オーディオ日記 第52章 目指す頂は見えてきたか(その14)2021年10月31日


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やることあまりないはずが、、、:

(ケーブルの続き)
オーディオファイルであれば「ある程度は」ケーブルにもこだわりがあると思う。一般的なオーディオ構成におけるアナログ信号用インターコネクトケーブルであればCDP/DACならびにフォノイコからの入力をプリアンプへ、そしてパワーアンプへの出力の3組程度で済む。もちろん複数の機器を切り替えながら使おうとすればその数はどんどん増えて行ってしまうし、長年オーディオに係わっていれば結局機器は極自然に増殖するので、シンプルな構成のままを維持することは難しいと思うのだが。

当方のケースでは基本型がデジチャンへのデジタル入力なので、入力系アナログケーブルはフォノイコからのアンバランスケーブル一組のみ。ただし、デジチャンから後段はパワーアンプとの間にマルチチャネルアッテネータが入っているために、ここへの入力、出力ということで4way分の倍、つまり8ペア―(16本)のバランスケーブルが必要なのでここは随分と本数が多いと思う。

ケーブルに対しては「ほどほど」であることを前提のスタンスとして、(デジタル領域も含めて)全てZAOLLAのSolid Silverケーブルを使っているつもりだったのだが、デジチャン~マルチチャネルアッテネータ間の3m長のケーブルの一部に暫定である(はずの)Canareのバランスケーブルをずっと宛がったままにしていた。全ケーブルをひとつのブランドで纏めてしまうことが望ましいのかどうか正直判らないのだが、音も含めてお気に入りのケーブルでもあるしプロ用機材として販売されていることも関係しているのか何より価格面でのアドバンテージが大きかった。現在このブランドのケーブルが入手難となってしまっていることは本当に残念である。

さて、あれこれ云っても始まらないので、とにかくこれではどうだろうかというケーブルを調達したい。だが、Solid Silverの線材、3m長、さらにはリーズナブルなコスト(1ペアーで数十万というレベルのものは却下)という条件をつけると候補に挙がってくるバランスケーブルはかなり少ない。切り売りケーブルまで視野を広げてみても、内容と調達コストとの勘案をすると実質オヤイデの FTVS-910 というケーブルくらいしか残らないのだが、これとても現在は在庫がなくすぐには調達できる見通しが立たない。

なお、このFTVS-910を使った3m長のケーブル( OYAIDE AR-910 )はマイクケーブル(ケーブル自体は同じものなのだがペアケーブルと異なりL/Rの識別なし)として1本単位の販売となっている。ここに目標を絞って、価格チェックと在庫探しのネット徘徊。だが、これも多くのサイトでは在庫無し、あるいは取り寄せで納期1~2か月以上という有様。探し回るほどしばしでやっと2ペア―分のケーブルを確保。だが、何だか在庫の融通が必要だったようで(サイト上は在庫ありだったが)、一時には発送してもらえず、2回に分割されて送られてきた。まぁ、揃えば良しなのだが、実のところこんなに調達に難儀するとは思わなかった。Solid Silverのケーブルなど昨今はあまりニーズがないのだろうか、、、

確かに一般的なケーブルよりはやや高めであるとは思うけれど、ケーブルはアンプやその他機器と異なり「Life Time」が長い。電気製品と違って故障はなく、また断線という事態も起こりにくいので、ある意味では「一生もの」と思う。これはスピーカーユニットなどにも同じことが云えると思うけれど、気に入ったものは本当に長く使える。今使っているZAOLLAのケーブルも10年近く経つし、今回調達したケーブルもおそらくは死ぬまで?使えるだろう。もちろんケーブルは必要最低限でかつ充分な長さ、という制約が機器の構成や配置に依存するので、これが大きく変更になる時は見直さなければならなくなるのだが。

今回調達したケーブルの音であるが、何とも今まで間に合わせのCANAREケーブルで放置していたことを大いに後悔する結果となった。デジチャン後段では全く音量を絞っていない信号が出るので、アッテネータ~パワーアンプ間の減衰させた信号と比せば影響は小さいと思うのだが、やはり3mという距離も関係しているかもしれない。普通に考えればCANAREのケーブルの音もそこそこだと思うが、FTVS-910は数多のケーブル類を製造、販売しているオヤイデにとってある種トップノッチに位置するケーブルなので、それなりの自負を持ち威信をかけて作られているものであろう。

適用したチャネルは中高域と高域。低い方よりも線材の特徴が出やすいかも、という推定である。もともとリビングオーディオである我が家では部屋自体のS/Nを専用室ほどには確保することができないので、空気感や繊細感は暗騒音に消されて出にくいという欠点がある。そこを少しでも補ってみよう、という目論見である。この狙いは案外と的を射たようで、心地良さの向上はそれなりに好感できるレベルだし高域方向の透明感も合格と思う。

さて、ここでの音に浸ってみると、あんまりやることがない、などと思っていたこと自体が間違いであることに否応なく気が付かされる。音のブラッシュアップには到達点などないのだ。更には、次に是非やって見たいと考えてしまうことも出てくる。それは前回線材の構造に惹かれてお試しで調達してみたMonster Cableと今回のケーブルをコラボレーションさせてみたらどうなるか、というもの。Monsterケーブルは低域方向の表現力(我が家では低域チャネルは160Hzまで)にも優れていると思うので低域を担当させ、それ以外は今回のFTVS-910にて中低域、中高域、高域を担当させるというもの。デジチャン~アッテネータ間は現状では二つのブランドのケーブルで構成している訳だが、敢えてオヤイデのケーブルを前面に出してみたらどうなるか、という観点である。またその構成でMonster Cableがどのように低域の存在感を発揮してくれるか、、、興味がふつふつと湧いてくるのだ。

それにはもう一組(2本)の調達が必要となるのだが、今回購入した先に追加購入の見通しを確認をすると納期は最低でも1~2か月はかかりそうと。う~む、ここはあんまり焦っても仕方ないか。まずはじっくりと現状の音の吟味、評価をしつつ音楽を堪能することがベターなのかも。

立派な箱に入っていた(プロ用ケーブルの場合は素っ気ないパッケージが多いのだが):
Oyaide Cable


                 4way MW16TX構成の設定暫定値(2021年10月6日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +0.7 +0.7 -10.5 +4.7
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -3.0 -3.0 -5.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 88.7 85.2 83.5 80.7
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

160
160

710
710

3550
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -10.0 +28.0 -37.0 +27.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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