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B細胞の分化と抗原レセプター
T細胞とB細胞は抗原特異的なレセプターを有している。そのうち、B細胞は細胞表面に免疫グロブリンがあり、これが抗原レセプターの役割を果たしている。免疫グロブリンはFc部分と言われているところが細胞膜に埋没していて、可変部が外に向いている。構造はY字に似た形をしていて、これが五量体になっているIgMといわれるものも存在する。可変部には超可変部といわれる部分があり、非常に多様性があって抗原レセプターとしての特異性はここに支配されている。IgMの他に、イムノグロブリンにはIgG、IgD,IgE,IgAがある。
区切り
基本的に一つのB細胞は一種類の抗原レセプター(Ig)しか持っていない。従って世の中に存在する無数の抗原に対応するには、無数のB細胞がなければならない。遺伝子的に考えると、生体はそんなに多くの遺伝子を持っているわけではないので、その多様性を作るのに絶妙に遺伝子を再構築して多様性をかもし出しているのである。細かいことを述べるとわかりにくくなるが、定常部遺伝子にはμ、δ、γ3,γ1,γ2b,γ2a,ε、αがあり、いちばん左のμが最初に合成される。要するにB細胞の前駆状態ではIgMができているのである。この次に遺伝子の再構築が起こる。これによって同じ可変部(イディオタイプ)があって異なるC領域を持つH鎖が発現される。これをアイソタイプスイッチという。これはサイトカインといわれる液性因子等によって刺激されたり、T細胞によって刺激されたりして起こる。たとえば、アレルギー状態になってTh2が働けばIgEが出るのである。要するにIgMが最初にできて次にIgDに変化したり、さまざまな刺激によってIgGに変化したり、IgA、IgEに変化したりしていくのである。一つのB細胞は一つの抗原レセプターを持つのであるが、B細胞が分化していく過程でいろいろなIgを産生するB細胞が現れてくるのである。免疫グロブリンのV領域には10の15乗という、ばく大な多様性があり、これらに対応するさまざまなクローンB細胞が生体内に存在することによってヒトは守られているのである。また、不思議なことに自己抗原に対する抗体はできてこない。これができてしまうのが自己免疫疾患であるが、健康な生体ではこのような抗体はできてこないのである。生体の不思議??であろうか。
このように、個々のB細胞は特異的な抗原レセプターを持っているわけであるが、この抗原レセプターによって抗原をとらえることができる。抗原をとらえたイムノグロブリンは細胞内にこれを取り込んでエンドソームで抗原を分解してこれの断片をMHCといわれる分子とともに細胞表面に提示して、“今こんな抗原にさらされているよ”と生体に情報を与える。T細胞は提示された抗原の断片を認識して逆にB細胞の抗体産生を促したりする。B細胞が分化していって抗体を産生するようになるにはこのような過程を通っているのであった。
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