Lunt LS60MT 混合ダブル・スタック その1
最強の小型太陽望遠鏡! これを見ないなんてありえない!

  公開:2023年11月28日〜
更新:2025年6月26日 エア・シリンダーの調整 を追加

 近年、太陽活動が極めて活発で、そして8cm混合ダブル・スタックが架台ごと一体化で簡単に外に出せるので、太陽が出ていれば毎朝必ずこれで見ている。しかし、曇ったり晴れたりを繰り返している朝は、通勤前にDayStarが温まって見れる頃にはしっかり曇ってしまったり、雑用で忙しい時などは 見ることができない。以前は、良く見えるP.S.T.があったけれど劣化したので手放したし、その後のLF55SS + DayStar QUARKは屋上に行かなくとも良く見えたけれど、結局温まるまで時間を要するので、この鏡筒も手放した。そして2021年に、Lunt LS60MTを求めたのであった。 この望遠鏡は1分以内に太陽を見ることができるので、本当に便利だ。

 今は高騰してしまって、6cmでも大変だ。8cmも15cmもブロッキング・フィルターは不要だったのでその分安く買えたが、6cmは残っていた1個を利用できたので、やはりその分、安く買えた。アイピースはTakahashi LE 7.5mmがデフォルトで、他を使うことはほとんど無い。またDayStar混合ダブル・スタックもまず行わない。

 

口径

f

焦点距離

倍率

実視界

見掛視界

アイ・レリーフ

射出瞳径

備考

Lunt LS60MT

60mm

7

420mm

           

Zeiss Abbe II

   

10mm

42

0.8°

45°

5mm

1.4mm

 

Takahashi LE

   

7.5mm

56

0.9°

52°

10mm

1.1mm

 

Zeiss Abbe II

   

6mm

70

0.6°

45°

5mm

0.9mm

 
                   

DayStar 4.3× Barlow

60mm

30.1

1806mm

           

Lavendura

   

40mm

45

0.9°

42°

20mm

1.3mm

 

ED Lavendura

   

34mm

53

0.8°

43°*

20mm

1.1mm

*推測


ダブルスタック化 (2023年11月28日記)

 先日のSolar Star Partyで、あらためてじろーさんの伝説の名機に釘付けとなった。太陽全景が見え、そしてプロミネンスも複雑な太陽表面も双方が驚異的に見え、もっと大きな口径、高倍率のものが多数ある中、「全景が見える6cmですが、何か?」 と言わんばかりだ。これは特別な選別品の組み合わせなので、到底追従できない、と長年諦めていた。

 しかし、寝室の6cmは、屋上の混合ダブル・スタックに比べると随分見えない。かといって、Luntのダブルスタック・ユニットは高価だし、佃式ダブル・スタックには及ばないだろうし。そう言えば、ジローさんのエタロンは昔のCORONDOだったなあ、と何気なくネット・サーフィンしていたら、アメリカに6cmのダブル・スタックユニット(CORONAO II型)が$999で売りに出ていた。本機のフードには7cmのユニットがネジの径が合っていて装着できる、と聞いていたが、6cmと7cmでは随分価格差があるし、本機のエタロンは6cmだから、アダプターを制作してもらえばいいか、と注文してしまった。見ないで太陽望遠鏡に手を出すのは危険、と散々人には言っておきながら、まあ、今より少し見えればいいか、位のスタンスだった。

 程なくして届いたが、ダブルスタック・ユニットの外径は82.5mm、フードの内径は90mmだった。そこで、私のドラえもん、松本さんにアダプターの制作を依頼した。すると何と、届いた日の午後には制作が終わって発送するという、電光石火の早業! いつもそうだけど、打てば響くではなく、打たなくても響く仲に感謝! アダプターは、すっかり鏡筒内に入るのでアルマイト加工は不要、としたけれど、一部平らな面があってレンズの光が反射する可能性があったので、艶消し塗装を行った。バッチリ!

 今より少し見えるようになればいいや、という期待は大きく裏切られた。少しではなく、とんでもなく良く見える!のだ。しかも出して1分で。アイピースは、Zeiss Abbe II 10mmとなった。これがベストだった。というか、これしかない、という位の選択だった。それにしても大博打、よくぞ当たったものだ。もう、毎朝がルンルン..

 

口径

f

焦点距離

倍率

実視界

見掛視界

アイ・レリーフ

射出瞳径

備考

Lunt LS60MT

60mm

7

420mm

           

Zeiss Abbe II

   

10mm

42

0.8°

45°

5mm

1.4mm

 

Hαフィルターを追加 (2023年12月7日)

 DayStar QUARKの方はHαフィルターを入れることでコントラストが増した。では、本機ではどうか? 最初はアイピースに装着して見たけれど、特に効果は今一つ。といった感じだった。そこで、今度はブロッキング・フィルターの前に入れてみた。ただ、装着する場が無いので、写真の位置のちょうど嵌る所に、厚みのある両面テープ×2で固定。結果、コントラストが上がり、よりとんでもなく見えるようになった。
 寝室のカーテンを開けて出窓を開けて、出窓の下の本機を出して見るまで、計ってみたら17秒だった。正に最強の太陽望遠鏡ではなかろうか。

Takahashi TPL 9mm & 18mm + オルソ・バーロー2X (2023年12月28日)

 本機のデフォルト・アイピースはZeiss Abbe II 10mmだけれど、もう少しだけ太陽の全体像を拡大して見たい。そこで、タカハシのTPL 9mmを試してみた。このアイピースのシリーズは大変優秀なのだが、9mmはアイ・レリーフは6.5mmなのに、Abbe II 10mm (アイ・レリーフ 5mm)より覗きにくい。 そこで、TPLと相性が良く格安のタカハシ オルソ・バーロー2X + TPL 18mmも試してみた。オルソ・バーロー2Xはいろいろ試してみたが、優秀。でも、やはりAbbe II 10mmが上回る。よって、デフォルト・アイピースは変化なし。

冬至〜夏至の太陽の位置と高度 (2025年6月25日)

 本機は出窓の下に置いてあって、出窓に上げて太陽が見えるまで、わずか17秒だ。これで見て良ければ屋上に出て、さらなる口径の大きい太陽望遠鏡で見ていいる。晴れていれば(薄雲下でも)毎日太陽を見ているので、太陽の位置と高度がどんどん移動しているのを体で感じている。そこで、同時刻にiPhone 撮影をしてみた。写真は左から、12月21日(冬至)、3月21日、6月21日(夏至)の 7:45amでのもの。

エア・シリンダー調整 (2025年6月26日)

 6月22日に、Solar Star Party があった。そこに本機を持ち込んだ。理由は、評判の高いヘリオスター76Hα と比較するため。Lunt太陽望遠鏡のエア・シリンダーは、時々解放してセットし直す必要がある。観望会では、最初にこれを行っているが、1〜2時間もして気温が上がってくると、相手は空気、エア・プレッシャーだから、再調整が必要だ。そして熱対策も。最初は良く見えていても、徐々に見えなくなってしまう原因はこれだったと思う。しかし、このエアスペース・エタロン異種メーカー混合ダブル・スタック。LuntはCoronado創業者の息子の会社だから、本機はいわば ”親子どんぶり” だ。

太陽を見ないなんてもったいない。だって一番近い恒星の活動を直に見られるのですぞ。

   *続く....

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