不妊鍼灸治療

「鍼灸治療により、妊娠率が大きく改善する。」という研究結果が、国内外の学会誌・新聞等に発表されています。
当院におきましても、同様の効果を実感しております。

日本の新聞記事


不妊治療 体外受精の前後に、女性の体をリラックスさせるハリ治療をすると、妊娠率が大幅に向上するという研究結果を、ドイツと中国の研究チームがまとめた。
米生殖医療学会誌に掲載された報告によると、同チームは、体外受精をうける女性百六十人を二グループに分け、一方には体外受精の際、受精卵を子宮に戻す前後にハリ治療を実施。残りのグループには、ハリ治療をせず通常の体外受精を行った。
その結果、ハリ治療グループの妊娠率が42.5%に上がり、通常治療の26.3%を大幅に上回った。体外受精の妊娠率は、高くても三割程度とされ、繰り返し治療を受けるカップルの精神的、金銭的な負担が問題になっている。
妊娠率が向上する詳しい理由は分からないが、同学会のサンドラ・カーソン次期会長は「確実に検証されれば、妊娠率向上に役立つ手法になる可能性がある」と注目している。
「2002年4月30日 讀賣新聞夕刊」


不妊治療 治療を続けても子宝に恵まれない不妊症の女性に対する針きゅう治療が、妊娠率を飛躍的に向上させる効果のあることが名古屋市瑞穂区、明生鍼灸院と愛知県豊田市、竹内病院トヨタ不妊センターの共同研究で分かった。
不妊症への針きゅう効果を、まとまった症例数による科学的データで検証した研究は初めて。
研究は、結婚後5年、不妊専門医療機関で2年治療しても妊娠しない不妊症患者で、体外受精など高度な生殖医療を3回以上受けても妊娠できず、子宮の内膜が薄いことが原因と推定される57人(平均年齢34.7歳)が対象。
患者たちに針きゅう治療を半年以上続けたところ、31人の内膜が厚さ6ミリ以上など妊娠への一定基準に改善。うち14人(同33.7歳)が、冷凍保存した自分の胚(はい)を移植して妊娠することができた。
このほか、不妊の原因が分からず、月経異常や頭痛、肩こりなど、健康に問題がないのに起こる体の不調(不定愁訴)がみられる患者24人(同35.2歳)への針きゅう治療でも、7人(同36.1歳)が妊娠した。
針きゅう治療が子宮の血流を活性化させ内膜の改善に至った可能性があるほか、妊娠より先に不定愁訴が治った例が8割もあった。
高度な生殖医療の妊娠率は20%~30%。これを3回受けた後は妊娠率が著しく下がるとされる。
流産を2度経験し、針きゅう治療で内膜が整い結婚6年目の今冬、出産した愛知県内の女性(41)は「排卵誘発剤などの連続使用で体調を崩し、身も心も限界だった。ゆっくり治す東洋医学で気持ちがほぐれた」と振り返る。
竹内病院センターの越知所長は「西洋医学を建物の補修に例えるなら、東洋医学は土台の改良工事。むやみに薬を増やすのでなく、自然の治癒力を引き出す東洋医学の知恵が役立てば」と話す。
「2001年12月28日 中日新聞」


海外の研究報告


胚移植日に鍼灸施術を行なうと体外受精、顕微授精の妊娠率を上昇させる。

体外受精、顕微受精の273例を研究対象とし、鍼灸施術を行わなかったグループでは22%の妊娠、鍼灸施術を行ったグループでは36%の妊娠率となり、鍼灸施術を行なったグループの妊娠率が高くなった。
「 Fertility&Sterility(アメリカの生殖医学学会誌) 2006年 デンマークからの報告」


体外受精と顕微授精例の黄体期に鍼灸治療を行なうと妊娠率を上昇させる。

体外受精、顕微授精の225例を研究対象とし、鍼灸治療を行わなかったグループでは13.8%、行ったグループでは28.4%の妊娠率となり、鍼灸治療を行ったグループの妊娠率が高くなった。
「 Fertility&Sterility(アメリカの生殖医学学会誌) 2006年 ドイツからの報告」


体外受精例に鍼治療を3回行い、鍼治療群に妊娠率が高かった。

体外受精の228例に鍼治療を3回行い、hMG(排卵誘発剤)注射時、採卵前、採卵直後に鍼を行なった。鍼治療を行わないグループでは23%、鍼施術を行ったグループでは31%の妊娠率で、有意差はなかったが、鍼治療を行ったグループの妊娠率が高くなった。
「 Fertility&Sterility(アメリカの生殖医学学会誌) 2006年 オーストラリアからの報告」


鍼施術は妊娠率の高さと関連

過去の7件の臨床試験のデータをまとめた。鍼施術を併用した胚移植と鍼施術を併用しないケースでは、鍼施術を受けた群の臨床的妊娠は1.65倍高く、継続中の妊娠は 1.87倍、生児分娩率は1.91倍高く、鍼施術は妊娠率の高さと関連していた。
「BrirtishMedicalJournal(メリーランド大学、ジョージタウン大学産婦人科) 2008年 アメリカからの報告」



鍼灸治療というと、東洋のイメージがありますが、欧米では通常の医療に鍼灸治療を併用することが盛んに行なわれ、その効果が検証されています。
欧米、中国、日本などの研究結果を見てみると、不妊治療に鍼灸施術を併用すると
自律神経やホルモンバランスを整える
身体全体の血流を改善する
という鍼灸の本来持っている作用により、
   ↓
排卵が促進される
子宮内膜の厚みが増す
等の効果を促し、
   ↓
子宮・卵巣・卵管等の妊娠環境の修復・改善
着床し易い身体作り
へとつながっていくようです。

鍼灸治療を「妊娠し易い身体作り」にぜひお役立て下さい。


ページトップに戻る