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非自己の認識
前回、細胞性免疫と液性免疫について書いたが、その前にもっと免疫とは何かを理解しないとこれが理解できないのではないか、と思った。免疫とは何か、それは自分以外の、いわゆる非自己の認識、である。人間の体、もっと言えば生きている動物の体は常にこの非自己の認識が起こって自分以外のものを排除しているのである。アメーバは??とか言われちゃうと違うかもしれないけど。まず、前回書いたように一個のリンパ球は一種類の抗原レセプターしか持たない。ということは・・・非自己が体内に入ったときにはそいつを認識するものが働かないといけないのである。どうやって非自己を認識する細胞が出来ていくのだろうか。考えてみよう。
区切り
リンパ球は未熟な段階から成長していくわけで、この段階で自己を認識する細胞は無くなっていくのだ。なぜなくなるか、それは自分に対するものは自分の周りにいっぱいあるわけで、たくさんあって逆に抗原の刺激を受け続けるがゆえに不活化されるのである。自己に対する抗原を認識する細胞を排除する、これをクローン選択説という。ある非自己の抗原が入ってくるとこれを認識する細胞が体内に発生し、しばらくの間体内にとどまる。次にこの抗原が入ってくると、このとどまっている細胞軍団が活性化して増えて敵をやっつける、これが非自己の認識であり、非自己の排除であるのだ。反応は一対一であり、これを免疫学的特異性という。生体内には遺伝子の再構成が起こってだいたい一億個くらいの抗原レセプターがあると言われている。この非自己を認識する反応は、かなり正確に生体内で起こるのである。非自己が入ると抗原を認識する細胞が増えるわけだが、このときにT細胞が活躍するのだ。T細胞は自分の中での変異細胞(例えば癌細胞など)も認識するし、他人の細胞も認識する。同じ人の細胞ではないか、といっても他人はしっかり認識して排除する。これが移植の拒絶反応である。どうやって認識するかというと、人のリンパ球にはHLA抗原(主要組織適合抗原)というものがあり、この中にはclass Iとclass IIがあるわけだが、TはHLAの微妙な違いを認識するのだ。もちろんHLAが完全に違うとわかるし、またHLAを持つ抗原提示細胞と言われる軍団が細菌などなどの抗原を処理して“私はこういう抗原を食べました”とHLAの上にその断片を乗せていると、こいつは他人を食った!!と判断して反応し始めるのである。Class Iは様々な細胞上にあるがIIの方はマクロファージとかB細胞とか樹上細胞にしかない。これらのclass IIを持っている細胞が“私はこれを認識した!!”と常に細胞表面にその断片を乗せているのだ。
ではこういう反応なしで行く細胞がないのか??というとNK細胞といわれる細胞は異常なやつがいるとそれを直接攻撃しに行く。そういう突拍子もないやつも生体内に存在する。
このような非自己を排除する反応に人は守られているのだった。しか〜〜〜し!!この反応が自分を守るのではなく自分に苦しみを与えることがある。これがアレルギーである。次はアレルギーでも特集しようかな。
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