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TOP mook 動物ジャーナル バックナンバー動物ジャーナル38・2チャンネル問題について

■ 動物ジャーナル 38 2002 夏

   2チャンネル問題について

動物虐待防止会


 触れるのもおぞましいことですが、『動物ジャーナル37』に同封して、起訴嘆願書用紙に署名をお願いしました関係上、その経緯をしるしておくことにいたしました。
 当会がこの件を知りましたのは、茨城県の影山美優喜様からのお電話でした。手紙を出したけれど、じっとしていられなくてと。追いかけて、次のようなお手紙が着きました。
 テレビの報道でご存じかと思われますが、ネット上で、「2チャンネル掲示板」猫の虐殺映像(中略)。アクセスしても私は見る勇気がなく、ただパソコンの前で身動きできず泣いていました。発信地区は福岡とまでは確認できたらしいです。警察も捜査にのりだしたと聞きましたが、うやむやにされないかと心配です。(中略)犯人に対して憎悪以上、殺意さえ抱きます。私達に何かできることはないでしょうか? このまま黙って見過ごすなんてできません!(後略)
 それ以後も、お手紙やお電話を頂き、ネット上で判明した情報――犯人の名は松原潤。広島県呉市に実家がある。父は小学校教員。その父親は「殺したのではないので責任はとらない」と言っている。――等を伝えられました。悪魔に魂を売ってでも松原に同じ思いをさせてやりたい、との文字に同感するかたわら、当会も方策を考えましたが、影山様は専門家の協力のもとに、福岡地方検察庁あて「起訴嘆願書」を完成され、それを当会へ送られました。ちょうど『動物ジャーナル37』発送直前でしたので、コピーをある程度つくり、全ての方へではないのですが同封させていただきました。
 反響は大きく、用紙をコピーしてなるべくたくさん署名を集めると知らせて下さる方も多く、印鑑の確認に遠くからお電話下さった方もあり、感謝にたえません。
 田口純巳様から「署名運動を考えて下さった方に頭が下がります」との前置きに続けて、アメリカの精神医学専門家アラン・R・フェルトゥス氏の論文「猫を虐殺する子供が危い」をコピーして署名と一緒に福岡検察庁へ送るつもりとのありがたいお手紙をいただきました。
 その論文は、フェルトゥス氏が刑務所でのアンケート調査をもとに考察したものです。田口様の要約によりますと、
1 凶悪犯(男性)の半数が幼児期の動物虐待を告白している。
2 イヌ、ネコをくり返し虐待したとする回答者のうち、一人を除いて全てがネコを虐待していた。そのうち何人かが、母親がネコを嫌い、悪意を投射・投影する対象としていたと語った。おそらく、その母親らはネコを不気味、汚いと日頃からののしっていたにちがいない。男の子は母の影響を強く受ける。
3 ネコを虐待した人の話から、ネコが最も残酷な方法で殺害されていることが判明している。二〜三名の回答者は、一人で五十〜六十匹を殺したと語った。
これらにより、動物虐待と凶悪犯罪とのつながりが明白にされるであろう。性犯罪と動物虐待とは反復性が強いので、福岡市で発生した事件を書類送検にしたことは大変危惧される対処です。再犯の可能性が高いので起訴処分にすべきです。とのコメントも付けられています。なお、松原某は「元医大生」であったということも知らせて下さいました。

 『動物ジャーナル』創刊号では、いわゆる矢ガモ事件を扱い、動物虐待と重大犯罪の関連を指摘しました。その矢ガモ犯人は医大生と伝えられ、しばらく後の北海道における犬連続毒殺事件は開業医師と取沙汰されました。医者になる過程に、この種の精神・感覚の歪みを形成する何かがあるのでしょうか。近ごろの頻発する医療事故や不正、不道徳を観ますと、根は一つのように考えられます。

 最後に、藤井麻利・雅実様のコメントを。
 最近の動物虐待のエスカレートは、本当に胸が痛む思いがします。防止するにはどうしたら一番効果的なのか、虐待傾向のある者を刺激しないように考えていくのは難しい、と感じています。  (麻利)
 ヒトという動物はなぜか、格別に複雑な脳神経系を持って、おかげで文化も創れる自由な力も持ちますが、その力は巧く操らないと、他の動物たちや世界さえ壊しかねません。そんな力を巧く操れない所に、法や道徳などが「必要悪」として作られる。動物虐待から戦争まで、今の人間の文化度ではまだまだ、法などの強制的な制限も必要なようですね。そんな強制力のいらない社会は夢かもしれませんが、法や道徳などなくとも、ヒトも動物もみんな悦べる世界へ近づけることを信じたいものです。 (雅実)