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前号でご紹介したように、ブルックナーの交響曲第4番には最初に作った第1稿、ブルックナー自身が改訂した第2稿、そして第2稿を弟子が改訂(改竄)した第3稿の3つの形が存在しています。
今回は第1稿と第2稿の違いを調べてみましょう。
まずは第1楽章から。
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呈示部の第1主題(T1・T1')・第2主題(T2)とも前半はほぼ同じ形ですが、それぞれのテーマの後半は、オーケストレーションが微妙に違います。〔譜例1・2〕のHrやFlによるオブリガートたちが、私たちを今まで聴き慣れた第2稿から第1稿という未知の世界へといざなってくれます。
再現部の構成はほぼ同じですが、展開部とコーダは全く異なる音楽になっています。長大な第1稿のコーダは、果てることなく続きます。