やよいわ～るど：えみちゃんの思い出

10.帰りのコーヒーとドライブ

ドラマを見てから帰りはドライブ

勉強を終えると必ずコーヒーを飲んだ。終るころを見越してお母さんがいれて下さったコーヒー。これが美味しい！！えみちゃんのおうちで一緒に飲むので世界一美味しい！！テレビも見た。“私の運命”というドラマがあった。東幹久が癌を患った人の役をやるドラマだった。これをえみちゃんは好んでみていた。
えみちゃんは自分を映し出していたのかもしれない。私もあのドラマはえみちゃんと全て見た。思い出深い。

ツークールあったドラマだったと思う。癌にかかって死んでいく男性とそれを看取る女性（酒井真紀）を主人公にしたドラマだった。
自分の病気を思って真剣に見ていたのだろうか・・・・

私は病気の人を看取る女性の気持ちがちくちく痛いほど分かり、なんとも悲しかった。この頃、私自身がいろいろと公私共々苦境に立っていてしんどい上、やはりえみちゃんの状況がわかっていたのでやり切れない気持ちになり、家に帰ってぽつんと一人になると無性に涙が出たものだった。あんな感じで看取れるのだろうか、見送れるのだろうか、自分よりも若いどころか、まだまだ高校生の年齢であるえみちゃんを見送れるか？？夜中に真剣に考えたものだった。あのドラマを見てそのまま帰ると電車の中で涙が出そうだったが、車で行っていないときはお父さんの車で連れて帰っていただくことが多く、うれしかった。湾岸線を走りながらディズニーランドのきらびやかな明かりを見てきれいだね～～～と話したのを昨日のように思い出す。何を話したのか、ホントに世間話、笑い話だった。明るい家庭の中にいると私自身が明るくなる。元来暗いほうではないが、落ち込むことが多かったあの頃、ホントに助かった車での帰宅。帰りはお父さんと何を話していたのかな？？とふと思うことがあった。父親と娘ってそういうことでもないとなかなかゆっくりと話をしないのでそれはそれでよかったのかもしれない。私が車で行っていたときも、一緒に帰った時の話などを思い出しながら湾岸線を走った。今でも湾岸線は大好きである。特にディズニーランドの辺りは大好きだ。通るたびにえみちゃんの顔が浮かんでくる。先日も走ったが、やはりえみちゃんが私を見て笑っていた。素敵な思い出のある高速道路である。

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