オーディオ日記 第48章 妄想と葛藤(その15)2020年2月24日


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Dual Raspi構成の妄想:

先に実験したSymphonic-MPDの UPnP化 (upmpdcliのインストール)の評価を継続しているが、3B+では安定しており良い音を聴かせてくれている。だが、3Bではどういう要因なのか未だに掴めていないが、若干のプツノイズの混入があり、サンプルレートを上げたハイレゾ音源になるに従ってその頻度が多くなるという事象が起きてしまっている。

UPnP構成あるいはNASマウントするStand Alone構成にはそれぞれに環境面、操作性面での得失があり、どちらが良いとはひと括りには云えないのであるが、UPnP構成の場合は(アドレスの考慮だけしておけば)気軽にオーディオ仲間のところに機器を持ち込み鳴き比べが可能という大きなメリットもある。もちろんメディアサーバーがあることが前提だが、昨今はNASをお持ちの方も多いし、foobarやJRiverもメディアサーバーになるので、融通が利くし利便性も高いので、何とかこの課題を解決できればと思う。
(注記)upmpdcliのenable/disableにてUPnPとStand Aloneのいずれにも行ったり来たり出来る点もメリット。

このプツノイズという症状(3Bのみ発生)への対応として、キャッシュサーバー(polipo)を経由させたら改善しないか、というアイデアがありこれを試してきたがここまでその動作に成功していない。もし、この構成で上手く動いたら、「Dual Raspi構成(upmpdcliとpolipoで1台、mpdで1台)」が可能なんじゃないだろうか、という妄想もあって、それが頭を離れないのだ。APU等でethernetポートを二つ持っている構成であればこれが実現可能で、実際にlightMPDなどではこのような構成が主流のよう。もちろん、ラズパイはethernetポートはひとつしかないハードウエアなのでそのままでは無理であるが、ラズパイ4になってUSB3.0が備わったので、ここにUSB-LANの仕掛けを利用すれば、便宜的に二つのethernetポートを持たせることが可能、、、今はJPLAY FEMTOでもDual PC構成は辞めてしまってSingle構成としているが、その音のイメージが付き纏ってくる。もしかしたら、今以上にいい音(!?)になるかもしれない、、、ならば、ならば、実験してみるしかあるまい。

だが、現実問題として、Symphonic-MPDのUPnP化までは成功しているが、polipoを経由させようとした場合、再生がスタートしない、という にぶち当たっていて、その理由が分っていない。当方のスキル不足は遺憾ともし難いのであるが、いろいろと設定情報を当たり、試してみるもキャッシュサーバー(polipo)経由では音源ファイルを読み込んでくれないという状況である。設定関連では相当に調べてみたのだが特段悪いところは見当たらない。

そこで、回り道ではあるのだが、一旦Raspbian Buster Liteにてmpd、upmpdcli、polipoの環境を作って検証・確認してみることとした。プラットフォームはテスト用としているラズパイ4を使用した。Raspbian Busterではupmpdcliのインストールのための「鍵の取得」の方法が若干異なっているようであるが、 ガイド に従えば難しくない。(それ以外の基本的な要領は先に 記載 したものと同じ)

polipoは普通にapt-getのみでインストール可能。設定はupmpdcliは「/etc/upmpdcli.conf」にて行い、polipoは「/etc/polipo/config」にて行う。設定内容自体は案外シンプルなのだが、polipoの設定内容がこれで正しいのかどうか、適切な情報が少なく余り自信がない。mpdに対しては「/etc/mpd.conf]にてinput pluginの指定をするだけ。(それぞれの設定内容については末尾に掲載)

メディアコントローラーにupmpdcli設定で指定した「Friendly Name」がレンダラーとして表示されれば、基本UPnP化まではオッケーである。まずはpolipoを使わない設定で再生確認、大丈夫。次にpolipoを使う設定、、、ドキドキ。おっ、すんなりと再生開始。やった~!

え? 待てよ、、、Raspbian Buster Liteで当方の設定での動作が全く問題ないということは、じゃあ、Symphonic-MPDでうまく行かない理由は? もちろん、環境自体ならびにそれぞれのバージョン等が若干違うので全く同じということにはならないにせよ、当方の設定が全く間違っている、抜け落ちているということではないと推測される。ということは、Symphonic-MPDはキャッシュサーバー経由で音源ファイルを読み込まない、という仕様か、、、当然ながら標準的な環境とは違うので音質向上の為の諸施策によって、この部分に関連する仕組みがうまく動かないという可能性はある。そもそもupmpdcliも本来的にサポートされている構成ではないのでやむを得ないこととも思う。だが、ここが動かないとDual Raspi構成妄想は潰えてしまう。

それでも未練はたっぷりである。Symphonic-MPDのDual Raspi構成の妄想は、期待値として「良さげの音」の予感に満ちているのだから。ところが標準的なRaspbian Buster Lite上で作成したこの構成(mpd、upmpdcli、polipo)の音なのであるが、そこそこで悪くは無い。だが悪くはないものの、Symphonic-MPD版と聴き比べればやはり差は歴然。つまるところ若干の環境の差はあるにせよ、標準のALSAドライバーでデバイス駆動しているこの構成では軽量化されたRaspbian Buster Liteでも勝負にはならないようにも思える。従って、このラズパイ4におけるRaspbian Buster Lite版を敢えてDual Raspi構成化したとしても、このままでは残念ながら音質向上はあまり見込めないということになろう。

結果としてSymphonic-MPDの優位は揺るがない、ということなのだが、ここで捨て去ってしまうには余りにも惜しい妄想なので、何とかならぬかもう少し足掻いてみようとは思う、、、

(参考情報)設定詳細:

1.upmpdcliの設定:「/etc/upmpdcli.conf」
#upnpiface = eth0
#mpdhost = 127.0.0.1
#mpdport = 6600
checkcontentformat = 0
friendlyname = UPnPSMPD
openhome = 1
lumincompat = 1
ohproductroom = UPnPSMPD
ohmetapersist =1
#logfilename = /var/log/upmpdcli.log
#loglevel = 3

2.polipoの設定:「/etc/polipo/config」
#proxyAddress = 127.0.0.1
allowedClients = 127.0.0.1
disableLocalInterface = true
cacheIsShared = false
objectHighMark = 2048
chunkHighMark = 671088640
chunkCriticalMark = 536870912
chunkLowMark = 268435456
clientTimeout = 1200

3.mpdの設定:「/etc/mpd.conf」
input {
   plugin "curl"
   proxy "127.0.0.1:8123"
}


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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