし、今行動を起こさなければ、被害が起きるまでただ待つことになる”。 この提案は、欧州委員会により勧告された2011年のナノ物質の定義(訳注2)を使用しており、法令の独立した該当部分の概要を示している。提案された法案はナノ物質の規制の共通原則を述べ、既存の規制、特にEUの化学物質規制の要であるREACHを”ナノに適応”させるものである。 CIELのデービッド・アゾレイは、”ナノ物質の評価と規制に実質的に役立たなくさせる抜け穴がすでにいくつかの利害関係者により特定され、非難されている。我々はナノ物質の潜在的なリスクに対して真剣に目を向けており、我々の提案はそれをどのように行うことが出来るのかを示している”と述べた。 この状況に対応するために、この3つのNGOsは、REACHのための”ナノ・パッチ”を提案している。それは、全てのナノ物質は、同一材質であってもナノスケールより大きいものとは異なるものであるとみなすことを求め、ナノスケール物質の登録のための閾値は非常に低いことを示唆している。この概念書はまた、市場にある全てのナノ物質とナノ製品のEU全域での登録を提案している。 ”欧州委員会は既存の法令がナノ物質に関するデータを提供することに失敗していることを認めているにもかかわらず、欧州委員会は必要な規制の採用を検討することを拒否し、EU市民の効果的な保護に障害となるものを取り除くことに不本意であることを明らかにした(訳注3)”とクライエントアースのビト・ブオンサンテは述べた。”我々は、欧州委員会がその意見を考え直し、ナノ前線にもっと果敢になるよう強く促したい”。 ”欧州委員会は、4年以上前から健康、安全、環境の保護にはEUの規制の枠組みとその実施の強化が必要であることを認めているにもかかわらず、現在までのところ、ナノ物質により及ぼされる健康リスクから消費者を保護することをしていない”と、今回の提案には名を連ねなかった欧州環境局(EEB)の上席政策担当タチアナ・サントスは言明する。”したがってEEBは、パートナー組織からのこの提案を歓迎する。しかし、我々は、欧州委員会がなぜ、そのような文書を先に作成しなかったのか不思議に思う。そのようにすることは、加盟国、欧州議会議員、そしてNGOs(訳注4)からも同様に求められていたのだから。” 連絡先 David Azoulay: dazoulay@ciel.org / +41 78 75 78 756 Vito Buonsante; vbuonsante@clientearth.org / + 32 475 239 402 Jurek Vengels: Jurek.Vengels@bund.net / + 49 30 27586-422 訳注1 High time to act on nanomaterials. (ナノ物質について行動を起こすときである) 訳注2 欧州委員会2011年10月18日 ナノ物質の定義に関する勧告 訳注3 欧州委員会プレスリリース 2012年10月3日 ナノ物質:技術躍進のためにケースバイケースの安全アプローチ 訳注4 2012年10月23日 NGOs/労組共同声明 欧州委員会のナノ物質に関する第二次規制レビューへの欧州利害関係者の反応 |