『動物ジャーナル45』にこのタイトルで以下のように述べたのは二〇〇四年、法改正の論議がなされているころでした。
(改正愛護法でも)第八条には動物の販売・貸出し・展示等の無神経な文字が並んでいます。
動物を家族として遇するヒトも増えている昨今、一歩大きく踏み出して、動物(生体)の売買をきっぱり止めてみてはいかがでしょう。
お金で量ることが拒否されれば、繁殖・密猟・密輸などの〈業〉が成立たなくなり、法改正の手間も省けるというものです。
動物は愛情によってのみ授受される、そのような社会を俟ちのぞみます。(引用ここまで) |
現在また改正を議論する時期になっているようですが、生体の売買問題はどうなっているのしょうか。
近ごろ、目覚ましい記事を一読者から送られました。タイトルにいわく
[ペットを「買う」のは時代遅れ/人と動物のよりよい関係は? (土方細秩子)]
(サンデー毎日 2010年8月15日号)
内容を要約します。
米国でペットの売買を禁じる自治体が増えている。とくに今年から活発化、すでに三つの自治体で法制化された。この三自治体は比較的規模が小さいが、大都市サンフランシスコ市がペット(犬猫に限らず、ハムスター・モルモット・鳥など)の売買禁止に向けて動き出した。
06年にペット売買を禁止したニューメキシコ州アルバカーキ市では「法制化以後、シェルターで殺処分される数は35%減少した」という。ペットのほしい人はシェルターでもらう方法があるから。
ペット売買が存在するため大量の〈在庫〉が発生し、毎年二百万頭以上が殺されているのは事実。人間と動物の関係を考え直す機会にはなりそうだ。(要約ここまで) |
週刊誌半ページ分の記事ですが、内容は何十倍もの重さを持つと感じられました。
そして日本では?と考えてしまったことです。おそらく、繁殖・販売を業とする人々の抵抗は大変なものでしょう。先ず、生業をなくす不安。就職難の時代、転職はできるか?
そこで提案します。
動物の繁殖・販売等を業としていた人は、自治体の動物保護施設の臨時職員になってもらう。給料は過去三年間の税務申告の平均から導き出す。(今の公務員ほど高くないはず。)
自治体の保護施設で、犬、ねこ、その他、収容された動物たちの世話が仕事となる。専門家を任じていた人々であり、殊に幼齢動物の飼育は慣れていると思われるから、周到な世話が期待できる。
保護施設から希望者に手渡す時、経験を生かして説明は充分出来、人を見定めることも出来る。
殺処分施設が閉鎖されれば、その経費で運営可能。センターは明るい施設に変貌する。
殺処分廃止署名の高まりを見ても、世間の支持は絶対と考えます。是非検討してください。
(あおしま けいこ・動物虐待防止会代表)
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