#369 家を買う(転居編)

2015/04/15

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 マイホームを購入し、転居のための下準備をいろいろと整えて、いよいよ家財を含めた転居である。

 歩いて10分くらいのところへの転居とは言え、家財の量を考えると、やはり引越し業者にお願いするしかない。これについては、購入した住居を建てたハウスメーカーが、契約している引越し業者を紹介してくれるので、相見積もりを取って、希望に適う業者を見つけるために、一応紹介してくれる業者すべてに見積もりを依頼した。

 やがてハウスメーカーを通じて連絡を受けた業者が一斉に連絡を寄越してきた。自己都合による引越しなので、年度末の引越しシーズンを避けて、だいぶ先の日程で引越し予定日を設定していたためか、どこの業者も仕事を取る気満々で、早々に見積もりのための訪問をお願いしてくる。たった一日で5社から連絡があり、それぞれバッティングしないように妻の予定とも調整しながら、三日に分けて見積もりをお願いした。

 一人暮らしの頃の引越しは何度かやっているので様子はわかっているし、荷造りなどの準備も一人でやっていたものだが、今は家族もいて、14年近くも同じ家にいたので家財も多く、私自身も週末以外は仕事があって身動きが取れないので、基本的に荷造りまで含めて業者にやってもらうプランでお願いすることにした。

 引越しにあたって厄介なものが2つある。一つはエアコンで、これは取り外しや取り付けに別途費用がかかるケースが多い。場合によってはエアコン本体の価格より高くなる場合もある。我が家のエアコンは、この家に引っ越してきて間もなく買ったもので、すでに10年以上使っているものであるから、はっきり言って買いなおした方がいいですよと引越し業者にも言われる始末なので、処分だけお願いして、新居には持っていかないことにした。新居での夏を迎えて、必要になったらまた買うことにしよう。

 もう一つはピアノで、これについては調律も含めて、別の業者にお願いする必要がある。我が家のピアノは電子ピアノなので調律の必要はないが、それなりに重量もあるしデリケートなものなので、引越し業者自身には手に負えないことに変わりはない。

 結局5社の相見積もりを取って、エアコンの処分とピアノの別搬送を請負ってくれ、一日で荷造りと運搬をやってくれるという業者の中から、一番安い値段をつけてくれたところにお願いすることにした。

 ちなみに最近は見積もりも電子化されてきているらしく、だいたいの家財の量と時期をタブレット端末に入力すると、見積もり額やその明細が作成され、持ってきた小型のプリンタで出力してくれるようである。専用の書類に記入して、営業の人がざっくりと金額を出して写しを渡してくれるという、昔からの方法に比べるとスマートである…と言いたいところだが、重そうなタブレットとプリンタをかかえ、せっせと紙をセットして印刷させたりするのは、かえってあまりスマートな感じはしない。

 ちなみにエアコンのほかにも、いい加減古くて新居ではもう不要になる家財もあるので、それらは事前に自治体に粗大ゴミ処理をネット予約しておく。専用のページから品目と個数と収集希望日時を入れて予約し、あとは必要なゴミ処理券をコンビニなどで購入して、指定された日にシールを貼って出しておけば回収してくれる。古くなったガス台だとか蛍光灯のペンダントとか子供の小さい頃の遊具とか、引越しの日に都合10個口くらい出すことにした。

 荷造りもお任せのコースにしたとはいえ、自分で荷造りしたいもの(他人に触られたくないもの)などは荷造りできるように、あらかじめダンボール箱が少し事前に届けられたものの、数個作っただけで、あとはお任せの状態で当日朝を迎えることになった。

 当日は、まず4人くらいの女性スタッフがやってきて、どこの部屋のものを新居のどこに運ぶかについて、大雑把に指示し、その他細かいところは質問に都度回答することで、どんどんと荷造りをやってくれる。我が家の引越しの場合、事前の見積もりよりも荷物が多かったようで、ちょっと予定よりも時間がかかっていたようだが。

 そして午後になったら4tトラックとともに男性スタッフがやってきて、荷造りされた荷物をどしどしとトラックに詰めていってくれる。ただ、これも見積もり違いがあって、結局すべての家財が入りきらず、二回に分けて運ぶことになってしまった。いかにいろんなものを溜め込んでいたかがわかる。

 おかげで近所への引越しなのに、朝の9時から夜の10時までかかってしまったが、どうにか無事に引越しを終えることができた。これからがんばって荷解きをしていかなければ。


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