SWAT-200 Part. 1
小型・軽量、高性能!

公開:2015年2月22日〜
更新:2022年
10月14日 *本機を手放しました を追加

ついに、ポタ赤に手を出す (2015年2月22日)

 私は眼視派だ。撮っている時間があるなら、一つでも多くの天体を見ていたい。といいつつも、近年、星景写真も撮るようになってきて、昨年も西オーストラリアでは時間のゆとりもあったので、何度かチャレンジした。秋にはちょっと計画している事があって、それならば、という事で、ポータブル赤道儀の検討を始めた。

 私の場合、フルサイズ一眼なので、TOAST TP-2 か、SWAT シリーズあたりがターゲット。タカハシも何か出しているようだが、あんなデザインの悪いものは、初めから除外。いろいろな方の意見、評判を聞いて、SWAT シリーズを選択。実際に手にしてみたら、350 はズシリと重くて一回り大きい。350 だと三脚から何もかも重くなって、私のような広角レンズでの撮影(しかも記念写真)には当然ながら、過剰。200 に自由雲台を装着しただけだと、南側の地平線や北天で死角ができる、と聞いたが、私のような広角レンズでの撮影では、何とかなりそうだ。3月から値下げ、という事で、一足先に同条件で購入した。


Baader STRONG HOLD 2450310B

 自由雲台は、いつも使っている梅本製作所のSL-50ZSC。同製品は、小型のSL-40ZSC も活躍。小型雲台は、Linhof ユニバーサル・ボールヘッド1を長年愛用してきたが、今は梅本製作所のものに替わった。unitec 社からは、極微動ユニットをはじめ、沢山アクセサリーが出ているが、残念ながら世界中の緯度には対応していない。例えば北緯20°で使用するには、15°傾きを立てなくてはならない。そこで、以前購入して暖めていたBaader STRONG HOLD 2450310B の登場。質量680gながら、耐荷重7s、左右に23°、上下に35°動かせる。つまり緯度対応と極軸合わせ機能を併せ持たせる事ができる。昔、購入(輸入)したものは、概ね3割かそれ以上値上がりしている感じだ。円安の時にあれこれ買っておいて良かった。 つなぎは、BORG のアリガタを使用。

  
低緯度の場合は、こんな感じ(左)。カメラを装着(中央)。極軸望遠鏡保護テープ(右)。

 三脚は、いつも使っている大活躍のGitzo のトラベラー GT1542T。三脚から上・本体一式は実測で2.55sなので、三脚を含めた総重量は3.55s。片手でもラクラク持ち運べる。と、ここまで記載したら、同機種を使っている友人から、極軸望遠鏡のネジが緩むと極軸望遠鏡が激しく本体に激突し、本体に傷がついてしまう(特に夜間)、とのアドヴァイスが。そこで、ちょうど本体に当たるところ(電源入力端子後部)にビニールテープを貼った。実際に軽く当ててみても鈍い音がして、いい感じだ。
 と、ここまでは順調。でも、まだ1枚も撮影していない。実際に使ってみて、不具合があったら進化させていこう。

  

極軸望遠鏡 (2015年3月3日)

         

極軸望遠鏡レチクル像(一部)。左:SX型、右:PF-L型。

 購入してから、曇り、雨続き。やっと晴れたので、極軸望遠鏡をチェックしてみた。これに最後に触ったのは遥か何年も前の事で、しかも赤道儀大っ嫌い、を貫き通してきたので、使い方を完全に忘れてしまっていた。取説を何度も読み返して、謎が一つ。レチクルに表示されているPF1.0って何だ!? 取説には一切記載なし。友人に聞いてもわからない。ネットで調べてもわからない。赤道儀使いの人達には、説明不要な常識的な用語なのだろうか? Vixen に問い合わせたら、Polar Finder(極軸望遠鏡)のヴァージョン1.0の事だった。つまり2005年〜2025年までの表示version 1.0。試しに極軸望遠鏡PF-L の取説を見てみたら、PF2.1とあった。

 こんなものを合わせるのは大変だし、時間がもったいない、と決め付けていたが、北極星がやっと肉眼視できるような、横浜の、しかも月例11.1の明るい空で、この辺りだろう、と狙いを付けて覗いてみたら、あるべき位置のど真ん中に明るい星が見えていた。あまりにもあっけない導入。しかし、考えてみれば高度は初めから計算通りで合っている訳だし、極軸望遠鏡は6倍、実視野8°なのだから、視野に入っていて当然といえば当然だ。ちょっと反省。ただ、空が暗かったら、どれが北極星なのか迷うかも。

 これなら、設置して撮影まで、あっという間でストレスが無さそうだ。屋上に向かう時、家内に、「雲台に何か付いている! また何か始めるの?」等と突っ込まれた。見つかってしまったか。

   

カメラ・レンズ結露防止ヒーターとバッテリー・ホルダー (2015年3月3日-2)

 夜露には悩まされる事も多い。望遠鏡のはあったけど、カメラ用のは用意していなかった。友人から、USB電源のがあって便利ですよ、と紹介されたのが、これ。私は、タイプ6MSP を購入した。また、USBバッテリーとSWAT 200 のバッテリー・ケース(写真右上)は、小袋に入れてぶら下げるようにした。通常なら、三脚にストーン・バッグを取り付けるところだが、このトラベラー三脚は何かと大活躍なので、こうなった次第。さあ、準備は全て整った。あとはテスト撮影だが、あと1週間は天気が悪そうだし、多忙続き。ただ、この三脚とのデザインのマッチングは最高で、部屋に置いておいてもオブジェとしてなかなかだ。

  

テスト撮影 (2015年3月13日)

 晴れたので、自宅屋上でテスト撮影をしてみた。風が強かったので、露出時間は短め。レンズはEF70-200mm F4。当然MFでISはoff。F4で3.2秒、ISO2000でトリミング・拡大したのが写真左上。ざらざらと白い点が写っているが、一部はデジタル・ノイズで 、恒星像の流れは無し。なかなかいい感じだ。いろいろレンズをとっかえひっかえやっていたら、いつの間にか、極軸がずれていた。たまにチェックはした方が良さそうだ。調子に乗って、300mmでも撮影。現像中驚いたのは、オリオン大星雲の羽が、かなり広がっている事と、色のつき方が、銀ミラードブで見た時のと極めて近い感じだった事(写真右上。トリミング拡大。ただし、極軸がずれた状態だったせいか、星はやや流れている)。

 で、何が凄いか、というと、これは横浜の20時〜20時30分での明るい空での撮影、そしてノー・フィルターである事。こんなに写るのである。CCDカメラ+フィルター+現像テクニックがあれば、都会でも相当な写真が撮れるのも納得。上の写真だって、ものの何分での作業だ。フィルム時代には考えられない事ばかり。

 

小浜島でテスト (2015年8月22日記)

 友人が小浜島で素晴らしい写真を撮っている。また、空も凄くいい、と聞いていたので、今年の夏休みは小浜島に決定。ちょうど航空券と宿とレンタル・カートがパックになったものを見つけたので、8月14〜18日に はいむるぶしに行って来た。

 小浜島が、どれだけ南にあるのか、地図を見るとちょっと驚く。何と、東京から鹿児島の約2倍の距離! とにかく海の色が美しく、 果てしなく珊瑚礁が続く。日本は、冬には屈指のパウダー・スノウを味わえる北海道から、こんな美しい南のパラダイスまで有する国なのだ。

 基本は、毎日シュノーケリング。特に、西表島周辺の珊瑚礁は、世界屈指の美しさだ。いろいろな所で潜ったけれど、ここが歴代最高だった。観光ガイドが書けそうな位、写真も情報もあるが、このsite/ページの趣旨から外れるので、割愛。

 さて、ここにはハイランダーと本機:SWAT 200 を持参。一晩中快晴、という日は無かったが、待てば晴れ間が覘く。空本来は十二分に暗く、、いて座、さそり座は高い。普段、Obsession 18" UC で見慣れていると、ハイランダーでは位置の確認作業みたいになってしまって、あまり面白くない。そこで、本機でいろいろ撮影してみた。といっても、まだテスト段階。3分位の露出でどんなもんか見てみた。

 写真左は、デネブと北アメリカ星雲の周囲で露出時間3分、右は、カシオペア座で露出時間2分半。フィルター等は無し。ちょっとバックを黒くし過ぎたか。しかし、これならちゃんと狙って撮っても良かったが、晴れ間が続かない。それと、実は 「はいむるぶし」 には大問題が生じていた。それが、これ。

 リゾートの後方から、サーチライトのようなものが空を照らしているのである。この島にラブホテル?パチンコ屋? 何で、こんな素晴らしい星空を台無しにするのだろう。最終日、腹が立って、光源を確認しに行ってみた。すると、何と、リゾートのバーベキュー広場の木々を照らしているLEDライトだった! 強力なライトが地面から樹を照らしてて、な〜んと、雲まで届いていて雲が明るく光っていた。しかも一晩中。だから、撮影できる天体が、相当限られてしまった。

 小浜島の大看板、観光の目玉である美しい海と星空。その一つが、あさはかな行為で汚されていたのだ。しかも、これは島全体のみならず、周辺の島にだって大いに迷惑だ。夜9時になったら、よけいな照明は消し、美しい星空を楽しめるような配慮があって当然だと思うのだが、ここでは、あらゆる所にBGMが流れていて、煩くてかなわない。同じ感覚だ。日本ではBGMを流すのがサーヴィスだと勘違いしている店が多すぎるが、リゾートなら、余計な音が無いのがサーヴィスなのに。世界的に見て、「本当に良い」所には、BGMなんか無い。音楽が本当に好きな人には、BGMは拷問と同じ。 そもそも、真夏だ、というのに、春の星座図を配っている位だから、鈍感さはかなりのもの。

 以前、友人が訪れた時には無かった筈だし、何と言っても他の島にまで迷惑だと思うので、帰る時に注意した。幸い、改善しよう、という姿勢が見えるので、おそらくはLEDライトは、今後21時以降は消えるだろうと思う。ただ、小浜島周辺に星を見に行きたい、撮りたい、という方は、リゾートに、ちゃんと対応したかどうか問い合わせた方が安全。それと、島の西側は石垣島があり、けっこう明るい。

 とはいうものの、夏休みとしては大変楽しく、充実した4日間だった。さて、帰る夜、ふとロケットの打ち上げのニュースが無いのに気付いた。チェックしてみたら、打ち上げが再延期となり、明後日になっているではないか! これは帰っている場合ではない。急遽、種子島に向かった。続きは、こちら


シュガー・ロードで見かけた、古いお墓

  

マウナケア、マウナロア遠征 (2015年11月3日記)

 先月、マウナケア3700m、マウナロア3400mで空前絶後の空を体験してきた。本機を購入したのも、この空で写真を残したかったためだった。しかし、観望に没頭し、撮影に時間が取れなかった。とりあえず撮るには撮ったが、公開するには恥ずかしい出来だった。ところが、同じSWAT 200  を持ち込んだ千葉のKさんの写真が凄い! 報告したページと同じ写真を3枚、ここに紹介。

 本腰を入れて撮ると、こうも違うものか、と感嘆! タイムラプスも同様に、コンデジのお気軽のものとは別次元だった。やはり何事も片手間ではものにならないなあ。

    *全く使用しないので、本年夏に手放しました。
 

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