オーディオ日記 第55章 この道はどこへ続くのか(その6)2023年3月19日


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Mozartの至福はSolid Silver?:

デジタル機器周りのケーブルの見直しとして、AoE Symphonic-MPD BackEndの出力およびMUTEC MC-3+USBの出力の両S/PDIF用のケーブルを更新したのだが、一箇所やり残した場所がある。Bluesound NodeとMUTEC MC-3+USBを繋ぐUSBケーブルである。

Galvaic Isolationやらノイズ対策をしているので、まぁここは普通のUSBケーブルでも良いんだろうなと考えてきたが、どうせならとここも変えてみたくなった。候補としては自分的にSolid Silver線材であることは必須でかつ価格も妥当なレベル(これ重要!)が望ましくAIM UA3あるいはOYAIDE Continental S5 V2辺りはどうだろうかと考えてみた。

デジタル信号の伝送にはS/PDIF、USB、I2Sといくつかの方法があるが、汎用的かつ高いレートの伝送ができるという点ではやはりUSBに優位があるんだろうな、と考えている。S/PDIFは古典的なプロトコルなので接続性も良く廉価で使い易いのだが192K/24bitまでしか通せないという制約(実用上はこれでも充分なのだが)があり、クロック伝送の課題も付き纏う。I2S(HDMIコネクタによる伝送)は対応が一部の機器に限定されてしまうので以前よりは機器選択が容易になったと思うが汎用性としては課題が残る。

かってはUSB Audio Class2.0の音質向上策についていろいろな試行がなされてきて、その観点の話題も多かったのだが、昨今は大分減ってきたように思う。その意味ではUSB接続も使いこなしを含め熟成が進み既に充分な音質が確保されていると考えて良いのかもしれない。

USBに接続については、当方もいろいろなチャレンジ、実験を行ってきたが、最終的にはUSB Isolatorを介在させることで決着となったのだが、これはもう随分と前のPCオーディオ環境(JPLAYの時代)の話になる。現在はAoE Symphonic-MPDによってS/PDIF出力を採用しているので、PCオーディオの観点ではUSBは使っていないのだが、Bluesound Nodeについては後で追加された機能のUSB出力を採用している。これは聴き比べをした上での自分なりの判断、決着であるが、まぁこれが絶対という程ではないかも。

Bluesound NodeとMUTEC MC3+USBをこのようなオーディオ用と銘打ったUSBケーブルで直接繋いだケースと、INTONA USB Isolatorを介在させた廉価ケーブルとどちらが好ましく感じるのか、ちょっと比較試聴としても興味のあるところ。元より、何らかの差や効果があったとしても、そもそも観点の異なるポイントではある。特にUSB IsolatorはGalvanic IsolationとUSBのRe-Packetizeという処理をしているので、素のケーブルにおいて伝送特性の向上を目指しているものとは狙いの差異があるかもしれないが単純な比較でも良いし、どちらもがよければ相乗効果を狙って両者を組み合わせるという用法もあるだろう。

で、調達したケーブルは AR-910 やその後の デジタルケーブル もそこそこ良かったのでこの流れで OYAIDE Continental 5S V2 (1.2m)にした。USB接続用としては硬くて正直使いづらい。長さは0.6mとどちらが良いか迷ったのだがこの硬さなのでかなり接続に難儀する。多分0.6mだったら取り回しに苦労したかもしれない。

まぁ何にせよ、最終的には音である、、、

Bluesound Nodeは普及価格帯の機器で、更にWiiM Proという価格破壊の機器も登場してきているが、このレベルの機器で過大な期待は禁物とずっと考えてきた。それでも考えられる手当てとして、電源系の対応(電源I/Fカードを交換しての外部給電)やらMUTEC MC-3+USBでのリクロッキング等を行い、そこそこにはなったかな、と評価してきた。

新しいUSBケーブルなので、ハンディがあってもいけないので一晩ほど信号を流しっぱなしにしておいてから試聴開始した。まずは聴き慣れたライブラリ音源である。あや~、のっけからいい音に感じる。エコー感と云うのか、気配感と云えば良いのか、とにかく演奏の細やかさが浮き上がって好ましいのだ。

オーディオ的には鮮度感や密度感が向上すれば、それで音が良くなったと感じるケースもあるのだが、音楽を楽しむツールとして考えた場合、必ずしもこの方向性が良いとは限らない。むしろ、豊穣感と云うのだろうか、それとなく馥郁とした音楽のニュアンスを感じさせてくれるものの方が本当は「音が良い」と思うのだ。単純な切替試聴ではパッと聴きでの判断となることもあって、どうしても先鋭的な音を評価してしまうことがあるし、それはまた試聴に使う音源の内容によってもかなり影響を受ける。後でじっくりとお好みの弦楽四重奏などを聴くとやっぱこれじゃないよな~と思ってしまうこともしばしばある。

そこでさらに、最近お気に入りの密林やQobuz音源のMozart(主として弦楽四重奏や弦楽曲など)を中心に聴いてみた。印象としてはやはり意外な程にいい感じである。Mozartの弦が活き活きと且つしっとりと表現される。これは好みの音。Solid Silver信者としてはさもありなん、と納得する。Bluesound Nodeでここまでの再生ができればもう充分じゃないのだろうか、、、

ちょっと変更後の現状:
Interconnect Cable

だが、こう考えると、所謂ストリーミング音源(当方の場合は密林とQobuzだが)をこのレベルの価格の機器でここまで鳴らせるのだ、ということにもなる。ならば、もっとレベルの高い(良い音の)製品が出てきても不思議ではないし、むしろそのような期待が高まってしまう。ただ音源として現時点では密林対応は当方にとってははずせないので選択肢が限定されてしまう。

であるが故に、やはりSFORZATOの新たな密林対応製品にはどうしても期待してしまう。またTaktina用の基板を使った製品も別のメーカーから出てくる可能性はあるだろう。現状詳細は分からないが、逢瀬がストリーミング対応のUSB DDCを企画しているとの 情報 があって、推測にはなるがSFORZATOが採用するものと同じ基板( インターフェース社製 )を搭載した上での製品プランではないだろうか。

当方のシステム構成、環境で考えると、USBもしくはS/PDIFでデジタル出力してくれるシンプルな機能、そして出来ればマスタークロック入力を受け付けてくれる機器がベストなのだ。SFORZATOのDST-Lacertaはシンプルであるが、クロック入力対応はない。その点でも逢瀬の企画には 興味 があって今後ウォッチを続けたい。(2023年3月29日、 追加情報 あり)

(2023年5月24日追加)
逢瀬が企画中の製品(NU-DDC)にはLinkplay社のチップが使用される旨の 情報 があり、Taktinaではなかった。これはWiiM Proなどに搭載されているものと同種らしいが厳密には同じではない模様。(追加終わり)

また、インターフェース社製の基板を採用してその他の会社(希望的にはAccuphase辺り)の新たな製品もいずれ登場するのではないかと期待している。もちろんTaktina自体もファイナルな姿では未だ世に登場していないので期待値は高いもののその実力や操作性はまだ不明だが。

このように密林対応の素晴らしい製品が出てくるのが先か、Qobuzがあっと驚く曲揃えで国内サービスを開始してくれるのが先か、この辺りの動きにも目が離せない。しかし、今このNodeで聴けるMozartも充分に至福と思えてしまうのだけれど。


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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