オーディオ日記 第54章 今は空も飛べるはず(その7)2022年10月3日


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roon bridgeで遊ぶ:

今回のroon 2.0バージョンアップに絡んで、そう云えば昨年「 roon serverで遊ぶ 」というタイトルで日記を書いたことを思い出した。roonの大きなメリットは楽曲のハンドリングもさることながら、出力デバイスの構成を縦横無尽にできる点にもあると考えている。 先日 は極シンプルな構成で試してみたが、ふとroon bridge周りで未だテストしていない接続スタイルがあったことを思い出した。それはroon coreが稼働しているPCからLAN直結(HUBを経由しない)でroon bridgeとRAAT接続するスタイル。coreとroon bridgeのLAN直結によってRAATのパフォーマンスが乱されるようなトラフィックを回避する、という考え方である。しかしながら、roon bridgeの基本の稼働スタイルはDHCPによって稼働するネットワーク環境に合わせた動的IPアドレスを使うという考え方で、多くの(ほとんどの)機器は構成されている。従って、このDHCPスタイルをベースにした機器ではcoreと出力デバイス(roon bridge)をHUBレスにすることは基本できない。

Bluesound NODEで(若干でも改善されることを目論んで)このLAN直結構成ができないかな~と考えてはいたが、NODE自体もDHCPでIPアドレスを構成しているので具体的な方法論が判らず実験はして来なかった。せっかくの機会なので、これを試しておこうと今回トライしてみた。一番シンプルなのは先に紹介したVitOS for Raspi4にroon bridgeをインストールもので、このラズパイをStatic Addressで定義して、roon coreに直接続してしまえば行けるはず、と考えた。だが、事はそうは簡単には行かず、である。うまく行かなかった状況は冗長になるので、参考までに末尾に記す。

ということで、比較的自由度の高い「Raspberry Pi OS Lite」の64bitバージョンでテストを継続。OS導入後、roon bridgeのみインストール。出力環境はHAT(Hifiberry Digi-Pro」とUSBの二系統を想定。まずはDHCPのままHUB経由での音楽再生を確認。続いて、IPアドレスを固定しての確認(HUB経由接続)、問題なし。roon coreを稼働させているPCは二系統のLANを構成しているので、最終的にはその片側に直結するのだが、ここは手順が大事。最後の最後にアドレスを変えて、直結のスタイルへと変更しないと途中で何かあってもほとんど問題判別ができなくなってしまう(SSHで入れない)ため、そこまでは完璧にしておく必要があるのだ。

直結へと構成変更した後、改めて当該ラズパイ4がroonの出力デバイスとして認識されているのか確認。OK! これで問題なく直結で音楽再生ができる、、、はず。まずはHAT(Hifiberry Digi-Pro)からのS/PDIF出力で聴き始める。が、何かおかしい。音飛びに近い現象が割と頻繁に発生して、これでは音云々以前に音楽に集中できない。roon側の出力デバイスの設定(バッファーその他)など確認してみるが、特段の問題点はない。多少弄ってみても改善はしない。原因判らず、、、MUTEC MC3+USBを介在させてチェックをすると音飛びのタイミングでクロックのロックが外れたりもしている。これは一体どうしたことか?

あれこれとやってみたが、原因究明、解決に至らず。仕方がないので、HATの使用をやめてUSB出力に変更。USB DDCはそのままMUTEC MC3+USBとする。ふ~ん、USBでは全く問題ないばかりか、とってもご機嫌な音になる。純度が高く感じられてこれは実際のところ想定以上と云っても良いだろうと思う(ちょっぴり苦労した甲斐があるかも)。

だが、何故? HAT利用時とUSB出力でこのような差が出てしまうことにはちょっと納得がいかない。roon core上ではHATもUSBもそれぞれちゃんと出力デバイスとして認識されているし、片方のテスト時には片方を無効化しているので、このような問題(HAT使用時のみ問題あり)が出てしまうとは予想していなかった。また、HUBが介在する構成ではHAT(Hifiberry Digi-Pro)経由の音出しも全く問題が無かったのだ。この理由は現状未解明のままである、、、

(2022年10月4日追記)
HAT利用時の音飛びについて、対応方法が判った。このテスト環境ではAoE Sympnonic-MPDのフロントエンドPCにてroon serverを稼働させているのだが、Symphonic-MPD側のVsoundを停止させておく必要があった。おそらくであるが、Vsoundで定義されているAoEのネットワークアダプタと直結のroon bridgeが使用するネットワークアダプタが同じなので、ここで何らかのバッティングが起こっていたものと推測される。AoE Back Endとroon bridgeは同時に稼働しないので影響はなかろうと考えていたのだが甘かったようだ。ただし、USB出力の場合にはVsoundを停止していなくてもこの影響を受けないようなので、その点はまだ完全には判っていない。なおHAT使用時の直結のリンク速度は下げた方が良く100Mbps/Half Duplexを推奨する。(追記終わり)

(2022年10月8日追記)
その後のテストにてVsoundが原因ではないことが確認できた。ポイントは直結しているLAN速度とDuplexの指定で、10月4日記載の通り100Mbps/Half Duplexとすることが我が家環境では必須であった。(追記終わり)

できればHAT経由のS/PDIF出力で使おうと考えていたが、次善の策のUSB出力でも音はそこそこなので、現状まぁ仕方なし、ということで継続試聴しながら評価を続けてみようと思う。なお、roon bridgeをその他の構成や方法にてcoreと直結されている方がおられましたら、その内容について差支えのない範囲でご教授いただければ大変幸甚です。

(注記)Raspberry Pi OSにおけるconfig.txtの設定
基本的に前回記載したVitPS for Raspi4の内容と同等であるが、為念以下の三項目を追加した。
#
# Parameter add for Raspberry Pi OS
#
force_turbo=1
arm_freq=1000
arm_freq_min=1000

(参考)VitOS for Raspi4でトライした状況
・VitOS for Raspi4には「root/root」でSSH接続できる。
・ただしVitOS for Raspi4にはviなどのエディター機能もインストールされていない。
・Arch Linuxベースなので「pacman -Sy vi」でエディターをインストール
・「/etc/dhcpcd.conf」を編集して、Static IP Addressを指定する。
(注記:まずは同一ネットワーク内の定義で)
・しかしこの設定後、再起動してもうまく立ち上がらない。何かモジュール不足かも?
・その理由が判らないため、一旦ギブアップ。


                 4way MW16TX構成の設定値(2022年1月3日更新)
項目 帯域 備考
Low Mid-Low Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
SB Acoustics
MW16TX
Sony
SUP-T11
Scan Speak
D2908
-
能率
能率(90dB基準相対差)
dB 97.0 (+7.0) 87.5 (-2.5) 110.0 (+20.0) 93.0 (+3.0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.0 +1.0 -9.0 +4.0
マスターボリューム
アッテネーション
dB -9.0 -2.0 -3.0 -0.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB 0 0 -12.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.0 86.5 86.0 85.0
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz

140
140

710
710

4000
4000

High Pass

Low Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 48-24 24-flat
DF-55 DELAY
設定
cm -8.0 +19.5 -37.0 +25.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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