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第1稿と第2稿の比較 (第1楽章)

[第2楽章][第3楽章][第4楽章]

※「SOUND」をクリックすると、別タブが開いて、mp3の音源が聴けます。


第1楽章のアナリーゼ

 前号でご紹介したように、ブルックナーの交響曲第4番には最初に作った第1稿、ブルックナー自身が改訂した第2稿、そして第2稿を弟子が改訂(改竄)した第3稿の3つの形が存在しています。
 今回は第1稿と第2稿の違いを調べてみましょう。
 まずは第1楽章から。


第1主題−1
第1主題−2
第2主題
第3主題

 呈示部の第1主題(T1・T1')・第2主題(T2)とも前半はほぼ同じ形ですが、それぞれのテーマの後半は、オーケストレーションが微妙に違います。〔譜例1・2〕のHrやFlによるオブリガートたちが、私たちを今まで聴き慣れた第2稿から第1稿という未知の世界へといざなってくれます。
 再現部の構成はほぼ同じですが、展開部とコーダは全く異なる音楽になっています。長大な第1稿のコーダは、果てることなく続きます。

第1稿の譜例

第2稿の譜例


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