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魂斗羅ファンにとって、1994年から2002年はつまらない年だった。『魂斗羅 ザ・ハードコア』の発売後、2Dゲームの急速な衰退に合わせるように、魂斗羅シリーズも長い冬眠期間に入ってしまったのである。 だがこの間に海外では、1996年にプレイステーションとセガサターンで『コントラ・レガシー・オブ・ウォー(Contra: Legacy of War)』、1998年にプレイステーションで『コントラ・アドベンチャー(C: The Contra Adventure)』という2つの魂斗羅作品が発売されている。ただこの2作品は、時流に合わせたフルポリゴンの3Dアクションになっており、従来のシリーズとはかなり趣が異なるものだった。『コントラ・レガシー・オブ・ウォー』については、日本でも発売されるという発表があったものの、度重なる延期の末、結局発売されていない。 『コントラ・レガシー・オブ・ウォー』と『コントラ・アドベンチャー』は、日本のコナミではなく、アパルーサ(Appaloosa)というヨーロッパのメーカーが開発した。魂斗羅の新作が完全な外注、しかも海外のスタッフによって作られたのは、これが初めてである。アパルーサは『エコー・ザ・ドルフィン』シリーズなどで有名な、歴史のある制作会社だが、この2作品の出来は最悪だった。アクションゲームとしても、魂斗羅としても、全く面白くない作品が2つ続いたことで、海外の魂斗羅ファンはすっかり失望し、魂斗羅のブランドは地に落ちてしまった。 このまま魂斗羅シリーズは消滅してしまうのか、と思われていた2002年、魂斗羅ファンのもとに長年待ち望んでいたニュースが届いた。日本のコナミコンピュータエンタテインメント東京から、プレイステーション2用ソフト『真魂斗羅』、そしてゲームボーイアドバンス用ソフト『魂斗羅ハードスピリッツ』が同時発表されたのである。『真魂斗羅』の開発スタッフは若手中心に一新されたが、プロデューサー兼ディレクターとして、『魂斗羅スピリッツ』、『魂斗羅 ザ・ハードコア』の中里伸也氏が8年ぶりに復帰した(なお『魂斗羅ハードスピリッツ』の開発は、トーセの子会社であったシングがメインと考えられている)。 「最近のゲームは、3Dが主流じゃないですか。見た目とかはすごく迫力があっていいと思う部分もあるんですが、どうしても当たり判定の部分がわかりにくくて、フラストレーションになるケースもあると思ったんです。魂斗羅のようなものが、面白くないから廃れていっているのか、それともそうではないのか。それを、ライトユーザーバブルが弾けた今、あえてPS2の市場で問いかけてみたい」と中里氏は熱い思いを述べた。 その言葉通り、『真魂斗羅』はグラフィックこそ3Dフルポリゴンだが、ゲーム自体は往年の2D横スクロールアクションを踏襲している。伝統の回転ジャンプから、緊張感あふれる一発死まで、プレイ感覚は何もかも昔のままだ。もちろん2人同時プレイも可能。伝説のアクションゲーム『魂斗羅』は、8年の年月を経て、ついに完全復活したのである。 『真魂斗羅』の雰囲気は過去のどの魂斗羅作品よりも暗く、重い 前作『魂斗羅 ザ・ハードコア』は4人の「魂斗羅部隊」が主人公だったが、『真魂斗羅』では再びビル&ランスの名コンビが戻ってきた。だがそのストーリーは、往年の魂斗羅ファンにとって、あまりにもショッキングなものだった。 『魂斗羅 ザ・ハードコア』から1年後、エイリアン戦争の英雄ビル・ライザーが、突如狂気のテロリストに変貌。親友ランスを殺害した上、軍の超磁力兵器を暴走させ、地球総人口の8割を死に追いやってしまう。 それから5年後、謎の武装テロ組織ブラッドファルコンが台頭を開始。重犯罪者収監所の地下獄房に囚われていたビルは、超法規的措置によって釈放され、対ブラッドファルコンの遊撃部隊として、再び戦場に赴くことになる。 中里氏は『真魂斗羅』のイメージイラストを、アメコミ『SPAWN』で有名なアシュレイ・ウッド氏に依頼した。魂斗羅が生まれた80年代は、映画『ランボー』のような筋肉ヒーローが全盛で、ビデオゲームもまだ“子供のおもちゃ”のように扱われていた。その魂斗羅を21世紀に復活させるにあたり、現代の時世にフィットした、よりアダルトなヒーロー像として、アメコミのようなダークヒーローの世界観を採り入れようと考えたのだ。そのため、このストーリーだけを見てもわかるように、『真魂斗羅』の雰囲気は過去のどの魂斗羅作品よりも暗く、重い。 また、ランスに代わり『真魂斗羅』では、女性型戦闘用人造人間・ルシアがビルの相棒として新たに登場する。だが、彼女の評判はあまり良くなかった。「やっぱりビルの相棒はランスでなきゃ!」といった単純な理由だけではない。ルシアは『真魂斗羅』の硬派な世界観に合っていたし、そのセクシーなケツも素晴らしかった。だがゲーム中に、“女キャラであること”以外、彼女の個性を際立たせるようなセリフや描写が何一つ用意されていなかったのだ。 『真魂斗羅』は、『魂斗羅 ザ・ハードコア』ほどストーリーに重きを置いていない。近年の流行である冗長なムービーよりも、あくまでアクションゲームとしてのテンポを優先し、ステージの合間にちょっとした会話デモが入る程度にとどめている。そのコンセプトはまさに魂斗羅の真髄であり、最大級の喝采を送るべきものだった。 ただ『真魂斗羅』では、ランスの死やエイリアンの正体といった、シリーズの歴史でも重要な出来事が次々と起こる。そうしたシーンまでかなり淡白に流されているのは、長年の魂斗羅ファンにとって決して気分の良いものではなかった。もっと大切に、熱い盛り上がりを持って描いて欲しかったし、でなければ最初から今まで通り単純明快なストーリーで良かった、というのが正直な気持ちだろう。 厳しいことも書いたが、『真魂斗羅』が今までのシリーズとは全く方向性の異なる作品になってしまったのかと言うと、決してそうではない。むしろ『魂斗羅 ザ・ハードコア』のギャグアニメのような路線から、再び『魂斗羅スピリッツ』以前の「シリアスなのか? ギャグなのか?」という紙一重の雰囲気に戻った感じだ。 雪山をスノーボードで滑走しながらの銃撃戦や、ミサイルにつかまっての空中戦など、いかにも魂斗羅らしい“ありえない”アクションが、PS2ならではのド派手な演出で展開する。グラフィックは超リアルになったのに、やってることは相変わらずバカ、というギャップが、『真魂斗羅』の大きな醍醐味と言えるだろう。 3Dポリゴンで表現されたエイリアン軍団は、かつてなくグロテスクになった。マシンガンを撃ちこめばバラバラと薬莢が飛び出し、ブシュシュシュシュと緑色の血が吹き出す。そして巻き起こる爆発は光学的エフェクトにより、まるで実写のような閃光を放つ。この世界観こそ、魂斗羅の正統進化形を示すものだった。 『真魂斗羅』はシリーズ中最も戦略的な作品だ 『真魂斗羅』のゲームシステムは、前作『魂斗羅 ザ・ハードコア』よりも、前々作『魂斗羅スピリッツ』に近い。『魂斗羅 ザ・ハードコア』にあったライフ制、スライディング、ジャンプの高さ調節などは削除され、再び原点に回帰した印象がある。ただし従来の「プレイヤーの位置固定」に加え、「銃口の向き固定」が追加されたのは嬉しい変更だ。これにより後退しながら前方の敵を撃つなど、今まで以上に多彩な銃撃戦が実現され、ゲーム性も大幅にアップしている。 『真魂斗羅』の大きな特徴は、最初から3種類の武器を標準装備していることだ。これらは『魂斗羅 ザ・ハードコア』のように、いつでも切り替えて使うことができる。さらに、それぞれの武器にチャージショット(溜め撃ち)があり、計6種類の攻撃が可能になっている。また従来の作品とは異なり、ミスをしても武器がなくなることはない。 これにより、常に「この場所はどの武器が有効か?」という使い分けを考えることが重要になり、ゲームの戦略性は大幅に増した。だがその反面、ミスすると武器を失うというペナルティがなくなったぶん、一発死に対する恐怖はかなり薄まってしまった。また従来のように、飛んでくるパワーアップカプセルを撃ち落とす必要がなくなったのも少し寂しい。 武器の種類は、ヘビーマシンガン(チャージショットはラウンドスウィープ)、ファイヤーウィップ(チャージショットはエナジーショット)、ダイバーマイン(チャージショットはホーミングミサイル)と、シリーズの定番武器がほぼ揃っている。ラウンドスウィープとは、一定時間滞空しながら周囲に弾をばらまくガンポッドで、『魂斗羅スピリッツ』の「乱れ撃ち」を彷彿とさせる。あまり使い道がないところまでそっくりだ。 だが一見してわかるように、『真魂斗羅』にはシリーズで最も有名な武器がない。スプレッドガンだ。これまでの魂斗羅作品でスプレッドガンが登場しなかったのは、MSX2版『魂斗羅』だけである。中里氏はゲームが簡単になりすぎてしまうという理由から、この魂斗羅のトレードマークをあえてカットした。同様に、画面中の敵に大ダメージを与えるボンバーがなくなったのも、ゴリ押し攻略を完全否定するためだろう。 確かにこれらの変更は賛否両論だった。だが中里氏は、複雑化した近年のゲームに対抗するように、とにかく『真魂斗羅』をシンプルなゲームにしたいと考えていた。誰もが手に取ってすぐ遊ぶことができ、理不尽さもないが、そのかわりアバウトなプレイは一切許されない。徹底して合理的で、緻密なアクションゲームを作ろうとしたのだ。結果的にいくつかの伝統的要素は犠牲になってしまったが、その試みは見事に成功している。 もうひとつ、『真魂斗羅』の軸となる新システムが「撃破率」だ。撃破率はステージ中、主要な敵や仕掛けをどれだけ撃破できたかを表しており、ミスしたりコンティニューするとマイナスされる。前半ステージは任意の順番でプレイできる選択式だが、後半の展開は撃破率の良し悪しによって変わってくる。まるでアイレムの『イメージファイト』のようだ。 『真魂斗羅』は難易度選択がないかわりに、この撃破率システムによって初心者と上級者の線引きを図っている。初心者は撃破率を気にせず、死にまくり、逃げまくりで進めば、比較的楽にクリアできる。だが真のエンディングを見るためには、敵を逃さず撃破する必要があり、ミスも許されない。さらにボスの中には、撃破率を稼ぐためにパーツを壊せば壊すほど、攻撃が激しくなるものもいる。こうなると一筋縄ではいかない。 『真魂斗羅』のようなアーケードタイプのアクションゲームは、一回あたりのプレイ時間は短いが、何回も繰り返しプレイすることで、その奥深さが見えてくる。だが今時は、一度クリアしたらそのゲームはもうやらない、中古屋に売ってしまう、というプレイヤーも多い。撃破率は、そうしたプレイヤーのモチベーションを自然に高めるためのシステムだ。 「とりあえずクリアしたけどバッドエンドだった。悔しいから、もう一度最初からやってみよう」すると自分の上達ぶりが、撃破率という目に見える数字となって表れる。そして成績が上がれば、真のエンディングや、おまけモードといったご褒美がもらえるわけだ。前述したようなショッキングなストーリー展開も、先が気になるようにプレイヤーを仕向けるためのものである。 もちろんご褒美などなくても、自分なりに目標を設定し、向上心を持って遊べるプレイヤーもいる。そういう人にとっては、撃破率による分岐はむしろ鬱陶しく感じられたかもしれない。だが『真魂斗羅』が発売された時、インターネットの掲示板はこんな書き込みであふれていた。「最初は死にまくっていたボスが、今では余裕でノーミスクリアできる!」「真のエンディングなんて絶対無理だと思っていたのに、何度もやっているうちに達成できた!」そんな言葉こそ、中里氏が心から望んでいたものだろう。 「奴隷獣タカ改」のケツ顔はシリーズ中でも屈指の名シーンだ 撃破率によってリプレイバリューを高め、プレイヤーのスキルアップを自然に促すのが、『真魂斗羅』のコンセプトであることはすでに述べた。そして『真魂斗羅』は、リプレイを重ねれば重ねるほど、確実にスキルアップできるようにデザインされている。つまり、『魂斗羅 ザ・ハードコア』同様、攻略のパターン性がとても強いのである。 また旧作では、ミスして武器を失うと、ゴロゴロと連続で死んでしまうということが頻繁にあった。だが『真魂斗羅』の場合、ミスしても武器はなくならない。よって、場面ごとに有効な武器さえ見出してしまえば、パターンが大きく崩れることはないわけだ。その他にも、ステージごとの練習モード(戦闘訓練)や、プレイ回数による初期残機数アップなど、パターン構築を容易にするための救済措置も沢山ある。 『真魂斗羅』は一発死なので、初プレイではあっという間に全滅させられ、非常に難しく感じるだろう。だが一度パターンを覚えてしまえば、特別に反射神経の優れたプレイヤーでなくとも、ちゃんとクリアできる。それが本作の良い所だが、同時に悪い所でもある。パターン性が強すぎるため、初期の作品にあったアドリブの快感や、武器を失うスリルが薄くなってしまっているのだ。確かに、「敵を一匹も逃さず、かつ一度も死なずにクリアする(オールS)」のは難しい。だが、『魂斗羅スピリッツ』のハードモードのように、「クリアすること自体が難しい」のとは、チャレンジの性質が根本的に違う。 ただパターンゲームとは言え、「これが絶対!」という1つの攻略法しかないわけではない。むしろ『真魂斗羅』は、シリーズ中最も攻略の自由度が高い作品と言えるだろう。例えばあるボスに対して、ヘビーマシンガンを使えば安全だが、時間がかかって面倒くさい。そこでエナジーショットを使うと、ハイリスクだが、スピーディーかつ見た目も美しい、といった具合だ。どの場面も、色々な武器を試してみることで、新たな発見ができるようになっている。 展開がボス戦主体なのも、『魂斗羅 ザ・ハードコア』と良く似ている。このスタイルはおおむね好評だったが、やはり問題視するファンも少なくなかった。確かにボス戦は面白い。だが、初期の魂斗羅作品にあった“ラン・アンド・ガン”、すなわちスクロールしながらザコを倒していく場面が少なすぎるのだ。特に終盤以降はスクロール面すらなく、ひたすらボスラッシュという極端な構成になっている。 スクロールも『魂斗羅 ザ・ハードコア』同様、サイドビューが基本だ。ただし一部の場面ではカメラがぐるっと回り込み、プレイヤーの背中や正面から見た視点へスムーズに切り替わる。『魂斗羅』の3D迷路や、『魂斗羅 ザ・ハードコア』のハイウェイ・チェイスなどで見られた擬似3D演出が、PS2のグラフィック能力のおかげで、本当の3Dとなったのだ。 それ以外にも、『魂斗羅スピリッツ』以来の伝統となったエアバイク面や、まるでシューティングゲームのように空中を自由に飛び回る面もある。『真魂斗羅』はこうした形で、初期の作品にあった多方向スクロールの雰囲気を受け継いでいる。ただし、視点やスクロールが切り替わっても、操作は常に2Dに統一されているのが、本作のこだわりだ。 『真魂斗羅』には、シリーズの名場面を最新の技術で復活させたようなシーンが多いが、どれも必ず何か一捻りが加えられている。その筆頭が1面ボスの「奴隷獣タカ改」だろう。最初は『魂斗羅スピリッツ』に出てきた時と同じだが、頭部を破壊すると3D演出でズシンズシンと振り返る。するとそのケツには、醜悪なもうひとつの顔面が!! このシーンが2002年のE3(世界最大のゲームショウ)で初公開された時、ギャラリー(外人)は戦慄し、オーイエオホホイエーと半笑いした。『真魂斗羅』を代表する、シリーズ中でも屈指の名シーンだ。 この他にも、『魂斗羅 ザ・ハードコア』で人気を博したヨコヅナロボや、ゴメラモスキング、キムコウ、ギャバといった常連ボスエイリアンが生まれ変わって登場する。昔からの魂斗羅ファンにとっては嬉し懐かしく、また『真魂斗羅』で初めて魂斗羅に触れるPS世代にとっては、全てが新鮮な驚きだった。 ただ残念なことに、ゲームの大部分が以前見たようなシーンなので、『真魂斗羅』オリジナルのアイデアはあまり多くない。その中で特に印象に残るのは、「人面魚マッサンくじら」だろう。明らかにビバリウムのヒット作『シーマン』を意識したこのボスは、グロテスクだが妙な愛嬌があるという、いかにも魂斗羅らしい敵キャラだ。ちなみに攻撃方法は、『ロケットナイトアドベンチャーズ』3面ボスを彷彿とさせる。また、ヘリ形態からロボット形態に変形する「Mr.ヘリロボ」も面白い。名前の由来はもちろん、アイレムの『ミスターヘリの大冒険』である。彼は続編『ネオコントラ』にもゲスト出演している。 また本作オリジナルのボスには、『グラディウスIII』の2面ボス「バブルアイ」や、セガの『ファンタジーゾーン』のラスボスにそっくりなものもいる。このように『真魂斗羅』には、過去の魂斗羅シリーズだけでなく、アクション&シューティング全盛だった80年代に対するトリビュート作品のような感さえある。 FOR DEEP ACTION GAMERS 山岡晃氏と藤森崇多氏によるサウンドについても触れておこう。コナミコンピュータエンタテインメント東京のサウンドクリエイターである両氏は、『beatmania』、『Dance Dance Revolution』などの音ゲーで有名だ。また、山岡氏は『サイレントヒル』シリーズのプロデューサーでもある。 『真魂斗羅』のBGMはバリバリのハードロックを基本に、テクノやトランスも含まれており、従来とはかなり印象の異なる楽曲になっている。初期の作品ほど心に残るメロディはないが、とにかくノリが良く、テンションは高い。特にエアバイクで軍用列車を追撃するシーンの「BATTLE TRAIN」は、展開にもぴったりマッチした名曲だ。2005年に開催された『beatmania II DX』シークレットライブでも、「Battle Train 2005」リミックスとして演奏されている。 昔からのファンにとっては、おなじみのパターンクリアBGMを始め、旧作のBGMが使われているのが嬉しいところだ。何と言っても、初代『魂斗羅』の1面をイメージしたステージで、「密林の戦い」のアレンジ・バージョンが流れる演出が素晴らしい。また『魂斗羅スピリッツ』からも、最終ボスBGM「THE SHOWDOWN」や、ゲームオーバーBGMが復活している。 『真魂斗羅』がシリーズの“ベスト・オブ・ザ・ベスト”と言えるかはわからないが、“ワン・オブ・ザ・ベスト”であることは間違いない。奇しくも本作と同時期、セガの『Shinobi』やテクモの『アルゴスの戦士』など、80年代の名作シリーズがPS2で復活した。どの作品も全面的な3D化によって、見た目も内容も全く変わっていたのに対し、『真魂斗羅』だけはゲーム画面を見た瞬間、「あっ、魂斗羅の新作!? 懐かしい!」とわかるようなゲームだった。8年間待ち続けたファンにとって、こんなに嬉しいことはない。 そして、その挑戦的な難易度、噛めば噛むほど味が出るゲームバランスは、魂斗羅ファンだけでなく、正統派アクションゲームを愛する全ての人々から絶賛された。『真魂斗羅』のタイトル画面に掲げられたメッセージ「FOR DEEP ACTION GAMERS」は、『エイリアンソルジャー』の「FOR MEGA DRIVERS CUSTOM」同様、アクションゲーマーの心に永遠に刻まれるだろう。 記念すべき魂斗羅シリーズ10番目の作品『真魂斗羅』は、2002年10月の米国発売を皮切りに、日本、欧州、アジアの全世界で発売され、大ヒットを記録した。この成功によって、魂斗羅シリーズは21世紀も生き延びられることを証明したのである。 |
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