ロサンゼルス KPCC 2016年4月6日
なぜ BPA 警告表示は缶詰上のラベルではなく レジに張り出された通知を見ることになるのか? エリザエス・アグィレラ 情報源:Los Angeles KPCC Radio, April 06, 2016 Why you won't see BPA warnings on cans ? but you'll find them at cash registers By Elizabeth Aguilera http://www.scpr.org/news/2016/04/05/59238/california-plans-bpa-warning-at-cash-registers-not/ 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2006年4月8日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/usa/cal/CAL_KPCC_Radio_BPA_warnings.html カリフォルニアでは来月から食品や飲料容器中のビスフェノールA(BPA)についての健康警告が製品ラベル又は店の棚に表示されることになっていたが、本件を担当する同州当局は、どの製品がこの化学物質を含み、そのような警告を必要とするのかを調べるのに少し時間がかかると述べている。 カリフォルニア州法プロポジション 65 (Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986(安全飲料水及び有害物質施行法))によって求められるように(訳注1)、全ての製品について義務的なラベル表示又は商品棚での表示をつける代わりに、カリフォルニア州環境健康ハザード評価室は、 BPA について消費者に警告する一般的な通知をレジに張り出すことを提案している。 ”我々は、暫定的な期間、おそらく約1年間、警告は支払いレジ周辺に掲示するという緊急措置を提案している”と、環境健康ハザード評価室の副ディレクターであるアラン・ ヒルシュは述べている。その通知は、”缶詰食品中の BPA について、それが缶のライニングとボトルのライニングから食品中に移行することがあり得るという事実を伝えることになるであろう”。 その通知は、BPA は、”女性の生殖系に害を及ぼすことがカリフォルニア州に知られている化学物質である”こと、及び”これらの容器に入った食品や飲料を飲食すれば、あなたは BPA に暴露することがあり得る”ことを伝えるであろう。 環境健康ハザード評価室は、専門家委員会の勧告に基づき、BPA を プロポジション 65 のリストに加えたが、ヒルシュは当局は製品中の BPA のどのような量が警告ラベルを必要とするのか決定するために、もっと多くの時間が必要であると述べている。 カリフォルニア州は昨年、BPA を有害化学物質の プロポジション 65 list に加えた。この化学物質は、食品及び飲料容器を含んで、多くのプラスチック製品で使用されており、また、金属食品容器の内面のプラスチック・ライナーを強化するためにしばしば使用される。 BPA は体のホルモン系のかく乱と関連しており、またいくつかの研究は高レベル暴露は実験室の動物の胎児にダメージを与えることを発見している。 BPA に関する プロポジション 65 規制の完全な実施を延期するという動きは、この化合物を有害化学物質リストに加えることを要求していた消費者グループを失望させた。 州と製造者はこの点を解決するのに一年を費やしたと、”社会的責任を負う医師たち”のロサンゼル支部長スマーサ・ダイアナ・アルグエロは言う。 ”州の規制は産業側の利益を公衆の健康より優先し続けている”と、彼女は言う。”食品中に強い生殖毒性物質が含まれていることを知らずに人々が缶詰の野菜を食べるという状況をさらに1年、がまんしなくてはならないということを私たちは望んでいない”。 アルグエロは、買い物の手順の中で警告表示が現金支払いレジに張り出されるのでは遅すぎると述べている。 ”あなたが買い物カートに商品を入れた後、支払いの時にその通知を見るのでは私たちが情報に基づく決定をするのに時間が足らず、漠然としすぎている”と彼女は言う。”私たちは当局に再考し、これらの表示を缶詰が置かれていると場所に表示するするよう要請した”。 州は BPA を プロポジション 65 リストに加えるべきではないと主張する”北米金属容器連合”は、一般的警告を現金レジに張り出すという考えを評価している。 同連合は連邦食品医薬品局(FDA)は BPA を有害であるとは指定していないと指摘する。FDA は今までの所、そのような結論に至る証拠が十分ではないと述べている(訳注2) 。 FDA は 2012 に赤ちゃん用ほ乳ビンとシッピイカップを禁止したが、それは予防としてとった措置であったと FDA は述べた。 エミーズ・キッチン社、及びゼネラル・ミルズ社が所有するアニーズ・ホームグロウン社のようないくつかの食品会社は BPA を使用しない缶をすでに使用している。そしてその他の会社もまた、その方向に動いている。先週、キャンベルズ・スープ社は来年の中旬までに BPA を使用しないという計画を発表した。年間20億ドル(約2,200億円)の缶詰を製造する同社は、アクリル系又はポリエステル系材料を代替として内面のライナーに使用すると述べている。 健康ハザード評価室は、現金レジ計画を1年以上延期する予定はないと述べている。同室は、それまでに製品中の BPA がどのようなレベルなら有害化学物質を含んでいると記述する製品ラベル又はその商品の脇での表示を求めるか決定する思われる。 同州の行政法室は健康ハザード評価室の BPA についての緊急提案を今月末までに承認すると考えられている。 訳注1:プロポジション 65
|