オーディオ日記 第55章 この道はどこへ続くのか(その14)2023年7月28日


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オーディオファイルの弱み:

ミッドハイ用のユニットについて、 Audio Hi-Fi(フィンランド) あたりからの購入を考えていたが、欧州のBliesma販売代理店では皆在庫切れとなってしまっている。欧州ではそこそこ人気があるのだろうか? まぁ特段急ぐ訳ではないので、在庫補充されてから(問い合わせたところ次の入荷は9月中旬らしい)でも良いかな~と、考えていた。その間に円高方向に多少でも振れてくれれば、という期待もあるし。

北米の販売代理店である Solen(カナダ) をふと覗いてみると、サマーセールで2,000カナダドル以上の購入の場合は何と15%オフと! 今までいろいろと海外から調達してきたけれど、このようなありがたいディスカウントは経験したことがない、、、これはちょっとどころか大いに魅力的。人間は、このようなセール、あるいは特価というものに何と弱いことかと改めて痛感する。いずれかのタイミングでは購入するのだから、と自分に言い訳しつつも速攻でオーダー。到着までは10日から二週間程度かかるかもしれないが、既にこのユニットを組み込むエンクロージャも用意済なので、あれこれと夢想しながら待つこととなる。

Bliesma M74B :(ドイツ製らしくAccutonにも通ずる無骨さがある)
Bliesma M74B

現状のミッドハイ帯域に使用しているユニットは SONY SUP-T11 (100㎜径アルミ振動板のホーンドライバー)と Accuton C51 (51㎜径逆ドーム型セラミック振動板)の二つ。どちらも一級品のユニットと呼んで差支え無いだろう。特にSONY SUP-T11はその「作り」において世界に誇れるもので、おそらく製造コスト的にもこれを超えるような内容と品質の量産型のユニットはもう出てこないんじゃないかと思うくらい、、、両ユニットにはそれぞれ個性の違いはあるものの、ミッドハイ用のユニットとして自分でも高く評価しており現状特段の不満があるという訳ではない。

それでもなお、新たなユニットを調達したくなるのはひとえに「ベリリウム」の魅力である。ミッドハイの帯域(800~4KHzあたり)をカバーする3インチ口径のドーム型ユニットではかってYAMAHA NS-1000M系統のスピーカーシステムに搭載されていたJA-801というユニットが有名で、このユニットは単品としては販売されなかったが、スピーカー自体の販売が相当数あったため中古品のユニットが現在でもオークション等で手に入る。単品ユニットとしては YAMAHA JA-0870 があるのだが、こちらはあまりポピュラーではなく現在では入手が絶望的なのが残念。その他にはホーンドライバーではJBLやTAD、そしてエール、ゴトーにもベリリウムが採用されたものがあり、それらの音は概ね聴いてきた。

ATC SM75-150/150SやVOLT 752/753など(最近ではこれに Scanspeak D8404 が加わると思うがこのユニットの音は未だ聴いたことはない)世界レベルで評価されているソフトドームのユニット、ダイアモンド振動板を持つ孤高の存在の Accuton BD51 などもあるけれど、他のユニットと組み合わせてのトータルな使い方を考えたり価格を考慮するとミッドハイ用のユニットというのは現実の選択肢としてそれほど豊富という訳ではない。

スピーカーシステム製品に組み込まれたものではグラフェンという炭素系素材を使用した良さげなユニット(MAGICO製)もあるのだが、単品ユニットとして購入することは基本的にできない。また、16㎝級のベリリウムユニット(Paradigm製)はミッドロー用として垂涎で手に入るものならすぐにでも欲しいものなのだが、こちらも調達できないというもどかしさに悶々としてしまう。

もちろん、軽さや強さという物理的な特性が優秀であるが故にベリリウム素材の振動板を採用したからといって、そのユニットの音が良いと評価されるとは限らない。これは、どのような振動板素材のユニットであっても同様であろう。つまるところ、音と振動板素材そのものの関係性は別の次元にあると云える。しかしながら、トータルな設計の観点からすれば磁気回路と振動板の在りようが音に対する大きなインパクト要因であることもまた否定できない事実だと思う。

本当のところは「聴いてみるまでわからない」という単純かつ素朴であるもののはずなのだが、その振動板の素材そのものの魅力、そして音の可能性にどうしても惹かれてしまうのだ。何か新たに導入する時、もしかしたら現状の音を超えてくれるかもしれない、、、そう密かに期待してしまうのは、自分のみならずおそらく全てのオーディオファイルの弱みなんだろうな、とつくづく思う。


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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