オーディオ日記 第38章 つぎなるものは(その8)2016年6月20日


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JPLAY関連で遊び倒しているのであるが、一方で何やら疑問が無くもない。ここまで大掛かりなパソコン構成が必要となってしまう理由が良く判っていないのだ。実験した限りでは、ASIOとKSを比較すれば、この違いも結構大きいと感じ、だんだんとJPLAYが推奨する構成に近づいてきてしまっている。しかし、そのような差がどのような仕掛け・仕組みに基づくものなのか公式には何も語られていない。ドライバーからの後段は全く同一であっても、音の傾向そのものがJPLAYの構成や設定によって変わってしまうと感じる部分もある。JPLAYの「肝」とは一体何なのか、知りたいと思う。

また、JCATのUSB拡張カード(PCI-expressベース)も試してみたいなと考えているのだが、率直に云ってかなりお高い。USB拡張カードについては、随分と以前に 導入 して使ってきたのだが、FANレスPCに組み替えたことにより一端はずしていた。シャーシの構造上、PCIのライザーケーブルが必要となるということもあるが、まずはシンプルにして聴いてみようと思っていたもの。しかしながら、一連の流れの中でむくむくと実験してみたくなった訳だ。で、早速PCI用のライザーケーブルを調達し、取り付けてみた。

当方の持っているUSB 拡張ボードは こちら のもの:


この製品はNECルネサスD720202というUSB3.0対応のコントローラチップを使用しており、購入時の価格は1,680円なり。なお、JCATに使用されているUSBコントローラチップはD720201と云うことで末尾の番号が異なる。サポートする USBボート数が異なる ようであるが、当方には詳細の差はわからない。まあ、ほとんど同じと考えても差し支えないであろう。なお、JCATの 仕様 を確認してみると、当該コントローラチップの駆動電源に対して、ノイズフィルター(LDO:Low Drop Out)をかましている。同様にUSBに給電される5Vに対してもノイズフィルターが挿入されている。当方の廉価なUSB拡張カードにはこのノイズフィルターは搭載されていない。また、いずれのUSB拡張カードもSATAケーブル経由の電源供給ラインを必要とする構成になっている。そこで、この電源供給ラインに対してノイズフィルターを挿入すれば同様になるのではなかろうかと考えた。先にファインメットビーズや5穴フェライトコアでノイズフィルタリングした経験があるので、ここでもこの仕掛け(SATA電源ケーブルにノイズフィルタを入れるというもの)を行ってみた。

なお、USBから給電される5Vは元々当方のX-DDC(JAVS X-DDC)では使用しない(電源線がカットされている)構成なので、その部分への考慮はここでは不要と考えた。(JCATには外部の電源をUSBの5V電源として供給できる仕組みがあるのだが)また、このX-DDCの電源についてはaudio funさん特製の 専用電源ユニット から供給される12V/0.5A電源を使用するので、まずこれ以上のものは無いと云えるであろう。なお、Windows Server環境でもドライバーインストール無しでも問題なく稼動した。

USB3.0拡張カードをライザーケーブルで接続:


だが、しかし、ここでやっぱり疑問も湧いてくる。USBのコントローラチップ駆動のためにクリーンな電源を供給することは望ましいことであり、それによってUSB信号自体への悪影響は減少すると考えられる。が、USBアイソレータが介在していれば、このUSB信号そのものを作りなおす(リパケッタイズ)ということをしているので、そこに差が発生する(USBのプロトコル自体はフルコンパチなので)のであろうか? ちょっと頭の中が混乱する。USB 5V電源による悪影響は云うに及ばずなのだが、そちらはそもそも電源線をカットしており使用しないので、、、ちょっと論理がぐるぐると混乱する。

ま、下手な考え休むに似たり、だ。差が有るや、無いや、そののための実験である。オーディオにおける「音」は必ずしも理論、理性で裏打ちされるものばかりとは限らない。そこが面白いんじゃないか。で、以下のような2ケースで聴き比べてみた。

CASE1:ノイズフィルターをかましたUSB拡張カードからUSBアイソレータを経由してX-DDと接続。
CASE2:マザーボードから直出しでX-DDCと接続。(いずれも電源線なしのUSBケーブル)

USB3.0拡張カードを使用したテスト構成図:


PCオーディオにおけるUSBの功罪はいろいろとあり、それぞれ語られてきたと思う。だが、大きく影響を受けるような部分はどこなのか知りたいと思うのだ。 で、結果の音である。

・・・・・・わからん、、、、、

良くなったとも、悪くなったとも判断できない。USBの功罪は喧伝されて久しい。素の状態が決して良いとも思わない。それ故いろいろな対応、対策を行ってきた。都度良くなったと思える部分も確かにあった。特に明確に感じたのは電源線のカットと外部給電なのだが、その部分は今回のテストではCASE1、CASE2とも同じ構成になっている。そこと比較すればUSBコントローラチップへの電源供給の質はあまり影響がないのか、それとも元々マザーボードへの電源供給している24Pinに対して全てに既にフィルターを入れている効果か、、、あるいはこの廉価なUSB拡張ボードのコントローラチップ自体はPCI-eケーブルからの給電で駆動されているということかもしれない(フィルターを挿入したSATAケーブル経由の給電ではなく)。ここは正直判らない部分である。

ま、こういうこともある、とここでは意気消沈せずに開き直るしかない。今日はちょっと湿度が高かったので、スピーカーの振動板がやや重くなり鋭敏さを欠いていた、という理由にしておこう、、、

で結局様子見ということで、このUSB 3.0拡張カードを経由して、X-DDCと接続(電源線カットUSBケーブル、USBアイソレータ無し)するという、前述のテスト構成ではない環境でもうしばらく様子を見てみることとあいなった。全く論理的ではないと、当方も感じているのだが、、、


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