#370 まだまだ単身生活

2015/05/17

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 マイホームを購入し、家族の転居もどうにか終わったところであるが、私にも、今いるところから遠く離れたところへの異動の話が来た。またしばらく単身生活が続くわけだが、それまでは家族の住む家まで電車で30分ほどのところだったところが、今度は飛行機を使っても移動に半日がかりのところなので、なかなか大変である。

 というわけで、私の一人暮らしのささやかな荷物であっても、引越しのために荷造りして運び出さなくてはならない。先日のマイホームへの引越しの際は、シーズンオフということもあって引く手数多の安売り合戦だったのだが、今回はいくつかの引越し業者に電話してみても、年度末の書き入れ時のためか、そもそも門前払いだったりする状況で、ようやく見つけた業者も、提示してきた金額は先日の家族の引越しの倍以上かかると言われてしまった。荷物の量は大したことがなくても、移動距離がかなりあるので、それだけの金額になってしまうらしい。

 とはいえ、単身の引越しに何十万円もかけるのはさすがにばかばかしい。それによくよく考えれば、引越屋のトラックでなければ運べない荷物というのは、机や椅子や布団くらいしかなく、あとはダンボールに詰めて宅配便でも送れてしまう程度のものである。

 そこで、自分の単身用の荷物は、一旦マイホームの方に引き上げることにし(近距離なので費用は1/3で済むとのこと)、その上で、ダンボールに詰めた荷物だけを宅配便で送り、大型の家財(机や椅子や布団)は、改めて新しいものを通販で買って直接届けてもらうことにした。そうすれば、新調する家財を含めて、今の荷物を直接送る半分の金額ですむ。

 宅配は、同一のあて先に複数個口送ると割引がきく「ゆうぱっく」を利用し、赴任先のアパートの入居予定日に期日指定で送ってもらうことにした。その他、新調する机や椅子や布団も、入居日のあたりで宅配便で配送してもらえるように注文する。宅配便であれば、万一受け取れなくても後日再配達を頼むこともできる。

 自分自身の移動については、赴任日を決めてから、ネットで一番安い航空券を手配する。2週間くらい前であれば、いわゆるLCC(Low Cost Carrier)の変更不可の航空券だと、かなり安く手配することができる。予約して指定した口座に銀行振込すれば、カウンタで発券するためのコード番号などをメールで送ってくれるので、それをプリントアウトして、当日持っていけばいい。

 そんなわけで、赴任当日は朝の早い便で赴任地へ向かう。家族が空港まで送ってくれるというので一緒に出たはいいが、ちょうど朝のラッシュの時間帯に重なり、電車が遅れがちで、別ルートを模索しようとしてかえって裏目に出たりして、子供は満員電車で泣きそうになるし、乗り継ぎや空港で走ったりしてばたばたし、空港に着いた時には出発の30分前を切っていたが、どうにか予定していた便に乗ることができた。

 赴任地に着いたら早速通勤定期を手配し、職場に顔を出し、夕方は転入手続きのために市役所へ。年度初めの時期は市役所も転入手続きの窓口を延長してくれていたのでありがたい。終わってからアパートへ行き、ほどなくしてガスの開栓と、配送を頼んでいた小荷物の受け取りがばたばたとやってくる。

 家族との連絡については、同じキャリアの携帯電話で通話料タダで電話できるようにしたほか、Webカメラを2台買って、Skypeを使ってみることにした。赴任地でも家族の住む家と同様、定額の光回線のネット環境を導入することにしたので、特に追加投資も必要なく、好きなだけテレビ電話がかけられる。

 そんなわけで、だいたい夕飯時になると、電話をかけてみて、お互い都合がよければSkypeで会話する。画面をはさんでではあるが、お互いのリアルな様子がわかるのはやはりテレビ電話ならではである。息子はオセロやバックギャモンが好きなので、私のタブレットに入れてあるそれらを2人対戦モードにして、それをカメラで写して、リモートで対戦したりしている。便利な電脳小道具のおかげで、それなりに満足した単身赴任生活を楽しんでいる。


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