●BluePrints〜ミライへのミチしるべ〜(全年齢版)
み、みんなしてテキスト量の物凄さばっかりレビューしてる(原稿用紙1800枚分)。いや長さも確かに凄いけど、でもそれほどダレる感じはしないです。長さを感じない。でも長いね、うん。大ボリュームです。
パトロネージ/リレーションと同じくInfinity-Sさんの作品。相変わらずの高クオリティだし立ち絵・イベントCGに至るまでまばたきするのも一緒。ただし、今回は低画質版が選択出来るようになっています。まばたきもOFFに出来ます。という訳で、ロードだけで一駅かからなくなったよ! やっほー!(そこが問題なのか、と作者さんに突っ込まれそうだ……いや通勤ゲーマーなのでね……)
ただメニュー画面への遷移とか相変わらずまったりした動きではあります。メニュー出してセーブしてゲーム終了するのがやっぱり一駅仕事なの。しょんぼり。せりえみに、クアッドコアなのに。むー。物語じゃなくてメニュー操作でイライラしちゃうの。むー。
さて、物語は。
主人公は15歳の学生にしてIT企業の研究室長なんぞやってます。彼の父親(故人)もまた研究者で、その研究を引き継ぐように同じ仕事に就いています。
昼間は学校、夕方以降は研究者、そんな生活をしています。
父親は交通事故で死亡しているのですが、同じ事故で母親と、当時10歳だった幼馴染の慧桜(あすか)も死亡しており、両親が残した一軒家(結構広め)で独り暮らしをしています。
慧桜は、主人公の父によって電脳上に魂が移されており(と本人は言っています)、死後はタブレット端末やスマホ、パソコンなど、主人公の家のあらゆるデジタルデバイス上にその姿を現します。彼女が主人公にとって今は唯一の家族と言えます。ちなみに、擬似人格とかそういうのではなく正真正銘の本人です。
また、ある日フラッと、主人公の家の端末に人語を話すネコがやって来ます。彼もまた、元は人間だったと自称。どうやって電脳上に存在するのか自分ではよく判らないと言い、同じ境遇かも知れない慧桜の存在に魅かれるように辿り着いたらしいです。モカと名づけて家族が増えることに。
学校では、幼馴染のおバカさんな月菜や、巨乳のおっとりクラスメイト琴音などが登場。そこに、イギリスから転校して来たセシリアも加わり、あれです、もちろんハーレムです。はい。PCの18禁版では彼女たちと、うふーんあはーんなシーンがあるみたいです。やってないけど。
物語が進むにつれ、彼らの周りに暗雲が立ち込め始めます。主人公の家や学校のパソコン・サーバが異常なアタックを受けて崩壊寸前になったり。主人公の研究所の親会社は巨大IT企業ですが、その内部に不穏な動きがあったり。
そして、とある不思議なコマのようなものを月菜が家で発見した時から、彼らは否応なく事件に巻き込まれて行きます。主人公の両親の死の秘密や、慧桜が何故今の姿になったのか、その謎も含めて、この世界で起きているある大きな陰謀について、真実が明らかになって行きます。
基本は一本道ノベルです。パトロネージ/リレーションもそうでしたが、大事な選択肢の時は「セーブ推奨」のメッセージが画面に出るので、大人しく従ってセーブしておくべきです。
最初は選択出来ない選択肢がありますが、ルートをクリアしてゆくごとに解放されていき、かつて選べなかった選択肢が選べるようになって行きます。で、結果として一本道のノベルのような形になっている訳です。
「陰謀」の根幹は……というか、この物語のヒール(悪役)の設定ってなんかキワどいな、とちょっとドキドキしました。うう……。へ、変な横槍入りませんように(どきどき)。
物語のキーとなる技術は、今のIT技術の延長戦上にあるもので、ちょっとありうるかも、と思わせるギリギリのフィクション。ストーリーライン自体はSFになるのだと思いますが、びっくりするほど荒唐無稽という訳でもない。なかなか面白い設定です。
主人公の仕事のせいもあるけど、ITやコンピュータ用語が物凄い多発するので、知識0の人にとっては割とキツいかも知れない。日常でスマホやパソコン使ってる人だったら、まあ、なんとなーくは判る、程度かな。でもそこに引っかかっても無視して読んじゃって大丈夫だと思います、うん。物語の大枠までは迷子にならないかと。
あとは……パトロネージ/リレーションの時も書いたけど文字が小さい、というか、解像度が高過ぎるんだってばさ(笑)。ちょっと目が寄るねえ。眉根にシワ出来るねえ。そういう小ささ。ただ下にウィンドウ出るタイプのこの手のノベルは、行数とか(1行の)文字数とか決め打ちして、何処で文章が途切れるのかっていうのも大切な演出の1つだから、文字サイズおいそれと変更出来ないのがなかなか難しいところ。次は、最初からハンドセット向けを考えてサイズ設計してもらえるとありがたいやね。うん。ノベルゲームなのだから、文字の読みやすさっていうのは絵の美しさより優先されるべき事項であると思う訳だよ、読んで欲しいと願うならば。
固定リンク / 2014.12.27
|