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Theater Report #21
          

08.Jan.02
 本日は、OffBroadway「 STOMP 」です。
 Street・Performanceの如き出し物です。Musicalと言うよりDanceかも知れません。唄もない事だし。
 機会がありましたならば是非御覧下さい。1時間45分休憩なし、あっという間です。
 デッキブラシ、マッチ箱、流し台、足、手、身体など身近にあるものを使って実にリズミカルに躍動感溢れる舞台を見せてくれます。

 幾つかにタイトルを付けてみました。
1.Dance music "Cleaning" for 8 deck brushes
 (邦題:8本のデッキブラシの為の舞曲“掃除”)
 この曲の楽譜の冒頭には嫌々掃除をはじめる様な気持ちで、と書いてある。
2.INTERACTIVE by Stomp & Handclap
 (邦題:手拍子足拍子による相互作用)
 楽譜の注意書きには、観客がリズム音痴でも諦めずに!と書いてあるらしい。
3.A match box quartet "Talk in whispers"
 (邦題:マッチ箱四重奏“コソコソ話”)
 矢張り注意書きには、一人を時々仲間はずれにする様な感じで、と書いてあるらしい。
4.Dance on powder"Being left alone"
 (邦題:粉の上に居る者だけによる踊り)
 粉を与えられぬ者は、寂しそうに。
5.A sink quartet"The submergence"
 (邦題:流し台四重奏“水浸し”)
 水が凡て流れたら、身体をブルブルッとさせる事。
etc.

 兎に角何でも楽器になって、舞台上で音楽となる。音は役者が舞台上で出す者だけで(勿論マイクで拾っている)リズムだけだととかく五月蠅いだけに陥りがちだが充分に音楽的で、エスプリも効いている。クスッとした笑いから大笑いまで多くの要所要所で笑わせる事を忘れず、かといって熱狂的リズムを忘れている訳ではなく。実に巧く構成されている。
 台詞は殆ど無い(アドリブ的なものは少しある)ので、英語力の心配は全く無用です。繰り出されるギャグも表情と間のものばかりですので、誰でも笑えます。他の観客に置いて行かれる、乗り遅れると言う事は絶対にありません。間違いなく楽しめます。但し一部大音響です。そのシーンでは私の前のご老人は耳を塞いでいた。他では大笑いしてました。

 役者を出す音を拾うマイクはPcc×2枚、416×2本、舞台前中央にサスペンションホルダーだけがあったけどきっとマイクが入っていると思う。ホルダーより小さいので型番不明。そのほか重要なフライパンやドラム缶などにはマイクが仕込まれている筈、結構EQが触ってある様な音をしてたし、エフェクターも掛かっていた。
 スピーカーは、表にダブルウーファーのものが1対、返しにRAMSAのA-80が1対。返しは、大音響の時に中心になる音を返していただけだと思う。舞台に粉をまいて、それを足で擦ったり、マッチ箱を振ったり叩いたり、等の様に小さな音の時は何も返していないと思う、返しようもないと思う。粉をまいたり、水をまいたりしてPccは大丈夫なんだろうか?直接掛かる事はないけど、舞台を叩きまくるので埃は凄いと思う(水、埃などから観客を守る為か最前列の席は観客を入れてなかった)。

 本当に(多分)誰でも楽しめますので、機会があったら是非御覧下さい。火曜日の為かも知れませんが、客の入りは良くありませんでした。早くしないと終わってしまうかも知れません。
 話は変わりますが、こちらに来てから一ヶ月で4本程が閉めてしまった。しかもそのうち2本はどうも先月始まったばかりのものらしい。私も始まったばかりだし、大丈夫だろうと思っていた「THOU SHALT NOT」が観られなかった。ハリー・コニックJr.が作詞作曲を担当していたので楽しみにしていたのだが、1月しか持たなかったらしい。
 兎にも角にも「STOMP」は面白い!