オーディオ日記 第31章 夢の中へ(その5) 2012年10月2日


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戻れなくなってしまった、、、

デジタルチャネルデバイダの使い方として、0dB(フルレベル)デジタル入力とし、デジチャンで一度のみD/A変換をさせる、という接続構成が「きっと良いはず」という頭の中での理論的あるいは妄想的思考から、あり合わせの構成でまずは 実験 してみたが、元のアナログ入力によるデジチャンの接続構成に戻せなくなってしまった。出てくる音の自然さが心に浸み込んで、聴けば聴くほどに、何とも気持ちが伸びやかになって心地良いのだ。これは最早手放せない。アナログのチャンデバのような肌触りの良さを保ちつつもデジチャンのチャームポイントでもある明晰さがしっかりと享受できるのである。やはりこれがデジチャンの本領発揮をさせる使い方なのであろう、と改めて確信するに至った。妄想は正しかったのかもしれない。いくら性能が良い、というDACでも二重に入るということは音の感触を悪化させる大きな要因なのであろう。

さて、そうなると6chを一括で音量調節をさせるための「マルチチャネルマスターコントローラー」がどうしても必要となる。電子式ボリューム等をあれこれと検討しているのであるが、適当な製品がないため手短かには手に入らない。特注品をお願いするにしてもそれなりの手順や期間が必要となってしまう。さりとて、旧来のアナログ接続の方式には最早戻れない。テスト構成のまま、2台のプリアンプ機能で2wayの音量調整をそれぞれで行うのは、実験としては許せても実用としては微妙である。
(注)2wayでの実験なので、低域側で音量の絶対量を調整し、高域側で音楽のプレゼンスが適量になるように調整して、全体のバランスをとる操作となるのだが、いろいろなジャンルの楽曲を試していると「好み」となるバランスが同一ではないことに改めて気付かされる。ということは、2wayで良ければ、2個のフェーダーを用意し楽曲に合わせて微妙に高域側を調整すれば、実は事足りてしまうのでは?とも思った。流石に3wayでは試す気にもならないが。

もうすぐ新しいエンクロージャーとホーンがやって来るので、大きな構成変更などは意図していなかったのであるが、もはや止められない。エンクロージャーとホーンが来る前に、デジチャンの部分を固めておくことが肝要とばかり、あれこれと思案した挙句、思い切ってシステム構成を以下の通りに変更してしまった。

フロントセクションの構成図
New Configuration for Front Section

ドライブセクションの構成図
New Configuration for Drive Section

つまるところ、6ch連動ボリューム調整機能を持つプリアンプCX-260を新たに導入してしまったという訳である。マルチチャネルの音量調節が可能なプリアンプは製品として若干ながら存在している。ただ、最近はあまり流行らなくなったようで、このプリアンプも既に販売は終了しているものだが、ラッキーなのか不幸なのかは判らないが何ともタイミング良く入手することができた。ただし、これは電子式ボリュームではなく、従来のアナログボリュームである。現時点では電子式ボリュームの音の経験がなく、いきなり特注品を導入してしまうことは正直に云えば躊躇もあったので、まずはこのような構成での経験を積み上げたいと考えた(まあ、衝動買いの後付の理由かも)。また、せっかくの「マルチチャネルマスターコントローラー」であれば、やはりリモコンによる音量調節機能は是非とも欲しいと考えていた。これはVoyageMPDにてランダムに音楽再生をさせることが多いのであるが、楽曲によって音量・音圧の違いが結構あり、それをリスニングポジションで「居ながら」にして微調整をしたい、というもの。もちろんこのような機能は再生プレーヤ側にもあるが、PC上では勝手にデジタルデータに細工をさせず自分の音量判断でコントロールしたいのである。幸いにもCX-260はこのリモコン機能があり、このことも選択の一つの理由となった。率直に言えば、6chの一括音量調節+リモコンという機能だけで、この製品を導入するのはちょっともったいない、という気もかなりしたが、これは勢いで(財布の中身を考えずに?)押し切ってしまった。

ドライブセクション:ここにCX-260を収めた(リスニングポジションからのリモコン操作のため)
Accuphase CX-260

ちょっと残念なのはCX-260は6ch入力端子がアンバランスのみでXLRケーブルが使えないこと(出力側はバランスサポートなのであるが)。新たにRCAケーブルを調達しなければならなかったし、いろいろと弄り回すことの多い当方としてはXLRケーブル(キャノン端子)の着脱の手軽さ、安心感はちょっと捨てがたく思った点でもある。

フロントセクション:DF-55はこちらに(プリアンプはお休み中)
Accuphase CX-260

なお、アナログディスクについても、まだ本格的に聴き込めてはいないが、基本的には一回のA/D変換、D/A変換で再生できるような構成とした(デジチャンを使う上ではアナログ再生にA/D変換が入ることは避けて通れない)。プリアンプにフォノイコライザが内蔵されているタイプなので、プリアンプからのREC-OUTを使用する訳である。A/D変換はデジチャンへのダイレクト接続では24bit/176.4KHz、デジイコを通す場合は24bit/96KHzとなる。どちらを常用として行くかは、新しいエンクロージャとホーンの設置・チューニングに絡んで、周波数補正にデジイコが必要となるかどうかによる。できればデジイコは「使用しない」で済むことを願っているが、これは今後の楽しみの部分としておこう。

直前になって多少ばたばたしてしまっているが、さて、これで 新しいエンクロージャとホーン を迎える準備ができたように思う。万端とまでは行かないけれど。う~ん、それにしても「今一歩の向上」を目指すはずが、ちょっとした散財となってしまった。救いの無い愚かさと自嘲しながらも、「還暦」という節目を迎えた自分へのご褒美ということにしておこう。


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