掲示76(2006年3月25日)
2006年3月25日
化学物質問題市民研究会

2006年3月22日参議院環境委員会(第五回)議事録(未定稿)
民主党 岡崎トミ子議員 質疑の一部
環境ホルモンに関わる小冊子「チビコト」について

 環境省の契約には随意契約が余りにも多いということ、及び天下り団体が様々な業務を受注していることについて民主党岡崎トミ子議員が質問を行いました。その中で取り上げられた小冊子「チビコト」の随意契約に関する不明朗さについての質問の部分を、議事録(未定稿)から引用します。
 ・・・リスクコミュニケーションの推進検討会のメンバーが編集長の商業誌 「ソトコト」 に千百五万五十円で随意契約。LOHAS は「ソトコト」登録商標で内閣府によれば特定企業の登録商標を使った広報は通常はあり得ない。チビコトの中身を環境省が監修もしていないということであれば大変問題。環境省が伝えたい中身そのものでなければ税金を出してはいけない。・・・
 尚、質疑の模様は下記のインターネット審議で再生することができます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/reference.php?page=2&cd=1264&tx_m

 本件は、当研究会が環境省に出した公開質問状に基づくものです。一連の公開質問状及び環境省の回答は下記掲示板をご覧ください。
公開質問状:掲示68(2006年2月5日)掲示70(2006年2月5日)
環境省回答:掲示69(2006年2月5日)掲示73(2006年2月23日)


○岡崎トミ子君 よろしくお願いいたします。
 そのほかに、環境省が随意契約を行ったということで、市民団体から批判が上がっているものがございます。今年一月に発行しました雑誌「ソトコト」、付録は十万部と環境省への納品五千部を契約した平成十七年度化学物質の内分泌攪乱作用に関する冊子作成業務、千百五万五十円の契約についてお伺いしたいと思いますが、これは特定の雑誌に付録の作成を補助した形になっておりますけれども、なぜ随意契約にしたのか、その理由についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(滝澤秀次郎君) 御指摘の小冊子の作成でございますが、化学物質の内分泌攪乱作用に関する情報提供と、それからリスクコミュニケーションの推進という一環で行ったものでございます。情報提供の推進に当たりましては、情報を伝えたい対象者のできるだけ多くに情報を届けるということが重要だと考えております。情報提供の手段として販売数の多い一般市販雑誌を活用することが有効かつ効率的であるとも考えております。このため、雑誌に付録する小冊子という媒体を採用したわけでございます。
 雑誌社の選定に当たりましては、作成された小冊子が幅広く一般市民の手元に届くことを条件とし、雑誌の内容や発行部数、これまでの環境分野での情報提供の実績等を考慮いたしました。

○岡崎トミ子君 十万部の雑誌を出しているところで、二十代、三十代、そういう若い人たちをターゲットにした雑誌はほかになかったのかなというふうに思うわけなんですけれども、この雑誌にはLOHASという登録商標が取られております。特定の営利企業の商標であります。しかし、仕様書にはコンテンツとしてLOHAS、化学物質の内分泌攪乱作用問題に基づき考える新たな生活スタイルの提言とありますが、企業が使っているネーミングですよね、だれもが認めるものではないというものでありまして、内閣府にお尋ねしましたところ、特定企業の登録商標を使った広報は通常はあり得ない、こういうふうに明確に答えました。
 なぜ、特定の企業の商標を環境省が推奨するような随意契約をしたのか。他社との比較というのはどのようにしたのかが問われるだろうと思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

○政府参考人(滝澤秀次郎君) LOHASでございますが、健康と環境の面を中心とした持続可能性を重視した生活スタイルというような概念かと思います。
 現在、私どもの省、環境省の関係でございますが、第三次の環境基本計画案についてもこのLOHASという記載も出てまいります。自然との触れ合いを大切にし、物質的な豊かさも精神的な豊かさをも求める人々の志向を反映した一般名称というふうに我々は認識しております。化学物質の内分泌攪乱作用問題においても、一人一人の個人が生活の中で環境に配慮した行動を取ることが重要でありまして、LOHASの発想は化学物質の内分泌攪乱作用物質問題への対応を考慮する上でも参考になるものと考えたわけでございます。

○岡崎トミ子君 「ソトコト」という雑誌、民間の出版社の出版物ですね、この出版社と商社などが商標権を持っている。これはもう新聞などでも指摘がされておりましたけれども、LOHASという名前の関連商品を売り出したいという戦略を持っているんですね。一々読みませんけれども、それが創出、拡大、充実を目指すというふうになって、一つの商品なわけなんですね。こういうものに随意契約を行うというのは、そこに補助金を出したということになるわけですから、やはり納税者に説明が付かないんじゃないかというふうに思うんです。
 「ロハス的環境ホルモン学」として、これが「ソトコト」の別冊に入っているものでありますけれども、ここには環境省のマークが付いている、ロゴが付いている、「チビコト」というふうになって付いているわけなんですけれども、これは中身について環境省は監修をされたんでしょうか。

○政府参考人(滝澤秀次郎君) 御指摘の小冊子に掲載されました記事の関係でございますが、その中にございますコラムでありますとか対談といった直接執筆者やあるいは対談本人が紹介されている記事につきましては、その内容は執筆者あるいは対談者本人の意見そのものでございまして、環境省が特にあえて検討を加えるという性質のものではないと考えております。
 ただ、そのほかの記事につきましては雑誌編集者が執筆、編集したものでございますが、私ども環境省からも情報を提供するなど協力を行ってきておりまして、その内容については環境省の見解と異なるものではないと考えております。

○岡崎トミ子君 やっぱり環境ホルモンの問題についてやるということであれば、環境省が伝えたい中身そのものでなければ税金を出しては私はいけないというふうに思うんですよね。
 中身にも問題がございました。中身の問題については、いずれ今日じゃないときに触れていきたいというふうに思いますけれども、環境省のマークが付いてあたかも環境省が出版したかのイメージ、五千部に関してはそういうふうなことを思う人がいるわけなんですけれども、出版するものを推奨しているならいいわけなんですけれども、そうじゃないって、その中身についても別に監修もしていないということであれば大変問題だなというふうに思うんですが。
 もう一つ、ここの「ソトコト」の編集長、雑誌の編集長は、正にこのリスクコミュニケーションの推進検討会のメンバーなわけですね。このメンバーのところにお金を出しているということ。ですから、そのものの客観性がどうなのかということについても問われるだろうというふうに思います。やはりこういうものは非常に透明性を私は求められるものではないかというふうに思いますので、是非疑問が持たれないようにしていただきたいというふうに思います。
 本当にLOHASだったら、私は環境ホルモンは使わない、このぐらい明快に言うものでなければいけませんけれども、そういうことを明快におっしゃってないものなんですよね。指摘をしておきたいというふうに思っております。内容についてはまた別途触れていきたいというふうに思っておりますけれども、是非こういう一営利企業に対して会計基準や法律に関係なしで税金が投入されることがないようにしていただきたいということをお願いをしておきます。



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