オーディオ日記 第38章 つぎなるものは(その11)2016年7月21日


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このところ、JPLAY関連にどっぷり状態なのだが、 JPLAYの酸いも甘いもを知り尽くした訳ではない。ただ、どうもここは当方の安住の地ではないような気がしている。それは音がどうのこうの、という世界ではない。単に使い勝手や安定性という感性の部分なのである。ひたすらシンプルに望むように音楽が聴けなければならない。マウスでの画面操作やキーボード操作などそもそもしたくないし、いちいち確認や問題判別をしなければならないような脆弱性は目標とする「居眠りしながらMozartを聴く」ということには適合しにくい。

この観点からは残念ながらJPLAYは当方にとっては満点とはなっていない。一方で長らく使ってきたVoyageMPDでは高い信頼性と安定性、iPADからの俊敏な反応、操作性という観点ではすべて合格点なのであるが、音を比較してしまえばもどかしさは残る。あれも、これもという贅沢な要望は未だPCオーディオの世界では望み得るものではないのか、という一種の飢餓感が残ってしまっているのだ。加えて、USBインターフェースという根本的な課題はできる限りの手は打ったつもりでも納得の境地にはたどり着けてはいない。

この方向で更に進むべきなのか、少し方向を変えるべきなのか、迷いは尽きないのだが、可能性は模索していかねばならない。ひとつの大きな流れとしてはやはり「デジタルミュージックサーバー」と昨今呼ばれる機器だと思う。音源保存管理機能+再生コントロール機能+デジタル出力/アナログ出力機能を統合した機器が今後の主役になっていくのではないかと予想している。

もうひとつのヒントとしてPCそのものは当方のオーディオの入り口のベースとしつつも、USBインターフェースからの脱却ということが頭の隅にある。そのアイデアとは Dante Audio Network を始めとする、LANをベースとしたインターフェースである。これはプロ用の世界では徐々に広まりつつあるという認識はあるものの、当方のようなアマチュアで使い切れるものなのか、現時点では研究不足もあって結論は出し切れていない。(国内ではプロ用の世界でYAMAHAが積極的に推進しているようだ)

そんな中で、オーディオ愛好家向けにDanteを中心とした取り揃えを S&Kオーディオ というところが推進しているという情報をいただき、具体的な検討を始めてみたいと考えている。

自分なりに(良く分かっていない中で)若干の調査をしてみて夢想したプランは以下。

送り出しは何の変哲もないPCと再生アプリがあれば良い。ASIOデバイスをシミュレートするような方法としてDante PC Adaptorというソフトウエアを使うという方法もあるらしいのだが、基本は物理的なインターフェースであるDante PCI-e Soundcardを使用し、これがDante NetworkへのLANでの送り出しとなる。前提としてはPCI-eカードが挿せるPCであることくらいか。OSは現在のところWindows/Macベース。従い、通常のデスクトップPCと同じと考えて良さそう。デジチャンやEQなどのDSP機能はPCのソフトウエア上で処理される。

Dante Networkに対して受け口となるのは、Danteに対するデジタルI/F機能(BrooklynⅡ)、DAC機能、更には8chのパワーアンプまでがAll-In-Oneとなるような機器である。つまるところ、この機器( VT-EtPDAC )を導入すれば何とBOXひとつで4way構成の後段を組んでしまうことが出来る訳だ。PC+Danteインターフェースカードを前段として、後段はこの機器1台。(もしかしたら、間にハブは必要かもしれないが)

左様な構成とすれば、単体としてのデジチャンや複数のパワーアンプはそっくり不要となる。何とシンプルなことか!加えてUSBインターフェースは介在しないのだ。音量調節は基本PC上のDSP処理による電子ボリューム(?)だと思われる。この点は多少気になるところ。従って、おそらく現在使用中のL-PAD型マルチチャネルマスターボリュームの類は使えないかもしれない。などなど、細かい点やどこまでPC上の操作介入が必要となるのか、等は実地で確認してみる必要があろう。

現用の4way用のパワーアンプはロートル物が揃っているためにいずれ更新を考えねばならないと思案しているのだが、それを考えるとこのようなシンプルな構成の有り様については肯定的にならざるを得ない。もちろん最終的にはオーバーオールな音であり、操作性、安定性ではあるものの非常に興味の持てる方向ではなかろうかと考えている。まだ、妄想、空想の域を出てはいないので、思い違いや誤解などあるかもしれない。しかし、十二分に検討に値すると思う。

「デジタルミュージックサーバー」の方向では(デジタル出力があることが前提ではあるが)、デジチャン以降の我が家の機器構成は基本変わらないので、こちらの選択が多分一番現実的なのだが、、、これは実のところ旧態依然たる構成でもある訳で、飛躍するような「突き抜けた」感はしない。いずれにせよ、実物での確認を近々にも行いたいと考えている。


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