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ニホンミツバチの蜂群を手に入れる

  ニホンミツバチを飼育できる条件は整っていたでしょうか。それではあなたの養蜂ライフはぐっと前進したことになります。
しかしクリアーしなければならないもうひとつの問題があります。

それはニホンミツバチの蜂群をどうやって手に入れるかということです。

これはス―パーやホームセンターなどで売っているもではありませんので、これからニホンミツバチの飼育を始めようという方には難しい問題です。しかし、最初の一群さえ入手できれば、あとはその種蜂群を分蜂させて、蜂群を増やすことは比較的容易にできます。ですから最初の一群を手に入れるための努力を惜しまずいたしましょう。私の経験がお役に立てばと願います。

ニホンミツバチの蜂群を入手する方法としては次の3つが考えられます。

@ニホンミツバチの分蜂群を捕まえて巣箱に収容する
A待ち桶(おとり用の空の巣箱)を設置して、ニホンミツバチが自然に入るのを待つ
B知り合いから蜂群を分けてもらう

このうちA待ち桶を設置しニホンミツバチが自然に入るのを待つ方法がよく紹介されていますが、これでニホンミツバチが手に入る確立は高いとはいえません。地域差もあると思いますが、10個設置して、1個か2個入れば良いほうでしょう。既に何群か飼育していている人なら、自分の設置した待ち桶に蜂が入るのを楽しみに待つこともできますが、初心者にとって待ち桶をたくさん設置するのは苦労のいることです。

それで、このページでは@ニホンミツバチの分蜂群を捕まえて巣箱に収容する方法をお勧めいたします。これは積極的な方法であり、またニホンミツバチと関わる機会が増えるので、実際に飼育するまでの良い備えともなるでしょう。

そんなに簡単に分蜂群なんて見つけられるの?

ニホンミツバチのことを日頃から意識していれば、それほど難しいことではありません。最初にすることは、近所の大きな木を見て回ることです。直径が60cm以上の大木があるなら、その木にニホンミツバチの巣がある可能性があります。特に神社やお寺のケヤキの古木にはかなり高い確率で営巣しています。写真のような木を見つけて、その根元付近を良く調べてください。小さな穴が空いていて、そこからミツバチが出たり入ったりしていれば、それがニホンミツバチの巣であることは間違いないでしょう。(まれに西洋ミツバチの時もあります)
神社のケヤキの木に営巣するニホンミツバチ
このようなニホンミツバチの巣を、次の分蜂の時期までにどれだけたくさん見つけられるかが一つのポイントなります。巨木の根元だけでなく、お墓の納骨空間や石垣の隙間などからミツバチがたくさん出入りしていれば、そこにも巣があると考えられます。家の近くに巣を発見できたなら、定期的に観察に行き、ニホンミツバチの習性について知るように努めて下さい。次第にニホンミツバチをぜひ飼ってみたいという意欲が湧いて来ることでしょう。
  今が秋なら、来年の分蜂の時期まで待たなければなりません。ミツバチは同じ巣で、越冬しますから不測の事態(スズメバチに襲われる・貯蜜が不足する)がない限り来年も同じ場所に巣は存在しているはずです。ただし、冬の間はよほど暖かい日でないと、ミツバチは活動しません。この季節にミツバチの巣箱を作っておきましょう。特別なものである必要はありません。15mm程度の杉板等で30cm角、高さ50cmぐらいの箱を作る感じです。ちなみに、私が初めて使用した巣箱はダンボールでした。
今では改良を加え、貯蜜状況などを確認できる巣箱を製作して使用しています。巣箱に関しては、他の方がニホンミツバチに関するホームページの中で紹介されていますので参考にするといいと思います。
加えて、この時期にキンリョウヘンという蘭を入手できるなら、来シーズンに分蜂群を捕獲できる確立は一段と高くなります。この花は、ニホンミツバチの分蜂群を集結させる不思議な力があるからです。
                                            ■キンリョウヘンがほしい方はこちら
                                           
  さて、巣箱も準備できましたら、いよいよ分蜂群の捕獲です。分蜂の時期は、地域差がありますが、おおよそ桜が満開に咲いてから1週間ほどすると始まります。一つの巣から3〜6日おきぐらいに3回ほど分蜂しますので、チャンスは1ヶ月ほどあります。夏にも分蜂しますが、こちらは予測するのが難しいので、春の分蜂シーズンに一つは捕獲しましょう。秘訣は、とにかくこの時期に、足しげく巣の見回りをするということです。近くの木の枝や幹を注意して探してみましょう。分蜂群が見つかるかもしれません。また巣の近くに民家があるなら、連絡先を教えておき、分蜂に気づいたら電話をしてくれるように頼んでおくのも有効です。
キンリョウヘンを入手することができたのであれば、巣の近くに巣箱と合わせて設置することにより、捕獲の確立は一気に高めることができます。左の写真はキンリョウヘンに分蜂したニホンミツバチが集結したところです。
  
  分蜂群を発見できたら次はいよいよ巣箱への収容です。目の細かい虫網などを使って一度目で可能な限り多くの蜂を網に入れてください。そして素早く巣箱の中に移してください。巣箱の中に放り入れる感じで大丈夫です。この時、多くの蜂が舞い上がりますが、気にせず蓋をしてください。もし女王蜂が箱の中に入っていたら、他の蜂は自然と巣箱の中に入ってきます。女王蜂が入らなかった場合、最初に分蜂群がとまっていた場所に再び集合しますので、同じ作業を繰り返します。おおかたの蜂が巣箱に入ったら入り口をテープなどでふさぎ、持ち帰ります。
蜂の巣箱は、一度設置すると、簡単には移動できませんので、あらかじめ設置場所を考えておきましょう。

これで、ニホンミツバチが1群手に入りましたれ。あとはホームページや本などを参考に、飼育の仕方を研究してみてください。上手に飼えれば、この1群を元に、増やしていくことができます。

  なお、ニホンミツバチはおとなしくめったに刺さないと言われますが、飼育していくうえでは、やはり何度か刺されることになるとは思います。分蜂群を捕獲する時はもちろんのこと、日頃の世話の際も面倒くさがらずに、面布、ゴム手袋などを着用しましょう。

  上記の方法を試みても、どうしてもニホンミツバチの巣が見つからなかったり、分蜂群を発見できなかった場合、最後の手段としてB知り合いから分けてもらう方法が考えられますが、そもそも知り合いの中にニホンミツバチを飼育している人がいなくてはどうしようもありません。仮に、いたとしてもニホンミツバチは貴重なので快く分けてくれる人は稀でしょう。たくさんの蜂群を飼育している人がいるなら、西洋ミツバチのように、巣箱と蜂群をセットにして、有償で譲ってもらえないか交渉することもできますが、ニホンミツバチは西洋ミツバチと異なり、その後の飼育の仕方によっては、すぐに逃去してしまったり、女王蜂が死んで全滅してしまう事がよくあります。そのようなリスクを承知のうえで、トラブルのないように十分に話し合いをしてください。


ニホンミツバチを飼育してみたいという強い思いがあり、飼育するための条件が全て整っている方で、蜂群だけがどうしても手に入らないという方はメールで、ご連絡ください。実際的なアドバイスが差し上げられれば嬉しく思います。

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