ミサゴ更新(2005年12月30日)

 本来ミサゴは海に生息する美しいタカです。しかし,時折紛れて大河に沿って遡上したり,湖やダムに居着いたりすることもあって,内陸でも稀にその気品ある姿を見ることができます。10月の終わり,アユが海に降り始める頃,サケとともに那珂川をのぼってきた1羽のミサゴを支流の余笹川で半日追いました。主食は生きた魚ですので,カワセミやヤマセミのように,水中にダイビングして獲物を捕らえます。時にホバリング(空中停止)して,空中で獲物にねらいを定めることもできます。カワセミと違うのは,魚をくちばしで挟むのではなく,他のタカと同じように鋭い足爪でつかむのです。余笹川では,ウグイを捕食していました。ダイビングの様子(音や水しぶき)は,ヤマセミの比ではなく,ダイナミックで見ごたえがありました。観察したミサゴは単独で行動していましたが,古代中国の『詩経』の冒頭には,「関関たる雎鳩(のどかに鳴いているミサゴのこと)」と歌われ,オシドリとともに仲の良い番(つがい)を象徴する鳥でした。

晴れた空を滑空して,川の様子を偵察してました。 河畔の杉にとまると早速カラスのしつこいモビングを
受けました。
カラスから逃れて,木陰に羽を休めます。 再び川岸の杉にとまり,様子をうかがいます。
ダイビングできそうな場所に移りました。
ねらいを定めて,水中の魚に襲いかかります。
勢いよく飛び込みましたが,残念ながら失敗でした。
果敢に数度トライしました。この個体は案外へたくそ
で,獲物をしとめられた確率は3割程でした。

HOME