５．数学をやるぞ！！ 数学、これは好きな人も嫌いな人もいるでしょう。えみちゃんはだいたいどんな教科も無難にこなすそんな女性でした。それでもいきなり高校の数学を始める、しかも病気の状態で、これはかなり苦痛ではないだろうか？？と思っていました。 教科書を開けてまず因数分解、展開などの基本問題を・・と思って始めたところ、ものの30分ですべてを理解してしまいました。これはいける！！そう思いました。それ以降、因数定理をはじめ高校一年生の数学IやAなんてあっという間でした。 教えるのは簡単ですが、これを練習していく、要するに問題集をこなすのはそう簡単ではなかろう・・・と心配していましたが、なんのその。一週間後にお家を訪ねるとニコニコ顔で“せんせ〜〜〜こことここがわからなかった！！”と質問してきました。 みると・・教えた部分の問題をほとんどこなしています。唖然としました。体調が悪いはずなのにどうしてこんなにこなせるのか・・・それは気力以外の何ものでもないのか・・私はそれに反していったい何をしているのだろう・・・そんなことを考えさせられる毎日でした。 数学をやりはじめて途中で入院（抗癌剤治療のため）したことがあります。この時に病院へ問題集と教科書を持ってきていました。 ある日訪ねるとベッドの上で気持ち悪そうにしながら“先生、ここを解いたんだけどどうしても解らないの”と質問をしてきました。私は咽まで“そんなにやらなくていいんだよ、ゆっくり療養して”という言葉が出てきましたが、えみちゃんの真剣な目をみて敢えて何もいわず“それはね・・・”と解説してあげました。ベッド上で吐きながらそれでも問題を解いて私に教わったことを学ぼうとするその気持ち、これは感激に値するものでした。これ以降、どの教科もこのような状況で勉強していくことになりました。 数学は特に進みが早く、あっという間に教科書一冊が終わり、問題集も２冊程こなすことができました。 ん〜〜〜〜これはそんじょそこらの受験生より勉強してるぞ！！受験生頑張れ！！正直な気持ちでした えみちゃんの思い出INDEXに戻る ←BACK NEXT→