#391 年賀状が届かない!

2017/01/05

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 若い世代はSNSでのやりとりが主流だったり、そもそも個人情報保護法などで昨今は他人の住所も容易には知れなくなったりするなどで、だんだんと数が少なくなってきている年賀状であるが、私は何だかんだ言って、義理を欠かさず出している方であると思う。

 とはいえここ数年は、家族写真に賀詞を添えるという定型フォーマットを使いまわし、宛名とともに自宅のプリンタで一気に印刷するというスタイルで作っており、使う写真さえ決まってしまえばさほど手間をかけることなく完成してしまう。今回はその辺の作業を12月初めには済ませてしまったおかげで、年賀状は受付開始とともに早々に発送し、心静かに年末を迎えることができた。

 ちなみに今年の年賀状には、2年前の春に購入した自宅前で家族で撮った写真を使った。本当は昨年の年賀状に使うつもりが、一昨年に父が亡くなって喪中となってしまったので、今年の年賀状まで使う機会がなかったという次第である。

 一方で前にも書いたとおり、自宅を購入した直後に異動となって、私自身は現在単身赴任中である。その際は、郵便物が自宅から単身赴任先の住所に転送されるように、郵便局に転居届を出している。これを出しておけば、1年間は旧住所宛ての郵便物を新住所に転送してくれる。

 今年は私が単身赴任して1年以上が経過しているが、正月は自宅で家族とともに過ごすことから、いただく年賀状も自宅に届けてもらえるよう、昨年の喪中欠礼も今年の年賀状も、自宅の住所を書いて出していた。

 ところが、喪明けで2年ぶりにもらうはずの年賀状が、自宅にも単身赴任先にもさっぱり届かない。不審に思って自宅の集配局に問い合わせたところ、転居届の転送期限が切れた場合は、旧住所宛に送られても、受取人不明で差出人に返送するという手続きになっているとのことである。ちなみに、住所を変更していない妻との連名で送られた年賀状の場合は、無事に届いているようである。

 私としては、転居届の効力が切れた以降は、これに関係なく書いてある宛先に送られるものだと思っていたので、これには少々困惑した。確かに普通の転居であれば、他人に郵便物を読まれる危険性を回避するための措置だと考えれば理に適っている。しかし、旧住所に引き続き家族が住んでいようが、表札をかかげていようが、お構いなしに受取人不明にしてしまうというのはいささか予想外であった。年末に私宛に送られた喪中欠礼がちゃんと自宅に届いていたこともミスリードであった。(郵便局に言わせると、そっちの方がイレギュラーなのだそうだ。)

 自宅から単身赴任先への転居届を出したあとで、転送期限が切れたあとも自宅宛ての郵便物が届くようにするには、自宅の集配局に連絡してその旨依頼するか、転居届の効力が切れる前に旧住所の欄を未記入にして新住所に自宅の住所を書いた転居届を出せば良いとのことである。

 ただまあ、家族を残した単身赴任というケースはそれなりに多いと思うので、転居届の効力が切れた以降の措置として、旧住所に家族が残っている場合は旧住所宛でも届けるようにするとか、旧住所宛の郵便物の扱いを受取人不明とするかそのまま届けるか選択できるようにするとか、融通のきかせようはありそうなものなのだが。

 私宛の年賀状が届かないのを不審に思って、わざわざ集配局に問い合わせてくれたり、妻との連名にして出しなおしてくれたり、かわりにメールで挨拶を送ってくれたりした人もあり、方々に迷惑をかけてしまったようである。そんなわけで、年が明けたあとで、その辺の経緯をしたためた寒中見舞いを、年賀状を送った方々に改めて送った次第である。単身赴任で転居届を出される皆様は、くれぐれもご注意いただきますよう。


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