※ネタバレ全開でお送りしています。
自力で解きたい方は回れ右プリーズ。
凡例
→《選んだ選択肢》
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復讐奔流編
予想通り、賢木編来たー! ですね。
てか、主人公なのにフルボイスか。博士と随分待遇違うじゃないのさ(笑)。
お引越しらしい。不動産屋さんから鍵受け取り中。
うー。偽名なんだ賢木儁一郎。三重子っていうのが例の彼女ですね。で。ついに彼はここまで来た、ようです。嫦娥町。…そっか、住んでたんだ…こっちに。
と言っても、この段階では彼は、実際に4年前に何があったのかは判っていない。それを調べるために腰を据えたようです。
お弁当屋のおばちゃん相手に情報収集中の賢木。ここら辺では火の用心の習慣がまだ残っていて(っておいおい、田舎だったら今でも残ってるぞ…苦笑)、夜に拍子木を打ち鳴らしながら1人で見回る当番が町会で回って来るらしい。夜が早く人気がなくなるこの町で1人で回るなんて危険じゃないのかと尋ねると、この町には悪い人はいないと返される。
で。バラバラ殺人があったって話は聞かないかという核心を聞いてみても。キツネかオオカミの仕業という怪談話があるらしい程度で流されてしまう。
それ以上は聞かなかった。賢木にしてみればそれで充分だったから。あの現場が、自分だけが見たものではなく、噂になる程度には目撃者がいるのだと判っただけでも。
バラバラ殺人。でも翌日には綺麗さっぱり痕跡が消されている。そんな事件。
賢木は「夜回り」をする決意をする。4年前に目撃した時は、通報しても取り合って貰えなかった。現場を押さえるしかない。
町会の見回りと出くわすのがまずいので、逆手に取って彼らの後を常に尾行するように町を回る賢木。でもしばらく続けても収穫はなかった。
ある日の昼間、その夜回り担当で見たことのある中年男性が、明らかに誰かを尾行しているのに気付き、賢木も後を追う。彼が追っていたのは一誠さんだ(賢木にとっては名前不明だが)。
中年男性の方は、夜になって尾行を止めた。多分、夜回りの時間になったからなのだろう。賢木は一誠さんの尾行を続けることにして、団地の彼の自宅を探し当てる。
それまで何の収穫もなかったので、この動きに賢木は何かの手ごたえを感じ、翌日も2人の動きを追うことに。
中年男は午前中に工場で働き、午後から一誠を尾行。一誠は大学に行って、午後は高校に行き、物陰に身を隠している。賢木はどーいうことかは全く判らないままその2人を観察している。
やがて、高校生が帰宅のために出て来る。一誠は女生徒の集団には目もくれず、男子生徒ばかりを目で追っている。それで賢木は、一誠が「そういう趣味」で何か問題を起こしている人物なのかと判断する。で、町会に目をつけられているのだろうかと。
やがて、ごく平凡な眼鏡の男子生徒(博士ですね)が出て来ると、一誠は明らかに嬉々として動き出す。博士の後をつける。
奇妙な連鎖尾行は、つけられていることに博士が気付いて終了する。見通しのいい道をあえて博士が選んだことで尾行が難しくなり、一誠が脱落。それにつれて中年男も戦線離脱。
賢木は博士をさらに尾行し、一誠と同じ団地、同じ棟に帰る所を確認する。具体的な部屋までは判らず、名前は不明のまま。
続けて数日間尾行した成果。博士の名前、五十鈴が異様に仲良しであること。その兄である一誠は妹の彼氏として博士をつけているのかと思ったが、どうもそうではない感じであること。なので、賢木は一誠の持つ妙な趣味が問題を起こしそうで監視されているのだろうという結論に至る。
ある日、中年男は病院に行く。ついて行くと、外来の入口とは違う場所から身を隠すように入って行く。
しばらく待っていると、白衣の医師らしき人物と一緒に出て来る。一誠の行動を問題視して何とかしようとしている感じの会話。話に出て来た「重次」なる人物の素性を確認するため外来のふりをして病院に入り、院長であることを確認する。
尾行再開。中年男はキャンパスに向かうだろうと考えて向かおうとするのですが。さっきの2人の会話が気になってしまう。このままでは大変なことになるから「上」が「手を打って」くれと中年男は言っていた。
その「手を打つ」というのが、4年前に三重子が殺されたのと同じことだとしたら…。
賢木は思い出すまいと町をフラついて、香織さんに出会う。家の軒先のバイオリン弾き。
香織さんは、三重子に似ているらしい…(あー。なるほど)。
演奏が終わってもぼーーっと香織を見つめている男に、香織はお茶でもどうぞと声をかける。
そこに残っていた老婆とお茶に招かれ、雑談することに。地質学の研究という偽のプロフィールで。
大学は休学中、バイオリンは上手だと褒めるのですが、どうも複雑そうな彼女の顔に、なんか失言をしてしまったかも知れないと賢木は思って、早々に失礼することにした。
家に帰る。もう尾行なんてどうでもよい気分に支配される。香織のことが頭から離れなくて。
それから数日は、尾行よりも香織のバイオリンを聞きに出かけることが多くなる。
だがある日、留守のようでバイオリンの音がしなかった。
しばらく歩いていると、車椅子の少女(マナ)と一緒の香織に出会う。お買い物に行っていたそうだ。マナちゃんとお茶にしようと思っていたところだからどうぞ、と言われて、またフラフラと上がり込んでしまう。マナに無邪気に挨拶されてちょっと戸惑ったりしつつ。
で。2人とお茶。他愛ないマナの質問にいちいち律儀に答えたりして。大学院にいる(ということになっている)ので、修了すれば博士号が取れるなんて話になって、ハカセという言葉からの連想でマナの兄の話になったりする。
マナは、賢木を頼れるお兄さんとでも判断したのか、相談と言って兄の話をする。事故に遭って足がこうなったこと。その現場に兄はいなかったのに、兄はその事故を自分のせいと思って妹に構い過ぎている。それが、最近どうやら学校で人気者になったらしく、女友達も出来た。だから、もっとそっちを優先すればいいのにとマナは思っているのに、相変わらず兄は自分に気を遣い過ぎている。兄が妹に構い過ぎなくなるにはどうしたらいいものか、男性の意見を聞きたい、だそうで。
賢木はそんなこと他人に答えられるわけないじゃん(意訳)と思いつつ、まあ一般論で答えてみることにする。
突っぱねれば突っぱねるだけ相手も意固地になるんじゃねーの、まずは関係修復が先じゃない? みたいなことだね。
感謝されちゃいましたね。なんだか妙な感じ。
で、すっかり気を許したと見えて、カノジョはいるの? とか聞いて来る。
初対面に言うことじゃないと突っぱねますけれども。
香織も、マナから「お姉ちゃんも気になるでしょ」とか突っつかれてちょっと赤くなったりしている。で、話題を変えるためにバイオリンを弾くことにしたり。
賢木はふと考えてしまう。香織に、三重子の面影を重ねてしまっている今の自分の気持ちは、香織に対してもとても失礼なことだと。自分は、悪いことをしてしまっていると。
顔に出ちゃったらしく、香織さんに心配されてしまう。昔のことを思い出しただけとお茶を濁す。
大学の地質学部に入学した、数少ない女子の1人。大学入学当時の賢木にとってはそれだけの認識だった三重子。合格発表の時に財布を拾ってもらった程度の縁だと思っていた。大学でもマドンナ的存在で、みんなの人気者だった彼女は、ある日学食で賢木に声をかけて来る。
覇気がないなーとか、春はあんなに勉強してたのにどうしたの? とか。
賢木は母子家庭だったので、成績優秀者のための奨学金目当てに一時期勉強に必死になっていたのだが、仕送りなしの経済状況でそれが苦しくなり、最近はバイト三昧だったのだ。
三重子は何故か賢木のことが気になるらしく、お金が苦しいなら自炊しなきゃとか、まるで母親みたいにアドバイスをしている。
周りはみんな三重子に好意的だが、色恋沙汰は面倒だった賢木だけはそんな騒ぎに乗ってはいなかった。なのにどうして話しかけてなんか来るのか。
三重子は、賢木の笑顔は素敵だったとか言ってる。合格発表の時、母親に電話した時の賢木は笑っていたと。
「あの笑顔の人」にまた会いたいのだと彼女は言った。
それが、彼女との出会いだった。
香織のバイオリンの演奏で「昔のこと」を思い出していた賢木は、いつの間にか涙を零していた。
紅茶を入れるため香織が席を立ったその時に、賢木はマナにだけ打ち明ける。かつて愛した人がいて。その人はもういない。香織によく似ている人。
帰り道。ぼんやり賢木は考える。今の自分を彼女が見たらどう思うだろうと。
復讐のためだけに生きている自分。無気力だった三重子に出会う前の自分。三重子に出会って変わったはずの自分の面影がなくなってしまっていたら三重子はがっかりするかも。
で。----会ってしまう。
博士と、それを尾行する一誠。しかし、数日尾行していなかった間に、一誠の様子は激変している。息が荒く、涎さえ垂らしているような表情。異常だとしか見えず、賢木は2人の後をつける。
見通しのいい道に出ても、一誠は尾行を止めない。もはや、相手に気付かれるかどうかなんて気にしていないのだという態度。博士も多分気付いているけれど、急に走り出したりしたら相手を刺激すると思っているらしい。
で、新市街に入って、急に博士は走り出した。ここで撒こうとしたらしいのだが、残念ながら行き着いたのは袋小路で。
一誠は覆面を被って博士に襲いかかる。
賢木は躊躇する。一誠が三重子を襲った快楽殺人者なのか。だとしたら復讐のチャンス。しかし。一誠が襲っている相手は男で。三重子と同じかどうか判断出来ない。博士の悲鳴が三重子の声に重なって、賢木が判断に迷っているその間に。
鈴の音が。
オオカミ仮面の黒装束集団。
一瞬その音に一誠が気を取られた隙に、博士は脱兎のごとく逃げ出した。
そして現れたオオカミ仮面たちは薬を嗅がせて一誠を気絶させると、何処かに運んで行った。
話している声から、あの町会の中年男が中にいることを賢木は知った。掟を破ると処刑されるようなことを話していた。三重子もまた、何かの掟を破って処刑されたとでもいうんだろうか、と賢木は考える。いずれにせよ、彼らのことをもっと調べなければならないと改めて心に誓う。
賢木は夜回りの男を誘拐した。目隠しして、全身を縛り上げて。
家は知っている、素直に吐かなければ家族に害をなすと脅して聞き出そうとする。
男は、賢木を一誠の友人と思ったようだ。で、怒って事情を聞きに来たんだろうと。
人を襲ったら処刑される、それがこの町に古くから住む住人たちの掟なのだと男は言う。昔からの「しきたり」があり、余所者には不思議に感じるだろうけど、と。
町の古い住民のための掟なら、何故新市街の団地に住む一誠が適用されたのか----元々彼らは旧市街の住人で、引っ越しただけ。外から引っ越して来た人間には適用されないのかなど。
まるでクスリでもやっていたかのような異様な一誠の様子。ああなってしまうと更正は出来ないものだということ。
櫛名田というのが町会の長なのかと尋ねると、明らかに焦った様子。これ以上踏み込むと逆に黙秘されると思って賢木は別の情報に切り替える。
昔からの住人でない者が、何かの拍子で掟を破ったかのような動きをしてしまい、間違って処刑対象になることはないのか、と賢木は聞いている。それはないと男は否定する。
で。処刑した後に、バラバラにするグロテスクな装飾。それについても男は正直に話した。本当はあんなことは誰もやりたくないけど、昔からの決まりだからと。
男が言うには、町会によってその「装飾」は微妙に解釈が違っているらしい。…ということは、こんなことをしている悪趣味な集団は1つではないのだ。
男に死体の装飾の説明をさせる賢木。それはまさに三重子がされたことと同じだった。賢木はついに核心に入る。余所者に掟が適用されないというのは嘘だ。三重子は実地調査に訪れただけでこの町とは縁がなかった。なのに、同じ殺され方をしていたのだ。
そんなはずはないと男は繰り返す。ありえないと。
賢木には、この男が嘘をついているようには見えなかった。これ以上のことはこの男は本当に知らないのだろうとも思う。
が。男は尋問されていた間に必死にロープをほどこうともがいて、土壇場になって成功、逃げ出そうとする。目隠しも外れ、顔を見られた賢木は発砲し、彼を殺してしまう。
賢木は笑い出す。やっと辿り着いたから。三重子を殺した犯人に。
(…しかし。うーん。その遺体を三重子と判断したのは「指輪」だけなの? ひょっとして。どのくらいバラバラなのか判断つかないけど、顔も判らないくらいなんだとしたら、別人の可能性ありますね…。三重子を襲って、持ち物を奪っただけの何者か。三重子は神人になってしまったために座敷牢にいる、のかな?)
これ以上は「上」に聞かないと判らないと判断した賢木は、重次を誘拐するための方法を考え始めている。
町を歩いていて、香織に声をかけられた。商店街に買い物に行く途中だという。ちょうど方向がそうだったので、怪しまれないために自分もそうだと賢木は行って、一緒に歩くことに。
スーパーで一緒にお買い物するハメになって、賢木の食生活はよろしくないと判断されたらしい。香織は夕飯を一緒にどうかと誘って来た。
で、料理のリクエストを問われて、出汁巻き卵とか答えてるよこの人は。ただ、作ったことがないのでそれはまた今度、だそうです。どうも、仏頂面の賢木と出汁巻き卵の組み合わせがツボにハマったみたいで、香織さんはずっとくすくす笑いっ放しでした。
スーパーで香織が買い物を終える間外に出ていた賢木は、近所の主婦が香織について噂しているのを小耳に挟む。ハクローサマがどうとか。昔は少しでもミシルシが出たらもうこっちにはいないものだとか。
三重子に続いて、香織までもが、この町の妙な慣習に巻き込まれているのかと不快になった賢木。香織にそれを尋ねるという愚を。彼女は、困ったような顔をしつつ、神様に選ばれた若者が祝福されるとか、そんな慣習があって、ハクローサマと呼ばれるんだというような話を。
祭りのクイーンにでも祀り上げられたのかと賢木は思う。
香織自身は喜んでいないのが判って、断ればいいのにと言うけれど、もう諦めていると香織。最初は大泣きしたのだけれど。
任命されたら大泣きするほどイヤなものなのに、逃げられないと受け容れる。お祭りのイベントと言うには重い何かを思わせる言葉。
その夜、カレーライスをご馳走になったけれど、彼女がハクローサマについて話していた時の悲しそうな表情が脳裏に焼きついて離れなかった。
食べながら上の空だってことは感づかれていたらしい。話せることなら話すと言われて、ハクローサマについて尋ねる。
外部の人には関係ないと言われてしまいますね。
でも、香織が望んだことではないんだろうという質問には「そうですね」と返って来た。
大学を休学したのもハクローサマのためなのかと聞いたら、それ以上は答えられないと突っぱねられる。
香織は。祭りの日までバイオリンを弾いて過ごす日々を楽しいとは思っていないはず、弾く曲は明るくても悲しく聞こえる。その笑顔も、悲しみに堪えるような笑顔に見えると。
逆に香織も。聞いて来る。賢木は香織を見るたびに辛そうな顔をすることがあって。マナに、昔の彼女のことを聞いたと。
賢木は4年前のことを話す。連絡が途絶えて不安になった賢木は、この町に探しに来て、無残に殺された三重子を見つけた。
彼は三重子の仇を取るために町に来た。復讐のために。
香織は。この町で、三重子と瓜二つの香織に会ったことは何かの運命だったのではないかと諭す。もし今でも賢木が三重子を愛しているのなら。きっと、三重子が何を望むか判っているはずだと。
賢木はまた香織に三重子の面影を見てしまうのですが。
だからこそ思う。三重子は死んでしまったけれど、香織はまだ生きているのに。どうして、大好きだったバイオリンを諦めてしまうのか。ハクローサマになってしまったらバイオリンを弾けなくなるんだろう。
賢木は決意するのだ。香織を救い出すと。この町の狂った掟から。
だが香織は泣きながら答えるだけ。絶対に「救う」ことなど出来ないのだと。
激昂する賢木。悲しそうに微笑してただ無理だと答えるだけの香織。賢木は、三重子を失った怒りを復讐という名の暴力で代償しようとしているだけだと。
賢木は否定して。香織のために戦うのだと叫んで。それでも香織は受け容れず。賢木の心は香織を救うという大義名分で自分を誤魔化しているだけだと。
2人の主張は平行線のまま。香織は残る日々をただ穏やかに過ごすことを望んでいる。明日もまた夕食をともにしようと言っている。
賢木はもう香織を説得しようとするのはやめた。自分で勝手に行動することにする。香織は何も知らない顔をしていればいいと。けれど、それは「迷惑」だと香織は言い切った。頑なに。
でも賢木の決意は変わらない。香織が復讐なんてやめて欲しいと言っても、彼はそれを聞き入れようとはしなかった。
賢木は病院の地下で院長の重次を待ち伏せる。そして、以前世話になって、とか何とか適当な理由をつけて話しかける。多分、診察した患者の家族か何かだと思っているのだろう。
で。院長と確認出来たところで再び拉致する。今度は緩められないよう手錠も準備していた。
賢木が、旧市街の顔役としての重次に聞きたいことがあると言ったことで、先日の夜回りの男、町田をさらったのも賢木だとバレてしまいましたね。まあ隠すつもりもなさそうですが。
で。掟のことで「相談」があると切り出せば、まあやっぱり一誠の友人だと誤解されるのですね。
でも今はその誤解が好都合なのでそのままにしておいて。
でも、賢木が、一誠が狙っていた博士がそれほど魅力的にも見えないのにどうしてあんなことになってたんだと聞く。その言葉で「事情」は理解していないのだということが院長にも判るわけですね。
で、一転して黙秘してしまう。
殺すと脅しても、櫛名田の宿命として恨まれ、時に命を落とすこともある、覚悟は出来ていると言うだけ。
賢木は4年前のことを尋ねる。三重子の事件を。
重次院長は何のことか判らないと返す。
話すつもりはないようだ。殺すと脅しても全く動じない。覚悟は出来ているとだけ。
賢木は町で聞いた噂として「ハクローサマ」とは何なのかを尋ねる。そして院長はその言葉から賢木の真の目的を暴くのだ。香織を救いたいのだろうと。
だが。重次は、彼女を選んだのは「神」だと言い切る。もし人が選んだなら、香織はその相手を恨むことが出来るけど。彼女は、誰かを恨んだりしていなかった。ただ諦めていた。
御徴からは、誰も逃げられない、のだそうだ。
残り時間の短い彼女の日々を彩ってあげて欲しいと重次も言うのですね。香織本人もそう言っていた。ただ穏やかに日々を過ごしたいのだと。
でも賢木は納得出来るはずもなく。彼女を救いたいのだと訴える。
重次は。賢木の心根はいい青年だと見て、「真実」を話そうとする。吸血鬼やオオカミ男のように、外見は人と同じに見えて、全く異なる性質を持つ生き物の話。そういう話を、君は信じられるか、と。
最初は、そんなことは世迷言だと喚いていた賢木も、重次が「真実」を話すつもりなのだと言い重ねる言葉に、耳を貸すことに。
重次は「神人」のことを話した。この町は元々神人の隠れ里だったこと。神人は嗅覚が桁外れに鋭いこと。目隠しされていても、匂いで個人を識別出来るので、次に会った時も賢木を識別出来るそうで。
そして。人間を襲う本能を持っているということ。男性が女性に鼻の下を伸ばすのと同じような「欲望」の一種。だが、それが死を持って償うような大罪だというのは。
相手にキスをすることで。相手を神人にしてしまうから。そして、神人になってしまうと、もう人間には戻れないから。
このたびの新市街は、狼と羊を一緒に飼おうとしているようなもので、旧市街の住民はとても迷惑しているのだと。だがこうなってしまった以上、どうしようもない。羊を襲ってはならないという掟を厳しく守らせることにして、何とか共存して行くしかない。
香織もまた、神人で。そして、身体に、ある種のサインが表れた。それが御徴。偶然現れるものだから、神に選ばれたという言い方になる。病気のようなものだと思いたいならそう思ってもいいと。
それが現れたら、世俗には二度と戻れず、神に仕えることになる。死ぬわけではないと断言された。
それ以上のことは、香織と直接話せと重次は言った。ただ、話すことは多分、彼女を苦しめるとも。
賢木は最後にもう一度三重子のことを尋ねる。神人でない彼女は何故処刑されなければならなかったのか。
重次は判らないと繰り返すだけ。本当に知らないのか、言わない方がいいと思っての判断なのかまでは判らないけど。
賢木は彼を解放する。殺さなかった。路上に転がして、運命を天に任せるのだと言った。香織の運命がただの悪運なら、重次を裁くのもまた運だと言って。
重次は、もし助かったら町田の件で賢木を告発すると言ったが、それすらも賢木にはどうでもよいことのように思えて来ていた。
もう朝になっていた。香織の家に向かう賢木。夕食の約束には、もちろん大遅刻だ。
で。…「引っ越して」しまっているのですね。玄関の扉に賢木に宛てた手紙が挟まっていて。遠くに行かなければならないと告げている。
プレゼントがあるという文章。中に入った賢木を待っていたのは、バイオリン。
誰かに聞いてもらうことの喜びを知ってしまったから。賢木に持っていて欲しいと。
そして冷蔵庫の中には。多分最後の夜になると知っていたから。とても凝りに凝った夕食の準備が。
号泣して後悔する賢木。
その心は、再び復讐に支配されてしまう。三重子だけではなく、香織の分も。
1ケ月が過ぎ、無事に助かった重次の通報で町田の遺体が探し出され、賢木は指名手配されることになった。
アパートを引き払い、山中のプレハブに潜んでいた賢木は、ある台風の近づく日にそこから抜け出して香織の家に戻ろうとしていた。冷蔵庫に入っていた夕食を詰めてあった弁当箱を持って。
だがすぐに警官に見つかってしまった。免許証を出せと言われて、六方純一という本名の免許証を差し出す。
警官は穏やかに任意同行を求める。賢木は逆らわない。
パトカーに場所を移動する。弁当箱を持参して。
賢木は暴風雨の雑談ついでに山津波のことなんか喋ってる。町は元から地盤が緩いのに、無計画に宅地増設なんかやったから、災害が起きなければいいんですけどねーとか。
詳しいねえとか言われて。ここ1ケ月はずっと地質調査していたからと賢木が。
乱開発のツケで、この辺りにはそういう天然の爆弾がたくさん転がっていたのだそうで。
爆発してしまえば、町は壊滅するだろうと。
その「導火線」を調整することは可能で。
自分は「やった」のだと淡々と告白する。
大量の工業用ダイナマイトを手に入れて。そのうちの1つが、彼の手の中にある。
爆弾を実際に見せられて、警官は慌てる。だがその時にはもう既に遅く。
彼の手の中で爆弾は破裂し、彼の復讐はやっと幕を下ろす。
分岐ないからいきなり赤エンドですね。そのものずばり「復讐」。すげー。山津波で町1つぶっ潰しやがりましたか。そのための地質学だったんだ。
うははははは。遊佐さんご苦労様です。最高だなー賢木。面白過ぎる。一番好きかもこのシナリオ。てか真の主人公だ絶対。たまりませんねー。大好きだ賢木。久々にちょっとダーク萌え。
今度は誰だろう。
五十鈴か…。しかもまだ恋愛だと思ってますねこの感じ。そういうものなのかな神人は。
お風呂でヒロくんのことを考えて悶えている五十鈴ですが。
…ちょっと待て。甘い匂いがするって、えーと…ひょっとして無自覚なの五十鈴ちゃん!? そーだとは思わなかった。五十鈴本人は気付いてなかったんだひょっとして。それが「ミツ」だってこと。
そうか、気付いてなかったんだ。
翌朝からアタックしまくる作戦を立てて五十鈴は博士を待ち伏せて、マナと博士と一緒に登校…しようとするけど、その高過ぎるテンションに明らかに引かれてしまってますよ五十鈴ちゃん…。
学校で、話があると声をかける。でも「告白」する気でなかなか言い出せない五十鈴の態度に、博士は昨日のことを謝罪したいと思ったらしい。昨日。即ちバーベキューで川に放り込まれた件だ。
熱っぽいというヒロくんですが、授業が始まるからと我慢。
放課後、五十鈴は朝のそんなことなどすっかり忘れた様子で「遊びに行こう」などと。顔色が悪いのをかなめちゃんから指摘されて、寄り道を「センター」つまり病院に変更する。
で。帰りは一誠さんの車で送られて帰宅。
部屋まで送るとまたくっつかれて博士は辟易しています。
…好きになるだけでいいから、とか自問自答している所を見ると、少しは…判ってるのかな。どうなんだろ。
翌朝からもベタベタMAXの五十鈴ちゃん。博士に出会ってから自分が「変わって」行っているような気がしているのだそうで。でもそれはきっと恋だと思ってますね。
その日の放課後はかなめちゃんとショッピングだそうです。これ以上博士と一緒にいたら襲っちゃいそうだから(笑)。でも、五十鈴としてはその思いは「隠している」つもりだったらしい…。このことは内緒ね、とか改めて言われても、「バレバレだと思いますけど」とかなめちゃんに冷静に指摘されてしまった。ただ、本人には伝わってないかもですね。
かなめちゃんには、博士の良さはよく判らないそうです。だから五十鈴ちゃんの熱中ぶりが謎らしい。五十鈴は、ライバルが1人減って嬉しいそうで。
少し遅くなって家に帰ると、もう夜なのに出かけようとしている一誠が。車に忘れ物をしたから駐車場に行くと言っているけど。
(その実は。車に残る博士の匂いを楽しみに行っていたらしい。)
学校で。屋上に呼び出された。眠に。
そして、博士にベタベタし過ぎることを警告して来る。
五十鈴を手にかけるようなことはしたくないから、控えて欲しいと。
でもそれが、博士ベッタリの五十鈴には、眠自身が困るから言っているだけなんじゃないの、と毒づく。どうせクラスでずっと監視しているんだろうし、八朔や薬で抑えているから問題なんかない、と五十鈴は言い捨てて屋上を去る。
その夜。部屋に入って来た一誠は眩暈がすると言って倒れる。慌てて抱き止めた五十鈴。具合が悪いなら部屋に連れて行くと言うが、一誠の目的は、五十鈴に染み付いた博士の匂いだった。
翌日。博士は放課後2人きりで話があると五十鈴に言っていた。そのため、朝から上の空の五十鈴。
放課後、博士は五十鈴の気持ちを確認したいと言って。五十鈴は彼の頬にキスをして逃げ出す。
その浮かれっぷりに眠が不審を感じて声をかけて来たりするけど、何でもないと言うだけ。
家に帰ったら。明日からどーしようとベッドの上で転がっている乙女モード五十鈴。
兄が帰って来たらしいのを聞いて、男性に相談してみようかと声をかけたら、いきなり抱きついて来て。匂いを嗅がれて。もう我慢なんかしない、とか叫び出して。
暴走してしまっている。博士ではないけれど、別の人間をもう襲ってしまったと。
五十鈴は兄に薬を飲ませて暴走を止めようとする。カプセルを掴んで、再び出て行ってしまった兄を探して走り回る。
匂いを頼りに兄を探し当てたその時はもう手遅れで。また違う男を彼は襲ってしまっていた。
オオカミ装束の男たちが現れ、助けようとする五十鈴を止め、一誠を連れ去る。襲われてしまった男の人も。
後には、何の痕跡も残らなかった。
…家に帰ると、父母が連絡を受けて泣き崩れていた。
明日の晩。彼らの手で、一誠は処刑されなければならないのだ…。
当然、翌日学校に行っても五十鈴はずっと沈んでいる。
その夜、両親が「装束」を五十鈴の分も借りて来ていた。それが決まりだから。
どうにかして兄を助けられないのかと訴える五十鈴。不埒者を庇ってしまったら、同罪として裁かれる掟があることを話す両親。五十鈴ももちろん知っている。だから、口にしてはいけないのだ。兄を庇うようなことは。
五十鈴は、最後まで兄を助ける手段がないかを考えるために、儀式に参列することを決める。
装束を持ち儀式に向かう。その場所に辿り着き、ここから先は一言も話してはダメと言われて、装束を身につける。
そして。儀式が始まり。
眠が鎌で一誠を処刑する。
事務的に。冷静に。
その態度に五十鈴はショックを受ける。それが彼女の役目と知ってはいても。
そして。家族の手で送る、という名目で。遺体を切り刻むことを、家族に強いるのだ…。
翌朝。というか、戻ったのが朝方で、寝て明けた昼。
両親は自治会に彫像を貰いに行ったらしい。不埒者が出た家は、木彫りの彫像を玄関先に飾るのが決まりだから。
泣き疲れて眠ってしまって、夕方に目を覚ます。博士がお見舞いに来てくれる。
で。博士は五十鈴を抱きしめてくれる。五十鈴が好きだと言ってくれる。
博士はキスしようとしてくれて。兄のことがよぎって慌てて拒絶する五十鈴。
その日はそのまま博士は帰って行く。
そして「デェト」。食べさせ合いっことか恥ずかしいことをしていたのだが、五十鈴は、ヒロくんにパフェを食べさせてあげたスプーンをずっと口の中に入れて楽しんでいた。博士はそれが間接キスに見えて。五十鈴本人は、特に意識をしてなかった。その時は。
公園に行く途中。狼の遠吠えのような音が響く。五十鈴ちゃん曰く、病院の煙突の音、なのだそうです。表向きは廃材なんかを燃やすための焼却炉。でもその実は…。「引越し」した人の終着点だ。もちろん、そんなこと五十鈴は言いませんが。
翌日、また眠に呼び出されて、博士と仲良くすることの危険をまた警告される。
判ってるから放っておいてと言うだけで眠の話を聞こうとしない五十鈴。
危機感を感じた眠は、博士を屋上に呼び出して話をしようとして、五十鈴に見つかり、割り込まれる。
2人の言い争いを止めようとして博士に詰め寄られ、眠は「見苦しかったから」と適当な理由を言い捨てて去る。
それは。「見捨てる」宣言だ。五十鈴には、判っていた。
五十鈴は部屋でヒロくんのことを考える。考えるだけでドキドキして来て、ぼーっとして来て。
気付くと、枕がベタベタに。
自分ではコントロール出来ないくらい涎が流れ出しているのを見て五十鈴はぎょっとする。止めようと思っても止まらず、カプセルを飲もうとしたが、兄を追いかける時に予備を全部掴んで持って行ってしまって、何処かに落としてしまったのか、1つも残っていなかった。
誰でもいいからミツが欲しいという衝動が起こって。五十鈴はパニックになる。兄と同じようになってしまったらどうしようと。カプセルがないならと、夢中で八朔を皮ごとかじる五十鈴。
翌日。センターに寄ってカプセルを貰いに行くため、かなめと博士とは途中で別れる。もちろんカプセルのことは言わないけれど。
家に帰って。でもヒロくんのことを考えるとまた同じ衝動がぶり返す。貰った薬を片っ端から口の中に放り込んでもなかなか収まらず、五十鈴は苦悩する。
寝不足で貧血になり、保健室に運び込まれる五十鈴。
お見舞いに来た博士は、授業のチャイムを聞いて一度退室する。
しかし、その途端にあの衝動がまた襲って来てしまい…。入れ替わりにやって来たかなめちゃんの唇を、奪ってしまった。
(そーいう経緯だったのか…)
自分のしたことに気付いた五十鈴は、そのまま学校を飛び出して家に帰る。
神人の獣性は、一度ミツを味わってしまうと、理性では歯止めが効かなくなるらしい。五十鈴は、そんなことをしてはダメだと葛藤する理性と、誰でもいいからミツが欲しいという衝動との間で揺れ動き、やがて。殺されるならヒロくんとキスがしたい、という欲望に意識を支配されて行く。
そして五十鈴の体は「狩る」モードにスイッチする。
いつもと同じ五十鈴として振る舞い。夜まで怪しまれないように。
夜6時に公園で会う約束を博士と取り付けて。
かなめちゃんは熱を出してしまった。見舞いに行こうとする博士を止める。
多分、かなめちゃんが病院に行ってしまったらもう最後だから。今日しかチャンスはないと五十鈴は理解している。
公園。ここに来る途中、博士はかなめの家に寄ったと言う。眠に会って。眠が五十鈴を探していたと。
そして。五十鈴を止めるために来た眠は、このルートでは返り討ちに遭ってしまった。
異常に気付いた博士は逃げるが、匂いで追っている五十鈴は決して彼を見失うことがなく。
博士はナイフを構えて反撃しようとしている。どうしてこんなことをしたのかと泣きながら尋ねている。
五十鈴は話してしまう。所詮人間なんて家畜だからと。自分たちは人間ではないと。
ヒロくんを殺すのだと。楽しむために。
襲いかかった五十鈴に、自衛のために博士は刃を向けて…。
なるほど。鬼宿りの章の裏側ですね。
「夢の終わり」エンド。うーん。しかしアレですね。ヒロくん殺してしまえに至る心理が、鬼宿りの章の方が判り易かった気がする。「本人」視点のはずなのになあ。
てか1時間早まってるのも謎だ。パラレルワールド扱いなのかしら、一応。
しっかし、えーと…超オツカレサマデス岡本さん(←一誠)。一誠さんずっとこんなんか。可哀相だ。救われないなあ…。
タイトルからすると眠ちゃん編と見ましたが。
…でしたね。眠ちゃん。お父様の付き添いでセンターに来ているのか。
って、えええ。重三さんって…お祖父さんじゃなくてお父さんだったんだ、眠ちゃんの。ずいぶん年が…。
院長さんに取り次いで貰っているようですね。
受付で待っていると、大部分の患者が神人で、例の「鎮痛剤」を処方して貰っている人ばかり。こんなにも薬で抑えようという人が多いのかと眠は思う。父は元々、都市化に反対していた。これもまた都市化の弊害なのだと。
父が呼ばれて診療を受けてから30分ほどして、眠が1人で重次院長に呼ばれる。そして、重三の余命がもう幾許もないことを告げられる。
神人は総じて短命なことが多い。そして、死期が近づいた神人は精神が不安定になり易い。何かあったら相談するようにと言われるのですが、眠は半ば上の空だった。
帰り道。神人の寿命は短いんだから、結婚する気があるなら早く相手を自分に見せてくれと言う重三。自分が生きているうちに。眠は、まだそんな時期ではないと思うが、だが、結婚する気はあると言った。櫛名田の血を絶やさないために。
重三は、眠が幸せになるなら櫛名田の血筋なんてどうなってもいいと言う。
時代に飲まれて町が変わって行くように、自分達も変わる時が来たのかも知れないと重三は思っているようで。
ただ、町内会の皆にはそんなこと言わないでくれと口止めしていますが。
アクトペディアで判りました。43歳なんだ重三さん…老人にしか見えないですが。神人は短命というより「老化が早い」ようです。ふむ。
夏休みが明けて一週間。放課後、教室の見回りをしていた眠。掃除担当がサボったらしくホコリが残っているのを見て、我慢出来なくて自分で掃除を始めてしまう。
そこに忘れ物を取りに来た博士が来る。掃除が足りない教室を見て、手伝うと言い出す。
みんな話しかけて来ないので、何も知らない転校生が普通に接してくれることが眠は少し嬉しくて、机の整頓をお願いすることに。
が。教室で、『ミツ』と2人きり。次第にその香りが眠を浸食して来る。空気を入れ替えなきゃという理性と、もっと嗅いでいたいという本能がせめぎ合う。
次はどうしようかと話しかけて来た博士に、思わず近づくなと怒鳴ってしまった。邪魔だから出て行けと。
博士は驚いて。明らかにムッとする。そりゃそうだ。厚意で手伝ったのにいきなり邪魔扱い。逆らわずに博士は出て行くが、ドアの閉め方がひどく乱暴で。彼の怒りがよく判って。
眠は窓を開けて外の空気を吸い、やっと衝動を収めることが出来た。
急いで家に帰り、八朔を食べる。重三にそれが見つかり、眠に残る残り香から「ミツ」の濃い相手と一緒にいたこともバレてしまう。
衝動の抑え方を学ぶようにと重三から厳しく言われる。
その時に電話が鳴って。複数の「不埒者」が出たことを知らされる。その夜も、眠は「カミオトシ」の儀式(神人から「狼」を落とす、という意味合いがあるらしい。処刑のこと)をするために準備をして、出かける。
今夜の対象者は3人。そのうち1人は自治会(新市街の神人の集まり。旧市街の神人の集まりは「町内会」)で処理済とのこと。
残る2人を追う、オオカミ装束の一団。眠に渡された紙に書かれていた名前は見知ったクラスメイトのものだった。
探し当て、追いつめたその相手は、ひどく獣じみた笑いをしていた。眠は動揺する…教室で、博士の香気に溺れていた時の自分もこんな醜い顔をしていたのだろうかと。
一瞬の躊躇の隙に「不埒者」の反撃に遭って怪我をするが、何とか無事に「儀式」は終わる。
(…ちなみに。はぁはぁしか言ってませんけど、多分小笠原ですね、この不埒者。)
月に1度の会合の日。暑い夏、八朔の不作、暴走者が特に若い者に多過ぎること、問題は山積している。おまけに、何やら神人のことを嗅ぎ回っている神堕人もいる。
今までと同じように律して行くしかないという眠。儀式を行なう眠の負担が大き過ぎると心配するメンバー。
また、こんな時にこそ必要な八朔の不作でカプセルの製造量も足りない。
八朔祭りを中止にした方がという意見は、眠によって却下される。八朔祭りは豊穣祈願などではなく、白狼観音を祀るのが本来だから。
神人の中には、急速に「朽ちる」者が現れる。それが御徴。その人を「神域」に送るのが本当の祭りの目的。
自治会では、外から購入した八朔を祭りに使う案を出していると言う。カプセルとしての役割は、この土地で育った八朔でないと効果が薄いらしい。
近く、他地区との合同会合を開くことになる。
会合の話を聞いた重三は、眠の母が白狼観音として祀られたがために、八朔祭りに特別な思い入れがあるのではないかと言って。話してくれた。
眠の母、梨香子は、元々は神堕人であった。心ない不埒者の犠牲者として神人になってしまった。重三は、彼女が神堕人であった頃から彼女に思いを寄せていた。ただ、結婚をしたのは彼女が神人になってからだった。
重三は。神堕人との共生を拒み続けるのは、妻に対する贖罪だと言う。誰かが梨香子を神人にしなかったら、結婚は出来なかった。だから、当時、心の何処かで、重三は同族の不埒を喜んでしまっていたから。梨香子が抱えてしまった苦悩のことなど、考えもせずに。
眠がまだ小さかった頃、母は体に「御徴」が現れ、急速に老けてしまい。白狼観音として祀られて急な別れを強いられた。
望まずして神人になってしまった者の教化を担当する白狼観音としての役割を立派に全うして亡くなったと聞いている。最後まで、神人と神堕人の共生を願い続けていたとも。
今の眠はそんな母を尊敬し、思いを継ぐ決意をして、共生を掲げているのだ。
早朝の散歩の途中で、ある家の前に置いてあった木彫りの像に、重三は八朔の果汁を振り掛ける。果汁をかけるのは、不埒者の魂が、衝動から解放されて安らかであるようにとの供養の習慣らしい。その朽ちかけた像は、梨香子を神人にしてしまった不埒者の像だった。
その不埒者がいなければ、眠はそもそも生まれていなかった。複雑な気持ちになる眠。
旧市街のその道で、マナと歩いていた博士と出会ってしまう。
ちなみに、博士のミツは、神堕人だった頃の梨香子に似ているのだそうです。
重三は普段、神堕人に会うことすら毛嫌いするのに、何故か博士には好意的で。自らを眠の祖父と自己紹介する。
他愛ない雑談。…なんだこのほのぼのムード。全然違うじゃないかい月痕艶女の章と。
2人と別れた後。重三は、神人が静かに滅ぶことを願っていると言った。神人には未来はないと。神人と神堕人が関わることは不幸しか生まないと。
肩の怪我を心配してくれる博士。掃除するならまた手伝うとまで。あの時ひどく邪険にしたのに、どうしてそんなことを言って来るのか眠には判らない。
五十鈴に呼ばれて席に戻る博士。相変わらずのべたべたっぷりを眠はつい眺めてしまう。五十鈴は、あのミツによって起こる衝動をどうやって抑えているのだろうと不思議になる。あんなに近づいて、どうして平気でいられるのだろうと。
だが、次の休み時間に五十鈴が博士に抱きついたその時に。五十鈴は舌で博士の首筋を舐めようとしていた。それを見た眠は五十鈴に「止めろ」と警告する。
ヤキモチ焼いているんじゃないの? と眠に食ってかかる五十鈴の目に、赤い光が宿っていた。眠は、五十鈴を「引き戻す」ために平手で彼女を殴った。
クラスメイトの神人たちは、それが何のためなのか知っているので何も言わず。神堕人のクラスメイトは、眠に非難の目を向ける。博士も同じく。
だが眠は何も説明しようとしない。
放課後、眠は何処かに電話で一報を入れてから家に帰る。家の電話が鳴って。眠が監視を依頼していた神人が「動いた」と。
儀式の準備をして向かっていると、博士の匂いが。それと、暴走した神人の匂いも。
五十鈴だった。暴走した彼女が理性を失い、博士に襲い掛かっていた。
眠は怪我を負いながらも役目を果たし、五十鈴を調伏する…しかしその現場を見た博士は「人殺し」「バケモノ」と叫びながら逃げ出そうとして、倒れて気を失ってしまう。
博士を病院に運ぼうとして、ミツによる衝動と戦い続ける眠もまた、途中で気を失ってしまう。
病院で目を覚ます。
治療用の精油を点滴しているそうで、吐き気などの副作用がひどい。そこまで「衝動」がひどかったのかと眠は落ち込む。
何があったのかと尋ねられ、五十鈴を調伏して博士を病院に運んだことだけ話す。ミツに当てられて衝動に突き動かされ、襲うことを考えてしまったことまでは言い出せない。
博士に顔を見られてしまったかも知れないことを危惧する重次。しばらく動かない方がいいかもと言われる。
眠は、そのまま家に帰ろうとした。この程度で倒れていたら他に示しがつかないからと。
自警団の1人の車で送られて帰宅。運転してくれたメンバーには、暴走者に1人で立ち向かうなんて無茶はやめてくれと心配された。
家に戻り、父に呼ばれたので寝室へ。着替えて、八朔をかじってから向かう。
眠の怪我を見て父は驚くのですが、少し不手際があったと淡々と報告する。
11歳の時から眠はカミオトシを担当していたらしい…。
その夜、彼女は傷の痛みと心の痛みに苛まれ続けて夜を過ごす。
学校を数日休んだ。体の調子も悪かったが、博士と会ってしまうのが怖かったからでもある。
眠は父の看病をしている。父の容態は更に悪くなり、目の前が霞んでよく見えなくなっているようだ。
昼食を作って持って行っても。妻の面影を探してうわ言を繰り返す。彼女の元に行きたいから自分を燃やしてくれと叫んだり、眠を妻と間違えたり。
合同会議が開かれた。増え過ぎている不埒者への対策問題だ。
…この席でついに出てしまうのですね。濃いミツを持つ神堕人を処分するという案が。
眠はもちろん断固反対する。カミオトシと神堕人殺しでは意味が違い過ぎると。だが会議ではその案を検討する意見が出始める。
神人には戸籍謄本がなくて、カミオトシにされた後の「行方不明」になる手順が整っているが、神堕人にはそれがないということ。不用意に事件を起こせば表沙汰になりかねないことなど。
結局話し合いは平行線に終わり、神堕人殺しを実行する結論にはならなかったが。
翌日。父の看病をしていた眠の元に電話が。犠牲者が出てしまったと。恐らくは神人の手による神堕人殺し。物的証拠はないが、匂いで彼らには実行者が判ってしまっていた。
眠は久し振りに学校へ。博士だけでも守らなければならないと思ったから。
だが、博士と一緒にいたかなめに姿を見られてしまう。博士には気付かれてないが。かなめが「櫛名田さん?」と言った途端、博士は異様に怯えていた。
知られてしまったいるのだと、眠は気付いて悲しくなる。それでも、彼の家まで後を追い、団地の前で眠は立ち番を続けた。
暗くなってから家に。父は発作が激しくなり、訳の判らないことを叫んで暴れる。慌てて眠は伯父の重次に電話し、すぐ来てもらうように嘆願する。
狂ったように笑いながら父はうわ言を繰り返している。梨香子を襲った相手を、自分より先に「ミツ」を味わった相手として憎んでいたこと。だから嬉々として「カミオトシ」をしたこと。梨香子を自分のモノにしたかった。一生あのミツを味わいたかったと、獣のように笑う父。眠は、これが神人の本性なのかと絶望する。
次に目を覚ました時はまた病院にいた。
博士を守らなければという義務感だけで病院を抜け出し、学校へ。
博士は案の定物凄く眠に怯えているが、眠は構わず、博士が狙われているから気をつけるようにと警告して立ち去る。博士は、「狙っている」のは眠ではないかと思っているようで、また一段と怯え出した。
それでもいいと眠は思った。眠に狙われていると誤解されても、それで彼が身辺に気をつけてくれるならと。そして、もうこうなったら全てを話した方がいいと決意する。
放課後。かなめと別れて団地に入った博士を呼び止める。
全てを話そうとしたその時に。
猟銃を持ったオオカミ装束が現れて、博士を撃つ。幸い急所は外れている。
眠は彼を守ろうとして伏せるよう言うのですが、眠が首謀者と疑う博士は聞き入れない。やがて取り囲まれる。眠は博士を身を挺して庇おうとするが…銃声が。
再び病院で目を覚ます。
神人の未来に絶望した眠は、あの場で博士のために死ぬつもりだったのに…生き残ってしまった。
ちなみに博士もなんとか生き残れたようです。
窓の外では八朔祭り。そして焼却場から上がる煙は、父のもの。
しばらく休んでいた眠は、花の香りで目を覚ました。お見舞いの花。その香りに紛れて、眠は博士のミツの残滓を感じ取る。
(…そうか、誤解は解けたのかもね。)
エンド名は「父の火葬」。
博士と眠は難しいですねえ。絶対にそのままでは相容れない存在だもんなあ。
っていうか、こうして見ると五十鈴の方が「強い」のかも知れないですね。眠ちゃん、よろめき過ぎじゃないですか…。なんなんだこの弱さ。
五十鈴すげぇ。あんなにベタベタしてても最後の最後まで理性決壊しないもんねえ。実は五十鈴最強か。
珍しい英語タイトル。なんだろ。
ふむ。新しく神人になってしまった男が座敷牢に閉じ込められている。対峙しているのは重次だ。本人はまだ事情を把握していないようで、ただ監禁されているだけと思っているようで。
加奈子、という名前が出て来た。この男はどうやら、その加奈子(神人)に不埒を働いたことで神人になってしまったようだ。男は合意の上での愛情表現と思っているらしい。まあそりゃそうだろうが。
神人のことを説明しようとする重次、でも男は信じていない。加奈子は「被害者」ではあるが掟によって処刑されてしまっている。彼女に真相を確認すればいいという男の言い分は通らない。
加奈子が、キスによって処刑された話を聞いて男は震え上がる。神人になってしまったのだと説明をする。そして、彼の側からの暴行で不埒者に「されてしまった」加奈子の両親は、きっとこの男を恨んでいるだろう、という話辺りで、ようやく男は話を聞く気になったらしい。
白狼観音(香織だ)がやって来る。神人は元々老化が早いが、その中でも劇的に早くなってしまうのが「御徴」。仮面と装束に包まれた素顔は見えないが、その手はまるで老婆のようにしわしわ。
後のことを彼女に頼んで、重次は退室する。
重次は密かに神人のことを研究している。昔から、神によって授かった体だ、と言われ続け、特別な存在として位置づけられていた神人は、罹患するし、変身というほどヒトと肉体的な相違があるわけではないし、一種のウィルスだと考えることも可能だと考えているのだ。神人にとってそれは、崇めている神を病原菌扱いすることであり、神人社会では処断されかねない研究。だが、もし病なら…抑える手段があるのかも知れない。
ただ、1人で研究を続けるのはもう行き詰まりかも知れないと思い始めている。だが、誰にも協力を仰げるものではない。
副院長の葛西が、手が足りていないと重次を呼びに来た。現実主義のクールな男。彼もまた神人。ただ、神から授かったとか、奇跡とか、そういうことはあまりお好きではないタイプ。彼のような人間の協力を得られればなあとは思っているけれど。彼は神堕人を憎んでいるようですね。
で、まだ話すのは早いかもという結論になる。
往診に出かける重次。その前に看護婦と話していて、最近院長が夜遅くまで仕事をしていて心配だ、というようなことを言われる。気遣われての言葉だけれど、研究のことがバレないようにしないと、と重次は考える。
往診の帰り、昔のことをぼんやり思い出していると(…誰だろうこの女性。まあいずれ明らかになるんだろう。「あの方の匂いが焼きついて離れない」と泣いている)、神社の近くで男に声をかけられる。博士の父・正明だ。
狼を神体として崇める信仰に興味がある正明は神社を見に来たようだ。まだ引っ越して来てばかりで迷ったそうですが。
観光ならこの先に滝があって賑わっていると話すが、民俗学に興味があるからこっちの社の方が、と話す。
名前を聞いて、「あの」博士と関係者かも知れないとすぐ思い当たる。要注意人物として既に博士はマークされてしまっているのだ。
外の人間がここをどう思うのか興味があったので、正明が喋るままにさせておく。
神体の元になった大狼は、元々この辺りに住んでいた狼たちのことで。人を襲うこともあったと言われている。狼たちにとって町は「餌場」だったのではないかというようなこと。
神人のことを言われているようで内心少し穏やかではなくなる重次。
正明は更に、狼たちは鬼や魔物と恐れられていたのではとか、鬼の伝承には外国人説があるとか、人間は「異物」を恐れるものだとか、八朔の魔除けとしての役割とか。重次はただの名産品、経済的な拠り所だから大切にしていると説明するけれど、正明は、この町の人が八朔を妙に「神聖視」している気がする、と。ちなみに、この辺りで作られていた着物「嫦娥紬」も八朔の幹と根を使って染めている絹から織られるそうだ。
で。正明は、この八朔が、魔物と恐れられた狼たちから身を守るための魔除けとしての意味が強いと考える。「オオカミ様を鎮める八朔」だ。(うわー。核心ズバリですね。凄いな正明。)
思わず驚いてしまった重次。しかし、その顔を呆れられてしまったと捉えた正明は「物好きの妄想だ」と付け加えて笑ってごまかす。
夜。診察は終わっているが、眠が、暴走の兆しを見せた状態で大怪我をして運び込まれる。
副院長の葛西は「櫛名田」がこれでは示しがつかないと苦々しげ。重次は、櫛名田であるという重責の中よくやっていると眠の行動に理解を求めるのですが、葛西は「そう仕向けたのは古い者たち」「悪性の患部を摘み取らないとこの土地が神堕人に取って食われる」そうです。ふむ。アンチ共生派というわけかこの人。
眠の怪我の原因は五十鈴のようだ(ってことはこれは折鶴比売命編の裏側ですね)。
…お。さっきの女性のことをまた思い出している。重次の婚約者…らしき女性、ですね。でも重次には嫁げないと嘆いている。「あの方の香りが焼きついて離れない」から。
眠が目を覚ました。目覚めて最初に心配したのは博士のこと。重次は、既に暴走しかかっていた眠が、ここに来る途中「不埒者」に落ちていないかどうか心配して、何があったか尋ねる。
眠は説明する。心配していたようなことはなかったようだ。少なくとも話の上では。
重次が、博士が眠の顔を見たかも知れないと言った時、眠は、博士が何かされるんじゃないかと心配になったらしい。少し話をするだけと重次は言う。こんなに心配してもらえて博士は果報者だとか、想い人だとか言われて動揺している眠。
重三の家に眠を送り届け、ついでに往診もしているようだ。ただ、それ以外の用事があるらしいことを重三は感づいている。
今の神人の生活をどう思うかと重次は訊いた。重三は、昔から続いて来たカミオトシと掟の生活を続けるだけ、神堕人は全て追い出して元の生活を取り戻したい、だそうです。
ただ、今の時代、外界との接触を全て遮断するのは難しい。それならむしろ受け容れてはどうかという考えもある。町会は原理主義。自治会はグローバル主義。神人同士で争っていても仕方がないので、とりまとめる機関も作った。俗に「病院」と呼ばれるが、会議の場所が病院ってだけで、別に病院がその機関の運営者ってわけではない。
なんとかバランスを保ってはいるが、問題は大きくなるばかり。何とか手を打たなければ。
重次は、そもそも神人が身を隠さなければならないのだろうか、という疑問を呈する。
衝突しか生まないからだと重三。
お互い相容れない存在だとしたらそうだろう。だがもし「仲間」なら。
少し躊躇してから、重次は、神人が、ただの「人間の病」に過ぎない可能性を口にする。
重三はもちろんそんな説を受け付けない。この体は神からの授かりもの。特別視している。神堕人と一緒にされることを毛嫌いする。静かに暮らして来た自分たちの領域に踏み込んで来た我がままな連中と神堕人を蔑む。
(正直意外だ…。こんな選民意識があったんだ、神人の側って。伊達に「神」をつけていないのだなあ。不思議。)
病だと証明されれば隠れる必要はなくなると主張する重次。この生活に未来はないと。
重次は眠のことを思い出している。そして、あの女性のことも。救いたいと思っているからこそ、なのに。
重三は協力を拒絶する。このままでは未来がないこと、滅びの道を歩むかも知れないことは判っている。もしそうだとしても、それでも構わないと重三は言う。
研究に没頭している時に、葛西がやって来る。製薬会社の営業が院長に会いたがっているそうだ。神堕人の薬など不要だから追い払うという葛西を止めて、会うことにする。
怪訝な顔をする葛西。しかし、この病院だって神堕人が増えて来ているし、感冒薬などは神人の体にも効果はある。全く不要という訳ではないだろうというのが院長の言い分だ。
部屋に閉じこもっている理由を聞かれて、ある病を研究しているとだけ答える。葛西は納得していない風だが、男を通した。
その営業は。…賢木儁一郎という名の名刺を差し出す。
(うわー…。茫然。地質学専攻が薬学、イケるのか? 賢木。大丈夫なの?)
前の営業の名前を覚えていた重次は確認するが、担当地域が変わったと。
若く見えるが随分落ち着いてるなーとか思ってる重次。
で、新薬の説明をされたのだけれど。どうもこの営業、売る気がない感じがする。説明は丁寧だし判り易いのだが。
失礼を承知でそう言ってみると、彼は素直にそれを認めた。名目だけ変わっていても今までと変わらない薬。彼自身が、それをあまりよく思っていないのだと言う。
信念を持って仕事をしているのだなと好感触を持ったのもつかの間。彼は口にするのだ。「神人」という言葉を。
何のことか判らないと誤魔化す重次。
賢木は独り言のように話し出す。調べ上げたことを。儀式と称して人を殺していること。残虐に飾り立てていることなど。
殺人鬼だと神人を貶める発言につい激昂してしまい。神人の存在を認めてしまう。
彼にどうするつもりと尋ねる。殺すのか、マスコミにバラすのか。そのどちらもしないと賢木は言って、ただ神人のことを知りたいだけだと。
重次は、賢木の瞳の奥に何か純粋なものがあると感じたらしく、…協力して欲しいだけという賢木の言葉に頷くのだ。
重次は、神人とはどういうものかを賢木に正しく理解して欲しいから準備がしたいと言った。賢木は連絡先を置いて、素直に出て行く。
賢木は最初から重次を利用する気だろうと判っていて、重次もまた、この事態の打破のために賢木を利用しようとしている…。
彼ら2人が改めて会うことになった日、賢木がドアをノックする所でこの編は終わり。
…うおお。なんかとんでもない展開に。賢木が救っちゃうのか? まさか。うーん。そういうことしそうにないけど、どうなんだろう?
エンディング名は「希望」。
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