レッドアラート
機種 PCエンジンCD-ROM2
発売元 日本テレネット
開発元 新日本レーザーソフト
発売日 1989年12月28日
定価 6,780円(別)
プレイ人数 1人プレイのみ

悪の組織をブッつぶせ!
不死身の男・ガイが行く


世界征服をたくらむ国際的な武装集団フォースプロジェクトに立ち向かう、ワンマンアーミー、ガイ・カザマ。彼の行く手に待つものは、天国か地獄か? 迫力満点、興奮度120パーセントのコンバットアクションだ!

コンバットアクションの楽しさをこの1本にすべて凝縮!

大迫力のビジュアルシーン、ボリュームたっぷりのコンバットアクション、そしてPCM音源によるダイナミックサウンド。CDロムだからこそ実現した、驚異のゲーム内容が大爆発する!
ステージ数 24面
ライフ制 あり
残機制 なし
コンティニュー 無限
パスワード なし
難易度選択 なし
全セリフ集 ACT 0
ACT 1
ACT 2
ACT 3
ACT 4
ACT 5
ACT 6
ACT 7
ACT 8



 『レッドアラート』は1989年に日本テレネットから発売された、PCエンジンCD-ROM2初期の作品だ。開発は『ヴァリス』、『コズミックファンタジー』で有名な新日本レーザーソフト。正直に言って、日本テレネット&レーザーソフトの作品はどれもこれも今ひとつのものばかりだが、その中にあって『レッドアラート』は、かなり好意的な評価を受けている。
 基本は『戦場の狼』や『怒』タイプのトップビュー・戦場アクションシューティングで、見るべきところは少ない。だが日本テレネットのお家芸とも言える、CD-ROMの特性を活かしたビジュアルシーン、そして何と言っても、主人公「ガイ・カザマ」を演じる神谷明の熱演が、本作を忘れられない作品にしている。アニメ『北斗の拳』や『シティーハンター』で不動の人気を築いた神谷明と、映画『ランボー』のような筋肉アクションが合体したストーリーは、まさに「80年代熱血ヒーロー」の究極形だ。
 ボス戦前には必ずガイとボスの掛け合いがあるのだが、これがとにかく名(迷?)台詞の宝庫。そして最終決戦、「いくぜえェーーーーッ!!!」と叫びながらラスボスに向かっていくシーンは、「演出」と「ゲーム」が一体となった、屈指の名場面と言えるだろう。主演の神谷明以外にも、銀河万丈、郷里大輔、戸谷公次といったベテランオヤジ声優陣が脇を固め、ゲームに比類なき暑苦しさを加えている。PCM音源による、ノリノリのコンバットサウンドも格好良い。
 さて、実際のゲーム画面に目を向けると、キャラが全体的に小さいため、ややチマチマした印象を受けてしまう。また、ゲーム内容はかなり大味で、攻略性は低い。自機が非常に打たれ強いので、ザコ戦もボス戦も、ほとんど力押しで突破できてしまうのだ。ただ、簡単すぎて物足りないという面はあるものの、そのかわり理不尽な難しさもないので、深く考えずバリバリ遊ぶ分には悪くない。日本テレネットの作品は総じてゲームバランスが悪いものが多いが、本作に関しては、誰でもエンディングまで楽しめるようになっている。
 全24ステージと、ボリュームは結構あるが、1つのステージが短いので、非常にテンポが良い。また、ステージごとに色々な変化があり、マップ上を歩き回って捕虜を救出するステージ、隠密行動をとらなければならないステージなど、ダレないような工夫がされている。強制スクロールや、ステージの順番を選択できる場面もある。アイテムの種類も豊富だ。
 「日本テレネットにしてはマシ」と言っても、やはりこのタイプのゲームとしては、お粗末な部分も多い。だが随所に盛り込まれた意欲的なアイデアから、開発者の「プレイヤーみんなに楽しんでもらおう!」という気持ちは、ハッキリと伝わってくる。そして、伝説的な脚本と、ベテラン声優陣の熱演が、本作をプレイヤーの心に残る作品にしている。これを聴くためだけでも、本作をプレイする価値は十分にある。
 『レッドアラート』は、万人の認める「傑作」ではないかもしれない。だが、漢達の心を確かに熱くしてくれる、荒削りな「名作」だ。



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