オーディオ日記 第27章 この先にあるものは (その9) 2011年6月16日


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先に、 XP、VISTA、Linux(UBUNTUSTUDIO)での比較試聴 を行った時は、Linuxに若干のアドバンテージを感じたが、FidelizerによるWindowsの環境改善設定により、VSTAのみならず、XPでも相応の効果が認められため、メインのオーディオ環境にてXPとLinuxの対決を行わせることとした。まずは再生専用PCにおける環境作りであるが、以下の比較環境を想定し、Linux側の導入、設定作業を実施した。なお、毎度のことながら、自分にとって理想的なPC環境構築を目指したいが、導入・環境設定に際してはいろいろとままならぬことが多く、あれこれと比較試聴以前に苦労してしまう。まあ、インターネットにていろいろな情報を集めて、設定、確認しながら、環境構築を行うのもそれなりに楽しいのではあるが。今回はHDMI接続のTVが再生専用PCのモニターとなるので、その関連から、Linux/ATIのグラフィックアダプター周りにシビアなバグがあったらしく、BOOT途中で落ちたりするという不安定かつ厄介な問題に遭遇し、その対応手当てをするのにまたまた難儀してしまった次第。 正直、あまりにLinuxが不安定なので、何回も途中で投げ出そうかとも思ったが、どうにかこうにか解決のための情報に辿り着けた。

再生専用PC(HTPC)における比較のための基本構成
1.WindowsXP環境:XP SP2 + Fidelizer +ASIO4ALL + Winamp (24bit出力設定)
2.Linux環境:Ubuntustudio11.04 + Pulseaudio + Rhythmbox (24bit出力設定)

(注)XPは内蔵SSDから、LinuxはUSB HDD(外付け)からのブートとしている。その他のハードウエア環境はこの点を除き同じである。また、当然ながら後段のオーディオ環境はボリューム設定を含めて全く同一としている。

試聴環境の詳細は以下の通りである。
1.楽曲ファイルはNASへ配置したFLACファイル(44.1K/16bit)を無線LAN経由で使用。ただし、Win/LinuxともPCからのデジタル出力は24bit の設定としている (ONKYO SE-200PCI経由)。
2.再生専用PCはブラックボックス化させるため、ディスプレー表示等を一切せず、手元のノートPCですべての操作をリモートコントロールする。
(注)WindowsXPではリモートデスクトップ、UbuntustudioではVNCをそれぞれ接続用に使用。
3.デジタルセクションはこのところの PCオーディオ構成 と変わりなく、全体のクロック同期をAntelope Isochrone OCXにて実施。
(1)DDC(Behringer SRC2496)にて44.1Khz/24bitを88.2KHz/24bitへアップサンプリング。
(2)DEQ(Behringer DEQ2496)にて88.2KHz/24bitのまま周波数補正を行う(補正内容は従来からの設定を変更せず)。
(3)DAC(EM-DAC4399 Oct)にてDA変換前に176.4KHzへアップサンプリング。
(4)DACのアナログ出力はXLR接続(ZAOLLA)にてプリアンプ(Accuphase C-290V)へ。


さて、肝心の比較試聴の結果であるが、これは双方の差を捉えることが難しいレベルにある。また、いちいちOSを立ち上げ直さなければならないこともあり、単純な切替試聴はできず、ぱっと聴きの印象の差を捉えることでは音質の傾向、方向を間違う可能性が高い。(駄耳を恥じる次第である)従い、現時点では音の比較において優劣等を軽々には結論付けることができない。相当いろいろと聴きこまねばならないと覚悟している。また、それが楽しみでもあるのだが。音が同じなら、どっちでも好きな方にすれば良いのでは、と思うところでもあるが、いやいやチャレンジが大事と自分自身に言い聞かせている。(聴き込んだ上で別途比較試聴の結果を取り纏めようと思うが)


(参考)比較試聴の環境構築にて、気が付いた点など。
1.プレイリストの共有
NAS上で楽曲ファイルのみならず、プレイリスト(~.m3uのファイル形式)まで共有させており、Windows同士であれば全く問題無いが、やはりWindows環境とLinux環境では若干の齟齬があるようである。因みに、Windows環境で作成したプレイリストに日本語の楽曲ファイル名があると、Linuxではプレイリスト自体がうまく読み込めないし、その逆のケースではプレイリスト内の日本語ファイル名が文字化けしてしまう様でこれもうまくない。文字コードの問題とは思うが、現時点では解決策は見出せていない。まあ、あまり重要な問題ではないが、ちょっともどかしい。

2.iPod Touch等によるコントロール
今回はノートPCからのリモートコントロール環境構築までが精一杯で、リモコンデバイスによる楽チン制御がLinuxではまだ出来上がっていない。音の比較は前述のようにかなり微妙なレベルであるので、このような使用環境面での不足があると、恒常的なシステムとしての採用には至らない。この辺りももう少し調べてみようと思う。PCオーディオの初期段階から較べると随分と贅沢になってしまったものと、自分でも呆れるが。


(追記)この様な比較試聴を行っていると、MacOSにもアプローチしなくてはイケないのではないか、という「悪魔の囁き」が聞こえてくる。当方は楽曲ファイルをFLACに統一することを決めているので、FLACをサポートしないAPPLEの姿勢は許容し難いのであるが、とは云えMacOS環境でもFLACをサポートするサードパーティのソフトウエアがいろいろと増えてきたことも事実。さて、MacOSも対象とし、これに蝕手を伸ばそうとするとすると問題となるのはMacそのものの調達。我が家にはMacは2台あるのだが、いずれも既に現役とは云えない世代のものであり、音楽再生には使用していない。(一台は何とモトローラ製のStarmaxというMacOS互換機で、それも日本未発売のモデル。)比較試聴を行うとなれば、やはりここは最新のMac Book ProかMac Book Airが欲しいというところ。ただし、我が家ではPCはごろごろと溢れている状態なので、敢えて調達するか、非常に悩ましい。一番多く使用するノートPCはWindowsXPとUbuntustudioのダブルブート機であるが、これがスペックも低いので、そろそろ買換え時期かもしれない。ただし、諸般事情あり、Windows やLinuxも時に応じて必要なので、トリプルブート環境を作らねばならなくなる。最新のMacにおけるBoot CampではWindows7のみサポートとなってしまっているので、この点も悩ましいところ。まだまだXPを使い続けたい気持ちもある。一方でWindows7 + WASAPI + Fidelizerも使ってみたい、という誘惑もある。はてさて、どうやることやら。


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