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(2002年8月22日発行)


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第3回定期総会特集号
活動報告


弁護士  山田 泰


1 はじめに
 市民ができること、市民だからこそできることを目指して誕生した「警察見張番」は丸2年を経過した。
 昨年9月5日には改正警察法に基づき公安委員会が全国に先駆けて指示した監察結果が発表された。また10月からは公安委員会・県警も情報公開実施機関となり、「県警見張番」として早速公開請求を行った。
 しかしこの間も次々と県警「不祥事」が発生し、県警組織に根深い問題点があることが改めて浮き彫りとなっている。
 他方発足以来力を入れていた渡邊元本部長等の犯人隠避・証拠隠滅事件の記録閲覧作業は、本年5月、米本和広氏執筆による「神奈川県警の闇い17日間」として、他の警察物とともに宝島社から別冊宝島『裸の刑事』が出版された。
 発足期を終えた現在、情報公開制度を活用した市民的監視という設立目的に沿って次のステップに歩み出すことが求められる。

2 活動報告
(1)渡邊元本部長等の犯人隠避・証拠隠滅事件ドキュメントの出版
 数ある神奈川県警「不祥事」の中でも、トップが率先して組織的隠蔽を行ったこの事件こそ、警察組織の問題点を端的に示すものであるとの認識から、昨年1月以降その閲覧作業に力を注いできた。この作業が完成した後、出版社と交渉にあたる一方、鈴木健弁護士が読みやすい解説原稿を執筆した。
 曲折があったものの、早期にこの事件を広く世に問うことが必要との判断から、とりあえず閲覧記録に基づき、米本氏がドキュメンタリー風なものに執筆して、宝島社から出版するに至った。
 しかし私たちとしては、県警中枢幹部の調書などこの記録の資料的価値をも考え、引き続き見張番自らが編集した出版を、何とか実現したいと考えている。
 なお『裸の刑事』の一部に誤りがあることが出版後判明したため、訂正を申し入れた。かながわ市民オンブズマンなどにご迷惑をおかけする結果となり、ここにあらためてお詫び申し上げておく。
(2)情報公開請求
 昨年10月1日(公開施行初日)、見張番として公開請求を行った。公開を求めたものは:
@公安委員会会議録(多量に及ぶため時期を限定し、また添付資料を除いた)
A経理関係文書(平成12年度の公安委員長・県警本部長の交際費関係、平成12年度予算にかかる県警本部の支出執行及び全所属の支出決算簿、平成12年度6月中の支出負担にかかる県警本部警備費の報償費、諸謝金、捜査費の支出証拠書類)
B事件関係(鶴見警察署長業務上過失傷害事件等及び元小田原署員の青少年保護育成条例違反事件の証拠隠滅等に関する本部長に対する報告文書)
である。
 その結果は例会等で報告のとおりだが、公安委員会会議録を除き、総じて公開度は低い(公安委員会会議録も発言した委員の氏名、懲戒処分を受けた警察官の所属や氏名、不祥事案の所属、警備についた人数・期間等はスミ塗り状態である)。
 公開請求を重ねて行くとともに、いくつかの非公開部分については公開訴訟を提起していくことが必要であろう。
(3)その他の主要な活動
@会員を対象に定例会を2回(昨年11月、今年3月)開催した。
 第1回は、落合博実朝日新聞編集委員の警察・検察庁における不正経理問題、第2回は、宇都宮の小野瀬芳男弁護士による「上三川事件から見えてくるもの」をテーマとして行われた。
 いずれも興味深いものであったが、特に第2回は宣伝の仕方の問題もあって小人数しか参加できなかったのは残念だった。
A会報を年3回(昨年9月、今年1月、5月)発行し、県議会・横浜市議会各会派や記者クラブに配布した。
 また情報公開実施に先立ち、昨年9月26日元本部長事件記録閲覧状況とともに警察にかかわる情報公開条例の問題点を指摘した声明を出した。
B担当者が退会したことからホームページが停止状態となり、後任探しをしていたが、見通しがついたことから早めの復活を目指したい(なお掲示板は当面設けない)。
C概ね毎月1回役員会を開催して、この討議に基づき会の運営を行った。
 なお、個別被害事例の訴えの対応については、行政の無料法律相談を勧める(希望があれば会員弁護士の有料法律相談もある)ことを基本とすることを役員会で確認した。


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