オーディオ日記 第27章 この先にあるものは (その10) 2011年6月25日


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OSを中心としたソフトウエア周りがPCオーディオの再生音に結果としてインパクトがあるのか探求してみたく、全く同じハードウエア環境でLinux (Ubuntu Studio11.04)+RhythmboxとWindows(XP SP2+Fidelizer)+Winamp(AISO4ALL)についての聴き比べを行って来た。その総括である。主観的にはXPとFidelizerの組み合わせが好ましく思えるが、それもかなり微妙。ブラインドで聴き分けられるかというと恐らく無理であろう。率直なところ、差が無いとも、有るとも、断じ切れない点もあり、何とももどかしい結果となった。ただし、この結果には自分としても納得感が無く、不本意でもある。あれだけ散々とWindowsXPの音の悪さに四苦八苦してきたにも拘らず、の結果だからである。OSとして処理しなければならない各種の割り込み処理がWindowsでもLinuxでも確かにそう変わるものでもないので、音楽再生の処理に対して、どのような優先度でスレッドを割り当てるのか、ということが結局一番影響が大きいのかも知れない。それ故にXP周りではいろいろなチューニングを実施して多少の効果を上げて来たし、FidelizerによるOS環境周りの変更が(どこにどの程度の音質に係わるチューニングが施されているのか当方は浅学にして把握不能であるが)やはりこれが相当の効果をもたらしているものと思う。

この結果については、ある程度そうなるかもしれない、と感覚的に予測できなかった訳ではないが、聴感に基づきOS回りのソフトウエアの違い(何せ、ハードウエアならびに以降のオーディオシステムは全く同一、再生ボリュームまで合わせてあるので)を明確に出来ないのはかなり悔しいことである。一般的にはLinuxにおける音楽再生の優位性(MacOSも含めてであるが)がインターネットや雑誌上で表現されることが多いし、当方も何となくそうではないか、とも思い込んでいたこともある。

(注記)厳密な比較試聴にはOS等のリブートを行う手間があるので、限られたソースで行ったが、好みの判断に際しては、再生しっ放しのランダム再生もとりまぜながら行った。(従って、全く同じ曲で較べた部分とそうではない部分と両方がある。)なお、時間を掛けて比較した曲は手嶋葵のThe Roseから「The Rose (Extra Version)」。Extra Versionの方が声の優しさとギターの伴奏が何となくマッチしているようで、最近の好みである。Normal Versionはピアノ伴奏でこれも悪くはないが。歌詞の意味合いも深く、このような落ち着いた曲に心和むことも多い。XPの再生では声の穏やかさがより感じられる点がアドバンテージか。MTBにて転倒し、肩を強打(今も痛む)、擦り傷だらけ、というこのところの身体的な状況も最近の試聴や選曲に影響しているように思えるが。


ただし、これで決着、終り、ということではない。何せ、Linux環境は全くチューニングをしていないし、再生ソフトウエアは当方の好みや使い勝手を優先したRhythmboxである。この辺りにも課題や改善ポイントがWindowsと同様に有るやも知れず、である。となれば、Linuxも多少環境への留意、再生ソフトウエアの選択などやるべきことは沢山ある。

Linuxのポテンシャル追求のため、今まで避けてきた(一重に当方のLinux の知識が不十分だからであるが)mpdによる再生環境構築に改めて挑戦することとした。種々の情報を検索するに、やはりLinuxにおける音楽再生環境として、mpdに挑戦せずにあれこれ語ることはできそうにもない。Linux専用PCにてmpdを稼動させ、ノートPCからmpdクライアント(Ario)で操作する環境を想定し、まだテスト環境レベルであるが、取り敢えずの環境構築と音出しを終えた。暫定レベルではあるが、確かに期待が高まる音がしている。mpdクライアントはかなり多種類あるが、WinampやRhythmboxを使用してきた当方にとってあまり違和感がない Ario を選択した。まあ、mpdクライアントは良い物も沢山ありそうなので、後でゆっくり選べば良いかもしれないなどと考えている。

ところが、ここで壁にぶち当たってしまった。暫定環境では/home上にmpdのMusic Directoryを置いてここに楽曲ファイルをコピーして再生の確認をしたが、基本環境は楽曲ファイルを無線ルータにUSB接続でぶら下げた外付けHDDをNASとして共有、使用している。これをmpdのMusic Directoryとする方法が判らない。現在もいろいろと調べているのであるが、対応策に辿り着いておらず、未完。Rhythmboxの場合は管理・監視するMusicファイルという設定項目あり、ここにGUIにて当該NAS上のディレクトリーフォルダーを指定すれば良かった。mpdは当然ながら、GUIで設定など出来ないので、コマンドレベルで対応しなければならないが、いろいろと調べてもそのやり方が現時点では判らず。基本はNFSマウント(/fstabの設定)と思うのであるが、シンボリックリンクはできない、などと怒られてしまう。/home上に膨大な容量のファイルを置くことは一元管理の観点からも避けたいし、何よりシステムディスクはOS専用の小容量のSSDを使用したい。合わせて、リスニングリームの中で3.5インチのHDDが発熱しながらぶんぶんと回っている状態は何としても避け対と思う。が、どうすればうまく行くのやら。


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