オーディオ日記 第48章 妄想と葛藤(その19)2020年3月17日


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音楽を聴くという幸せ:

待望のSymphonic-MPD(ラズパイ4版)がベータながら使用可能となった。ベータなので細部の詰めは残っていると思うのであるが、音については既に今までを越えるレベルにあると感じている。何もよりも音楽を聴く楽しさを実感できるのだ。

PCオーディオもいろいろなアプローチがある中で、このところずっとラスパイ系を中心に何処まで行けるものなのか出来る限り追随し試聴を続けてきた。もちろん「PC遊び」として楽しいところもある。だが、最終的にはデジタルトランスポートの位置付けとして、どれだけの音を聴かせてくれるのか、当然ながらそれが最重要のポイントである。

現状ではPCベースではJPLAY FEMTO(シングル構成)、lightMPD改(正式な名称は?)の二通り、ラズパイベースではlightMPD(4B用)とSymphonic-MPD(3B+用、そして今回の4B用)の三通りと構成がだいぶ広がってしまっている。ラズパイ自体も既に3B、3B+、4Bが2台と合計4台に増殖した。あれこれあったとしても、音楽を聴くにはベストな構成の1台があれば良いはずなのだが、次々に興味をそそられるバージョンが出てくるので、ついつい欲を搔いてしまう、、、

複数の環境があっても、音の好みというものによって音楽を聴くという構成は自ずと絞られてくる。もちろん比較試聴ということは切磋琢磨の観点からも必須なのだが、気持ちよくリラックスして(聞き耳を立てるのではなく)音楽を聴けるということが何よりも重要で、結局長い時間聴いていることになる構成が本命になるんだと思う。

PCベースではもうJPLAY FEMTOを常用することはほぼ無くなった。永らく使用してきており愛着があるのであるが、現在はlightMPD改にその座を受け渡したと云って良いであろう。

一方でラズパイベースでは本命が勝ち残るという結果には今まで至らず、チューニング的な要素も模索しつつやはり聴き比べてしまうことが多いのだが、今回のSymphonic-MPD on Raspi4ベータ版については、これがもしかしたら終着駅か?と思わせてくれるようなところがある。それだけ音楽に浸れるのだ。その差が何なのか、どこにあるのか、と不思議に思うのだが当方の駄耳と文章のセンスでは全くうまく表現できない。どこそこが、ここが、あそこが、という評価が似つかわしくないようにも思えてしまう。充実感のある素敵な音楽だな~とただひたすらそればかり。

このSymphonic-MPD on Raspi4、正式のバージョン名はV1.0b2ということでついにV1への格上げとなったもの。相当な時間と労力をかけての待望のバージョンであることは間違いなく、開発者もV1の名称を与えることにためらいの無い音に仕上がったという感慨と自負があるものと思う。そしてこのバージョンを待っていたSymphonic-MPD愛好者の期待を裏切らないものだ。

機能的にもほぼWEB-UIで設定、操作が可能となるほどに拡充されており、Linuxのコマンドを叩くようなところも基本的には無くなりそう。もちろんラズパイを使う上で、Linuxの知識があることは望ましいのだが、それが無くても容易にインストール、設定が出来て音楽を聴けるということはソフトウェアディトリビューションとして必要なことだと思う。一般論的にはLinuxを敬遠する人もいるかもしれないが、その観点からもSymphonic-MPDはかなりユーザーフレンドリー、敷居が低くなったと思う。ラズパイ1台のシンプルな構成にて「より良い音で音楽を聴く」ということが限られたPCマニアでなくても大丈夫、ということは極めて大切。

また当方にとっては柔軟なDSDtoPCMの機能がサポートされたことも大変に有難い。デジチャンに直接S/PDIF入力するというやや例外的な我が家の構成故に、この部分ではいつも苦労してきた。だがそれもこのバージョンから過去の話となる(実はすごく嬉しい)。

なお、現時点ではベータ版ということで、先に製作していただいた「ラズパイお出かけセット」上ではまだ稼動させていない。ほとんど素の状態のラズパイ4で使っている。にも拘らずこれだけの音なので、電源環境やクロック換装をした お出かけセット の方で聴いたらどうなるか、期待がどんどん高まる。これはまず安定度をみながら、と考えていたが、現状のベータ2のレベルでも再生は極めて安定しているので、もう試してみてもいいかな、、、

先に少し 試行 していたLAN速度と全二重、半二重の設定による違いであるが、このSymphonic-MPDでもethtoolによる設定変更が出来るようにしていただけたので、音源の初期読み込み時のみ1Gbpsの設定として、以後の再生時には100Mbps Half Duplexに落としている。多分に感覚的であるが、LAN速度は100Mbpsの方がやはり良いようにも感じている。

オーディオはあれこれ弄る楽しさも大切だが、何より音楽を聴くという幸せを求めてのこと。オーディオ的に完璧な音、その理想の実現、というものにはやはり手が届かないな~と達観、実感している今日この頃であるが、いやいやこれなら充分じゃないの? 喜びを知る、足るを知る、ということも人生訓として大切だぞ、と。


4way構成の設定備忘録(2019年12月4日更新)設定値

項目 帯域 備考
Low Mid Mid-High High
使用スピーカー
ユニット
- Sony
SUP-L11
Sony
SUP-T11
Accuton
C51-286
Scan Speak
D2908
-
スピーカーの
能率(相対差)
dB 97 (+4) 110 (+17) 93 (+0) 93 (+0)
定格値
DF-65の
出力設定
dB +1.2 -10.0* +1.7 +3.8
*DF-65 Att ON
マスターボリューム
アッテネーション
dB -3.0 -3.0 -6.0 -3.0
各チャネル毎の設定
パワーアンプでの
GAIN調整
dB -6.0 -12.0 -6.0 -12.0
 
スピーカーの
想定出力レベル
dB 89.2 85.0 82.7 81.8
合成での
出力概算値
クロスオーバー
周波数
Hz pass

500
500

1400
1400

2500
4000

pass
Low Pass

High Pass
スロープ特性
設定
dB/oct flat-48 48-24 24-18 24-flat Low Pass
High Pass
DF-55 DELAY
設定
cm -7.0 -37.0 +30.0 +30.0 相対位置と
測定ベース
極性 - Norm Norm Norm Norm MPD
環境下
DF-55 DELAY COMP
(Delay自動補正)
- ON 自動補正する
DF-55デジタル出力
(Full Level保護)
- OFF 保護しない

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