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おおかみかくし(PSP) プレイメモ(2)

※ネタバレ全開でお送りしています。
 自力で解きたい方は回れ右プリーズ。


凡例
→《選んだ選択肢》


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五色塚編 双奏輪廻の章

 トップからスキップしまくって最初の選択肢。
→《マナを迎えに行かなくちゃ》
 であっさり分かれた。双奏輪廻の章へ。

 ここ数日の日課になっているマナとの散歩。なかなか会話が続かない。前はこんなんじゃなかったけどなーとか兄は思ってますね。
 …で、マナが「こっちの方に入ってみて」と言うがままに旧市街に足を踏み入れる2人。
 急勾配の上り坂か…。
→《行ってみる》
 突き当たり階段ですか…。じゃどうしようもないですね。
 ちなみに、この散歩はそれなりに目的があって、マナがスムースに通れるルートを新しい町で探しておくため。だから、階段だから終わり、じゃなくて、その先に何があるかも確かめておかないとならないわけですね。で迂回路を探す。
 なんとかゆるい坂道のルートを見つけたけど、上った先は住宅街で、あまり収穫はなかった。
 が。老若男女てんでんバラバラな集団が、全員黙ったまま集まっている光景に出くわす。
 よく聞くと、バイオリンの響きが。どうやら、その家の人が弾いているバイオリンをみんな聴いているようだ。
 1曲終わると、歩き出す人もいるし、余韻を楽しんで留まっている人もいる。ちなみに2人は後者。
 弾いていた女性が窓から顔を出した。一緒に留まっていたお婆さんとは顔見知りらしく、お茶でも飲んで行って、と声をかけて来た。そこの2人もどうぞ、と。
 マナは少しお話ししてみたいと思ったらしいのですが、車椅子だから迷惑ではないかと躊躇している。でも、お姉さんは、亡き祖母が車椅子だったから、家は改造してあるから大丈夫、と招き入れてくれる。
 麦茶を入れてくれつつ、お姉さんと自己紹介。真那香織さんだそうです。
 人に気を遣うのが上手な優しいお姉さんですね。博士が、その名前のために「ハカセ」とあだ名されがちなので、自分の下の名前が嫌いだというのを敏感に察して、苗字で呼ぶことにしてくれたり。
 マナはすっかりお姉さんが気に入ってしまい、一緒にお呼ばれしたお婆さんが帰った後もずっとお喋り。夕刻になってようやくお暇することに。マナはまたあさってにも遊びに来ることを約束した。

 で、いよいよ(?)バーベキュー大会。
 車の中で一誠さんに狙われちゃうのは同じですが、河原についてからは孤独にかまど作り担当になり、一誠・五十鈴兄妹とは別行動に。
 かまど作りが終わったら次はやっぱり釣りが待っていた…(笑)。でも一誠さんに変な絡み方をされるでもなく。普通だ。このルートでは彼は引っ越さなくて済むのだろうかひょっとして。
 食事しながらの楽しい会話の合間に、マナが香織さんの話を出す。五十鈴ちゃんは彼女を知っている風たけど、何故か何かを言い淀むような感じ。一誠さんがフォローするように「あの人は有名だから」とだけ。でも、どういう意味で有名なのかは結局言わなかった。

 それからずっと、マナは香織さんに会うのが楽しみで、通い詰めらしい。
 色々な質問をして、香織さんのことがだんだん明らかに。両親は有名な音楽家(バイオリニストとピアニスト)で、この町を拠点に活動していたそうだ。町を出て広く活動するように勧められても断っていたらしい。
 でも、その両親は既に事故死しているようです。
 ちなみに香織さん自身も大学休学中の身らしい。
 そんな話を下校中に五十鈴ちゃんと話して歩いてます。
 五十鈴ちゃん曰く、香織さんの家の近所は『やすらぎ横丁』なんて呼ばれているらしい。
 「聴衆」の中には常連がいるらしく、既に見知った顔がちらほら。その中には賢木さんもいる(ただし2人にとっては名前不明)。
 演奏後、お茶飲みながら話していて、マナは香織さんはプロになる気はないのかと聞いている。都会の音楽学校に行こうと思っていた時もあった、と言ってるけど、何故行かないのかという博士の問いに少しだけ顔を曇らせる。
 その帰り道、休学中だってことは知っていたのに、あんなこと聞くなんて、とマナに叱られた。そして、こんなに毎日付いて来てくれなくていい、もう慣れたから、と言われたのだけれど。
 うーん。まあそう言うなら。
→《付き添いを止める》
 マナちゃん、一気に上機嫌になっちゃいましたね…そんなに兄が邪魔だったか。

 土曜日。博士は父に頼まれたお買い物中。マナは香織さん家。
 買い物を終えてマナを迎えに行く。
 帰り道、マナは明日買い物に付き合えと言った。バイオリンを買って、香織さんに習うそうだ。レッスン料は要らないと言われた、とも。
 でも高いよバイオリン。そうあっさりと父がお金を出してくれるだろうか。博士は、父が渋るようなら説得に加わると約束する。
 が。父はあっさりOKを出した。博士は、マナのため努力する気でいたのでがっくりしてる。
 そんな息子を見て、気負い過ぎている、と父は言う。マナのために何かをするとか、マナを守るとか、そんな風に意気込んでいる息子が、まだ「気にしている」ように見えると(む。もしかして事故は何か博士と関係があることなのか…)。

 翌日、楽器店へ。
 店員さんとも相談して、バイオリンを購入する。
 そろそろお昼でも、と考えていたところで、かなめちゃんと五十鈴ちゃんに会う。ちょうど2人もお昼を食べようとしていたところ、ということで、五十鈴ちゃんお勧めの、ナポリタンがおいしいお店に4人で行くことにした。
 賑やかな女子に囲まれ、少々辟易してたりする博士。
 お昼が終わり2人と別れた後、マナはどっちが本命なの? なんて聞いて来たりする。
 2人ともそういうんじゃないけどなー、と博士は思ってます。

 翌日の下校は五十鈴ちゃんと。
 五十鈴ちゃんとしては、博士があまりにマナの世話を焼きすぎていることが気になっているらしい。マナはそれがうざったく思っているのかも知れないと。

 帰宅してしばらくして。
 香織さんの所にレッスンに行ったマナが、いつも戻る時間にまだ戻っていないことに気付く。香織さんなら、遅くなりそうなら連絡くらいしてくれそうなのに。
 香織さんの家に向かうが、途中でマナには会わなかった。香織さんに聞いても、もうだいぶ前に戻ったと。
 慌てて父にも連絡し、手分けして捜索するが見つからず、警察に連絡しようかと思っていた所に、ようやくマナが帰って来た。
 友達に会って寄り道したら、迷子になった、と言っている。でも何となく様子がおかしいような。
 父は博士に、香織さんに連絡するよう言う。マナと2人だけで話がしたいそうだ。
 …話が終わったみたいなので博士は父を問い詰める。父も深く突っ込んだことは聞き出せなかったようだけれど、迷子の他に、友達とちょっとしたトラブルがあったらしい。トラブルの内容までは判らないけど。

 友達とのトラブル程度なら時が解決するだろう、と博士は思っていたのだが。
 翌日、マナはレッスンにも行かず、帰宅してすぐ家に引きこもってしまった。
 さすがに心配になって父も兄も何とか話をさせようとするけれど、最初は拒絶。
 だがしばらくしてマナは兄の部屋に来て、「トラブル」のことを話してくれる。
 なんと、友達にキスされちゃったらしい。ファーストキス。しかも、かなりディープなやつ。マナは気持ち悪くて仕方なかったらしいです。
 ただ、兄に話して少しだけすっきりしたらしいので、まあ、それならよし。

 しかし翌日。またもやなんか落ち込み気味のマナ。聞けば、その例の友達が突然引っ越してしまったらしい。それで、マナは、キス事件が、もうすぐ離れ離れになってしまうと判っていた彼女が思いつめた上での行動だったのでは、と思ったようだ。本当は引越しのことも話したかったけど、マナは逃げるように帰ってしまったから。
 博士は、きっと今頃その友達も、ひどいことをしたと後悔しているかも知れないから、許してあげた方がいいと言った。そして、転校直前に思い出を作ってあげたと思えばいい、とも。

 休日。月曜日からのテストに備えて五十鈴ちゃんと勉強。マナは香織さんとお出かけ。でも、五十鈴ちゃんは勉強どころかマンガ読みふけってたらしいんだけど。
 夕方、五十鈴ちゃんが帰り、マナが帰って来た。けど、なんてまた。なんで落ち込んでるのよ。
 マナちゃん曰く、香織さんが博士と話がしたくて外で待っているらしい。
 香織さんは…とんでもないことを言い出した。
 マナが最近情緒不安定気味であることは博士も知っている。キス事件以来だ。香織さんは、マナが、もしかしたら兄を「男性として」求めて来るようなことがあるかも知れない、と。
 そんなことありえない、と博士は思ったのだけれど、香織さんはとても真剣なので、とりあえず判ったと答えておく。そんなことになっても、毅然とした態度を取ることを約束する。

 以来、マナは学校にもレッスンにも行かず部屋に閉じこもるようになった。食事すらも部屋で摂るようになる。2人が部屋を出るよう説得しても聴く耳持たず。
 博士の試験が始まるまで続いた引きこもりの最後にマナは熱を出し、少し寝込んだ。…が、それを境に、またマナは普通に過ごせるようになった。少なくとも家では。
 とはいえ、寝込んでいた反動なのか、今度はマナの方が兄べったりになり、何かと世話を焼きたがるので博士は戸惑う。
 挙句に、一緒にお風呂入ろうだの、一緒に寝ようだの言い出して、ついには夜這いをかけられてしまう。
 もちろん抵抗して実際にコトは起こらなかったけど、香織さんの言う通りになってしまい、どうしたらいいのか悩む博士。

 その日、帰宅したらマナはいなくなっていた。朝登校していなかったのは見ていたし、部屋には登校に使っているカバンなども一式残ったままなので、不審に思う兄。
 香織さんの家に電話してみるけど、留守のようだ。
 とりあえず香織さんの家に来てみたけど、…いなくなってる? 近所の人に聞いたら、2日前に急に引っ越したそうだ。
 博士は一度家に連絡を入れてから、夜までマナを探し回るが、見つからず。車椅子なのに、目撃証言すら手に入らなかった。
 最終的に父と相談して警察に届けを出すことに。
 ……以来、2人の行方は判らないまま。

 うわー。そんな終わり方か。アクトペディアによると「失踪」というエンド。
 (…しかし。あれって、…感染するんだ。空気ではなさそうだから粘膜系の感染経路なんでしょうか。)


 また選択肢2個しかないやね。楽でありがたい。
 マナと散歩で旧市街に入って、上り坂を、
→《行ってみる》
 で香織さんと仲良くなって、もうついて来るなと言われて。
 うーん、ここ三択なんだよなあ…どっちにしよう。
 ずっとマナについててあげた方がいいってことかな。
→《絶対折れない》
 で、マナは一気に不機嫌モードな訳ですが、構わず2人で香織さんの所に通い詰めています。

 土曜日、父の買い物を頼まれた日は、仕方なく別行動。買い物を終えて香織さんの家に迎えに行く。
 翌日のバイオリンとナポリタンは変わらず。
 …で、週明けからのレッスンも2人で通っている。父と相談した上で、電話で、どうしてもレッスン料を支払わせて欲しいと言ってみたのだけれど、香織さんは受け取ろうとしない。
 ちなみに、レッスンの間は邪魔だろうからと、博士は近くの図書館で時間を潰しているらしい。送り迎えだけやっているのですね。
 実は少し前、夕方の帰り際、何となく香織さんの元気がなかった気がしていた。
 で、帰り道、何故か誰かがついて来るような気配を感じて、マナにバレないよう、この辺の地理を少し確認したい、という名目でいつもと違う道を辿った。なるべく人目のある道を。ちなみに、マナは気付いていなかったようだ。
 で、その日の帰りは、香織さんの家を出た途端に眠ちゃんに出会っている。なんというか、ただ出会っただけなら気にしないのだけれど、ひどく敵意のこもった目で睨まれたらしい。

 そして翌日。マナのレッスンの間を別な場所で過ごした博士は、迎えに行くため香織さんの家に向かっていた途中で、何者かに連れ去られる。
 2時間ほど、目隠しと猿轡つきで車で移動させられて、次に目を開けた時に見たのは、座敷牢のような所。狼の仮面を被った黒装束が現れて、ここで大人しくしていれば危害は加えない、と言う。
 黒装束が出て行った後に周りを見回してみると、山と積まれた雑誌にテレビゲームなど、暇潰しに役立ちそうなものがたくさん。トイレなども完備。ちなみにテレビは電波をキャッチしていないようで、ゲームのモニターとして使う以外のことは出来ず、ここが何処なのか地域を特定するものは見つけられなかった。
 そして食事。囚われの身にしては結構豪華。本当に、危害を加えるつもりはないらしい。
 翌日、食事当番の黒装束にいろいろ尋ねてみるけれど、まともな答えは得られない。ただ一つ、この監禁は、「祭られる」までの間、続くらしいということ。でも「祭られる」がどういう意味なのかは判らないまま。

 監禁は10日ほど続いた。
 そして、八朔祭りの翌日に解放された。朝6時という時間に。
 その10日ほどの間に、マナはやっぱり元気をなくして、香織さんのレッスンにも学校にも行かなくなっていたらしい。そして香織さんの突然の引越し。
 父によれば、それでも博士が帰って来たことで多少はマシになっていたらしい。それまでは部屋に閉じこもりきりだったから。
 そのまま、家族以外と接触を持たなくなり、マナは表情すらなくしていった。

 うわー。そんな終わり方か再び。「拉致」エンド。


 じゃ最初の選択肢のパターン変え。
→《迂回路を探す》
 そっか。「行ってみる」選択しても最後はどうせ迂回路を探すんだし、ショートカットするだけか。
 じゃ次。
→《付き添いを止める》
 失踪しましたね。ふむ。やっぱり最初の選択肢はただのショートカットかな。もう片方も一応。


→《迂回路を探す》
→《絶対折れない》
 拉致ですね。はい。気が済みました。じゃ三択のもう片方、行ってみましょう。
 ……ふと思ったんだけど、マナちゃんのキス事件のお相手ってひょっとして香織さんなの? …考え過ぎでしょうか。


→《迂回路を探す》
→《妥協点を探る》
 たまに一緒に行く、遅くなったら迎えに行く、という辺りで落ち着いたらしいです。
 で土曜日のお買い物と日曜日のバイオリン、それとランチ。
 香織さんが元気がない気がして、マナを迎えに行った時に尾行の気配。眠ちゃんに会って睨まれる。
 ここまでは一緒で。
 変わりましたねー。
 授業参観ってことで、レッスンを見学に来ていた博士。あまりのマナちゃんの下手っぷりに苦笑。でも香織さんは涼しい顔でちゃんと教えてくれている。
 レッスン終わってお茶の時間。
 まだまだ暑い日も多いのにずっと長袖の香織さんに、体調が悪いのかと聞いてみる。どうやら彼女は冷え性気味らしいです。
 冷房の風が直接当たるのは苦手、なんて話からドライブの話になる。森林公園の奥にある原生林の中にお気に入りの場所があって、一人になりたい時なんかはリフレッシュしに行くそうです。最近行けていないそうですが。
 マナは行ってみたいと言う。でも、香織さんの大切な場所だから勝手に行っては悪いとも思っているようだ。香織さんは歓迎すると言ってくれて、翌日に出かけようという話にはなるけれど、兄の都合は無視か。
 マナが出かけるなら付いて行かない訳には行かないと主張する博士、一生付き添っているつもりなのかと怒るマナ。互いに平行線。でマナはキレて、香織さんの家を飛び出してしまう。
→《まず香織さんに失礼を詫びる》
 …普通こっちだろこの二択なら。
 マナの態度を謝ってから、体調が悪いなら明日、無理にマナに付き合う必要はないとも言ってみた。
 香織さんは、明日出かけたいのは無理して付き合うからではないと答える。あくまで自分の意志だと。
 それから。マナは兄がいなくてもちゃんと出来る子なんだから、意志を尊重してあげて欲しいとも言われた。

 家に帰ったらマナは先にいて、香織さんと電話で話していたようだ。ちゃんと謝罪もしているし、明日の打ち合わせも。
 電話を終えたマナと話す。香織さんは体調が悪そうだから、明日はもういいとしても、レッスンに通うのは考え直すべきではないかと。
 マナは、香織さんは体調が悪そうだからこそレッスンに通わなくてはならないのだと言う。マナのレッスンの真意は、具合の悪そうな香織さんのお見舞いだったのだ。でもお見舞いとして行ったのでは香織さんに気を遣わせてしまうから、レッスンということにしているだけだと。
 マナが家では全くバイオリンの練習をしていないのはそのせいだったのかと博士は問い詰める。でも、だからと言って全く練習もせずにレッスンを受け続けているのは不真面目だ、香織さんにも迷惑なのではないかと。
 それをきっかけに壮絶な口げんかが始まり、止める父の声も聞かずに物別れのままそれぞれの部屋に。
 夕飯当番を子供たちが放り出してしまったため、父はカレーを作って子供たちを呼びに来る。後で、と言っても、残しておいてなんかやらん、と無理にリビングに連れ出される。そしてマナの方も同じ。父に担ぎ上げられて部屋から出て来た。
 しかし、その父のカレーがあまりに激マズだったので、一時休戦して子供たち2人で作り直すことになった。
 …なんとか無事に食事を終えて、後片付け。
 うーん気まずいね。
→《渋々謝る》
 兄だしな。
 こんな口げんかは事故の日以来だ、とマナが言い出す。
 そして、明日来たいなら構わない、と言ってくれる。

 ----小学5年生だった博士は、1人旅に憧れて、電車で2時間のおじいさんの家に行こうとする。が、その話を聞いていたマナも一緒に行きたいとタダをこねて泣き始めた。両親は折れて、一緒に連れて行けとマナの分の交通費も博士に渡してくれた。
 が、どうしても1人で行きたかった博士は、マナとは一緒に行く気はないと言う。行きたがるマナは駅まで兄を追いかけて来た。貯金箱を壊した全財産を持って。明らかに足りないその金額に、無理だから諦めろと説得する。マナの分の交通費は貰っていないと嘘をついた。
 博士は、マナを駅に置き去りにして1人で出発する。
 マナは1人で歩いて家に帰る途中で事故に遭い、下半身不随に。
 両親は博士に、どうして連れて行かなかったのだと理由を聞くが、博士は答えられずにいた。
 やがて意識を取り戻したマナは、兄と一緒に行かなかったのは自分のせいだと言った。途中で急にお腹が痛くなったから、一緒には行かないことにして、1人で家に帰ろうとしたのだと。
 両親はそれを信じた。博士も、それを訂正しないまま黙っていた。
 博士のマナに対する過干渉は、その嘘から来る罪悪感だったのだ。
 でも。マナのために何かをしようとするたびにマナが不機嫌になっていたのを思い出して。自分の「世話」は、罪悪感の罪滅ぼしのため、自己満足に過ぎなかったのかも知れないと思い始める。

 翌朝。香織さんがお弁当を作ってくれると言っていたそうだ。マナはシュークリームを焼いて持って行くつもりであるらしい。
 いよいよ出発、という時になって、マナは、今日は博士には一切車椅子に触れて欲しくないと言い出した。博士は判ったと言っておく。
 森林公園は新市街の方が近いので、待ち合わせ場所はこちらの団地近く。もう香織さんは来ていた。バイオリンケース持参だったので、博士はランチのバスケットの荷物持ちを。
 マナは本当に独力で行くつもりであるようだ。香織さんにすら手を借りようとしない。少しきつい上り坂でも、香織さんも手を出そうとせず、あくまでマナ自身のペースを見守っている。博士も、つい手を出しそうになるのを堪えて見守る。
 歩いている間、町の人は気軽に香織さんに声をかけて来る。中には、手を合わせて拝む人まで。博士から見ると、有名らしいとは聞いていたけれど、一体何者なんだろうと不思議に思ったりする。香織さんはそんな町の人ににこやかに挨拶を返しているが、「ハクローサマ」と声をかけられた時だけは一瞬顔がこわばったように見えた。
 香織さんは、「ハクローサマ」の呼びかけは人違いだろうと流しているけれど。
 (……ふむ。彼女の「引越し」はそっち方面なのか……)

 森林公園到着。思ったより大きな公園だったらしい。
 湖の近くにシートを敷いてお昼ご飯。
 香織さんの料理の腕はかなりのもの。マナも料理は慣れているしそれなりに自信があったけど、レベルが違うと感じているようだ。
 しかし。博士が行くかどうかは未確定事項だったのに、ちゃんと3人分ありますね、これ。お蔭で博士も遠慮なく食べられたのはいいけど、マナは、香織さんが2人分しか作っていないかも知れないと思っておにぎりを作って来ていたらしい。隠そうとしていたんだけど、バレちゃいました。兄は、その妹の気遣いを無駄には出来ないからと食べてます。
 で、お腹いっぱい過ぎてダウン。少し横になってお昼寝することに。荷物の見張り番を引き受けて、2人はお散歩に出かける。
 小一時間ほどして2人が戻って来て、博士もだいぶマシになったところで、奥にある原生林、香織さんのお気に入りスポットへ出発。
 森の中の散策路を歩いていると、向こうから歩いて来る人に出くわす。…賢木さんだ(2人にとっては、時々バイオリン聞きに来ていたおにいさん、ってだけだが)。
 2人の何処となく微妙な雰囲気に、マナは少し2人きりにさせてあげようと言って兄を連れて離れる。
 何となく2人の雰囲気はシリアスな感じ。険悪というわけではないけれど。マナ曰く、賢木さんはカッコいいけどなんだか危険な感じがするそうだ。だから香織さんとはあまり近づけたくないんだけど、だそうです。
 話を終えて、再び奥へ。途中、獣道のような所を通り抜けるそうで、車椅子はちょっと無理そうなので、博士がマナを背負って行く。
 やがて、倒木が横たわる小さな広場のような場所に辿り着いた。その倒木を椅子代わりにのんびりするのが、香織さんのお気に入りなんだとか。
 しばらく休んで、バイオリンのミニ演奏会とミニレッスンをして。森は暗くなるのが早いので、そろそろ帰ろうということになった。
 博士の背中でマナはすやすや。博士は、香織さんが、ここに来てまでなお「この場所が好きだった」と過去形でしか語らないのが気になっていたけれど、結局聞けずに終わる。

 その日、家に帰ると、マナの凄まじいバイオリンが家中に響いていた。一応消音器つけてはいるみたいだけど。父は息子に、高性能な耳栓を調達してくれるように頼んで来たりする。あはは。
 何処で売っているのか見当もつかなくてかなめちゃんに聞いたら、ヒントだけくれました。ですがそれでピンと来た博士はバイオリンを買った楽器店へ。店員さんはいろいろと察してくれたらしく、同情するように頷いて肩を叩いてくれたりなんかしつつ耳栓をお勧めしてくれたそうだ。
 で、その耳栓が思いの他効果的だったらしく、父が大満足していたので、博士も試験が近いことだし、対策として購入することになり、店員さんとすっかり顔馴染みになったらしい。

 日曜日、レッスンから帰って来たマナがいきなり泣き出した。
 香織さんの方から、今日でレッスンを終わりにしたいと切り出されたそうだ。
 体調のせいなのか、それとも、生徒があまりに不真面目なので見込みがないと思われたのか、それは判らないけど。
 ただ、体調が良くないのは知っていたので、今度はレッスンではなくお見舞いに行こうと約束する。

 テスト当日。さんざんな出来栄えにがっくりしている所に、珍しく眠ちゃんから声をかけて来た。話したいことがあると屋上に連れ出される。
 香織さんとどういう関係かと尋ねられた。
 どうしてそんなことを知りたがるのかと逆に尋ねると、個人的な趣味ということにしておきます、で突っぱねられる。理由は言いたくないってことか。
 隠すことでもないので、妹がバイオリンを習っていること、時々は一緒に行ってお茶を飲んで話したりすること、などを答える。
 眠ちゃんは、忠告として聞いて欲しいと前置きして、香織さんのことは忘れろ、と。しかも返事も聞かず去ろうとする。
 理由を話せとしつこく食い下がると、眠ちゃんは渋々、彼女が今日家を出ることになったと言う。何故なのかは教えてくれない。体調が悪そうだったから入院でもするのかと問うと、そんな所だと明らかに嘘っぽい答え。
 博士は「忠告には従えない」と言って眠ちゃんを振り切って電話へ。家には誰もいない。香織さんの家も。
 急いで家に帰る。メモ2つ。父は打ち合わせで遅くなる。もう1つはマナ。急いで香織さんの家に来るようにと伝言。
 もちろん急行。
 …しかし、時既に遅く。香織さんはもういなくなっていた。
 近所のお婆さんが通りかかったので尋ねると、遠くの病院に入院して、ここにはもう戻れないかも知れないと仄めかす。
 それにしても、マナもいない。
 家にまたとんぼ帰りするが、マナは帰っていなかった。
 その直後、マナが病院に担ぎ込まれたと連絡が来た。

 3日後。マナ宛に香織さんからの荷物が届く。愛用していたバイオリンと手紙が入っていた。
 博士はそれを持って、朝から付き添っている父と交替すべくマナの病院へ。
 ナースセンターでは、301号室の患者がとうとか、ハクローカンノンサマのお導きがどうとか話しているのが聞こえる。でも今の博士はハクローという言葉を何処で聞いたのかは思い出せない。
 病室に行く。
 マナは発見された時、道に倒れていたのだけれど、事件性はなく事故と判断されていた。いつも通らない急勾配の坂の近くにいたそうだ。無理をして近道をしようとした結果だろうと博士は思った。
 脳に損傷が及んでいて、一生目を覚ますことはないかも知れないという診断だった。
 それでも博士はマナに語りかけた。香織さんからの手紙を読み上げる。急なことで挨拶も出来なかったことの謝罪と、バイオリンは続けて欲しいという内容だった。

 うわーそんな終わり方か3度目。ていうかマナちゃんとことん不幸になりますねこの編は。
 悲痛、というエンドのようですね。


→《迂回路を探す》
→《妥協点を探る》
→《まず香織さんに失礼を詫びる》
→《ひたすら沈黙》
 喧嘩別れしたっきりだとどうなるのか。
 なるほど、翌日森林公園には行かないことになるんですね。テスト勉強している博士。
 夕方になってマナは上機嫌で帰宅。翌日から、自宅でも熱心にバイオリンの練習を始める。
 でも少しして、何だか落ち込んで帰って来たと思ったら、香織さんからレッスン打ち切りの話をされたようで。
 体調がよくないのかもと見舞いに行くことを提案するが、マナは行きたがらない。じゃ電話をしようと言うと博士がかけて先に話せと言う。言葉通りかけて見るが誰も出ないので、今から行こうと誘っても、マナは行こうとしない。
 博士は1人で香織さんの家へ。でももうその家には人の気配がなかった。
 近所の人が噂をしていたのが耳に入る。「もうずっとミシルシが出ていたんだから遅いくらいだ」とか、「時期が時期だからギリギリまで待っていた」とか、「万が一子供の目についたら」とか。…何のことだか。
 博士に気付いたその人たちは口を噤んで去ってしまう。
 最初の頃に一緒に香織さんとお茶を飲んだお婆さんが通りかかった。香織さんは2〜3日前に急に引っ越すことになったと話す。
 マナにどう話したもんかなあ、と悩む所でエンディング。寂寞、というエンドのようです。
 …お。不幸度が低いですねこれ。で、やっと判ったけど、香織さんのコレって八朔祭りより前の出来事だったんだ。ハクローサマだから、八朔祭り当日に「引っ越す」のかなと思ったんだけど。違うのかなあ…。


→《迂回路を探す》
→《妥協点を探る》
→《すぐマナを追う》
 じゃ次はこっち。
 凄い勢いで車椅子を走らせているマナにようやく追いつくが、触るなついて来るなと言われてしまう。仕方なく、少し離れて後からついて行き、家に。
 マナは香織さんに謝罪の電話と明日の打ち合わせ。
 …以降は一緒かな? じゃ先にこっちやってみます。
→《ひたすら沈黙》
 うん、寂寞ですね。気が済みました。


→《迂回路を探す》
→《妥協点を探る》
→《すぐマナを追う》
→《渋々謝る》
 て訳でもう片方。
 うおお。マナの事故について回想は入るけど、でも森林公園には行けなくて寂寞エンドだ。
 …む。森林公園に行くのって多分正規ルートですよねきっと。
 アクトペディアの分岐具合を見る限り、双奏輪廻の章でもう1つエンディングフラグあるように見えるけど。
 どーすんだろ。


 後半3つは妥協点→香織さんに謝罪→マナに謝罪じゃないと森林公園には行けない訳だし…だとしたら、残る1つは…ただのショートカットだと思っていたけど、最初の選択肢なのか?

→《行ってみる》
→《妥協点を探る》
→《まず香織さんに失礼を詫びる》
→《渋々謝る》
 森林公園行けましたですね。悲痛エンドと同じルートだ。
 お。眠ちゃんに警告された後、香織さんの家に向かってからの話が変わった。
 マナが「香織さんの家に来て」とメモを残したのに、香織さんの家にいないし来るまで会わなかったということは、きっと、いつも通るルートとは別の道を通ったんだろうと博士は気付く訳だ。急いでいただろうから、近道をしたのだろうと。
 (…なるほど、だから最初の選択肢が重要なんだ、今気付いた。最初っから迂回路を探してしまったら、別のルートがあるってことが博士の記憶に残らないからだ。最初に迷っておいて、マナにはキツい道だけと他のルートがある、ってことを確認しておかないとならないのね。)
 で、別の道の階段の途中で、車椅子を引き摺りながらよじ登ろうとしているマナを発見する。
 抱き上げて、車椅子も運んで。既に香織さんはいないと判っていても、あえてそれは告げず、車椅子を押して香織さんの家へ連れて行く。
 いないことを確認して、マナは泣き崩れる。

 マナは、レッスンは終わったけど見舞いに行ってもいいかと尋ねるため、香織さんに電話をしたそうだ。その電話口で、急に遠くの病院に入院することになったから、もう会えない、と香織さんは泣いていたそうだ。
 マナは、兄が階段の上から来たこと、つまり、香織さんの家の方から来たことに気付いていた。だから、博士は香織さんに会えたのか聞いて来る。もちろん、会えなかったと答える博士。

 マナは、その後も熱心にバイオリンを練習していた。教本とか買って、独学で。相変わらずの騒音状態だったが。何処か他の先生を紹介した方がいいのかと父に相談されたりしている。
 父も、傷だらけで帰って来た2人を問い詰め、顛末は知っていた。だから、マナにとってのバイオリンが、他の先生で代替が効かないかも知れないことは薄々気付いているようだ。
 博士は、あの翌日、眠ちゃんが屋上で言ったことの真意を尋ねたらしいけど、伯父が病院に勤めている関係で小耳に挟んだだけだと言われた。
 他の人にも色々聞き回って見るけど、誰も香織さんの行方は知らないそうだ。
 そして。小包が届く。手紙も。
 内容は同じですねきっと。このルートは全文読めるけど。妹が出来たようで嬉しかったこと、バイオリンは続けて欲しいこと。そして彼女が愛用していたバイオリンも一緒に。
 発送元は家の住所のままで、いなくなった当日だった。配達の人は、手違いで少し遅れたと言っていたそうだ。
 博士はその文面から、多分もう香織さんには会えないのだろうと思う。
 マナは、消音器なしで、思いっきり音を出してバイオリンを弾きたいと言った。本当は森林公園のあの森がいいと思ったのだけれど、もう時間が遅いので、近所の河原に連れ出す。
 少しは上達した腕で、香織さんの残したバイオリンを、マナが弾いている所でエンディング。
 …おおお。スタッフロールのバックが赤い(今までは青かった)。
 これは何かフラグが立ったってことなのかしら。
 「面影」というエンディングのようです。

 うん。アクトペディアの雰囲気では、これで双奏輪廻の章で行ける所は全部行った感じ。あとは分岐点がもっとずっと前に設定されているし。
 さて、他の章を探して来よう。


五色塚編 鬼宿りの章(1)

 …と言っても、最初でマナを迎えに行くと双奏輪廻に入るということは、分岐はそれより先ですよね…。
→《それじゃ、お願いしようかな》
 ええと。あの。ここから先の選択肢と言えば一誠さんのアレしかないじゃんか。えええ。もしかして、一誠さんを「味方」につける展開とかあるんか? 遠慮すれば狼面宿儺に入っちゃうんだから、その逆を行くしかないよね…。
→《その時は、よろしくお願いします》
 …何をお願いする気なんだ博士。狼面宿儺経由で選ぶのチョー怖いっス(笑)。
 来た。「鬼宿りの章」だそうです。

 河原に着いて、車から「お姫様」マナを下ろそうとすると、お姫様呼ばわりは気に入らないと膨れるマナ。だけど、車椅子を車から下ろして持って来てくれた一誠さんが殆ど同じように「お姫様、お車の用意が出来ました」とか言っちゃうと喜々としてたりする。お兄ちゃんはご不満ですね(笑)。
 一誠さんは、マナを抱き上げて車椅子に運ぶ間に、バーベキューの下準備の手伝いをお願いする。マナはご機嫌でそれに応じる。そして博士には、五十鈴ちゃんたちと遊んでおいでーと。
 何処に行ったんだろうと五十鈴ちゃんとかなめちゃんを探すと、先に見つけたのは脱がれた服だった。服だけじゃなく、下着まで…。
 思わず見入ってしまっていた博士に、後ろから水がぶっかけられる。
 五十鈴ちゃんとかなめちゃん、何故かスクール水着姿。なんで水着持参? と呆気に取られる博士を2人は変態扱いで水で攻撃している。
 五十鈴ちゃん的には、自分の水着姿はいくらでも見ていいけど、かなめちゃんをそういう目で見るのは禁止だそうです。
 そんなこと言いながら、五十鈴ちゃんは濡れ水着姿でいつものように博士に迫って来ます。しかも、胸元に手をかけて、谷間を見せ付けるように…。
 さすがの博士もすっかりそっちに気を取られたその時、五十鈴ちゃんの見事な背負い投げが決まり、川の中に放り込まれました。
 うわー。こっちでは意図的に放り込まれるのか…ご愁傷様…。
 そんなことしている間にバーベキュー準備完了。濡れてしまったシャツを乾かす間、博士は一誠さんからパーカーを借りて過ごすことに。
 着替えて洋服姿に戻った2人もやって来る。楽しいバーベキューパーティの始まり。
 生焼けでも構わず肉まっしぐらな五十鈴ちゃん、お腹壊すよーと忠告しても聞く耳持たず。一誠さん曰く、五十鈴ちゃんは西瓜食べた後お腹出して寝ていても平気なくらい胃腸が丈夫らしい。そんなの嘘だ、と騒ぐ五十鈴ちゃん。でも一誠さんは証拠写真があるけど見たい? とか言ってます。嘘だと言った割に大慌ての五十鈴ちゃんは、見たいなら直接見せてあげちゃう! とか言っちゃうし。でも、そんな肉ばっかり食べて、見せられるようなお腹なのかなー? とか突っ込まれて突然ベジタリアンになったりする五十鈴ちゃん。
 まだ大きなクーラーボックスには食材があるようだ。博士が見てみると、八朔だ。しかもペンで顔みたいなのが書いてある。五十鈴ちゃんは、その落書き八朔は自分専用なのだと言う。
 食べるのかと思ったら、今は必要じゃないらしいです。いつ必要になるんだろうと不思議に思う博士。
 食事も終わって、マナが兄のエロ本の隠し場所をバラしたり(笑)している間に片付けも終わり。一誠さんに借りたパーカーは洗って返しますと言っても「そのまま返してくれていい」だもんなあ。…うーん。ひょっとして同じ展開ですかね。引っ越しちゃいますかね一誠さん。

 翌日、博士は病院にいた。風邪引きましたか。けど1人で来てますね、このルートは。
 櫛名田先生登場。やっぱり採血されたらしい。なんでだ。
 で、帰り道、五十鈴ちゃんにまた抱きつかれる。具合の悪い博士は支える気力がありません。
 っていうか、学校で具合悪いの見てるし、この病院紹介したの五十鈴ちゃんなのに。
 五十鈴ちゃんは、博士の診察が終わるのをここで待っていたらしいです。腕に抱きついてきてわざとらしく胸を押し付けて来たりして。いやはや。
 そこに車で一誠さんが通りかかった。顔色の悪い博士を心配して、車で送ってくれることに。
 病院の歴史を説明してくれる役割は、このルートでは一誠さんのようですね。博士は、病院が妙に混んでいるので風邪が流行していると思ったらしいのですが、カプセルのことは一誠さんは一言も言いませんでした。

 翌日。五十鈴ちゃんに相変わらず腕を持ってかれつつ、ふざけたかなめちゃんにももう片腕を持ってかれつつ、からかわれまくりの登校。
 休み時間は休み時間で、座っている博士の膝の上に座って来たりして。ベッタベタですね。いつもに増して。
 昼休み、またべたべたしつつお弁当のつまみ食いまでされています。お蔭で半分しか食べられなかったらしい。かなめちゃんは委員会の仕事でいない。
 今がいい機会だからと、五十鈴ちゃんをかなめちゃんの席に座らせ、わざときつい口調で、異様なべたべたぶりの理由を聞き出そうとする。
 …ダメっすね。五十鈴ちゃんは、その理由は口では言い難いからと体で表現してくれちゃうし。要するにまたべたべたされるだけなんだけど。
 ヒロくんみたいな人をずっと探していた、とは言われるけど。

 放課後、かなめちゃんと五十鈴ちゃんは2人でショッピングだそうです。また付き合わされるのかと半ば諦め気味でいると、向かう先がランジェリーショップ、目的はブラジャーと告げられて慌てて拒否。絶対行かないぞー。
 2人はそのまま帰宅。博士は図書室に寄り道。
 で学校を出たところで、たまたま一誠さんの車が通りかかる。またかい。
 ドライブでもどう、と言われて、送ってくれるという意味と捉えて、乗せてもらう。
 一誠さんは、五十鈴とはもうキスくらいしたのか、とか聞いて来たりする。そんなことしてません、そんな関係でもないし、と否定すると、ひょっとして男が好きなのかとまで言われてしまった…。一誠さんは、身内のひいき目を差し引いても五十鈴ちゃんは可愛い部類だと思うし、そんな女の子に好かれて喜ばない博士は女性が苦手と思ったらしい。
 博士としては、五十鈴ちゃんが可愛いのは認めている。性格も嫌いってわけじゃない。でも、少なくとも恋愛ではない。博士はそう思っている。友達としては好きだけど。
 そんな話をしていてふと景色を見ると、団地の方角とは違う方向に進んでいるような。
 ドライブだから、と一誠さんは言うけれど、その後で、博士と2人きりになりたかった、とも。
 で。人気のない道端に車を止めて、迫って来たりする。うわああああ。
 博士は本気で嫌がってます。突き飛ばしたり。
 一誠さんは笑い出す。冗談だと言って。博士が、口では男が好きな訳じゃないと言っていても、本当にそうなのか確かめておきたかったらしいです。妹のために。
 一誠さんは常識的ないいお兄さんと思っていたけど、やっぱりあの五十鈴ちゃんの兄なんだなあと、変な所で血筋を感じてしまう博士。

 五十鈴ちゃんのべたべたはそれからもさらにエスカレート。教室で膝の上に座って来るのだって、以前は博士に背中を向けていたのに、今は正面からだ。
 見かねたのか、眠ちゃんが、声をかけて来る。ただ、「摘花さんに相談があるから」という言い方だったけど。で、五十鈴ちゃんは眠ちゃんに連れて行かれた。
 他の人の目もあるからそんな言い方になったんだろうけど、前後の状況からして、あのべたべたぶりを咎めるためだろう。なのに五十鈴ちゃんだけが呼びつけられたのは何だか不公平な気がする博士。
 かなめちゃんに言わせると、きっと女同士の話があるんだろうということだった。
 戻って来た五十鈴ちゃんはご機嫌斜めで眠ちゃんを睨みつけているけど、博士に対してはいつもの笑顔。
 博士は、やはりこのままでは良くないと思ったようだ。でも五十鈴ちゃんの本心は未だ判らない、ふざけて遊んでいるだけなのか、本心なのか。それを確かめるために、五十鈴を誘って一緒に帰ることに。
 ちなみに今日はかなめちゃんは図書委員の当番の日。
 眠ちゃんによほど絞られたのか、飛びついて来なくなりました。
 …と思ったら、それは学校の敷地内だけのことだったらしく、出た途端に抱きつかれました。
 なるほど。眠ちゃんには、学校では遠慮しろと注意されたのですね。きっと。ただ、五十鈴ちゃんに言わせると、眠ちゃんは2人のラブラブに嫉妬しているだけだそうです。
 博士としては、眠ちゃんには「存在自体迷惑だ」と言われてしまっているので、嫉妬ということはつまり眠ちゃんは五十鈴ちゃんのことが!? と思ったらしい(笑)。
 しかし。話をしようとしていたのに、またやって来たよ一誠さん。偶然じゃなく待っていたとかしれっと言っちゃうし。また冗談だと笑うけど。
 五十鈴ちゃんがすっかり乗せてもらう気でいるので、話は諦めてドライブに付き合うことに。
 車内でも五十鈴ちゃんのべたべたは全く収まる気配ナシ。一誠さんも止める気全くナシ宣言してくれちゃうし。
 で五十鈴ちゃんの攻撃に困ってると、それなら俺がいただいちゃおうかなとか言い出す兄がいるわけで。
 ぐったりして博士は家に辿り着く。
 もう少し五十鈴のことを知りたいと思っていたのに、全く進展がなかったなあと思いながら。

 今のままの五十鈴と、少し大人っぽい五十鈴と、2人から、「どっちが好き?」と聞かれる夢を見る。
 その朝は、玄関先からくっつかれることなかった。でも、少し遅れてやって来て、マナが一緒じゃないと判るとやっぱり抱きついて来る。
 マナがいないし2人きりだから、話をするチャンスと思ったのだけれど、いつものようにべたべたしまくる彼女のペースに飲まれて言い出せず。
 朝、何かを察したかなめちゃんがさり気なく少し席を外してくれたので、とりあえず放課後2人きりで話したいことがあるとだけ伝える。
 五十鈴は、何を誤解したのか、お風呂入って来なきゃ、とか、教室全体に向けて、今日ついに『オンナ』になる! などと宣言するし、戻って来たかなめちゃんはお赤飯が必要かと尋ねられるし…博士はまたげんなりしてます。

 まあとにかく。放課後。
 緊張しまくっている五十鈴ちゃん。
 何を話そうとしたのか忘れちゃった、などとちょっと冗談を言って緊張を解してあげたりしながら、博士は本題をついに言うことが出来た。
 五十鈴ちゃんは実のところ、博士のことをどう思っているのか。
 好きだと言われる。ライクではなくラブだと。そこは疑って欲しくないと。
 そして証拠だと言って、頬にキスをされた。ファーストキスをあげる、と言って。
 そのまま、五十鈴は走り去ってしまう。

 …ぼんやりしながら下校していた博士は、また車のクラクションに呼び止められた。
 一誠さん、今日は妙に真剣なまなざしです。
 きっと五十鈴ちゃんから顛末を聞いて、兄として何か言いたいことがあるのかも知れないと思ってまたドライブに付き合う。
 しかし、黙ったまま運転している彼の車はどんどん人気のない方へ向かい。山道で急に止まる。
 そして。今度は疑いようもないほど本気で、彼は豹変した。
 (…………うわー。ってかあの。……ご、ご苦労さまです岡本さんホントマジで。怖いなあこれ怖過ぎる。てゆーかアドリブでセリフ増やさないで下さいよもう。何かと思ったじゃないですか。怖いですってば。ぎゃー。)
 シートベルトのスイッチに手が触れ、ベルトが跳ね上がって彼の目に当たり、ようやくスキを見つけた博士は車外に脱走。ひたすら走った。
 山道を見回して、何とか遠くに団地を見つけ、見当をつけて進む。車の近付く音がするたびに、物陰に身を隠してやりすごしながら。
 何故か、犬の遠吠えのような音が聞こえるような気がしていた。

 翌朝。周りはいつも通り。当たり前だけど。
 ただ、五十鈴ちゃんは妙に落ち込んでいる。
 話を聞けば、一誠さんが急に上京してしまったのだそうだ。
 …博士はホッとする。もう顔を合わせなくて済むんだと。でももちろん、口先では、寂しくなるね、と慰めの言葉をかけた。
 夜、部屋で考える。もしかしたら。本当に彼の行動は、ちょっと冗談が過ぎただけの好意だったのかも知れないと。
 上京が決まっていたから、…暴走したのかも知れないと。

 翌日。朝、五十鈴ちゃんから電話が来て、体調が悪いから一緒に登校は出来ないと言って来た。
 結局、五十鈴ちゃんは欠席したようだ。で、それを博士が気にしているのは、かなめちやんにはお見通しらしいです。
 で、見舞いに行けと勧められる。
 博士は行く気にはなっていたけど、迷惑にならないかと少し不安。何かプリントでもあれば届ける口実があるのになあと思っている。
 眠ちゃんが声をかけて来た。そして…話を聞いていたのだろう、五十鈴ちゃんの見舞いに行くのは止めろと言って来る。
 何故眠ちゃんに禁止されなければならないのか理由が判らず尋ねる博士。
 眠ちゃんは、あまり五十鈴ちゃんと仲良くして欲しくないと言い出した。
 博士はいつかこの町から出て行くけれど、眠ちゃんや五十鈴ちゃんはこの町から出て行けないからだと眠ちゃんは言った。だから深入りして欲しくないということか?
 眠ちゃんや五十鈴ちゃんと、博士は「違う」のだと眠ちゃんは言う。博士が軽い気持ちでしていることは、残酷なことだ、とも。
 意味が判らない…でも眠ちゃんは意味もなくそんなことを言う人ではなさそうなことも知っている。
 さて。ここは。
→《櫛名田さんの言葉に従っておこう》
 …の方が、いいのか?

 週が明けて月曜。登校時に五十鈴ちゃんが姿を見せなかったので、今日も休んでいるのかと思いきや、学校に来てみたら五十鈴ちゃんは先に来ていた。
 でも。飛びついて来なくなった。放っておいて欲しい、と言われてしまった。
 まだ本調子じゃないのだろうと判断して、そのままそっとしておいてあげることに。
 放課後は、図書室の本の整理をかなめちゃんに頼まれた。五十鈴ちゃんに手伝ってもらうはずだったのだが、彼女はすっぽかして帰ってしまったらしい。
 で、すっかり暗くなるまで手伝って帰路につく。
 帰り道、黒猫ににゃあと飛びかかられてびっくりしたりしていたら、その次に本当に、誰かに殴られた。
 それが誰だったのかは判らない。倒れて、意識が遠のいて行く。

 ふむ、バットエンドですね。黒猫、というエンドのようだ。選択肢1つしかないから判り易くていいなあ。
 …しかし、あれですね。眠ちゃんに従って殺されるってことは、……博士襲撃犯は眠ちゃんたちの側ではないんだ…。オオカミ仮面たちも一枚岩じゃないってことなのかなあ。


 それじゃあ。
→《五十鈴ちゃんのお見舞いに行こう》
 来ましたよ。
 女の子の部屋に入るなんて緊張するなあとか思いつつ部屋に。
 パジャマじゃないのを不思議に思って聞いてみると、午後には具合も良くなって来たので寝ていたわけではなかったそうです。
 でも、もう大丈夫だから、と笑う五十鈴ちゃんの顔は何処か痛々しくて、泣き崩れそうに見えた。家族と急に離れることになった不安がまだ癒えていないのかな、などと博士は思う。
 そして。五十鈴を抱きしめる。今度は、博士の側から。
 五十鈴に、好きだ、と告げて。
 唇にキスしようとしたら……拒否られてしまいました。初めてのキスは、家じゃなくて別の場所がいいそうです。
 (うわあ嘘っぽいな。マナのアレと言い、粘膜系感染だから止めようとしてくれたんだよね五十鈴ちゃん。うーん。)
 その日はそれでとりあえず帰ることにする。そして、幸せな悩みで眠りについた。

 翌朝。眠ちゃんに言われたことを少し思い出す。仲良くするな、と言われたこと。
 でも五十鈴ちゃんも迷惑そうではなかったし、博士のしていることが残酷だという言葉の意味は全く判らないまま。
 お休みのこの日、告白しちゃった男女のやることっつったら、そりゃ、デートだよねえ。商店街に繰り出して来た。
 ただ、何処に行こうとかまるで決めていなかったので、またもや五十鈴ちゃんに主導権を取られる。ヒロくん好みの下着をゲットするためと下着屋さんに連れ込まれてしまった…(笑)。
 ぐったりしたカレシを見かねて喫茶店で休むことにしてくれた…のかと思いきや、単にお腹が空いていただけらしい。ナポリタンがおいしいからとオーダーしている。
 やって来たナポリタンは何故か大盛り。そして、サービスだからとコーヒーがついて来た。そういうメニューではなく、店長さん(?)が博士を気に入ってくれたかららしく、見たらにこにこと手を振られてしまった。
 何故か店員さんは、博士には超愛想がよくて、五十鈴ちゃんには超素っ気無い。何だこのサービスの差は。
 で、ナポリタンやらパフェやらを「あ〜ん」で食べさせ合いっこしたがる五十鈴ちやんにどきまぎする博士。間接キスもドキドキするお年頃なのですね。
 結局夕方まで買い物して、ベンチで一休み。大好きだよ、などと改めて告白し合ってるバカップル状態の2人。

 月曜日。五十鈴ちゃんはすっかり本調子。
 べたべたぶりは相変わらずだけど、博士の側の気持ちが変化したせいか、以前ほど気にならなくなったようで。
 トイレに向かおうとして1人廊下に出た博士は、ポケットに入っていた千代紙に気付いた。眠さんからの手紙。話があるから屋上へ、と書いてある。でもその時はもう時間がなかったので、次の休み時間に行くことにする。
 で。屋上。
 やはり五十鈴ちゃんのことらしい。五十鈴ちゃんに言っても聞いてもらえなかったから、と眠ちゃん。次はその相手である博士の方から自重しろと言いたいのだろうと博士は思う。
 一誠さんのこともあるし、やっと元気を取り戻し始めたのだから、少しは見逃して欲しいと博士は言う。
 でも。それは五十鈴ちゃんのためにならないのだと眠ちゃんは言う。止めさせなければならないのだと。
 博士は声を荒げる。説明もなくそんなことを言われても納得出来ないと。
 眠は答える。納得してもらう必要はない。博士には関係のないことだから。
 返事も聞かないまま眠は立ち去ってしまう。
 好きな人を支えたいと思っているだけなのに、どうしてなんだ、と博士は憤る。

 翌日昼休み。今度は博士が眠ちゃんを呼び出した。五十鈴ちゃんには、風邪気味だから保健室で薬を貰って来ると嘘をついて。
 でも五十鈴ちやんにはバレちゃったらしい。理由は聞き出せないまま話が平行線になっていた所に乱入して来た。
 そして、眠ちゃんが、2人が仲良くしないで欲しいと話していたことを知ると、怒り出す。やっていいことといけないことはちゃんと判っている、と。
 博士は止めなかった。傍観していた。眠ちゃんからは何も聞き出せそうになかったから、2人の会話から何か判るのではないかと思ったからだ。
 五十鈴ちゃんは激昂して色んなことを言っている。眠ちゃんは『町内会』の長だけど、『自治会』の五十鈴ちゃんにまで口出しする権利はないとか。
 眠ちゃんは。一誠さんが引っ越してしまったから、五十鈴ちゃんのことを心配しているだけだと。
 五十鈴ちゃんは言葉を失い、そして手を挙げた。逆上して殴ろうとしていると見た博士はさすがに傍観できず止めに入る。
 いい加減ちゃんと説明してくれと眠ちゃんに詰め寄る。これじゃラチがあかない。
 眠ちゃんはうんざりした顔をした。今までは見せたことのない表情。そして。ただ、2人のベタベタが見苦しかったから、テキトーな理由をつけて文句を言っただけ、と、明らかに嘘にしか見えないことを言って、立ち去ってしまった。
 五十鈴ちゃん曰く、眠ちゃんも本当はヒロくんと仲良くしたいから嫉妬しているそうです。ただ、仕方なく学校では少し自重することにしたらしい。腕に抱きつかないで、普通に歩いて教室に戻った。

 翌日から、五十鈴ちゃんは本気で自重することにしたらしい。べたべたが全くなくなって、普通の友達みたいに接してくれている。
 放課後、一緒に出かけようというお誘いを、都合があると断っても、一緒じゃなきゃやだ! とタダをこねたりしなかった。大人になりましたねえ。

 その後。何故か五十鈴ちゃんは元気がなくなっていく。よく眠れないらしい。理由を聞いても、食べ過ぎた、みたいな、嘘と判るようなことしか言わない。
 五十鈴ちゃんは今までずっと兄に依存して来たのかも知れないと博士は考える。急にいなくなって、その代わりとして博士に縋ったものの、眠ちゃんに注意されて、自立しなければと気負って。それで精神的に参っているのではないかと。
 心配は当たり。体育の時間、貧血で五十鈴ちゃんは倒れる。男女別に授業をしていたため、それを聞いたのは次の授業の直前だったが、いても立ってもいられなくなった博士は保健室へ。
 うーん。保健の先生、いないのですよねえ。
→《このまま五十鈴ちゃんと一緒にいる》
 ですよねえ。ここは。
 五十鈴ちゃんは、嬉しいと言うけれど、熱っぽくて気分が悪いとも言う。薬は何処にあるんだろうと探そうとした博士を、五十鈴ちやんは引き寄せて。
 キスして来た。ほんの一瞬。唇に。
 キスしている間は気分が少し良くなると言ったので、五十鈴ちゃんから、もっとキスしてもいい? と聞かれて、博士は拒まなかった。
 五十鈴ちゃんは許しを得た途端、もっともっと深いキスをして来る。むさぼるように。ベッドに引き込まれ、押し倒された。馬乗りになって押し付けられる。
 うわ言のように、死んでもいい、殺されてもいい、それでも大好き、と繰り返す。もっと吸わせて欲しい、そのニオイを独占させて欲しい、と。
 博士は「ニオイ」という言葉に、あの日のことを思い出す。…同じことを言っていた。一誠さんも。その時に感じた恐怖が蘇り、博士はこれが恋愛のキスとは別次元のものだと悟る。
 五十鈴ちゃんの歯が博士の唇を傷つける。血の味が広がる。
 博士は必死に抵抗を開始するが、全く逃げられない。
 遠くでまた、何故か遠吠えのような音を聞いたような気がする。
 ふと視界に入った五十鈴ちゃんは、赤い目をしていた。

 うわあ。ついに喰われちゃいましたエンドですねえ…。ていうか。ええと。この順番でやって良かったかも(解体エンドの方が先で、って意味ね)。謎の襲撃者の正体知ってて解体より、知らないで解体→こっちで謎が解ける、の方がマシですね。ええ。
 罹患、というエンドみたい。
 っておい。それ、マナちゃんルート先に見ていない人には超意味不明な名前ですよ。
 そうか、罹るのか。…博士は誰を「対象」にしてしまうんだろう。っていうか、マナしかいないよな。多分。
 その後を想像する方がやだなあこのエンド。


 それじゃあ、最後の選択肢。
→《一旦教室に戻ろう》
 教室に戻ったら、自習だったらしい。なら問題ないから五十鈴ちゃんについていようかと思って、かなめちゃんに断りを入れておこうと思ったのですが、…いませんね。
 周りに聞くと、かなめちゃんは五十鈴ちゃんのお見舞いに行くと言って出て行ったそうだ。
 それならってんで保健室に戻ってみると、2人ともいない。五十鈴ちゃんもいなくなっているし、かなめちゃんも来てない。
 で、教室に引き返して来たら、かなめちゃんは戻っていた。五十鈴ちゃんは一緒じゃないのかと聞くと、何故かほんの少し上の空で、早退したと言う。カバン置きっぱなしなのに。
 それにしても。かなめちゃん、いつもは博士をからかうのが大好きな子なのに、なんだか様子がおかしい。顔も赤いし。
 本人は大丈夫と言っているのですけれど。
 (……ええ!? かなめちゃんにまで? もしかして。なんで? 今まで1年近く何もなかったのに…)

 翌日は、五十鈴ちゃんもかなめちゃんも休みだった。
 眠ちゃんがまた声をかけて来る。今度はかなめちゃんについて聞きたいことがあるらしい。
 欠席の理由って…そんなの知るわけない。だから正直にそう言う。
 すると。眠ちゃんは、博士が五十鈴ちゃんをどう思っているのかと聞いて来る。大事だし守りたいと答える。
 眠ちゃんは、守りたいから好きなのか、好きだから守りたいのか、と尋ねる。
 それから。今ならまだ間に合う、とも。
 眠ちゃんは立ち去る。そして。博士は、その言葉に、気付いてしまうのだ。
 自分は何故五十鈴ちゃんが好きだったのか。
 自分にとって五十鈴ちゃんは。頼られて。守ってあげられる相手だから好きになったのではないか、と。

 博士は、自分はただ、五十鈴ちゃんの欠落を埋めてあげることが嬉しかっただけで、それは本当の意味で好きだというのとは違う自己満足ではなかったのかと自問自答している。
 五十鈴ちゃんはすっかり復活らしい。いつも通り。で、夜の7時に公園で会いたいと。博士は、承知する。
 しかし夜って。脅かすつもりかと聞くと、ヒントは「大切なものを貰って欲しい」だそうです。博士はどぎまぎしていますね。
 教室に入ると。かなめちゃんは来ていない。五十鈴ちゃんによると、風邪をこじらせて寝ているようだ。お見舞いに行こうと言うと、ダメだと凄い勢いで否定。慌てて付け加えるように、風邪がうつるし寝ている所を見られるのは嫌だと、かなめちゃん自身が言っていたと説明する。
 で、夜になって。
 「大切なものを貰って欲しい」なんて言うから、ついまた考えてしまう。五十鈴ちゃんはきっと、誰かに依存しないと生きていけないような弱さを持った子で。だから中途半端な気持ちで付き合っては却って傷つけることになる……眠ちゃんはもしかしてそのことを警告したのではないか、と考えるようになったのだ。
 五十鈴ちゃんに会う前に心の整理をしたかった博士は、かなめちゃんの家を訪ねて行く。五十鈴ちゃんには会うなと言われたけど、一番客観的にアドバイスをくれそうなのは彼女だと思ったから。
 しかし。見つけたその家から、何故か眠ちゃんが出て来た。かなめちゃんは眠っているから起こさない方がいいと言う。そして、五十鈴ちゃんと急ぎ連絡を取りたいけど自宅にいないから、行方を知らないか、とも。
 博士は、見かけたら連絡する、と言うが、眠ちゃんは意外なことを言う。
 五十鈴を見つけたら、すぐに逃げ出せと。そして、眠ちゃんに連絡しろと。電話番号を渡されてしまった。必ず連絡してくれと念を押して、去ってしまった。
 どうあっても眠ちゃんは、五十鈴ちゃんとの間に何があるのかを答えてくれそうにない。
 だとしたら五十鈴ちゃんに聞くしかないと博士は思う。2人の間にどんな確執があるのか確認しなければと思ったのだ。

 約束通りの時間に到着。
 いつも通りの五十鈴ちゃんの様子を見て、博士は話す。かなめちゃんの家にお見舞いに行こうとして、会えなかったこと。代わりに眠ちゃんに会ったこと。そして、五十鈴ちゃんを探していたこと。
 電話してみたら、と電話番号を差し出すが、五十鈴ちゃんは、話の想像はついている、必要ない、と言って話を打ち切った。
 いつもの通りに腕に抱きついて来て、ここなら誰も来ないから気付かない、と笑う。
 でも博士は、何故かその時。一誠さんの車のカーコロンと同じ柑橘系の匂いを感じる。そして。引き摺られるようにあの時の忌まわしい記憶が蘇る。
 近付いて来る五十鈴ちゃんに、本能的な恐怖感を感じてしまう。
 それを振り払って、博士は尋ねる。何故自分を選んだのか、と。
 一目惚れと五十鈴は説明する。会った時から眩しくて、そばにいるだけで心地よくて。見ているだけじゃ嫌になって、体中で感じたいと思うようになって。
 それは恋だって五十鈴は思った。だから好きだと言った。そのはずなのに、これは恋だよね、恋だって言って、と、博士に認めてもらおうとする五十鈴。
 その時。後ろに。
 眠ちゃんが立っていた。
 今すぐ博士を解放すれば、今夜ここで起きたことは誰にも口外しないと約束すると眠は言った。
 また、五十鈴ちゃんに、勘違いしている、と告げる。五十鈴には恋をする資格などないと言う。
 それは言い過ぎだと思う博士は反論するが、眠ちゃんはそれに答えず、何故約束を守ってくれなかったのかと尋ねて来る。逃げろと言ったはずだと。
 恋人から逃げるなんてことはしないと言う博士。五十鈴には恋愛感情などないと言う眠。
 五十鈴は反論する。これは恋だと。この町で一生を過ごさなければならなかった自分を救い出してくれる、優しい王子様が現れたのだと。
 腕に絡んで来る。いつものように。でも、その力はまるで万力のように強くなる。痛いほどに。でも、その強さは彼女の思いなのだと、博士は振り払わずに耐える。
 五十鈴ちゃんは狂ったように叫ぶ。眠ちゃんも本当はヒロくんが欲しいのだと知っている。でもヒロくんは自分だけのものだから、絶対に誰にも渡さないと。
 凄い力。本当に痛い。眠は、博士を解放するように言葉で説得を続ける。五十鈴には休息が必要で。五十鈴にとって、今夜は「満月」なのだから、と。
 五十鈴ちゃんも引かない。兄を「上京」させたのは眠だと言う。眠は、五十鈴の言葉に耳を貸してはダメだと言う。
 混乱した博士は。
→《櫛名田さんの言うことに耳を傾ける》
 ええと。とにかく話を聞きませんか。わけわかんないですねこれじゃ。
 とにかく少し休もう、と五十鈴ちゃんに言うと、やっと万力のような腕を解いてくれる。その手には袖の切れ端が握られているし、自分の爪でついたのであろう傷跡まで。
 博士が、なおも休もうよと彼女を説得しようとしたのだが。その言葉は言えなかった。
 五十鈴ちゃんが抱きついて来たのかと思うと。激烈な痛みが襲って来る。
 小振りのナイフが、博士の腹に突き立てられていた。
 王子様は自分の言うことだけ信じて、自分だけを好きでいてくれるのだ、そうでなければならないのだ、というようなことを五十鈴ちゃんが叫んでいる。
 博士は倒れて、意識を失って行く。その視界の端で、五十鈴ちゃんがナイフで眠ちゃんに食ってかかっているのが見えている。金属音の応酬。そして何かが倒れる音。それが五十鈴ちゃんと信じて、呼びかけようとする。本当に君が好きで、君を信じていたのだと。そう伝えようと、心の中であがきながら、博士は気を失う。

 …また死んじゃいましたね。狂気、というエンド。
 それにしても、土壇場でこれですか…。五十鈴ちゃん側についたら罹患エンドと同じことにならないのだろうか。うーん。まあやってみるしかないですけど。


 またもや、最後の選択肢。
→《五十鈴ちゃんを信じる》
 その選択に、眠ちゃんが珍しく感情を露に悲鳴に近い声を上げる。
 優しく抱き合う2人。眠ちゃんほったらかし。
 五十鈴ちゃんは涙を流しながら、八朔はすっぱくて苦手だったけど、ヒロくんに会ってからは苦くてもっと嫌いになったと話す。どういう意味なのかさっぱりだけど、五十鈴ちゃんは泣いているので、ただ抱きしめる。
 博士は、五十鈴と眠が何を争っているのか判らない。けど、五十鈴ちゃんが悪いわけじゃない、と言い切る。
 眠は、五十鈴を試すと言った。五十鈴が本当に博士のことを好きなのかを。
 今すぐ手を放さなければ、苛烈な運命に博士を巻き込むことになる。業を背負う苦しみを、知っていながら、博士にも背負わせるのか。そう眠は言う。
 五十鈴は。博士に言う。大好きだから、このまま殺されても構わないくらい好きだと。そして。博士も自分と同じ気持ちだと言って欲しいと懇願する。
 博士は逆の立場で答える。もし逆なら。自分が何か大変なことを背負っていたとしたら。それを、五十鈴ちゃんにまでは背負わせたいとは思わないと。
 それは、自分がどうであれ五十鈴ちゃんには一番幸せでいて欲しいという願い。
 もし。その業とやらを博士が背負うことで、五十鈴ちゃんが幸せになれるなら、なんだって引き受けると言った。
 でも五十鈴は。博士に幸せになって欲しいとは言いつつ、その後に来るのは、離れたくない、離したくないということ。ヒロくんが死ねと言うなら死んでもいいと。ただ、眠ちゃんに見つかってしまったので、もう殺される、と五十鈴。
 お兄にも言ったように、はっきり言えば? と眠に向けて。
 眠は。もう駄目です、と短く答える。
 五十鈴は狂ったように笑い出す。ボクは悪くないよね? と。もちろん、五十鈴は悪くないと博士は答える。じゃ誰が悪いのか、と尋ねてから、判ったと五十鈴。
 ……ヒロくんが現れなければ良かったのだ、と。
 五十鈴は博士を突き飛ばす。その手にナイフが握られている。
 でも決めたのだ。博士は五十鈴を信じると決めた。だから、彼女の刃から逃げようとしない。逃げてと叫ぶ眠。博士は眠の言葉に耳を貸さない。そう決めたから。
 五十鈴は刃を振り上げて……。
 自分の首を、そのナイフで切り裂いた。
 ……五十鈴は言う。確かに、ヒロくんと出会って感じたのは恋ではなかった。眠の言う通り。
 自分がこんな風に狂気に取り憑かれていても、それでも目を逸らさず。じっと、本当の五十鈴を信じ続けようとしてくれた博士を見たから。
 それこそが、恋なのだと気付いたから。
 だから、自分のしていたことは、違ったのだと。
 五十鈴は、博士を傷つけずに済んだことが嬉しいと言った。本当の恋を、教えてもらったと。
 救急車を呼んでくれと眠に頼む。傷を手で塞ごうとする。最後には、自分で背負って病院に連れて行くと取り乱す博士。でも五十鈴は、このまま死なせて欲しいと懇願する。
 眠は、「博士を解放したらここで起きたことは口外しない」の約束を守るため、救急車を呼ばないと言う。眠は最初からここにいなかった、ということにしておくのだと。
 博士は激昂する。眠は五十鈴を見殺しにすると言ったも同然だ。しかし、五十鈴はその眠の判断に「ありがとう」と言うのだ。
 そして博士にも。最後に本当の恋を教えてくれてありがとうと。
 最期まで冷酷な眠ちゃん。その態度に怒って博士は思わず彼女の頬を打ってしまう。
 それに何か思うことがあったのか、眠ちゃんは警察に通報すると言って----ここにいたことを正直に言うと言って----去って行く。
 どうして五十鈴がこんな目に遭うのか、博士はその真実を見つけたいと切望する…。

 赤エンドだね。「凶行」エンド。
 お。ルート増えてる。…分岐何処だろ?


 五色塚編最初から流し。
 あ、町を案内して貰う時の「旧市街行きたい」選択肢が復活している。
→《近づかない方がいいのかな》
 はい、変わりませんね。了解。旧市街行かないとならなのか。ふむ。

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