01.Feb.02.
“NAKED BOYS SINGING！”
タイトルに何ら嘘隠しもなく、又捻りもありません。よく見終わって「ああ、だからこのタイトルなんだ。なるほどねえ、うんうん」なんて云うのもありますが、これは極めてストレート、始まった瞬間にタイトルのまんまやないかい、と言いたくなる程ストレートです。
開演前の舞台には大きなジッパーを中央に付けた幕が下がっていて、これがいわば緞帳ですね。客席が暗くなり、舞台に明かりが入り音楽が始まるとジッパーが降りて、幕が開くという仕組みです。そうするとそこにはタイトルの通り７人の男が素っ裸で唄っています。曲の途中で一人服を着た男が客席後方から飛び込んできて「DUPLEXはここじゃないの？」と言うと「DUPLEXは向かいだよ。もう閉まってるよ。おまえも一緒に裸で唄わないか？」というと客が「仲間に入っちゃえー」とか囃し立てて、男も「そうだな、じゃあ」ってな感じで舞台に上がって服を脱いで唄い踊り出す、これで計８人。これで全員です。途中服を着ている所も少しあるが殆ど全編８人は素っ裸です。服を着て出てきてわざわざ脱ぐ設定のシーンになるか、脱ぐ必要もないのに脱ぐか、最初から着てないか、大体どれかに当て嵌まるシーン許りです。この作品において服を脱ぐ事、裸である事に理由はありません。登山家に何で山に登るのか？と聞く様なモンです。服を着ているから脱ぐ、裸だから裸。それだけです。
ストーリーらしいストーリはありません。独身最後のパーティーの馬鹿騒ぎ、と云った設定は一応あるみたいですが、それも幕開き１曲目と最後の１曲に「今夜だけの馬鹿騒ぎー」みたいに唄われている以外はそれほど明確に出ているわけではありません。中身は、ユダヤの割礼のネタや裸故に自分のモノのサイズを気にする唄、その物自体を他に何と呼ぶか（昨日は女性、今日は男性のそれと呼ぶかを一杯聞いた事になる）とか兎に角下ネタばかりの１時間半です。
そのもの自体を何と呼ぶか、と云う唄は大笑いしました。Queenのボヘミアンラプソディをパロった唄で、実によく出来ていた。８人のコーラスもこの歌では仲々のモノでした。
実は唄は余り上手くない。時々音程がふらつくし、稀に外す事さえあった。声量も足りない人は３名ほどいた。もう少し何とかして頂きたい。
音響は評価対象外、理由は伴奏のPianoも唄も全くのNonPAだったので。スピーカーは見える所になかった。録音の伴奏で歌う所があるので一応上下に何らかのスピーカーはある。だけどあくまで返しであって、客は漏れてきた音だけを聞く事になる。表に伴奏を出すと声も拡声しなきゃいけなくなるからだと思うし、そういう作り方は作り方で有りかなとは思う。然し声量が足りなくてPianoに消されて仕舞って何を唄っているのか判らなくなる所は考えるべきではないだろうか？又格好が格好なので女性の嬌声も凄いので聞こえない時は全く聞こえない。この辺も少しは考えるべきではないだろうか？
私の席は5列目だったのだが、1列目でなくて良かった。舞台の高さが30cmなので1列目だと丁度目の前に来る。一寸ご勘弁願いたい状況である。この日の一番前は中年夫婦、ホモらしき中年男性2人組、見たくてしようがないうら若き女性2人組であった。中年夫婦の男性を覗いて、将にそれを見に来ていると思うので宜しかろうと思うが、あの中年夫婦は何であの席を買ったんだろう？一寸謎である。
結構コレはホモだな、というカップルがいた。それと女性の集団というのもいた、コレはうるさかった。よく判らんのが私の３列位後ろにいた達磨のカップル（体型が２人ともだるま）見終わって女達磨が男達磨にデレデレネチャネチャしながら「こんな素晴らしいショーを見せてくれて有り難う、ハニー」なんて言っていた。女達磨は余程男の裸を見るのが好きなんだろうか？それにしてもハニーも何考えてんだか。
丁度今TVでこの“NAKED BOYS SINGING”のコマーシャルをやっていた。みんな嬉しそうに面白かっただの言っているが本当か？ま、コマーシャルで詰まらないとは言えんしな。
これはキワモノです。フルモンティーよりはマシですが、間違いなく際物です。日本での上演は今の所あり得ませんので、NYに来たら際物を見るというのも良いかも知れません。これと“PUPPETRY・・・”ついでにフルモンティを見ればOn＆Off・BROADWAY際物制覇です。そして昨日の作品と“URINETOWN”を見れば下ネタもの制覇と云った所でしょうか。
“URINETOWN””は「本当に面白い」とみんなが言うので是非観たいと思っていますが、仲々チケットを安く入手出来なくて未だ見てません。来週辺り何とかしようと思ってます。