最初のエレクトーンコンクールに出るにあたり、いろいろ聞いて“がつん!!”と心の中に入った曲、これがアースビートだった。ストリングスの音色、その上に乗るピアノの音色、これにバックでずっとなっているバイブの素晴らしさ、これにやられた。以来、salt
worldにはまって曲を買いあさり聴きまくったのは以前書いたと思う。
なぜ入ってきたのだろうか??と考えたことがあった。そして今思う。あの時私はどうだったのだろうか。私的にいろいろあった後でふと振り返ると仕事しかない状態になっている。あれだけやった音楽には大きなブランクが出来ていた。仕事は好きだ、でも・・なんかむなしい、というかなんか悲しかった。精神的に右往左往していた時期であった。そんな時期にやっぱり音楽が好き、と始めたエレクトーン。特にピアノをあれだけやっていたからあっという間にどんどん弾けるようになったのもあり面白くて仕方なかった。しかし、それでも心のすき間が埋まっていなかった私がいた。銀座に習いに行き、そのまま個人レッスンを選択したのもあってただ帰っていく、そんな虚しさがあった。後にドラムを始めて素晴らしい仲間が出来、さらにギターを始めて素晴らしい仲間が出来、エレクトーンも一緒にコンクールに出てお互いの心がわかりあえる素晴らしい仲間が出来て、しかもどの楽器も先生に恵まれてかなり心は癒された。しかし、曲を探していたころはまだ穴が開いていたときだった。そこにすっと入ったのは塩谷さんの曲だった。なんだろうか、私はアースビートを聴きながら“音をとって譜面にする”という作業とは別に“吸い込まれていく”“暗いトンネルの後ろから押し出してもらう”様な感覚というのだろうか、それを受けたのであった。地面から私を支えてくれる、そんな音楽だった。そういう状況からアースビートには特に思い入れがある。ほかにも好きな曲はいっぱいある。“あこがれのリオデジャネイロ”はあまりに好きで自分で弾こうとしている。その他にもあげるときりがないくらい好きな曲はある。でも、ふと苦しいときに聴きたくなるのはアースビートであった。あの壮大感が私を包み込むのだろうか。今私がやっているスターダストトレインのキーボードでもストリングスはよく使う。あんなストリングスを表現できたらいいな・・・
塩谷さんの曲とは違うが、エアロ・スミスのあの偉大な曲:アルマゲドンのテーマ曲はどうしても聴けない。曲名を書くのもだめ。それは嫌いなのではない。ああいう曲は大好きである。なぜ聴けないかというと、昨年私を非常に可愛がってくださった元スキープレーヤー(国体選手だった)が亡くなったのだ。まだ50代に入ったばかりであった。そのお葬式で娘さんが“お父さんが大好きな曲で亡くなるその時まで自宅療養中にはよく弾いて欲しいと言っていたので”ということでピアノで弾いたのであった。そのピアノが頭の中をぐるぐる回ってしまうのだ。今こうやって書いているだけでも涙が滲んでくる。好きだけどどうしても聴けない曲、それはエアロ・スミスのあの曲である。これも思い入れなのだろうか・・・・
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