※ネタバレ全開でお送りしています。
自力で解きたい方は回れ右プリーズ。
凡例
→《選んだ選択肢》
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五色塚編 月痕艶女の章(1)
五色塚編最初から。
→《それじゃ、お願いしようかな》
→《また今度、旧市街にでも行ってみよう》
来ましたねえ。月痕艶女の章だそうです。
日曜日、マナを無理矢理連れ出してお散歩中。旧市街を散策しています。マナはぶーぶー文句言ってますが。
家の玄関先に時々置いてある不思議なオブジェに目を留める2人。犬と人が合体したような小さな木彫り像があちこちにある。
歩いていると、眠ちゃんがご老人と2人で和服姿で歩いているのを見つける。声をかけると立ち止まったが、声をかけられなければそのまま無視して通り過ぎるつもりっぽかった。
マナの方を気にしているようなので紹介してみる。マナが挨拶すると、眠ちゃんもマナに対して丁寧に自己紹介。
ちなみに、一緒にいるお祖父さんらしき人に挨拶をしてみるが、返事すらしてくれず。
マナは、何を思ったか突然、眠ちゃんに向かって、兄の彼女になってくれないかと頼みやがった。眠ちゃんは、何を言っているのか判らない、とあっさりかわしてたけど。
気まずい空気が流れたと思ったら、眠ちゃんは、この辺りを出歩くのはやめてくれ、と一言言って去ってしまった。
ちなみに。少し前にマナと博士は、博士に彼女が出来るかどうかで賭けをする羽目になってしまっていた。マナは絶対出来ないと兄をバカにするが、博士は、こっちに来てから何故かモテていたので、五十鈴ちゃんがいる限りはそんなに大変でもないだろうと思っていたらしい。
ただ、マナに言わせれば、五十鈴ちゃんみたいな変わった人は対象外なのだそうです。博士に興味がないような子を、男らしく口説き落として欲しいのだそうで。
…という訳で、博士に興味がなさそうな眠ちゃんに話を振ったらしいのです。
そんな話をしていると、今度は誰かに声をかけられた。…賢木さんだ(この時はもちろん名前不明)。
眠ちゃんと知り合いなのか聞いて来る。
答えあぐねていると、マナが「未来の恋人かも」とか横から口を出す。
賢木さんはその言葉にちょっとびっくりした後、ヤツらに関わると地獄に連れて行かれる、と警告して立ち去る。
学校では幽霊話で盛り上がり中。苦手な五十鈴ちゃんは止めようよーと言ってますが。
かなめちゃんは、この町は夜中に幽霊が出るらしいから探しに行こうとか言い出しています。そういうの全く興味なしの博士と、怖いから嫌な五十鈴ちゃんはあっさり断っていますが、かなめちゃんは、博士の歓迎会も兼ねて企画したのに…と拗ねてしまった。
根負けして行くことにするが、内心は面倒で仕方なくうんざりしている博士。
トイレに行って戻って来ると、廊下でかなめちゃんが声をかけて来る。そして、周りに聞こえないようにしながら、博士が幽霊役をして欲しいと頼んで来た。企画の真意は「すずちゃんいじり」なのだそうだ。本気で怯えている五十鈴ちゃんは可愛いのだそうです(笑)。
白いシーツでも被ってそれっぽくしていればいいそうで。
夜。かなめちゃんとの待ち合わせ場所にやって来た。ここで事前に落ち合ってから、五十鈴ちゃんと合流という手筈だったのに、かなめちゃんは全く現れない。
場所を間違えたのかも知れないと思ったし、そもそも、もう五十鈴ちゃんが来てしまう時間。仕方がないので、本来五十鈴ちゃんと待ち合わせた場所に行き、シーツを被って物陰に潜むことにした。
工事現場だ。まだ五十鈴ちやんはいない。ひょっとして帰ってしまったのか、もしかして逆に自分がハメられたのではないか、そう思い始めた時。
何かの遠吠えのような声がすぐ近くで聞こえ、博士は正体を確かめるべくそっと近寄る。
そこにはオオカミ仮面の黒衣集団と、大鎌を持った黒衣の少女。囲まれた若い男が倒れる。
博士のいる方向を少女が見たような気がして、慌てて逃走する。
団地の近くまで来てから、その少女が、何故か眠ちゃんに似ているような気がする、と博士は思っていた。
自分の家に入る前に、五十鈴ちゃんの家に寄って。目撃したことを話すが、信じてもらえない。ちなみに、五十鈴ちゃんは結局怖くて行かないという決断をしていたらしく、別に博士を騙そうとしたのではないみたい。
翌日。かなめちゃんの方は、自分で言い出しておきながら読書に夢中ですっかり忘れていたらしい。
ってことは、かなめちゃんがあの光景を仕組んで博士をハメたという説もなしか。
ということは。博士の視線はどうしても眠ちゃんの方に行ってしまう。
美術の授業。木彫りの彫刻を造っている。この学校では、美術室での席は自由らしい。開始ギリギリに入って来たら、空いている席は眠ちゃんの隣しかなかったので、そこに座る。
見本が用意されていて、それを見ながら彫っているのだが、それは先日旧市街の散歩の時に見かけたものだった。狼をモチーフにした像で、この土地に伝わる魔除けのようなものらしい。
何故か、クラスメイトの大半は元気がない。この授業があまり好きではないようだ。博士は元々プラモデル作ったりするのは好きなので、そんなに嫌でもない。
目の前の眠ちゃんの手さばきは、思わず見とれてしまい、自分の作業が全く捗らないほど、かなり見事だった。高名な仏師のようだと博士は思う。
…で、授業が終わって品評会が開かれ、ベスト1には眠ちゃんの作品が、ワースト1には博士の作品が選ばれてしまう。と言っても、博士本人も納得だ。何と言っても、眠ちゃんの作業に見とれていて、申し訳程度に目と口のついているソーセージみたいな代物になってしまっていたからだ。
でも、どういう訳か、眠ちゃんは、そんな博士の作品を、自分は可愛いと思います、と褒めてくれた。素朴で味わいがある、とか。
てっきり嫌われていると思っていたので、意外過ぎて驚くことしか出来ない博士。
と同時に、やっぱり、その前の夜のことを思い出してしまう…。
どうしても気になってしまっている博士、その日の放課後、再びあの工事現場へ。
案の定、痕跡は何も残っていなかったけれど、とても綺麗に折られた和紙の折鶴を拾う。
ふと。鈴の音を聞いたような気がする。音は遠ざかって行く。博士は、その音を追って走る。
結局、途中で鈴の音は聞こえなくなるが、騒がしい鴉の声。その方向に足を向けると…無残に細工された遺体が、鴉たちの餌になっている現場に遭遇。そして、またしても同じ紙で折られた折鶴。
慌てて警察に通報しようとするが、公衆電話を見つけたものの小銭がなく。緊急通報のボタンを押しても通じなかった。
近くの喫茶店に駆け込んで通報を依頼するけれど、まるで信じてくれない。それどころか、妙に強引にコーヒーを飲ませようと腕まで掴まれる。
振りほどいて逃げ出す。
通行人の誰かに交番の場所を聞いても、誰も答えてくれない。遠巻きに見ているだけ。
結局、博士は家から通報しようと決めて自宅へ。
しかし、帰っても家には誰もいなかった。
嫌な予感がしてまた家を飛び出し、交番探し再開。だが、走っている間に誰かに尾行されているような気がして何度か立ち止まる。
振り向いても誰もいないので、気のせいと思い直して再び走る。
途中、新市街と旧市街を分けている川の河原で子供たちが何かに石を投げて遊んでいるのを見つける。子供たちに声をかけて交番の場所を聞こうとしたが逃げられてしまう。
ただ。子供たちが遊んでいた川の中の「何か」をよく見てみると、それは車輪に見えた。近付くと…車椅子の車輪。博士は夢中で川に入り込み、それがマナのものではないことを確認しようとする。
その時、後ろから何者かに襲われ、水面に顔を押し付けらてしまう。
かと思ったら今度は頭を持ち上げられて背中から水中に押し倒される。
腹の上に乗られて、沈められそうになり。それでも必死に上半身だけでも水上に出そうとしたら。
襲撃者は。さっきの喫茶店の店員さんだった。
完全に理性を失っているとしか思えない。獣のように涎をだらだら垂らして、なおも博士を水中に沈めようとする。
もうダメだと観念した時、あの鈴の音がする。そして光る刃のようなものや、大丈夫ですか、という声を聞いたような気がしたけれど、結局そのまま気を失ってしまった。
ぼんやりと気がついた時、そばで人の声がしている。
香気に暴走がどうとか。私が護衛をするとか。彼には何の罪も、とか。こいつは毒にしかならないとか。
2人は初老の声、1人は少女の声。
段々と意識がはっきりして来て、「襲撃者」のことを思い出してしまった博士は悲鳴とともに目を覚ます。
清潔なベッドに寝かされていた。
鈴の音。あの音は以前、オオカミ仮面の黒衣集団を目撃した時にも聞いた音だ。
その時にいた少女が眠ちゃんに似ていることを思い出したら。声が。眠ちゃんが、すぐそばにいた。
ここは病院のようです。だから博士は、彼女は何かの理由で博士が担ぎこまれたのを知って見舞いに来たんだろうかと考える。
暗い所を1人でうろうろするのは良くない、とたしなめられた。
博士は、助けてくれたのは眠ちゃんかどうかを聞いてみるが、覚えていないなら知らない方がいい、というような返事。それは暗に、眠ちゃんが助けたことを認めているようなものだ。
医師が来ました。眠ちゃんの伯父さんです。ドブ川に落ちた、ということしか言わないですね。傷口からバイ菌が入っているかも知れないから、異常があったらいつでも来いと言ってくれる。
ちなみに。眼鏡落としたようで、視界がぼんやりしてます。眠ちゃんは探させると言ってますが、そりゃ無理だろうから買い換えないと、と博士は思っています。
先生が教えてくれました。病院に運んでくれたのは眠ちゃんなのだそうです。
で、博士は思うのだ。オオカミ集団の中心人物はやっぱり眠なのだろうと。あの残虐な死体を作った集団であるということで怯えた方がいいのか、助けてくれたんだから感謝した方がいいのか混乱中。
でも今回については助けてくれたのは間違いないので、感謝の言葉を述べると、そんなことより自分の無用心さを反省しろ、と言われてしまった。次も運よく私が通りかかるとは限らない、だそうで。
どうしてあんな時間に出歩いているのかと聞かれて、ようやく本来の目的を思い出す。マナがいないのだ。
眠ちゃんは、マナなら家にいるはずと話す。釘でも踏んだらしく車椅子が動かなくなり立ち往生していた所に通りかかり、家まで送り届けてお茶をご馳走になったそうです。時間はちょうど、博士がマナを探しに飛び出した後だったらしく。すれ違いだったのですね。
ちなみに父も出かけていたのですが、伝言に残したメモが何かの拍子に床に落ちてしまっていたらしく、博士の視界には入らなかった模様。
電話がつながらなかったのは。医師が、病院の事務所でも電話が使えなくて大変だったと教えてくれた。電話局で何か事故があり、町中止まっていたとのことだ。
もう深夜なので、先生が車で送ってくれるそうです。博士は、その前に交番に寄ってもらって、目撃した遺体の場所を通報することが出来た。
家に着いたら、こんな時間まで何処行ってたんだとマナに怒られた。ちなみにマナはまた近いうちに眠ちゃんに会う約束をしていると言っていました。
そして翌朝。何故か物凄いきっちりした和の朝食が準備されている。父は自分が作ったと言ってます。
博士の定位置には何故か、マナお気に入りのウサ耳カエルのぬいぐるみが座っている。ピンクのカエルにウサギの耳がついているというそのキャラクターは、巷では結構人気らしい。席がないのでどけるぞーとマナに断って触ろうとしたその時。
「私のうさエルさんに触らないでください」と声が。何故か眠ちゃんがいる。
彼女曰く、マナに用があって登校前に立ち寄ったら、父に朝食のお誘いを受けたそうです。で。うさエルさんが痛がっているので放せ、だそうです。
いつの間にか握り締めていたようで。奪われました(笑)。
マナは、自分以外にこの可愛さを理解する人がいたと大喜び。ちなみに眠ちゃんの方も、うさエルさんの良さを判ってくれる人がいるなんて思わなかったそうで。
父と妹は、博士に彼女を作ってやろうと何だか張り切りだしています。眠ちゃんが魚好きと聞いた父は照り焼きで懐柔しようとし、マナはうさエルさんを進呈するからついでに兄も引き取りませんか、ととんでもないことを。
しかし眠ちゃん、そこで本気で悩まないで下さいよ…(笑)。
眠ちゃんの用事は、うさエルさんを返しに来たのだそうです。マナと昨夜話した時に、マナの家にいた何人かのうさエルさんのうちお1人を眠ちゃんに貸したのだそうで。
眠ちゃんは添い寝したらしいです。いい夢を見たらしいです。…はあ。
普段の彼女とはまるで違うそのうっとりぶりにちょっとびっくり。
…で。学校に向かわないとならないわけで、当然一緒に登校することに。それどころか、うさエルさんに免じて下校も一緒に、明日以降も一緒に行こうとまで言い出す眠ちゃん。…まさか本気で、うさエルさんに釣られて引き取られちゃったんでしょうか、兄。
隣人の五十鈴ちゃんも当然合流するわけで。眠ちゃんにライバル意識を燃やして眠ちゃんを追い出そうとしている。眠ちゃんは平然と柳のようにその攻撃をかわしていますが。
学校に着いても、2人の間の板挟みは続く。五十鈴ちゃんがやたらに抱きついてベタベタして来るのは相変わらずですが、眠ちゃんは鞄を五十鈴ちゃんの頭上から落下させてぶっ倒すなどこちらもなんというか。容赦ない。
2人の睨み合いが始まってしまったので、すごすごと退散して来た。
…その日1日、休み時間の間じゅう、そんなのが続いている。昨夜はあまり寝られなかった上にこれなので、昼休みはさすがに1人になりたいと思っていたのだが。
五十鈴ちゃんが近くにいないのを見て取ったからか、クラスメイトたちが一斉に押し寄せて来て、一緒にお昼を食べようと誘われまくるのだ。
眠ちゃんが教室に入って来て、机を強く叩いて、みんなの注意を引きつける。そして「許した覚えはない」というような言い方をする。「どうしてもというならその時は」というようなことも。
何故か、その言葉を聞いたクラスメイトたちは博士から離れて行く。
眠ちゃんが近付いて来て、話があるから来いと言う。はいはい。
屋上。博士は眠ちゃんに問いただす。今朝、家に来たのは、うさエルさんを返すのもだけど、本当は博士に用があったのではないか、と。
眠ちゃんは、博士と登校することも「用事」だったと言う。
博士は、むしろそれが第一ではないのかと指摘。眠はそうだと答えてくれた。
眠がついに話してくれましたね。博士が「襲われた」ことについて。博士は、この町に住み続ける限り、常にあのような襲撃を受ける可能性がある存在であること、それを自覚して欲しいと。
博士を襲う存在、それは「神人」と呼ばれる。この町には、クラスメイトにも町の人の中でも、普通に存在している。
昨夜襲って来た女性は、理性を失った異常者のような類に見えるかも知れないが、根本的な意味では違うのだという。眠ちゃんは言い切るのだ。彼らは人間ではない。別の生態を持つ存在だと。
神人は、人間のことを神堕人と呼ぶ。彼らは自分たちの正体を知られることなく平凡な日常を送りたいと考えている。襲って滅ぼそうと考えているわけではない。自分たちの獣性を弁えて、共存しようとしている。
互いが共存しようとする限り、その意志を尊重し、うまくやって行く。それがこの町の「選択」だった。
だからこそ。その共生を蔑ろにしようとするのは許せない行為だと眠は言うのだ。神堕人を襲撃するような人(不埒者と呼ぶらしい)は、その最たるものだ。
人の中にもいい人と悪い人がいるように、神人にも悪い人がいるということ。そして、共生のためには、人間の方も、悪い人に出会わないように工夫をしなければならない。
小さな子供が夜道を1人で歩いていれば危険だから、出歩くなと諭す。それと同じことだ。あの事件は、神堕人の方が身を守っていれば----暗い夜道を1人で出歩いたりしなければ、そもそも起こらなかったのだから。
だから注意が必要だ。それはいいのだが。
しかし。博士が注意をしていれば済む、という事態でもないらしいのだ。実は襲撃事件はここしばらくほとんど起こっていなかったけれど、急に最近増えているのだと言う。
理由の1つは夏の異常気象。神人は気象の影響を受け易いようで、異常気象は事件を誘発するらしい。神人側も自覚しているから、町を上げて夜を早くしているのだ。神堕人たちは襲われないように。神人たちも、人間を脅かすことがないように。
そしてもう1つの理由。博士は十万人に1人いるかどうかの珍しい体質を生まれついて持ってしまっているのだそうだ。
神人は匂いにとても敏感で、彼らに言わせれば、人間はとても美味しそうな匂いがするのだそうだ。意識を朦朧とさせ、理性を蕩けさせるような。熟れた果実にも似た匂い。
博士の体質、それは、神人にしか感じないその「匂い」が劇的に強いこと。ただし、それは体臭ではなく、神人にしか感じられない特殊なもの。
博士は、神人の獣性を刺激して狂わせ、災厄を呼び込んでしまう不幸を背負ってしまっている。
それを自覚して欲しいと彼女は言うわけだ。
ふむ。最初はあえてバットエンドを狙ってみようか。
→《もう少し、時間がほしい》
まだ信じられないから、と言い残して立ち去ることに。
体調が悪いからという理由で、お昼を1人で食べようとする博士。真意は、なるべくクラスメイトと接しないようにする方法を考えてのことだったし、眠ちゃんのことも避けたい気持ちがあったからだ。
昼休みは保健室に避難するつもりのようだ。近くのトイレに入ると、そこは職員トイレで、担任の先生であるユッキーと鉢合わせる。保健室に行くと言うと、具合が悪いなら付き添ってやろうかと言って来る。
妙に近付いて来ると思ったら。そっか、ユッキーも神人か。むー。最初の「スキンシップ」もやっぱりこっち側の理由だったのか…。
うわあ。…なるほど。唇奪われちゃいますそうですか(…てか、教師持って来るんだこの役割に。可哀相なこと平気で書くなあ全くもう)。
で「感染」してしまうのですね。急激に発熱して。それを乗り越えると「こっち側」に来られる、と先生は言います。そして、誰にされたのかは言うなと。言えば「狩られる」から。
熱に喘ぎながら教室に帰ろうとすると、クラスメイトが全員、掌を返したように冷たくなっている。
気付いた眠ちゃんが、学校から博士を連れ出した。
町を歩いているだけなのに、今までとは異質な「匂い」を自分が感じていることに気付く。
結局、眠ちゃんの言うことを完全に信じ切れていなかったからだ。信じていたら、誰かと2人きりになるようなことをする方が危険だと気付けたのに。
眠ちゃんもまた、自分の責任だと落ち込んでいるようだ。不埒者を出さないようにすることが、そもそもの櫛名田の役目なのだから、もっと博士のことは気をつけておくべきだったのだと。
神人を狩る者。共生の秩序を守るため、厳しい戒律と、それを執行する者たちがいる。
そう。オオカミ仮面の集団を率いていたのは、やはり彼女だったのだ。
眠ちゃんは、話しておかなければならないことがあると言う。神人、それは罹るものである、と。
病院に連れて来られた。眠ちゃんの伯父さんの先生が説明してくれる。
博士は神人になってしまったのだと。
自分がバケモノになってしまったなんて、そんなはずはないと博士は怒鳴るのだけれど。
博士の場合、感染してから「なって」しまうまでの期間がかなり短かったらしく。普通なら3日から1週間かかるのに、もう博士は人ではなくなってしまっているのだそうです。
認めたくない博士は抵抗する。信じない博士を、牢に閉じ込めることを、眠は選ぶ。
閉じ込められた博士は、それでもまだ自分が人間であると信じている。眠ちゃんの伯父さん、櫛名田先生は様子を見に来て、説得し、神人としての生き方----自制する術を身につけられればここから出られると話すけれど、博士はそんなものは必要ではないと思っている。
ただ、ここから出たいと思っているだけだ。壁に手で穴を開けて脱出しようと、壁を引っかき続けている。
ふむ。まあ、想定通りって感じでしょうか。
座敷牢、というエンディングのようです。
選択肢は1つしかないからここですね。
神人のことを説明されて、
→《櫛名田さんを信じてみる》
この夏の異常気象がなかったら、博士の体質への反応もここまで劇的にはならなかったと思う、と眠。難しいとは判っているけど、どうかこの町を怖がらないで欲しいと言われました。
秋が来れば神人たちの獣性は抑えられるようになるらしいのです。だからそれまで、不必要に神人を刺激するようなことはしないで欲しいそうで。
余計な外出を控えたり、眠ちゃんと一緒に登下校して「守られる」ことを受け容れたり。
この町には、厳しい戒律と、それを守ろうとする集団がいる。あの時、オオカミ仮面の集団の真ん中にいたのは自分だと眠が認めた。
不埒者になった神人の遺体を残酷な意匠で晒す。それは見せしめ。決して犯してはならない罪を知らしめるために。
警察もそれを理解しているので、通報があったとしても穏便に「処理」するだけで表沙汰にはならない。
眠は、生まれながら、神人と神堕人の共生を守る役目を授かっているのだと言う。
そして。自分の生まれ育ったこの町を、バケモノの巣窟のように思って欲しくないのだと重ねて言った。博士のことは、自分が守ると。
博士は夏の間、不要な外出を控えなければならない。ということは、最低限の外出、学校生活以外は、家に閉じこもっていなければならないということだ。この町を恐れて怯えるのは悲しいこと。
それなら、眠がこの町を案内して欲しいと博士は言った。一緒に登下校する間に寄り道をするくらいしか「外出」は出来ないのだから、この町が博士にとって恐ろしい町ではなく、少しでも好きになれるように。この町のいい所をよく知っているはずの眠ちゃんにこそ教えてもらいたいのだ。
眠ちゃん、笑顔になりました。博士を抱きしめてくれたりして。これは、承知したということでいいのかしら。
その日から早速、眠ちゃんと一緒の放課後。五十鈴ちゃんも当然のように付いて来ていて、相変わらずライバル意識を燃やしていますが。
博士は、眠の話を思い出しながら考えている。クラスメイトが何処となく眠に近付かない、畏怖しているように見える態度は「神人」が彼女を恐れているということなのかなあ、とか。
帰りに商店街に寄りたいんだけど、と申し出た。眼鏡を新調するためだ。昔使っていたものを引っ張り出して来たんだけれど、やっぱり度が合わないらしい。
眠ちゃんは、馴染んでいた眼鏡を探し出すと言っている。五十鈴ちゃんは、自分が似合うのを選んであげる、と張り切っている。
が。残念なことに商店街の眼鏡屋さんは閉店してしまっていた。
五十鈴ちゃんは、他の眼鏡屋を探すため、バス停の近くにある案内図を見に行った。
眠は、博士を連れて古本屋に入る。そこの店主は、眠を見た途端最敬礼で出迎えた。櫛名田家がこの辺りの名士というのは本当なんだなあとは博士は思っている。
店主はぺこぺことやたらに頭を下げている。それは何処か怯えているようにも見える。どのような用件で、と眠に尋ねると、「用件を私から言わせるつもりですか」と厳しい口調で返す眠。店主は心当たりがあるようだ。へらへらと笑いながら、後で交番に持って行くつもりだったのだ、と明らかに言い訳めいた言葉を繰り返している。
そして。手拭いに包まれた何かを取り出した。眠が無言で、中身を見せろ、という仕草をすると、観念したように包みを開く。
博士の眼鏡だった。
眠は、偶然拾って下さったのですよね、と言う。
店主はそうだと言い、持ち主に返せて良かった、というような言葉を並べるが。
その目には、明らかに未練が浮かんでいた。異様な目で眼鏡を凝視している。博士の眼鏡を返したくないという未練。
博士にも判ってしまった。この人は交番に届けるつもりも、本人に返すつもりもなかったのだと。眠にこうして問い詰められなければ、ずっと手元に置いておくつもりだったのだろうと。
店主は最後には眼鏡を返してくれたが、2人が立ち去る時にちらっと見えたのだ。その眼鏡を包んでいた手拭いの匂いを夢中になって嗅いでいる店主の姿を。
2人は外に出る。あの店員の態度は何だろうと訝る博士に、眠は説明する。「匂い」のこと。博士の持ち物にもそれは染み付いているのだろうということ。そして、狭く通気の悪い場所にはうかつに近付かない方がいいということも。
五十鈴ちゃんは戻って来ていて、2人だけで何処かに行ってしまっていたことを責められてしまった。
数日、一緒に登下校を続けながら、博士は眠ちゃんから、この町での過ごし方のレクチャーを受けていた。五十鈴ちゃんはとうとう眠ちゃんに追い払われてしまった模様。
2人で、町のあちこちを歩いて案内してもらった。立ち寄って楽しい場所はもちろん、逆に、近付いてはいけない場所も。そういう場所を避けるための知識も、今の博士には必要だから。
ところで、結局、取り戻した眼鏡を博士は使えずにいた。去り際に見た古本屋の店主の態度から見て、この眼鏡を博士の「匂い」の元として「使われていた」のかも知れないと考えると、気持ち悪かったのだ。
眠は、彼はただ匂いを嗅いだだけで指一本触れてもいない、無闇に恐れないで欲しいと再び言うのですが、博士は恐ろしくてたまらないとぶちまける。この町の何人が神人なのか判らない、神人はバケモノだとしか思えないと。
眠にはこの恐ろしさなんか、判る訳がない。神人なんていなくなってしまえばいいのに、と。
その言葉に眠が珍しく激昂する。電車に乗っている時に近付かれて匂いを嗅がれた経験はあるのか。歩道橋で下から覗き込まれた経験は。スカートをはいている足をじろじろ見られた経験は。そんなことがあったとしても、「指一本触れていない」から「女」には何も出来ない。女は、女に生まれたというそれだけで、今の博士が抱いている生理的な気持ち悪さなんて日常なのだ。男が女を無闇に襲わないという、その善意によって成り立っている危うい均衡の中で生きることを余儀なくされている。
眠は、少しだけせいせいしていると吐き捨てる。「男」には一生判るはずがないこの不快感を、気持ち悪さを、イヤでも理解させることが出来るから。
初めてそんなことをされた時、眠もまた思ったのだと。「男」なんて、この世から絶滅してしまえばいいのにと。
博士は謝罪する。「男」が全員、女と見れば襲いかかるような輩ではない。それと同じなのだと気付いたから。そして眠も、言い過ぎたと謝った。
博士が、神人を「誘惑」する体質であることを自覚して、注意してくれればいいことだ、と眠は説く。それは、女性が不用意に男性を刺激しないよう服装に気を遣う、そういうものと変わらないのだと。
…で。眠は、博士を守って下校して帰って来たら、そのままマナの所に寄る。貴重なうさエルさん仲間としてぬいぐるみの見せ合いっこなどをして楽しんでいるらしい。
そのはしゃぐ声は、普段の彼女とはまるで違う「普通の女の子」の声。「役目」のため、そんな時間を家で持つことが出来ないんだろうなと博士は想像する。
部屋で宿題をしようとしていると、家の外で何か物音が。窓を見ると、何者かの影が走り去るのが見えた…。
朝。眠ちゃんはクラス全員に、夏が終わるまで博士のことはそっとしておいて欲しいという大号令(?)を出したらしい。でも五十鈴ちゃんは納得出来てはいないようですね。どーして眠ちゃんだけ例外なのよーと後ろから恨めしげな歯軋りを聞かされつつ登校。
学校でも眠ちゃんのことはみんな陰口だ。博士を独り占めしてズルイ、のようなこと。相当なストレスになっているはずだけど、そんなこと彼女は表に出さない。
で、相変わらず五十鈴ちゃんはぎゃあぎゃあ悔しがっているわけですが、もしかしたらこの「好意」も、クラスでの歓迎ぶりも、神人としての特質のためだったのではないかとやっと博士は思い当たるわけだ(てか遅いなお前、気付くのが)。
そして下校。再び2人きりで帰る。自分の護衛のために、眠が陰口を叩かれるのは辛い、と博士が言うと、彼女は、元々馴れ合いは好きじゃないから、クラスメイトとはこういう距離感くらいが逆に気楽だと。
それは嘘だと博士は言い切った。マナと遊んでいる時の普通の女の子の声。それが彼女の本心なのだろうと。
博士が望むかどうかに関わらず、自分は護衛を続けると眠。もう護衛なんか要らないと博士。きっぱり言われて少し悲しげになる眠に、博士は言うのだ。
「護衛」はだめ。今は、友達が、家に遊びに来て、一緒に遊ぼうとしている。だから一緒に下校しているのだ。そのために一緒に歩いている。護衛ではないのだと。
彼女は嬉しそうだった。そして「一緒に遊ぶ」なら、うさエルさんの魅力についてみっちり勉強しなくてはならないと笑って。
その予告通り、博士は女子2人からうさエルさんの魅力についてたっぷり語られることになっちゃったらしい。
で、夕飯まで一緒に食べて。
あろうことか、泊まるとまで言い出した。
家に電話して許可を取り付けたらしい。表向きはもちろん、「マナの」家に泊まるということになるが。
マナは、かつてやった賭けが自分の負けで終わっちゃうかもと焦りだして、テレビをつけ、このドラマで主人公のカップル(男が女を一方的に口説いている)がキスするかどうかに賭けよう、などと言い出した。
でもその賭けは、眠がリモコンを奪ってテレビを消したことで不成立に。こんな不潔なシーンを食事時に見てはダメなのだそうです。眠ちゃん、こういうの免疫ないみたいですね。
博士は家族の中で最後にお風呂に入ったようです。で、眠が入った後なんだなあとか妙なことに思い当たってどきどきしたりしてます。青春ですねえ。
お風呂上りに眠ちゃんと会ったりして。何もしてないのにどきまぎしたりして。学校では禁止されているけど香水とかつけたら効果あるのかなあとか話をしたりして。
その後、深夜まで3人でお喋りに花を咲かせてから1人部屋に戻った。
色んなことが頭をぐるぐるして寝付かれずにいたら。
…え。えええええ。眠ちゃんてば夜這いに来るし。不意打ちの訓練だ、とか言いながら。
のしかかられた…唇が近付いて来る。目が赤い。
博士はふざけているんだと思った。その言葉通り、訓練と称して、寝込みを襲われたらどうするの、と言うだけの。
でも彼女はどんどん近付いて来て。何かの拍子に脇腹を踏んづけられて、その痛みに思わず突き飛ばしてしまう。
それではっと目が覚めたように彼女は我に返り、突然、「私は悪い子なんだ」と喚きながら号泣してしまった。
翌朝。パジャマ姿のまま眠が失踪してしまった。
心当たりはないと口では言うものの、昨夜のあれが関係していることは明らかだ。博士は戸惑う。赤い瞳。あんな目を前も何処かで見たような、と考えて、…あの時だ、と思い出したのだ。河原で女に襲われた時、あの女の瞳も真っ赤だった。
博士は家を飛び出して眠の家に行った。
恐らくは彼女の祖父らしい老人に声をかけられたので、眠と話がしたいと言う。
老人は、博士には櫛名田の敷居を跨ぐ資格などないと言う。
何処まで知っているのかと問われて。博士は話した。眠もまた神人なのだろうと。自分が、彼らを狂わせる体質であることも知っていると。
そうでなければ、眠が、古本屋に自分の眼鏡があることを探し当てられたことの説明がつかないからだ。
喫茶店の店員、彼女は博士にとって未だ「バケモノ」だが、老人から名を教えられた。四方田唯というそうだ。彼女はその時たまたま体調が悪かったのに、そこに汗だくになって、『ミツ』を撒き散らしながら博士が入って来てしまったがために、決壊してしまったのだ。
彼女の遺族は博士を恨んでいる。あの時彼が店に入らなければ、彼女は死なずに済んだのだから。今後、四方田の表札のある家には近付かない方がいいと言われた。
博士に宿ってしまった『ミツ』と呼ばれる特異体質は、遺伝でもない突然変異で誕生し、必ず神人と人間の間に不和を引き起こす原因になって来た。
大昔、『ミツ』の方こそが災厄だと考えられ、殺したり、閉じ込めたりしていた時代もあるのだという。
今は違う。共生しようとしている。そのための戒律。そのための櫛名田家だ。
だが、この老人はその共生が絵空事だと思っているようだ。眠は共生を望んで努力している。でも、そもそも神人と神堕人が交流など持たなければこんな問題は起こらなかったのだと老人は思っていた。住宅地など造成されなければ。神堕人と交わらないため人里離れた場所にひっそりと暮らしている時は、この町はとても平和だったのに、と。
神人は獣ではない。考えることが出来る人間なのだと。
博士はそれに反論してしまった。それを言うなら。神堕人だって恐れ、避けるべき獣のような存在ではない。考えることが出来る人間だ。眠が語る共生の夢を、否定することなんて出来ない。
だが、その共生の難しさを彼女自身が立証してしまった。香気に当てられた彼女は、辛うじて自制心で理性を支えたが、ひどく傷ついているという。しばらく学校も休ませて謹慎するそうだ。
自分は眠に会わない方がいいことを悟った博士は立ち去ろうとする。
最後に、老人は礼を言って来た。彼女は役目のために自分を律して生きて来た。友達を作って、夜通し語り明かして、楽しかった、そんなことを言っていたそうだ。今まで聞いたこともない嬉しそうな声で。
博士は心に決める。眠の思う理想の共生を実現したいのだと。神人も神堕人も、互いを隔てることなく、ただの友人として過ごせる町に。だから自分はこれからも町に生きる。ただ、自分の体質を自覚して気をつけることは怠らないと。
最後に名前を言ってくれました。重三さん。彼は、眠に会わせることも伝言することも出来ないが、眠が間違っていないと胸を張る博士が、眠の友人でいてくれることを、嬉しく思うと言ってくれた。
学校では、眠がいない間にデートしようと五十鈴ちゃんに迫られています。
五十鈴ちゃんにいつものように抱きつかれるけど、博士はそれをやんわりと払いのける。クラスにもいるはずの、神人たちを刺激しないために。
クラスメイトたちもやたらに博士に近付きたがる。眠ばかりが一緒にいてずるい、クラスには近付くなと言っておきながら自分だけは抜け駆けするのは卑怯だ、と言い出したり。彼女は表向き入院しているということになっていた。
博士は静かに言い切った。休んでいる人を悪く言うのは自分は好きじゃない、と博士に嫌われたくないクラスメイトたちはその言葉に黙り込む。博士はさらに、しばらくは誰とも一緒に登下校する気もない、夏が終わるまでは自分に構って欲しくないと宣言した。
1人で下校。帰りに賢木さんに会いました。とはいえ、このルートでは名前不明ですが。
眠と付き合うなんて命がいくつあっても足りない、なんてことを言う。
それを眠への侮辱と取った博士は反論する。
眠と少し縁があるだけ、みたいなことを彼は言いますが。
もし彼が「神人」で、それで自分に近付いて来たんだとしたら、みだりに近付くわけには行かないので失礼します、と立ち去ろうとする。
…え。うーん。賢木さんって神人という言葉もミツという言い方も知ってるんですね。で、博士が噂の「ミツ」だと気付いて、ちょっと同情したような言葉に。敵意ばっかりだった刺々しさが緩んだ。
自己紹介してくれました。博士の敵ではない、とも。ちなみに神人ではないそうで。
博士が普通に歩いていられるのは、眠が「会合」で博士のことを庇ったため、らしいです。だから眠に感謝した方がいいと。
(…えーと。うーんと。じゃ解体とか死エンドとかで出て来る、博士殺しちまえ一派と、眠ちゃんを始めとする共生派は対立しているんですかねひょっとして。)
博士は自分の体質を自覚しているのかと聞いて来た。重三さんから聞いたと答える。
賢木さんは「会合」の話を聞く機会がある立場なんですね。博士は「古文書級の」すごいミツらしくて、彼の住む辺りは町中が凄いことになっているらしい。で、博士が越して来てから「不埒者」が次々に現れ、処刑者も出ている。
神人たちの掟では、「不埒者」を出した場合、その神人の身内で「処分」しなければならないのだそうだ。だから、重三さんも、もう少しで眠を殺さなければならないところだった。
博士が会った時、重三さんはそんな素振りは全く見せずに、眠の語る共生に同意する博士を尊重してくれたのを思い出す。それは凄いことなのかも。
で。その会合とやらでは、ずっと理性を保ち続けて来た眠までもが博士の香気に惑わされたことで動揺が広がり、古式ゆかしい「ミツ殺そうぜ派」が再燃し出しているそうで。
博士は、そういう意見が出ていること自体に理解を示した。その冷静な態度に賢木さんはちょっと驚いていますが。
ただ、博士がこの町で生きて行こうとすると、「不埒者」になってしまった神人たちが何人も死ぬことになってしまうから、犠牲を最少に留めるなら博士の側がいなくなればいいという数の論理が判るってだけですけれども。
共生を望む眠の考えを「お姫様の気まぐれ」と賢木は言うのですね。
櫛名田家が決めた掟をひっくり返すのは容易なことじゃない。それだけに、次々と不埒者が処分されて行くにつれて神人たち側のフラストレーションは溜まる一方。会合では結論は出なかったが、これ以上放置は出来ないと、勝手に行動(=ミツを処分する)を起こそうとしている一派がいるという噂もあるそうだ。
博士は、自分は死ねない、という。
死にたくない、生きたい、ではなく、眠のために死ねないと。彼女の理想の「共生」のために。ここで博士が殺されていまったら、やはり神人と神堕人は共生できないのだという前例を作ってしまうから。彼女の理想をぶち壊してしまうことになるから。
付き合っているのか、と聞かれる。そういう関係ではなく友人だと答える。一緒に夕食をともにしたり、遊んだりする、大切な友人だと。
賢木は用心しろと忠告してくれるのですが、博士は、自分が神人に「怯えて」暮らしていたのではだめなのではないかとも考えている。それも、眠の描く理想ではないはずだと。
賢木には博士の考えは判らないそうだ。でも、博士が心に決めたことを全うしようとしているのは判る、というようなことを言う。
……博士も内心思ってますが、何者なんでしょうね賢木さん。ただまあ、眠が決して話そうとしなかった裏側を知ることが出来たのは貴重です。その通りです。
家に戻ったら、眠から電話が来ていた。父と妹に、急に帰ったことを詫びていた。父は、博士が何か眠を不快にさせるようなことをしたのではないかとかなり心配していた。眠は、その手のことは全くないということを説明する。自分の体調の問題であったことにしたようで。
マナにも疑われてるか…。でも本当にそんなことはないんですってば。
少し2人で大切な話がしたいからと、マナと父とを人払い。博士は電話口に出て眠と話す。
ちなみにマナは、眠が本当に話したかったのは博士なんじゃないかと何となく思っているようです。
…そうか、眠ちゃん、自分の口から言いたかったのね。自分が神人だということを。
自分が許せないと眠ちゃんは言う。もう少しで博士の人生を滅茶苦茶にする所だったと言って、電話の向こうで泣き崩れる。
博士にはただ、電話越しでその声を聞くことしか出来ない。
落ち着いた頃に。博士は賢木から聞いたことを話した。博士を殺そうという一派がいることを知っている。眠が庇ってくれていることも知っていると。
眠が、自分が神人と打ち明けられなかったのは、博士が話を聞いて「いなくなればいいのに」とかひどいことを言ったからだ、と博士は思っていた。だから、それは博士が悪い。
ただ、それでも眠が打ち明けてさえいてくれたら、博士はもう少し気を遣えたから知れないのだ。
眠は、博士に嫌われたと思っているかも知れない。でも違う。
今、やっと、本当の意味でお互いを理解出来たばかりなのだから、これから「友達」になれると博士は言う。
こうなってしまったからこそ、これから証明出来るよう、努力出来るのだ。神人と神堕人が普通に暮らして共生出来るのだということを。
物騒なことを考えている一派にもその姿を見せられれば。
…ただ、眠の声のトーンから、「共生派」はかなり追いつめられていることを何となく感じ取る。恐らくほとんど味方がいないのだろう。
博士は、自分も充分注意してこの町に馴染む努力をすると約束する。しばらくは「物騒派」の存在も意識することに。眠ちゃんは、そんなことは絶対にさせない、と言っていますが。
何日か経ったある雨の夜。窓の外に人影を見た博士はその人の下へ。
眠ちゃんだった。でも、博士が声をかけるまで眠ちゃんが気付かなかったということは、雨の日には『ミツ』の威力は弱まるのだなと博士は考える。
疲れた様子に、博士は彼女がここ数日、「物騒派」の襲撃から博士を守るためにこうして近くに立ち番をしていたのだと悟る。彼女自身は、ただ会合の帰りに通りかかっただけだと言い張っているけれど。
横から、賢木さんが出て来た。眠がここにこうして立つようになってもう一週間ほど経つと言う。
うーん。…え。なんだこの選択肢は。えーと。うー。
自助努力すべきですか?
→《やはり僕が何とかしないと……》
眠にこれ以上迷惑をかけたくないから、もうこんなことはしなくていいと言うのですが、眠はそれを、自分への不信だと受け取ったようだ。
そうじゃない、眠が博士を心配するように、博士も眠が心配だから、と言い張る。
賢木さんは、眠の不寝番を博士に教えたものかどうかずっと迷っていたのだそうで。でも、こうして博士が知ることになって肩の荷が下りたと言ってます。
(……う。すみませんヤな予感が。てかなんでこんなに悪人声なんだ賢木さん。よう判らん。謎だ。)
ちなみに賢木さんも一緒に不寝番していたらしいですよ。別に博士を守るためじゃなくて、2人がいつか接触するのを待っていた、らしいです。
…え。
なんで拳銃取り出す!?
うわ本気で判らんですこの人の行動原理。何が始まるんだ…。
眠ば博士を庇うように立ちはだかり、博士に「逃げて」と叫ぶ。
賢木さんは博士の敵ではないと言った。でも眠の敵だと言う。
2人が仲良くなっているのを見て、ある「面白いこと」を思いついたのだそうで。
で。停めてある車に所まで一緒に来いと言うのですね。
眠は抵抗して。懐から白木の短刀を出して賢木に切りかかる。しかし彼は容赦なく銃を使い、眠は倒れた。博士は、腹を殴られ、何かの薬を嗅がされて拉致される…。
気がつくとトラックの荷台のような場所に詰め込まれていた。ロープで体を縛られているようだ。
側に、肩を怪我した眠も転がされている。
どうやら賢木にとっては2人一組で「人質」として意味があるようだ。
眠が気が付いた。彼女は謝罪する。きっと櫛名田に恨みがあるのだと思う、博士は巻き込まれただけだと。
しばらく走って止まったトラックの荷台に、拳銃を構えたままの賢木が乗って来た。
これから2人にゲームをしてもらうと。この荷台に、3日間2人を閉じ込める。それは、眠にとっては拷問だ。眠を試すと彼は言う。神人の獣性と理性、どちらが勝つのかの実験でもあると。人間が持つ獣性と同じように、神人の獣性は抑えられるものなのかどうか、教えて欲しいのだそうだ。
博士はそんな彼に向けて、許せない、と叫ぶのですが、それへの賢木の返答が…「そうだ、恋人の仇は許せないものだ」って…ナンデスカ。うわーんほんっとに判らないのですが。(神人の彼女がいて、不埒者になっちゃったんですかね…?)
で、閉じ込めて去ってしまう。
博士は眠に、少しでも荷台の端に寄るように言ってみたり(隙間から新鮮な空気を吸う)、自分の吐く息があまり拡散しないように荷物に顔を押し付けてみたり、寝て過ごした方が時が早く過ぎるかもと提案してみたりする。
眠は、話している方が気が紛れるそうです。
賢木について話すことに。たまに町の歴史に興味を持って訪れる旅行者もいない訳ではないので、少し前から見かけるようになった彼もそんな1人だろうと眠は思っていたそうで。
ちなみに彼自身にもその名前にも覚えはない。ただ、人の縁は何処でどうつながっているか判らない。神人の「掟」が、彼の縁者に及んで恨まれているのかも知れない。
息が荒く辛そうな眠。ただ本人によると、辛いというより、甘い蜜の中でまどろんでいるようで、自分を失いそうで怖い、のだそうです。
彼女の様子を見て、3日間待つという選択肢ばどうも無理そうと博士は判断。何かロープを解けるものを探そうとするが見つからず。
眠にも聞いてみるが、歯でかじるくらいしか思いつかない。が、博士はその案に乗る。後ろ手に縛られているから自分のは無理だが、相手のなら口が届く。
眠に断って彼女に近付く。登山用のようなしっかりしたロープだったが、やってみるしかない。
歯でロープを緩める努力を続けながら話をする。眠は、神人が人間に何をするのかを話してくれた。「キス」をするということ。そして、キスされた相手は、同じように神人になってしまうのだということ。遠い異国の地に伝わる吸血鬼伝説のそれと同じように。
神人のその「欲求」は周期的に訪れる。神人たちは、その欲求を理性と八朔で抑えている。どうしてなのか判らないが、その神人の欲は八朔によって抑制出来るものであるらしい。それでこの町は、どの家でもやたらと八朔を育てているのだ。
しかし。今年は異常気象で八朔が不作だった。それに、生った八朔でも、その抑制に効く成分が特に弱かったのだそうだ。
ちなみに神人は遺伝するそうです。
眠は、神人に生まれたことを恨んではいないけれど、この苦しみを、知らなくていい相手に背負わせることはできない、と言う。
博士はそんな話を聞きながら疲れた顎を休ませて、どうにかロープとの格闘を再開。ようやく、彼女の手を自由にすることに成功する。
だけど。振り向いた彼女の目はとろんとしていて。息が荒くて。
理性の限界が来ているんだなーと。
博士は、その彼女の「苦しみ」を見て思ったのだ。自分が神人になる覚悟さえあれば、彼女を解放してあげられるんじゃないかと。
神人になれば『ミツ』は失われる。これで誰も苦しめなくて済むのではないかと。
眠に、そのことを伝える。苦しみがあるというのならともに背負うと。眠をずっと支えるからと。神人になることの覚悟はまだ実感はないけど、眠を支えて、同じ立場になり、同じ苦しみを共有する覚悟を決めた。だから、好きにしてくれていいと。
その言葉が、逆に彼女の理性を呼び起こした。彼女は嗚咽とも咆哮ともつかない叫びを上げながら博士の首筋にまで迫って来る。が、唇にまでは辿り着かない。最後の抵抗を必死でしている。
その時。助けが。重三さんが、荷台の扉を開けて中に入って来た。
博士が「無事」であることをミツの匂いで確認する。博士は、眠を褒めてやって欲しいと訴える。彼女は最後まで守ろうとしたのだ。共生の道を。自らの理想を。
重三の背後に、物騒な鎌を持ったオオカミ装束がいた。結局彼らは、眠を助けて博士を殺すつもりだったのかも知れないと思う。博士は許せないと叫んだ。眠の思いを、踏みにじるつもりなのだとしたら許さないと。
重三は彼らに鎌を下ろすよう言い、眠を助けるべく荷台の中に上がりこんだ。後でゆっくり話をしようと言ってくれた。
オオカミ装束の1人が、博士のことは任せて皆様は眠を助けてあげてくれ、と言ったので、その人1人残してみんなが荷台に入ったところで。
そいつが、荷台の扉を閉めてしまった。博士とその男以外の全員が荷台に閉じ込められる。
装束を脱いだ。…やっぱり。賢木だ。
彼は、ゲームの勝者に褒美をやる、と言って、再び博士を拘束。手錠をかけてトラックの助手席へ。
賢木は重三に恨みがあって。眠を「不埒者」にし、重三自身の手で葬らせるための計画を練っていたのだそうで。
でも眠は最後まで博士を襲わなかった。そこでもう1つの計画。トラックを、緩やかな坂道で停車させ、ブレーキに細工をする。そして博士を運転席に縛り付ける。
これが「ご褒美」。ただ殺されるのではなくチャンスをやると。荷台に閉じ込めるのではなく、ここに座らせて。ロープを少しでも緩めるための時間を与えて。そして、サイドブレーキを外す。坂の下に待つのはガソリンスタンド。そこまでに博士が運転してなんとかトラックを操れば難を逃れられるというわけだ。
そして本当に、彼は車を降りてしまった。
その隙間に、博士は荷台の重三に相談する。刃物ならある。この小さい窓を割って刃物を渡し、それでブレーキの細工を切るのはどうかという提案、しかし手錠のためそれは無理そうだ。
あとは口しかない。ハンドルを口で操り、なるべく人気のない場所に突っ込んで止めるしかない。被害を最少にするために。
窓越しに、眠が話したいと言っているそうだ。これが最期かも知れないと覚悟したのか、重三が窓を彼女に譲る。
眠はありがとうと言った後。そのガラス越しにキスをくれた。生憎、博士の方は体が動かせなくて受け取れなかったけれど。
賢木が戻って来る。サイドブレーキが外され、車が動き出す。
抵抗空しく、体は思うように動かない。迫るガソリンスタンド、その横に五十鈴とマナの姿を見つける。博士を探しているのだ。2人が車にぶつからないよう、クラクションを鳴らそうとするがそれも届かず。
車はガソリンスタンドに突っ込んで、炎上する。
車の中で女性の写真がはらりと舞っていた。赤い折鶴も。それが賢木のものだろうとは思っても、それ以上のことは判らないまま死亡。
「大爆発」というエンド。
…う。てことは自助努力するなってこと?
眠の立ち番を知って。
→《それが櫛名田さんの役割だというのなら……》
(もの凄い無責任な言い草のような気がするけどなあ、これ。
でも眠のしていることを受け容れるという意味では正解なのかなあ…うーん。)
眠と2人きりで話をさせて欲しいと賢木に言う。そして、秋まで耐え続けることを約束する。こんな雨の日にだって『ミツ』の影響が減るなら、秋になればそれなりに安全になるんだろう。ふむ。
う。でも結局眠が撃たれて拉致られるのは一緒だ。げ。何処が変わるんだろう。
最後の最後でした。
重三さんが窓を割って、刃物を使い、博士を運転席に固定していたロープを断ち切る。自由になった上半身で頭をぶつけるようにクラクションを鳴らしながら、足でブレーキペダルを踏む、というより蹴る。ロープの仕掛けが緩んで、ギリギリの所でブレーキが効き、ガソリンスタンドの、給油タンクではなく営業所に激突することで車は止まった。
博士はそこで気を失ってしまう。
病院で目を覚ましてしばらくして。厳しかった残暑も緩んだ。ようやく、秋が来たのだ。
本人の自覚よりも大怪我だった博士はしばらく入院することに。
警察が賢木の行方を調べていたが、未だ見つからず。復讐が未遂に終わったので、また何かやるのではと危機感を持たれているようだったが、博士は、なんとなく、彼はもう2度とこんなことを起こさないような気がしている。あの暴走トラックと同じで。もしかしたら、誰かに、止めて欲しかったのかも知れないと。
お見舞いに来た眠ちゃんと話す。やっぱり『ミツ』はだいぶ弱まっているそうで。
クラスでの人気者ぶりは結局『ミツ』のせいだったんだろうなあと博士は思っている。眠ちゃんは、そうじゃなくても博士はカッコいいと言ってくれますが。ただ、この魅力は眠だけの秘密なんだそうです(笑)。
博士は、マナとの賭けに勝ってもらったと言ってウサ耳カエルの特大ぬいぐるみを眠にプレゼントした。
その賭けの内容は秘密ですけどね。
赤エンド来た。「戦利品」エンド。物騒なエンディング名だけど、ウサ耳カエルのことですね?
アクトペディア眺め中。分岐増えてるけど、これはー。「解体」の近辺になんかやたらと増加しているということは…。狼面宿儺に分岐が増えてるってことだろうか。
→《それじゃ、お願いしようかな》
→《近づかない方がいいのかな》
→《それだけは、ご遠慮させてもらいます》
狼面宿儺の章へ。
人生初デートはどっち選んでもまあ喜ばれちゃうの確定なので、とりあえず。
→《ふざけないでよ》
で、五十鈴が元気をなくして1人で登校中、足を引き摺って登校する眠を見かけた所で選択肢来たー!
屋上以前にここで理由を尋ねられるのか。よし。
→《理由を聞いてみる》
む。反応変わらず。…あれ?
屋上で再び。
→《櫛名田さんも狙われてるの?》
変化なしか。む。
最後の最後にまた変わりましたね。賢木と一緒に「現場」を目撃したあと、通報するか逃げるかを選べるようになってる。
ええと、一応。
→《通報する》
はい、解体されますね。了解。こっちが今までと同じルートか。
じゃ遠慮なく逃げるよ!
→《逃げる》
警察に話しても無駄だと再度言う賢木。そしてこれは自分の復讐なのだと。それ以上は話してくれませんけれど。
団地に帰り着いて、五十鈴ちゃんの家を見るけどやっぱり人気がない。ただ、何か判ったら連絡するからと賢木に言われたので、そのまま大人しく帰る。
実はあの現場で。小さな音で聞こえていた鈴の音が、五十鈴ちゃんがいつも付けていた音に少し似ている気がして気になっている博士。
翌朝、インターフォン押しても五十鈴の家は反応なし。
重い気分で登校すると、眠に声をかけられる。五十鈴にはこれ以上関わったり探ろうとしたりしないで欲しいそうです。
頭に来た博士、昨夜見た異様な集団のことを話してみる。しかし虚言だと一蹴されて終わる。
教室に入る。そこに、あるはずの五十鈴の机がなかった。
また「引越し」だ。
博士は以来、仲良くしてくれるクラスメイトの裏であの殺人集団が蠢いている気がして、誰にも心を開けなくなる。
そして、独自に調査を始めた。
あの殺人の夜の翌日に欠席した女子生徒は数人いたが、続けて休んでいる生徒はかなめちゃんだけ。2学期に入ってから急に引っ越したのは小笠原と五十鈴ちゃんだけ。
どっちにしても、博士のクラスだけが異常な気がするのだ。
博士は八朔祭りの前日、なんとなく熱っぽい気がして薬を飲んで寝た。
八朔祭りは結局マナと父とで行ったらしい。
博士は夜になると高熱がぶり返す症状が3日ほど続いて、ようやく落ち着いた。
そして週明け。妙にすっきりして体調は万全。学校に行く。
しかし、今までやたらと馴れ馴れしく近づいて来たクラスメイトたちの態度が一変していて、何故か余所余所しくなっていたり。変に体調を気遣われたり。
そして博士自身も、今まで感じていたのとは別の基準で、人に苛々されられたり、一緒にいたいなと思ったり。よく判らない好悪感情に振り回される。
昼休み、そんな自分の感情に疲れて屋上に出た博士に、眠が話しかけて来た。放課後、話がしたいから付き合って欲しいと。
放課後、連れて行かれた先は病院で。検査を受けされられた。何のためのものかは説明されないまま。
そして。医師、眠の伯父である重次さんから、博士が神人になってしまったことを告げられる。特性を説明してくれる。
神人は或る種の共同体を作っていること、そのトップが櫛名田家で、今は眠が務めていることなども。
博士の見た「殺人集団」がそれであることが判明する。
掟のこと。処刑のこと。感染は「キス」によるものであること。だから、神人となった場合、たとえ同意の上であっても神堕人とキスしてはいけないということ。もししてしまったら、処刑されるということ。
やっと五十鈴の「行方」がここで判った。博士を神人にしてしまった五十鈴は、不埒者として処刑されてしまったのだ。
それを悟った博士は取り乱して暴れる。そのため、座敷牢に一時収容されることに。
持ち物を取り上げられ、博士を監視していた中年男からここの説明をされた。現実を受け容れられない、新しい神人が入る施設なのだそうだ。
やがて、ハクローサマと呼ばれる、白い狼の仮面を被った人が入って来る。正式には白狼観音と呼ばれる人だそうで。
…うわあ。この声は。香織さんじゃないスか(ゲーム中の博士は知りませんが)。そういうことなんだ。白狼観音。この施設で働くために連れて来られる人をそう呼ぶのね…。
2人組の白狼様のうち、1人(香織さん)は「デビュー戦」(もう1人曰く)だそうで、まだたどたどしい。
2人は博士に、神堕人との接し方について、日常の過ごし方や知識を徹底して叩き込まれた。朝になって、ようやく解放されて家に帰る。
家族に「感染」させないようにいろいろと気を使いながら食事をし、登校する。校門の前で眠にまた捕まり、話があると言われる。
まずは名簿。丸のついていない人が神堕人。あまりむやみに近づかない方がいいと釘を刺される。かなめちゃんにも丸がついていた(マジか…)。
続きは昼休みにと言われたので、昼休みに屋上に行く。
不埒者は処刑されるという話をされて。かなめちゃんが……彼女が、五十鈴ちゃんの「被害者」であることも説明された(やっぱり、元々じゃなかったのか)。
かなめちゃんは症状がすぐ出るタイプで、高熱にうなされて病院に運び込まれて発覚したのだそうで。そして、神人の話を聞かされたかなめちゃんはショックで心を病んでしまっていると。
博士に感染させたのも、五十鈴ではないのかと眠は聞いた。そうだと博士は答える。
眠は謝罪して来た。深々と頭を下げて。彼女が暴走していたのは判っていて、止められなかったと。
家に帰って、ベットに頭を預けていて、妙なことに気付いた。異様な幸福感。そしてその元が匂いだと気付いた。しかも、…ベッドに、枕に染み付いていたかつての自分の匂い。
そんなものにうっとりと酔いそうになる自分に吐き気がするとともに。転校して来た当時の歓迎ぶりの源がこれであったことを理解する。ただ、匂いに群がられていただけなのではないか。五十鈴ちゃんも。
博士は、枕やシーツ、かつて自分が使っていて匂いが染みつき過ぎているものを全て河原で燃やしてしまった。
家では、万が一にも唾液を介して感染させる訳に行かないと、食事を大皿から取るような食事を絶対にしなくなったり、歯ブラシですら接触しないよう保存場所を分けたり、妙に潔癖症になった博士にマナが不信感を持っちゃってる。
学校に行っても、クラスメイトの誰もが信じられなくなって心を閉ざしている。かなめちゃんは復帰していない。そして賢木さんも音信不通。
ぼんやりと学校に行く日々が何日か続いて。
眠が心配して何か話しかけてくれるのだが内容を理解する気力もない。
ある日の帰り道。眠ちゃんと話しながら帰っていて(と言っても何を言われているのか博士は理解していなかったけど)、眠と別れてすぐ、賢木が声をかけて来た。
賢木は、この町に戸籍謄本がないことなど、調べたことを話してくれて、この町を出た方がいいのではないかと言われる。
そんなことはもう関係ないと曖昧な相槌だけを返していると、彼はこの町全体を復讐のために壊滅させてやるなどと物騒なことを言い出す。
この町には関わらない方がいいと博士はぼんやり呟いて。賢木は、その言い分から博士が「この町の側」についてしまったのではないかと激怒する。
懐に手を入れて何かを出そうとするが、人が通ったので諦めて立ち去る。
博士は。賢木を追いかけた。こうなってしまったのが「誰の」せいなのか、その回答を見つけたから。公園で彼を見つけて、その復讐を手伝わせて欲しいと言うのですが。
逆に賢木に返り討ちにあって死んでしまう。
お前らは、自分だけは違うからと必ず言うんだ、みたいなことを言っていた。
……てゆーか、この物語、一番の謎は賢木だな。わからん、行動原理が。
「哀慕」というエンディング。て、なんか言葉と合わないなあ…。
うーん。分岐点は何処だ。とりあえず櫛名田さん疑いルート。
→《ふざけないでよ》
→《理由を聞いてみる》
→《僕を付け狙うヤツと関係あるのかな》
→《逃げる》
ぎゃう。哀慕だ。そこ関係ないのね。はいはい。
どーこだー(探し中)。
…見つけた。っつーか人生初デートから既に分岐なのか。意外だ。
→《しょうがいないなあ》
→《理由を聞いてみる》
→《僕を付け狙うヤツと関係あるのかな》
→《逃げる》
賢木の復讐話を知ってもそれに同調しなくなる。様子を伺っていた中年男に連れられて病院へ。博士は、そこにいた重次さんと眠に賢木のことを話した。
賢木の恋人は、暴走したために処刑された神人だったのかもね、という結論になる。
もう放置しておけないと判断した眠は、自警団に集まるように指示を出している。どうするのかと聞いても、話し合うだけと答えるのだが。
翌日。博士は賢木を捕まえるための自警団の1人として召集されてしまった。
山中で眠と対峙していた賢木は、博士の姿を見た途端、狂ったように笑い出し。
誰か女性の名前を呼びながら、持っていた銃で自殺してしまう。
げ。これが赤エンドなんだ。「末路」。救いがないなあ…。ていうか、これで赤なら、他の分岐ってどんな結末なんだ。怖いなあ。探すけど。
てゆーかホントわからんね賢木。いちいち判りにくいこの人。実は主人公なんじゃないか? 謎的な意味では。物語を貫く全体の謎である神人関連はもう出尽くしちゃってるしなあ。賢木が救われるルートってないのかな。ずっと悪役なんだろうか。むー。
おお、新たな編が。このタイトルからすると賢木関連なのかな。でも、他ルート見てから行きますよ。
あと「アルバム」と「ミュージック」も。
いよいよあっち入ってみよう。
→《しょうがいないなあ》
足を引き摺る眠ちゃんに、理由を聞かない選択肢。
→《触らぬ神にたたりなし》
→《櫛名田さんも狙われてるの?》
→《逃げる》
…あれ? 変わらない? …何処よ。まだ開いてないエンディングあるよね…。
どーこだー再び(探し中)。
うお。こっちか。最後に通報の後、まだ先があるんだ。
→《しょうがいないなあ》
→《触らぬ神にたたりなし》
→《櫛名田さんも狙われてるの?》
→《通報する》
賢木さんが殺された後、狼仮面たちをなぎ倒したのは眠の鎌だった。
そして、ここで見たことは誰にも言うなと口止めされて。
理由は言えないが博士は狙われているから、関わろうとするな、口出しをするな、そして夜に出歩くな、と警告された。
そのまま逃げ帰る。途中で、何処かで返り血を洗い流したらしいのだけれど、それも記憶にないままに。
翌朝。学校へ行く。
五十鈴の机が消えている。
クラスメイトたちの裏にあの殺人集団がいる気がして心を閉ざすのは同じ。
高熱を出して神人になってしまった翌日、眠に話があると言われて、逆らったら殺されるのかと博士は毒づく。
病院に連れて行かされ、神人と診断され、説明される。
五十鈴の末路を悟り、座敷牢へ。
説明を受けてその通りに過ごそうとするけれど、どうしても疲れてしまい。
博士は、学校の屋上から身を投げようとして、眠に止められた。
そしてもう少し生きてみようと決意したのに。
10月も末になり、マナが冬物を出して整理していた中に博士のマフラーが紛れ込んでいて。
その匂いが博士を狂気に追いやり、妹を襲ってしまう。
博士は処刑されてしまった。
……うむ。救いがないねえ。「光陰」エンド。
エンディングフラグあと1つ。何処だろう。
どーこだー再びもー1回(探し中)。
みーっけ。櫛名田さん疑いフラグはこっちで効くのか。
→《しょうがいないなあ》
→《触らぬ神にたたりなし》
→《僕を付け狙うヤツと関係あるのかな》
→《通報する》
おっと。こっちは飛び降りが成功してしまうのですね。「始末」エンド。これで五色塚編の今出せるエンドは出し尽くしました。まだロックされてる分岐があるんですが、今は解放されなさそうですね。
次行きますか。賢木編かなあ。わくわく。
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