IPEN 2019年4月3日
OEWG 3 における IPEN の
塗料中の鉛に関する発言

Dr. サラ・ブロッシェ(スウェーデン)

情報源:IPEN, 3 April, 2019
IPEN Intervention on Lead in Paint
Given by Dr. Sara Brosche, IPEN, Sweden
https://ipen.org/sites/default/files/documents/ipen_intervention_on_lead_in_paint.pdf

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2019年4月5日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/saicm/ipen/OEWG_3/
190403_IPEN_Intervention_on_Lead_in_Paint.html



 議長、ありがとうございます。

 私たちは UNEP と WHO の情報更新に感謝し、 IPEN がその参加組織とともに現場で成し遂げた重要な活動に関するいくつかの追加的な情報を提供したく思います。

 子どもにとって鉛暴露の安全レベルというものはありません。それなのに鉛塗料は発展途上国及び移行経済国で広く入手可能です。私たちは、10年前に第2回国際化学物質管理会議(ICCM2)においてこの情報を共有し、塗料中の鉛を ICCM2 において新規の政策課題とし(訳注1)、鉛塗料を廃絶するための世界連合( Global Alliance to Eliminate Lead Paint)を結成しました。

 鉛塗料を廃絶するための IPEN の世界的なキャンペーンを通じて、私たちは 55か国以上で塗料中の鉛の調査を実施しました。その結果は IPEN のウェブサイトを通じて公的に入手可能であり(訳注2)、そのメッセージは明確です。すなわち、鉛塗料は、もし厳格な規制管理が施行され、強制されなければ、市場で広く入手可能となるということです。

 これらの国々のほとんどで私たちはまた、広範な様々な利害関係者の意識向上、塗料製造者の鉛塗料の廃止を支援するための活動、鉛塗料規制法の採択を働きかけるための政策策定者との対話、そして規制が守られているかを見るために市場にある製品のテストを含んで、追加的な活動を実施しました。私たちはまた、世界初の、鉛安全塗料のための自主的な第三者認定プログラムを開始させています。これらの活動の全ては、私たちが今日見る進捗に著しく寄与しています。

 しかし、71か国が鉛塗料に対する法的拘束力のある管理をしていると報告されていますが、鉛塗料が 2009年(ICCM2)に新規の政策課題となって以降採択した国は、そのうち 3分の1だけです。また、これらの規制のいくつかは保護的ではないか、あるいは強制的ではありません。加えて、122か国には全く規制がありません。緊急の行動が必要であることは明らかです。

 政府、産業、及び市民社会から適切な約束を得て ICCM 5(2020年)までに鉛塗料を廃絶するという重要な追加的進捗を成し遂げるまでに、まだ時間があります。私たちはその活動を通じて、全ての利害関係者からのこの約束は準備万端に整っていることを知っています。したがって私たちは、この会議に参加している各国政府代表が、全ての国で塗料中の鉛に対する法的拘束力のある管理の確立と実施を加速するという意思表示をすることを強く促したいと思います。

 ありがとうございました。


訳注1:ICCM2 新規の政策課題(塗料中の鉛)
訳注2:塗料中の鉛に関する IPEN の活動


化学物質問題市民研究会
トップページに戻る