10/18

 本日は完全Off!エッセンは結構大きな都市で宿泊しているホテルは街の中心部で駅前、しかもホテルの横は商店街である。こうなると代えってWindowShopping位しかやる事がない。街の中にも観光名所というか歴史的な建物はあるようだが、よく判らない。シティガイドを見ても歩いていける範囲にあるモノは宗教的建物位なモノである。敬虔なるブッディストの私は、他宗教に土足で踏み込む様な気がして嫌なので他宗教の建物には出来る限り入らない様にしているので、今日のネタはどうしようかと思ったが、劇場が結構多い様なので歩いていける範囲の劇場の写真を撮って来ました。

劇場の前に街の様子をどうぞ。
写真を撮った位置からホンの少し戻るとホテルがある。
駅の方見た商店街、結構広い範囲に伸びている。
奥の方にこぢんまりしてはいるがコンピュータ関係許り売っている一角もある。
上の道を少し進んで左側に小さな広場があり、その広場に向かって立っているGrillo Thertre。1892年に実業家のFriedrich Grilloの寄付によって立てられたEssenで一番古い劇場。
現在はPlayhouseつまり演劇用の劇場となっているらしい。
Grillo Thertreのすぐ隣にあるTheaterpassageの
3階にあるJunges Schauspiel Casa Nova。
括弧付きでYoung Theatreと書いてあるので
若者や子供向けの劇場。
解説に寄れば面白い芝居(誰にとってかは
不明だが多分喜劇やコメディの事)、
ミュージカル、レビュー、ロックオペラ、
そして子供用の催し物が上演されている
舞台が2つ有るらしい。
商店街を更に進んでいくと大きな通りに出る。
その大通りに面した角にある
Colosseum Theater Essen。

可成り大きな劇場で主にBroadwayMusicalが
上演されている。
今は「AIDA」を上演中!
(私はBroadwayで見たモンねえー。
 子供じゃないんだし、威張ってどうする。)
駅を挟んで反対側の公園にあるAalto Theatre。
1988年にオープンしたオペラ劇場です。
10月16日から「Kiss Me Kate」
が始まったばかりであった。

(これもBroadwayで見たモンね!
だから威張ってどうする!)
AaltoTheatreのすぐ横、同じ公園の中に立つ
Phiharmonie/Saalbau Esses
名前からも分かる様にコンサートホールです。
ヨーロッパでも有数のホールだそうです。
本日のプログラムは、ベートーベン・チクルスの
内の一夜であった。

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10/19

 さて今日から6日間は最後の一頑張りである。然しまあ最後の頑張りと云っても2回仕込んでバラスだけ肉体的には前半の比ではない。ピーターもベルギーに行けばHolidayみたいなモンだと云っていた。
 工業都市エッセンを後にしてオランダを通り抜け、200q走ってやってきました5番目の国ベルギーはAntwerpen!アウトバーンから市内環状線に入ったが渋滞していると思ったら、悉く出口は閉鎖されていた。流入するばかりで殆ど出口がない!全くどうなっているんだ!ジャスミンは、初めての劇場で場所も分からないというのに、街にすら入れない。やっと有った出口から街に入って、まずはガソリンスタンドに入って地図を買うと共に道を聞いた。ドイツ語は勿論英語も何となく怪しい街なのでどうもジャスミンはちゃんと聞けなかったらしい。一寸走って又聞き直してやっと地図上の我々の位置と劇場の位置が分かった。然し地図と街の摺り合わせが上手く行かない。一寸遠回りしてやっと12時半に劇場の脇に止まるピーターのトラックを発見、やっとこさ到着!

 劇場に入っていって1時仕事開始を確認して休憩。この時何となく出て行く気にならなくて昼食に出なかったので今日はお昼は抜きになってしまった。後で分かるがもし気楽に出ていたらそれはそれで面倒な事になっていたと思う。
 劇場は舞台も大変大きく、客席も多い(2000席)、舞台には大きな迫りもあり、直径18mの廻り舞台もある。バトンは何と80本もあった。
 広くてしかも地下に搬入口があって、迫りで2階(日本で云う3階)まで荷物を上げるという煩雑さに加えてピーターと劇場スタッフも英語で遣り取りしているのでいまいちスムーズではない。結局仕込みに結構な時間が掛かってしまいダンサーに舞台を明け渡すのが予定より30分も遅れてしまった。済みませんでした。ご免ね。

 さて本日一番の不幸は劇場の出入りにあった。ピーターのトラックに入れたままになっている物を取りに行く事になって、朝劇場に入ってきた出入り口から出ようとしたらおばちゃんが居てにこやかに「ハーイ」などと云いつつ出て行った。物を取って同じ所から入ろうとするとオババは「入っちゃ駄目!フロントに回りなさい!」と言う、「此処は劇場の入り口ではい」と言っているらしい。ホンの一寸前、1〜2分前ににこやかに出たばっかじゃん!と思ってもオババは強硬なのである。仕様がないのでフロントを求めてビルの周りをぐるりと回った。とても長い距離を歩いてやっと劇場のフロントからチケットブースの女性に入れて貰った。電球が切れて、後でピーターと又出て行くことになった時ピーターは劇場スタッフにどうやったらスムーズに入れるのか、と聞いてスタッフ用のカードキーを貰ってやっとスムーズに出入りできる様になったが、出入りできるドアはトラックが止まっている搬入口とはビルの反対側にありこれも結構遠い。二人で新しい電球と降ろし忘れた照明器材を抱えて商店街を抜けてビルのあちら側からこちら側へ来るのは一寸辛い。全く如何な物かと思う。ピーターは劇場スタッフにカードキーを貰う事になる会話の中であのオババの事を「クレージーレディ」と言っていた。劇場スタッフもピーターの言い方に呆れた様ではあるが「クレージーレディ」と言って認めていた。

 劇場のスタッフは、愛想が良いわけではない、ま、どちらかといえば無愛想だがこちらが何かやろうとするとすぐに手伝ってくれるし、お願いしたことは速やかにやってくれる。4日間も居るんだしルクセンブルグの様な連中でなくて良かった。親切というのは有り難い。

 さて舞台だが今日の客は、上演中の反応はクールというか一寸寂しかった。ラストのカーテンコールではスタンディングオベーションの観客も出たらしいので受けは良かったと思う。この劇場は、異様にデッドで壁等の反射音が無く響きも少ないのでもしかしたら折角の拍手が小さく聞こえていたのかも知れない。実際カーテンコールの手拍子も手と手が当たる音しかしてない様に聞こえた。あれだけの人が手を叩いていれば普通の劇場なら割れんばかりかどうかは兎も角もっと鳴り響いていたと思う。そう言う意味ではダンサーには一寸遣り辛いかも知れなあなあ。
 後3日!頑張ろう!
 因みに次の劇場も2000名入るらしい。

 本日の不幸指数、オババが大幅にPointを稼ぎ、搬入口と入り口の遠さも加味してバラシなしの幸福であるにも拘わらず75Point!夜も食べられなかったしね。


客席から見た仕込み開始前の舞台。
仲々大きいでしょ。上手側にも大きな作業場なのか倉庫なのかよく判らないスペースがある。本来転換用の大道具を入れておく所だと思うんだけど殆ど倉庫と化していた。

舞台面に少し穴が開いている様に見える処が搬入に使用する迫り上がり舞台。
客席。
2階席の後方のスロープは可成りきつくあそこに立つと下を見るのが怖くなりそうな程で有る。

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10/20

 朝8時を過ぎても外は薄暗い、そう思っていたら今日は雨だった。起きて所在無げに部屋の中をウロウロしていたら空調のダクトカバーが外れて床に落下した。全く騒々しい朝だ。

 昨日エッセンのホテルでチェックできなかったメールをチェックすると同時にエッセンまでの日記を更新しようと思ったら、又しても繋がらない。帰国公演の間もあるのでここからはメールも毎日チェックできないと困るのにナンテエ事だ。フロントに電話してみると回線を閉じているとの事、何でだ!開けて欲しければクレジットカードを持ってフロントに来いと云う。嗚呼全く!なんて面倒なんだ、と思っても何とかしなければならないのでフロントに行って回線を使用できる様にして貰う。やっとOKになった。

 今日は午後入りなので部屋でゆっくり洗濯などをして(連泊の場合初日は洗濯の日)、少し買い出しにでも行こうと思ったのに雨だ!その雨の中を出掛けてみたがホテルの周りには何もない。此処は物凄い街外れなのであった。何も無い。本当に何も無い。ガソリンスタンドは一寸歩くと有るのだがそこにはショップは併設されていない。
 今日、劇場に行った時に街で仕入れてくるしかないなあ。哀号!哀号!

 ダンサーと一緒にホテルを出るつもりで居たが余りの手持ち無沙汰にフロントに何となあーく降りて行ったら、ジャスミンが来た。ジャスミン曰く「今から坂本先生と三代先生(実際はKumiko&Masashi)をインタビューのために劇場に乗せていくんだけど一緒に乗ってく?」と言うので一寸考えて一緒に行く事にした。ホテルに居てもやる事ないし、銀行にも行きたいしと云うわけで便乗した。
 それにしても坂本先生も三代先生も大変だなあ。昨日も本番前と本番終了後テレビのインタビューに答えてホテルに帰ってきたのは12頃だった(ビールを仕入れられなかったのでバーで呑んでいたら帰ってみえた)。そして今日も別のテレビのインタビューに答えるためにダンサーより先にホテルを出て行くのである。昨日の取材は昨日の深夜もう放映されていたらしい、私は朝見ました。

 さて街に出て歩き回ったが仲々銀行がない、トイレはない、大都会の街中過ぎてスーパーもない。彷徨える子羊は歩き続けた。(今椅子の背凭れに凭れたら外れて後ろに倒れた!全く何ちゅうホテルだ!)簡単な昼食を取って彷徨い続けた挙げ句やっと利用できる銀行とスーパーを発見(同じ通り)!ヤッタネ!スーパーは「SPAR」!日本でも見た事のあるマークの様に思うが同じなんだろうか?そこでワインとビールとパン、ハムを買って劇場入りした。一寸幸せ。

 昨日は1800名も入ったらしい。今日はどうなんだろうか?客席にいるSの話では今日は一寸少なかったらしい。上演中の拍手は昨日より大きかった様に感じたが、実際の受け具合はどないなモンだったのか?反応が今迄に余り無いタイプのなので舞台袖にいたのではよく判らない。昨日と云い、今日と云い、劇場スタッフと云い無愛想でシャイなんだろうか?然しカンパニー言語での「地下鉄」、エスカレーターで地下鉄に降りて行くしーんと上がってくるシーンは必ず大受けである。これはもう「十八番」という感じだね。

 本日の不幸指数、雨と部屋の色々が壊れた事で50Point!人生思わぬ事が日々身の回りに起こる物である。各々方、お気を付け召されよ。

本日街の写真を取り忘れたので余り写真がありません。

取り敢えずそこに行った人間はみんな「怖い!」という2階席最後部から舞台を取ってみました。舞台の3人が小さい小さい。
大した幅もない客席で2階までしかなくて2000人も入れるとこんなスロープになります。本当に結構な角度です。手摺りなしでは怖くて降りられません。
時にはダンサーの写真を。
私がカメラを向けたからポーズを
取ったのでは有りません。
ちゃんと稽古中です。

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10/21

 一昨日書くべきであったが書き忘れたので、エー我らがピーター・ゼンケル(Peter Senkel)君日本来る。来る明年日本国で開催さるる万国博覧会之為、日出づる国へと参るとの由。先週彼のボスから彼に入った電話で愛知万博のドイツ館の照明を担当する事になったそうだ。お目出度う!来年万博期間中6ヶ月間!彼は日本それも愛知県にいます。街で見かけたら気軽に「ピーター!」と呼びかけて下さいね。そして彼は、ビールとマクドーナッツが有ればOK(本人談)なので「マクドナルドならあそこよ。」と教えてあげて下さいね。街で彼が何かを探していたらマクドナルドです。ビール(と煙草)は自分で何とかすると思います、多分マックよりも重要ですからね。

 今日は昨日とは打って変わって快晴!昼過ぎにダンサーと一緒に街に出て買いだし&プチ観光をした。私はオールドタウンの方に行ってみた。本日の写真はそちらの方です。下の写真をご覧下さい。

 此処Antwerpenは、ダイヤモンドで有名だ、そうだ。世界で取引されるダイヤモンドの7割が此処で取引されている、らしい。愛妻に一つ買って帰ろうと思ったが、あの金額が円表示なら何とか頑張れない事もないがEuroではとても無理!諦めた。宝籤が当たったら買いに来よう。因みにユーロ圏以外の人が買った場合、関税は免除されるらしいです。

 本日は昨日よりも少し客が多かった様だ。客席でオペレートをしているSの話では、どうもベルギー人のリアクションはよく判らないとの事。舞台の袖にいて聞こえてくる拍手は、作品の途中は控えめで凡てが終わってからちゃんと拍手するといった感じがする。途中で帰る事はないが興味のない人の引きは早いらしく、カーテンコールが始まると帰り出す。ショウが気に入った人は結構何時までも拍手しピーピー鳴らしている。まあ2000名も入る劇場で殆ど毎週何日かは某かのショウをやっている訳だし、それを見に来る観客も多いわけだから趣味も色々だよね。でもこの街だけでActionMachineのショウを見てくれる人が確実に4000人以上(多分6000名位)居るんだから凄い事だ。感謝しなくてはいけない。この街では後明日一日の公演。頑張ろう!

 本日の夕食は、昨日の見つけたSPARでScampiのマリネにコルドンブルー(チーズを挟んだcutlet)でした。マリネは結構美味かった。

 本日の不幸指数、仕込み・バラシは勿論全体的に何事もなく平穏な一日でしたので25Point。

 今日で此方に来て丁度1ヶ月!長かったなあ、とも思うし今から思えば短い様でもある。実際は長かったけどね。あと一寸だあー!

Antwerpenのオペラ劇場。
目の前にある地下鉄の駅の駅名もそのまま“OPERA”
オールドタウンの地域に入る辺りの路地。
路面電車の線路が細い路地を通っている。
これはもう使用していない、
等と云う事はなくこの細い路地を
路面電車は駆け抜けていく。
自動車も駆け抜けていく!
勿論ゆっくり目ではあるけどね。
一寸吃驚!
とても有名な大聖堂。
前の広場が狭くてとてもではないが引ききれないので2枚の写真を見て全体像をご想像下さい。

中にはAntwerpenの生んだ巨匠ルーベンスの絵が4枚有るらしい。
どうもその中の一枚が「フランダースの犬」で何とか少年が「あの絵を見て死ぬんだ」と決めていた絵らしいです。
河の畔に建つ大変古いお城。
中は航海時代の博物館になっていて、
帆船など往年の船の模型が
多く飾られているらしい。
カンパニーの公演が行われている劇場の
近くにあるコンサートホール。
(結構みんな近いんだけどね)
どうもトム・ウェイツのコンサートが近々あるらしい。
街で見つけたラーメン屋「YAMADA」
ご飯はなくても我慢できるが寒冬には
熱いスープが啜りたくなる、
そんな貴方の救世主!

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10/22

 本日は、昨日の「間違い」と「らしい」の訂正および確定を先ず。

 昨日、コンサートホールと書いた建物は、王立フランドル劇場でした。昨日の写真でも分かる胸像は音楽家ばかりだと思っていたら、モリエールやシェークスピアもあるそうだ。
 とても有名な大聖堂は「ノートルダム大聖堂」でベルギー最大且つ最も重要なゴシック教会だそうです。
 本日は宗教的信念を観光モードにねじ曲げて内部に入りました。下の写真をご覧下さい。(お釈迦様、お許し下さい)

 本日はAntwerpen最終日!あの谷底を覗き込む様に観る2階席の最上部までお客様が入って下さったそうだ。有り難い。
 矢張り観客が多い方が反応は良い。今日は大受けであった。

 本日の不幸指数、ムール貝が大変追い仕方ので5Point!

 後残す処Gentでの2ステージのみ!


左上はノートルダム大聖堂の中、正面の祭壇。

右上は祭壇の上のフレスコ画。


左があの「フランダースの犬」でネロ少年が見たがっていた絵の内の一枚。
ネロとパトラッシュはクリスマスイブの夜この絵を見て、翌朝此処で見つかった。
 上の絵「キリストの降架」の前にある日本語の解説。
1980年以後日本人観光客が「ネロの家は何処?」と聞くので何も知らなかったアントワープ観光局はこの物語を調べて、ネロの故郷ホボーケンにネロとパトラッシュの銅像を建てた、とある。
 観光案内の写真を見る限り「フランダースの犬」のファンの方はこの銅像を観ない方が良い。ネロはあまりにも貧乏臭くて人相も悪く、パトラッシュも意地の悪い野良犬の様でイメージが壊れる事甚だしい。
 昨日「河の畔に立つ古い城」と書いたステーン城の内部にある船の模型。
 此処がアントワープの発祥の地と云っても良い所だそうで、そもそもこの城は693年に建てられた。
 今は国立海洋博物館になっている。

 同じく海洋博物館ステーン城の中にある昔の羅針盤など。
全く劇場の外観を忘れていたので載せておきます。 劇場の中で見つけたポスター!
まさかベルギーまで来てこのポスターを観るとは思わなかった。
左の物の内容についてはTherterReport#27をご覧下さい。
 「STOMP」は私たちが来る前にこの劇場でやっていた。来年も又来る。
左のポスターにある「CAPITOLE GENT」は明日からの劇場。
そう言えば「ネイキッド・ボーイズ・シンギング」もこの劇場でやるみたい。
本日の昼食!
タマネギの下はムール貝です。
ひたすらムール貝です。
小さなバケツ一杯のムール貝!
ムール貝だけでお腹一杯になりました。
美味しかった!2年分位のムール貝でした。
街を歩いていると多くの人が食べているのを見て「コレハ食ベナクテハ!」と思い、食べた。
これにフライドポテトが付いて19Euro!
フライドポテトは食べ切れませんでした。

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