オーディオ日記 第49章 終わりの始まり(その1)2020年4月7日


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minim server on Raspi 3B+:

さても一層の外出自粛となると家の中での「遊び」を探さねばならない、、、、

何かネタはないかな~と考えてみると、4台に増殖したラズパイの内、3B+が一台余っている。これで面白いことができないだろうか、とつらつらアイデアを捻ってみる。音楽プレーヤー側は既にいろいろと揃っているので、ここは音源側、サーバー側であろうか。先にSymphonic-MPD on Raspi4の UPnP化 (メディアレンダラー化)をしたので、じゃひとつこれと対になるようなメディアサーバーを立てたら面白いかもしれないと。

ラズパイに専用OSを入れてNASに仕立てることも可能なのだが、ここは単純にminim serverのインストールで、もう一つの「サーバーPC」としてみようと考えた。この場合は音源は量を考えれば外付けUSB接続のHDDあるいはSSDになる。幸いにもSSDがひとつ使用可能(容量はあまり大きくないが)なので、これを2.5インチケースにいれてUSB SSDの音源としてみよう。SSDならUSBケーブルだけの接続でHDDのように電源の心配は不要だし、、、

基本的にサーバーPCとしてはヘッドレスの運用なので、OSはどうしょっかな~と考えてみると、upmpdcliとpolipoの インストールテスト に使用したRaspbian Buster LiteのマイクロSDカードが転がっている。おお、これで良いぢゃないか! このRaspbian Buster Liteには標準のmpdをインストールしてあり、合わせてメディアレンダラーとして稼動できる状態。ここにminim serverを入れれば、1台でメディアレンダラー、メディアサーバーの環境構成となるので、単体で完結できることにもなる。省エネ?にも丁度良いかも。(もちろん、Symphonic-MD on Raspi4とのペアリングなら音質的な課題も無く使えるだろう、という想定)

利用アイデアのもうひとつとしては、ラズパイ3B+をメディアサーバーとしてのみ使い、iPAD miniをメディアレンダラーとして使用し、iPAD miniからヘッドフォンで聴くという超シンプルな構成。これもちょっと面白そう。夜中にこのラズパイだけを起動して気楽に音楽を楽しめることになる。(こちらも実際に試してみたが案外と快適。iOSでFLAC音源への対応がなされていることも有難い)

更にUSB SSDにファイル共有の設定をしておけば、当該USB SSDを所謂NAS代わりとして他のPCからワークスペース的にも利用できる。現在、ノートPCからUSB SSDにアクセスして(もちろん音楽を聴きながら)ここに駄文を書いている状況。余ったラズパイ3B+であっても案外と利用価値があるではないか、、、、(もちろん、ファイル共有によりメインPCから音源を適宜このUSB SSDに送り込むこともできる)

minim serverのラズパイへのインストールは実際にやってみると実は極めて簡単。ラズパイ用のライブラリをダウンロードし、ラズパイ上で展開するだけ。(具体的な手順は後述) ヘッドレスのため、GUIベースのセッティングでは ないので、sshで入り設定や起動環境を指定するのだが、これも僅かなステップなのであまり悩む事は無かった。音源のディレクトリを指定し、デーモン化するというくらい。

ただし、ヘッドレスの運用なので、minim serverにあまり多機能な設定(SoXによるDSDtoPCMなど)などは出来ないかな? まぁ、サブシステム的な利用と考えて基本的なことができればOKと思うので。

(2020年4月14日追記)
標準環境としてffmpegがインストール可能であり、上記のDSDtoPCMやサンプルレート変換も自在に行えることを 確認 した。(追記追わり)

ラズパイオーディオに取り組んで居られる方は当方のように知らず知らずに手持ちの台数が増えてしまっているのではないだろうか。当方も現状は2台のラズパイ4をSymphonic-MPDとlightMPDにて使っているが、3Bはフォトフレーム用に転用しており、残る3B+も当面のお役目が決まった。まぁちょこっとした時間で余り物が有効活用できるようになると案外嬉しい。

なお、3B+はUSB 2.0までの対応であるし、何よりも音源がUSB接続であるということで音質的な課題があるかなとの危惧があったが、充分実用的でそれ程心配するまでの事はなかった。もちろん厳密に云えば、Windows Serverベースの内蔵SSD方式のメディアサーバーを使った方が本気モードでは良いかもだが、あくまでも「お遊び」ということで、、、

(2020年4月10日追記)
Raspbian Busterなので、これはそのままラズパイ4でも稼働することを確認した。ただし、USB接続は2.0が確実。当方のUSB SSDはBUS Powerで稼働するタイプなので、USB 3.0ではどうも電力供給不足(不確か)が起こるのかもしれない。(追記終わり)

(2020年4月11日追記)
minim serverはデフォルト設定が「startupscan true」となっているため、このままでは起動の度に音源を読み込むので、音源が大量の場合は塩梅が悪い。この場合はWindows PCなどに「minim watch」をインストールして、propertyを開き「startupscan false」という設定に変えて置くことが望ましい。(追記終わり)

(参考)minim server周りのセットアップ手順詳細(Raspbian Buster Lite環境)

1.USB SSD廻りの準備
(1)必要アプリのインストール
  #sudo apt-get install ntfs-3g  (USB SSDがNTFSの場合必須)
  #sudo apt-get install samba  (USB SSDのファイル共有のため)

(2)マウント (USB SSDを接続して行う)
  #sudo mkdir /USBSSD      (ディレクトリの作成、名前は任意)
  #sudo mount /dev/sda2 /USBSSD (手動にて一旦マウントし、確認する)
  #sudo mkdir /USBSSD/Music   (音源フォルダーを作成しておく)

(3)共有フォルダーとして定義
  #sudo nano /etc/samba/smb.conf (ここの末尾に以下を追記する)

[nas-pi]
comment = Minim Server on Raspi
path= /USBSSD
read only = no
guest ok = yes
force user = pi
unix extensions = no

 *定義が終わったらsambaの再起動(再起動によりファイル共有可能となるので確認しておく)
  #sudo systemctl restart smbd.service

 *共有確認ついでに、この段階で/USBSSD/Musicに音源をコピーしてしまっても良い。
  ただし多少時間が掛かるので、事前にWindows PCなどから直接書きむスタイルでも良いかも。

(4)USB SSDの自動マウント設定
  #sudo blkid (にて、まずUUIDを調べる)
  /etc/fstab に自動マウントの設定を追記する。

UUID=xxxxxxxx /USBSSD ntfs defaults 0 0 (上記で調べたUUIDを指定して追記、ここではntfsの例)

 *設定終了後アンマウント(sudo umount /USBSSD)し、再度マウント(sudo mount -a)して確認。
  fstabに記述すると、当該USB SSDを接続した状態でないと起動しなくなるので注意。
  (追記)下記のように「nofail」オプションを追加しておくとマウントに失敗しても大丈夫なので、
      こちらの設定がベターと思う。

UUID=xxxxxxxx /USBSSD ntfs defaults,nofail 0 0   (nofail入れた設定例)

2.minim serverのインストールとセットアップ

(0)minim serverの稼働に必要なjavaをインストールする (Raspbian Busterの場合のみ)
  #sudo apt-get install default-jdk

(1)minim serverインストールファイルのダウンロード
 ダウンロードページ から下記を選択してダウンロードする。(linux ARM 64-bitではないので注意!)
  Linux ARM hard float: MinimServer-0.8.5.2-linux-armhf.tar.gz

 *この作業はWindows環境で行って、ダウンロードしたファイルをUSBSSDを書き込む。

(2)minim serverインストール
 minim serverのインストールファイルを/home/piにコピーして展開(インストール作業自体はこれだけ)

  #cp /USBSSD/MinimServer-0.8.5.2-linux-armhf.tar.gz /home/pi
  #cd /home/pi
  #tar xf MinimServer-0.8.5.2-linux-armhf.tar.gz

(3)mimim serverのセットアップ
 *cd /home/pi  の状態のままで良い。

  #minimserver/bin/setup

 *自動セットアップの実行、GUI環境ではないが「良いか?」と聞かれるが、「y」と入力する。

(4)minim serverの初回起動
  #minimserver/bin/startc

 *初回起動時は「音源ディレクトリ」を指定するように求められるので、USB SSD上に作成した音源フォルダーのパスを 入力する。(これで基本、使えるようになる)

  /USBSSD/Music  (ここでの応答例、これより前に音源はコピーしておくことが望ましい)

 (注記)これでminim serverは稼働状態となっているので、メディアコントローラに現れるか為念確認する。
    「exit」を入力し一旦停止(Teratermなどsshツールをを閉じてもminim serverは停止する)させる。

(5)minim serverのバックグラウンドデーモン化
  (自動起動されいつでも動いている状態になるので、こちらを推奨)
  #minimserver/bin/startd
  #minimserver/bin/stopall (バックグラウンドデーモン状態を停止させるコマンド)

 (参考)minim serverの制御コマンド詳細は こちら に掲載されているので適宜ご参照。


                 4way構成の設定備忘録(2020年4月4日更新)設定値
項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +4.5
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 82.5
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

710
710

1600
1600

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-48 24-24 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -36.0 +28.5 +32.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm  
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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