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乳癌について
胃ガンが男女関係なく多い病気であるとすれば、乳癌は女性の中では非常に多い病気であるといえる。今や25人に一人が乳癌なのだ。なぜそうなったかは不明であるが、最近マンモグラフィーなどの検診がしっかりしてきて、ごく初期のものが見つかりやすくなったということも関連しているだろう。
乳癌というと女性疾患だと考えがちだが、実は男性にもある病気だ。そう、男性乳癌というのもあるのだ。私自身はまだお目にかかったことはないが、女性の1/100くらいの確率で出るらしい。う〜〜ん・・・・・考えちゃうよね。
では、乳癌ってどうやって出来てくるんだろうか。
区切り
女性の胸(いわゆる乳房)には乳頭から乳管というものが張り巡らされていて、葉っぱに似た乳腺葉というものがある。乳癌はほとんど乳管内に出来て(細胞分裂の際に何かDNAガダメージを受けると考えられる)それが異常増殖するのである。では何がダメージを与えるか??
正直言ってこれだ!!というものはわからない。食生活もかなり関係しているだろうし、欧米が8人に一人乳癌であることをかんがえると、欧米のような食事??とも思える。脂っこいもの、甘いものなどがすき、という女性が増えているのだろうか。
その他の要因としてエストロゲンがある。こいつは乳癌を増殖させる女性ホルモンなのである。閉経前の早い時期にかかると、エストロゲンが悪さをするのでホルモン療法を併用するのはそのためだ。エストロゲンが関与していることを考えると、出産がないこと、もしくは高齢で出産すること、授乳経験がないことなどもかなりのリスクになる。この他、ストレスがかかるのも良くないし遺伝的な要因もあるかもしれないのが現状だ。
では、乳癌はどうやって見つけるか??これについては定期検診がいちばん。マンモグラフィーと超音波検診で小さいものでも見つかる。自己検診も可能である。胸をゆっくり触っていく方法である、こういうものは公共施設に方法が書いてあるものがあるので、それを見て欲しい。
それではしこりがあったらどうするか??
自己検診でしこりらしきものを見つけた、とか夫婦生活内で旦那さんがしこりを見つけたとしよう。どのようなしこりが癌でどのようなしこりが乳腺腫のような良性腫瘍なのだろうか?
悪性腫瘍の場合は、そのしこりの周りにくぼみが出来る。良性腫瘍はこれがないということになる。情状によっては乳頭にへこみが出来たり、乳頭がかゆくなったりただれたりすることもある。しこりがあったら要注意ということだろう。また、転移して見つかる場合は、主に骨に転移して痛み、マヒが出ることがある。こうなるとかなり酷いということになる。骨以外では肺と肝臓に転移しやすい癌であるのでこれらの臓器に要注意である。
しこりが見つかったら、主にCT、MRIそれに病理組織検査をする。これらを総合してステージなどを決めていくのだ。
ステージは、癌の大きさが2センチ以下、2〜5センチ、5センチ以上、胸郭浸潤、皮膚浸潤あり、遠隔転移ありの五つにわけ、これにリンパ転移があるかどうかを組み合わせて決まる。リンパ転移は、なし、可動リンパ転移あり、固定リンパ転移あり、鎖骨リンパ節転移あり、に別れるようだ。これらが組合わさってステージングされる。これによって生存率が変わるが、2センチ以下でリンパ転移がなければ10年生存率は100%近いものなのだ。これに大きさ、リンパ転移の有り状況によって下がってくるが、大きさ的に2から5センチでもリンパ転移がなければ90%位は生存率があるくらい治療法は進んでいる。また、リンパ転移があった場合、少なければ88%位の生存率だが、多くなると78から40%位まで下がるということになる。
では治療法はというと、進行している場合は必ず術前化学療法を行うが、初期の場合は手術先行をする。手術には乳房温存術と全摘術がある。温存をした場合は必ず放射線をかける。この場合、皮膚が焼けるので再建手術を行うに当たって障害が出てくる可能性もあるということだ。しかし、再建が出来ないわけではない。再建については後でかくとして・・手術方法としては温存だと局所再発が3/100くらい上がるということで全摘の方が安全という意見もある。この辺は患者自身の考え方だろう。温存方法も癌の大きさによって円形に小さく切れるものから扇型で大きく切るものまでいろいろあり、その方法によって再建がうまく行く場合と生きにくい場合があるということだ。自分の状況に合わせて考えると良いと思う。
全摘する場合、リンパを取るか取らないかは大きい違いである。最近はセンチネルリンパ生検といって、術中に癌が行っている可能性があるリンパを取って、これを病理にだし、そして転移の有無を調べてから取るかどうかを考えるという方法が取られている。転移があったら郭清して取ることとなる。このほうが余計なことをしなくて済むのだ。
術後、または術前の化学療法も、今は良い抗がん剤が出てきていて外来で出来るのが現状である。進行によって使う薬が異なるが、吐き気止めも進歩していて何とか出来る可能性が高くなっている。しかし、脱毛は避けられない、これは仕方ないと思わないと。抗がん剤治療が終われば生えてくるので、それまでの我慢ということだ。また放射線療法も進歩していて、あまり副作用がなくて済む。この他、乳癌の場合はホルモン療法が適応である。癌組織にホルモンの(エストロゲン)レセプターがあるかどうかが問題で、ある場合はエストロゲンがあると癌が増えるということになる。したがってこれをカットする療法である。これらを組み合わせると乳癌の生存率は上がる。
いくら優しい癌であっても癌は癌、しっかりと対応しないと痛い目を見ることになるのである。
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