ありがとう!JR武豊線気動車の想い出

 平成26年(2014年)の春までの時点で、見た目にはほぼ電化区間のような外観を呈するようになった武豊線。目には見えない残工事もコツコツと仕上げられ、同年7月には国土交通省による完成検査受検のプレスリリースに至り、11月には電車による試運転の報告もネット上で散見されるようになった。
 筆者は相変わらず武豊線沿線からはるかに離れた大阪市内の勤務が続き、しかも愛知県内に戻る頻度も減ってきていた。そういった間にも、高山本線・太多線にキハ25形2次車が投入(営業運転は12月1日から)され、いよいよ平成27年(2015年)春の具体的な状況が見えてきた。そして、同年12月10日にはついに電化開業が3月1日であることが発表された。北陸新幹線金沢開業が3月14日であることは先に発表されていたため、我々としては前倒し感をもって受止めることとなるのだが、よくよく考えてみると3区所にまたがる気動車の転配属に際しての余裕をもったスケジュール感なのかもしれない。いずれにしろ、いよいよあと100日を切った…。


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ラスト1年!〜最期の輝きを放ち架線下を走った頃〜

 訪問頻度も減っていった中での要所要所の撮影ということで、ふがいない限りではあるが、平成26年(2014年)春以降のラスト1年の模様を紹介したい。

キハ75-504
キハ75-504+キハ75-404+キハ75-502+キハ75-402(武豊線 尾張森岡−大府)〜平成27年(2015年)1月4日 5509D
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5)】
およその撮影地(尾張森岡−大府)へ(Google マップ)
 平成26年(2014年)11月15日より、愛知県道246号刈谷大府線の一部区間が通行止めになっている。すると、あまりにも交通量が多くトライできなかったアングルが自由自在に!あの刈谷大府線のド真中に三脚を立て、第2石ヶ瀬川橋りょうを仰ぎ見ることができるのだ(関係者の出入りなどほんの僅かな交通量が残るため非推奨)。帰省の際に当然のように狙いすまし、青幕の快速列車を自慢のZD 11-22mmのワイ端を用いたサイド強調で撮影した。なお、時間帯によっては背後の工場でクレーンが高々と上がるので要注意(この日は4513Dの通過時刻までに稼働を開始したのを確認)。

キハ25-4
キハ25-4+キハ25-104+キハ25-3+キハ25-103(武豊線 大府−尾張森岡)〜平成27年(2015年)1月2日 4514D
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro)】
およその撮影地(大府−尾張森岡)へ(Google マップ)
 ラストイヤーの平成27年(2015年)は、年始から2日間連続の降雪という、この地域としては珍しい波乱の幕開けであった。東海道本線の電車列車からほぼ独立した気動車での運用は、電化区間での無用のトラブルを拾わないメリットもあったように思う。この日も当然のように定時運転で、ニーゴが頼もしく見える。

キハ75-401
キハ75-401+キハ75-501+キハ75-406+キハ75-506(武豊線 尾張森岡−緒川)〜平成26年(2014年)3月15日 4540D
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro)】
およその撮影地(尾張森岡−緒川)へ(Google マップ)
 もはや電化開業1年前の3月には、素人が見ればほぼ電化区間のような状況となっておりましたとさ…の図。

キハ75-405
キハ75-405+キハ75-505+キハ75-5+キハ75-105(武豊線 尾張森岡−緒川)〜平成26年(2014年)5月31日 4546D
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5)】
およその撮影地(尾張森岡−緒川)へ(Google マップ)
 娘たちの運動会に合わせて帰省。田んぼのまわりで娘たちは鬼ごっこということで、運動会の二次会であろうか…。パパはそれどころではない!夏季のこの時間帯はSUS鋼体のギラリッが拝めるのだ。

キハ25-1
キハ25-1+キハ25-101(武豊線 東浦)〜平成27年(2015年)1月25日 3532C
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5)】
およその撮影地(東浦)へ(Google マップ)
 313系電車による試運転列車との交換シーン。キハ25-1とJ10編成・クモハ313-1113とが顔を並べた。武豊線内では試運転列車との交換をおり込んで、1月5日から日中を中心として時刻変更が行なわれている。去るものと来るものとのドラマはあと1か月ほどで終わる…。

キハ75-3307
キハ75-3307+キハ75-3207+キハ75-505+キハ75-405(武豊線 亀崎−東浦)〜平成26年(2014年)6月1日 4545D
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5)】
およその撮影地(亀崎−東浦)へ(Google マップ)
 平成26年(2014年)3月には、電化開業後の高山本線などへの転用を見据えてワンマン化・耐寒化などの改造を行なって原番+3000としたキハ75-3207・3307が出場。いよいよ車輌需給の調整が本格化した。4桁となった車番を名乗って知多半島の田植えを見るのは1シーズンのみ…。

キハ75-403
キハ75-403+キハ75-503以下4連(武豊線 乙川)〜平成26年(2014年)4月5日 4540D
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL 11-22mm F2.8-3.5)】
およその撮影地(乙川)へ(Google マップ)
 楽しみにしていた乙川駅の最期の桜…。休日にしか訪問できない筆者には、満開のタイミングと合わせることが困難で、悔いの残るカタチとなった。電気運転関連設備のなんと憎らしかったことか。

キハ75-305
キハ75-305+キハ75-205+キハ75-505+キハ75-405(武豊線 乙川)〜平成27年(2015年)2月23日 2519D
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro)】
およその撮影地(乙川)へ(Google マップ)
 そもそもキハ75形はまず快速「みえ」に投入されており、さらにこのキハ75-205・305は急行「かすが」専用車だった時期もある。そんなナナゴが青い「快速」幕を掲げるとやはりハマリ役。平日2本・土休日1本しかないレアな「快速」が乙川駅を軽やかに通過する。

キハ25-1
キハ25-1+キハ25-101(武豊線 半田−東成岩)〜平成27年(2015年)1月4日 3536C
【オリンパス PEN E-P5(ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5)】
およその撮影地(半田−東成岩)へ(Google マップ)
 ごちゃごちゃとした半田市街地を抜けたところ。しばらくは工場群の脇を走るのだが、ほどよく植林されていてむしろスッキリとした背景になっていく。冬至を少し過ぎた頃の15時はもはや夕方だ。


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