オーディオ日記 第31章 夢の中へ(その4) 2012年9月29日


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デジチャンの使用に際し、DACでのD/A変換、DF-55でのA/D変換という云わば「余分な処理」を避け、デジチャンで一回だけD/A変換させるためにも「マルチチャネルマスターボリューム」への移行を図りたいのであるが、すぐに実現ができる見通しは立っていない。入手可能な機器を探したり、特注での製作依頼なども考慮にいろいろと情報集めをしているところである。

しかしながら、その効果のほどについて、我が家の機器構成で何とか実験できないかとあれこれ考えてみた。プリアンプとプリメインアンプがあるので、音量調節機能は2way分ならば確保できる。プリメインアンプはプリアンプ機能とパワーアンプ機能が切り離せるタイプであることが幸いしている。となれば、以下のような構成で、低域と高域の2wayマルチでの実験対応が可能である。ボリュームコントロールについては低域、高域別々に調節しなければならないが、まあ実験レベルなので良しとしよう。

テストの構成図
Test Configuration No.2

テストを実際に行うに際しては、接続ルートを考えて設置を大幅に変更しなければならないが、やってみようとなったら「待った」はない。重い機器を例によってひ~こら言いながら場所移動。DF-55の0dBデジタル入力時の保護回路の設定を解除。特に結線については最大限の注意を払わないと、0dBデジタル入力によってスピーカを飛ばしてしまうことにもなりかねないので、慎重にも慎重に。2wayなのでツィータは使わないため、ドライバー側の高域側は「PASS」の設定でスルーの出力とする。

テスト時の風景
Digital Channel Devider Test

結線完了後、再確認をした上で、各アンプの出力を最大限に絞ってから、プリアンプのアッテネッタースイッチを入れた状態で、おそるおそるアンプのパワーオン。CDをかけながら、低域から左・右、続いて高域の左・右と徐々にパワーアンプの出力も上げながら、間違いの無いことを確認。どうやら大丈夫のようだ。最後にパワーアンプの出力レベルを通常使用している設定にしてから、音楽を聴き始める。低域と高域でそれぞれに音量調節をしなければならないのでまずはバランスをとる。アンプのゲインがほぼ同じなので、それぞれのボリューム位置はほとんど変わらず、存外に音量調整がやり易い。

出てきた音楽は、始めはこのデジチャンのアナログ接続時と余り変わらないようにも感じた。まあ、使用している機器等が基本同じなのでがらっと変わっても困るのであるが。曲ごとにそれぞれ音量調節をするのは面倒なので、これで良い、というバランスになったら、ボリュームをいじらずに音楽を聴くことに集中するようにした。当然ながら、音のバランスや出方には大きな差が感じられない。アナログ接続時でも感じられたこのデジチャンの音の良さに変化はない。ただし、気負って、踏み込んで、聴いている部分もあるのかもしれないが、不思議に音に気持ち良さが感じられる。何だか優しい、柔らかい。パイプオルガンやコントラバスなど低音系の音を少しボリューム上げた設定にて聴く。 ・・・・・無言。

何だろう?

聴こえ方に違いがあるようにも思われないのだが、音楽自体が楽しい。自然な感じがする。低域が力強い。アナログチャンデバのような押し出し感もあるけれど、少し違う。見通し感がある。

これは音の差? プラシーボ効果? 今日のところは構成をアナログ接続の構成に戻していないので元の状態とは較べられないが、これは戻したくないな、、、と感じる。とにかく、もっとたくさん聴いてみよう。

やはり一度だけD/A変換をするという、シンプルな構成がこの自然さに寄与しているのであろうか。心の中では既に「一刻も早くマルチチャネルマスターボリュームを入手しなければ」との声が渦巻き始めている。

ドイツ製プロ用機器で8chの連動ボリューム機能を持つ SPL Volume8 という手頃な製品があるにはあるが、いざ調達となれば、アナログ式ボリュームではなく、電子ボリュームタイプの6chのものが欲しくなってしまう。ただし、製品として市販されているものはまだ見つかっていない。やはり特注品となってしまうのであろうか。


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